9月16日、川崎フロンターレがIAIスタジアム日本平で清水エスパルスとのJ1第26節に臨むのを前に、カシマサッカースタジアムの少し先、鹿島学園高校のサッカーグラウンドへ。プリンスリーグ関東は第13節を迎え、前節三菱養和SCユースに2-4、今季初めての連敗となった川崎フロンターレU-18は、鹿島学園とのアウェーゲームに臨みました。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第13節 vs 鹿島学園高校】
9月16日(土)午前11時キックオフ 鹿島学園サッカーグラウンド 曇り
フロンターレは、三菱養和戦で退場した11デューク・カルロスが出場停止。先発は、GK1早坂勇希、DFは右から5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、23島崎元、ボランチはゲームキャプテンの15池谷祐輔、7桝谷岳良、右MF9山田新、左MF10村田聖樹、トップ下13大曽根広汰、FW18宮代大聖。
鹿島学園の先発は、GK1稲津右京、DFは右から2水野志乃哉、3對馬佳祐、22佐藤悠、5井上瑠、ボランチは6深貝陸、キャプテンの7梶野航平、右MF13向山裕麻、左MF8飯塚寿輝也、FW11金原朝陽、9冨岡大智。
FIFAアンセムが流れる中、両チームの選手たちが入場。曇り空、やや強い風が吹き抜けるなか、試合は始まりました。
両チームともに慎重な立ち上がり。フロンターレは桝谷が裏を狙ってパスを出すのに対して、鹿島学園はマイボールにすると、冨岡がサイドへ流れてボールを引き出す動きを見せ、それを狙って後方からボールを入れますが、フロンターレは高吉が寄せてボールを納めさせず。
3分にはフロンターレ、右サイドから大曽根と山田の連係から攻勢に。エリア外右、大曽根が仕掛けていき、エリア前へボールを送ると、受けた村田がファールを受けて、フロンターレにフリーキックが与えられます。キッカーは前節、直接フリーキックを決めている小川真輝。直接狙いますが、ボールは上へそれて決めることはできず。鹿島学園も7分には左サイドでフリーキックを得たところからセカンドボールをキッカーの井上が拾い、エリア外右、梶野が迫りますがここは大曽根がよく体を寄せてシュートには持ち込ませず。直後にも鹿島学園が立て続けにコーナーキックからゴールへ迫りますが、セカンドボールを拾ったところからの梶野のシュートは村田や大曽根がブロック。枠へは飛ばさせず。
17分には鹿島学園、冨岡から左へ展開、金原が仕掛けていき折り返すと、冨岡がエリア内へ迫りますが、ここは早坂が先にボールをキャッチ、シュートにはつながらせず。鹿島学園が距離感良くフロンターレのゴールへ迫る時間がさらに続き、18分には右サイドへ向山が抜け出し、エリア内へボールを入れてきますが高吉がブロック。こぼれ球を拾った金原のミドルシュートは早坂が前に弾きながらもセーブ。こぼれ球に冨岡が詰めますが、早坂がすばやく触り枠へは飛ばさせず。直後には鹿島学園のコーナーキックをしのいだフロンターレも早坂が切り替えよく前線へボールを送り、宮代が桝谷とのパス交換からエリア前に。シュートはブロックされますが、さらにこぼれ球を拾って小川真輝がクロスを入れるも鹿島学園に阻まれてコーナーキックに。右から桝谷がボールを入れると、最後は山田がシュートを打ちますが枠はとらえられず。
鹿島学園のサイドからの攻めに対しては早坂が確実にクロスをキャッチするなどしていくフロンターレは、高吉や新井が最終ラインを上げてコンパクトにし、ボールを回せるように。高吉がボールを持ち上がって右サイド高い位置の小川真輝へボールを入れてクロスにつなげるなど、ゴールをうかがっていきます。25分には高吉のフィードを左サイドの高い位置で納めた宮代が仕掛けてエリア前に。右足を振り抜くもシュートは枠はとらえられず。
直後には鹿島学園も冨岡から右へ展開。向山がエリアへ仕掛けていくも高吉がこれに対応。鹿島学園も最終ラインからボールを回して組み立てていきますが、フロンターレは宮代や大曽根、山田が前から連動してプレッシャーをかけていき、スローインを受けて起点になろうとする冨岡には桝谷がうまく体を入れてファールを誘うなど、対抗していきます。
29分にはフロンターレ、早坂が前線へ送ったボールをエリア外左の高い位置で宮代がファールを受けると、小川真輝のフリーキックが枠右をとらえますが、ここはGK稲津が対応。
フロンターレは大曽根が池谷や桝谷とかかわって中央から組み立て。ボールを回していき、30分には村田がエリア前に。しかし、シュートはブロックされて枠はとらえられず。さらに大曽根から右へ展開すると、小川真輝がエリア内へボールを送りますが、シュートにはつなげられず。一方の鹿島学園も33分には中盤でボールを奪って右へ。向山が右からクロスを入れると、左へボールは流れて、エリア外左から進入した飯塚がシュートを打つも高吉がよくブロック。
大曽根や池谷、村田や桝谷がよくかかわって小川真輝や島崎が高い位置取りでゴールをうかがっていくフロンターレ。鹿島学園の冨岡のプレスバックを受ける場面もありましたが、中央からボールを組み立てていきます。37分には池谷のパスに小川真輝が右サイド高い位置へ抜け出しシュートを打つもワンタッチあり枠へは飛ばせず。直後には鹿島学園もカウンター。右から向山が仕掛けていきますが、桝谷がよみよくボールをカット。マイボールに。40分には小川真輝のパスにエリア前に抜け出した大曽根がシュートを打つもブロック。41分には桝谷のスルーパスに村田がエリア内、抜け出してシュートを打ちますがこれは右に。鹿島学園も向山のドリブルやセットプレーからゴールをうかがっていきますが、新井や高吉がよく対応。前半はともにゴールネットを揺らすには至らず。0-0でタイムアップとなります。
後半フロンターレは島崎に代わり27森璃太が左SBに入ってのスタート。立ち上がりには鹿島学園、金原がよく仕掛けてゴールへ迫っていきますが高吉が対応、さらに金原から左へ展開すると飯塚が抜け出すも小川真輝が対応。さらに井上がクロスを入れるも新井や高吉がシュートには持ち込ませず。
4分にはフロンターレのパスの乱れをついて右サイドから深貝がエリア内へボールを入れると、エリア内、金原がボールを納めますが高吉や新井が体を寄せて前を向かせず。さらに鹿島学園の攻勢は続き、冨岡から左へ展開していきますが、山田も自陣まで戻ってボールを奪い取る好守。そこからフロンターレは切り替えて前に。山田から大曽根へボールが渡り、大曽根のスルーパスにエリア左へ宮代が抜け出しますが、ボールを納めることはできず、シュートにはつながらず。
鹿島学園は冨岡が中盤にプレッシャーをかけたところから攻撃につなげていきますが、エリア右へ抜け出した冨岡に対しては新井がしっかりと対応しシュートに持ち込ませず。10分には山田に代わって37有田恵人が右MFに。11分には鹿島学園、冨岡から右へ展開。向山が右サイドの高い位置へ仕掛けていくもここでも森璃太がしっかり対応。エリア内へは近づかせず。さらに井上が左サイドからクロスを入れると、エリア前にボールがこぼれますが、村田がしっかりこれに対応。さらに鹿島学園がフロンターレのゴールへ迫る時間は続きますが、カウンターからゴールへ迫る冨岡に対しては、ファールになりながらも高吉が止めてシュートに持ち込ませないなど、決定的な場面はつくらせずにしのいでいきます。
フロンターレも有田や池谷が連動して鹿島学園にプレスをかけるなどしていきマイボールに。16分には大曽根からのパスにエリア右へ有田が進入するも鹿島学園は井上がこれによく対応。そこから鹿島学園は縦へ速い攻めを見せ、左サイドの高い位置へ、井上が上がってきますが、今度は有田が自陣まで戻ってボールを取り返す好対応。お互いに守備でいい場面をつくっていきます。20分には小川真輝が右サイドからサイドチェンジ、左サイドの高い位置の森璃太へ。森璃太がエリア内へ浮き球を入れると、宮代がこれを納めようとしますが、鹿島学園の選手のプレッシャーも厳しく前を向くことはできず。
鹿島学園は21分には足をつった向山に代わり17池田彪真が右MFに。
フロンターレは、小川真輝が右サイドにはるだけではなくいったんボールを預けてから中盤へ顔を出すなどして打開を図っていき、池谷が右サイドへ動きだす有田を狙ってパスを出すなどしてゴールをうかがっていきますが、鹿島学園の守備もねばり強く、なかなかシュートにはつなげられず。23分には大曽根に代わって24宮城天がピッチへ。宮城が左MF、村田がトップ下に。26分には桝谷がボールを持ち上がり、エリア左を狙ってスルーパスを出すとこれに村田が抜け出ようとしますが、鹿島学園にカットされてシュートにはつながらず。さらに宮城が左サイドから仕掛けてエリア前の宮代へ。宮代から右へ展開すると、エリア外右へ抜け出した小川真輝がシュートに持ち込みますが、鹿島学園のブロックに阻まれ、コーナーキックに。その右からのコーナーキック、桝谷がファーへ入れたボール、新井が飛び込むもさわることはできず。
「時間はある」「焦るな、焦るな」「ゆっくりボールを回していこう」。そう声を掛け合うフロンターレの選手たち。
鹿島学園も29分には左サイドのセンターライン付近での井上のフリーキックのこぼれ球をエリア前で拾ったところから攻勢に出てエリア前に。しかしフロンターレも小川真輝がしっかりカバー。31分には池谷から右サイドの高い位置へ展開。小川真輝のクロスに宮代が合わせますがボールは右に。34分には小川真輝からエリア前の村田にボールが渡り、村田のパスを左サイドの高い位置で受けた宮城が仕掛けていきますが、シュートはGK稲津が弾きながらも止め、ゴールとはならず。さらに村田、有田、桝谷と縦へテンポよくパスがつながり、最後はエリア右へ有田が抜け出してシュートを打つもボールは上に。枠はとらえられず。一方の鹿島学園も37分には池田が高い位置でボールをカットし、右へ展開。冨岡のクロスのこぼれ球を拾った梶野がシュートを打つもこちらも枠はとらえられず。直後にも鹿島学園、中盤でボールを奪ったところから右へ展開し、深貝の右クロスがエリア外左へ流れたところ、ボールを拾った井上がダイレクトでシュートを打ちますが、枠はとらえられず。フロンターレも鹿島学園も最後の決め手を欠いて試合は終盤へ。
左サイドから森璃太や宮城がよく仕掛け、右では有田や小川真輝がよくかかわり攻勢を強めていくフロンターレ。しかし、最後のところでは鹿島学園もよい守りを見せ、なかなかシュートにはつなげられず。それでも池谷や桝谷がよくかかわって中央の組み立てからも攻勢を試みていき、39分には池谷の縦パスにエリア内へ抜け出した村田がシュートに持ち込むも、これはGK稲津の正面。こじ開けられず。
鹿島学園もサイドからの攻めに。40分には水野が右サイドの高い位置へ。クロスを上げますが、新井がクリア。フロンターレもまたエリア前ではしっかりとした守りを見せていきます。
ここで鹿島学園は金原に代わって32高柳朗がFWに。
41分にはフロンターレ、早坂の縦パスを池谷が受けると、池谷のパスにエリア左へ宮城が抜け出しシュートを打つもここもGK稲津の正面。
鹿島学園は人数をかけて守りつつ、前線に高柳を残して速攻の構えに。
ロスタイムは4分。46分には鹿島学園、エリア外右へ高柳が抜け出しますが、早坂が飛び出しシュートは打たせず、コーナーキックに。ここで鹿島学園は深貝に代わって20柳田慈英がピッチへ。コーナーキックからゴールを狙っていきますが、フロンターレはそれをしのぎ、有田が自陣へ戻ってマイボールにしたところから前に。有田が右サイドの高い位置から折り返し、村田がこれに反応しますが、さわることはできず。ともにゴール前での攻防は続きましたが、鹿島学園の攻勢に対しては有田がよく自陣に戻り高吉らと連係してしっかり対応。試合はまもなくタイムアップ。0-0。勝ち点1を分け合うことになりました。
前半0-0 後半0-0 計0-0
フロンターレの先発:1早坂勇希、5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、23島崎元、15池谷祐輔(c)、7桝谷岳良、9山田新、10村田聖樹、13大曽根広汰、18宮代大聖
交代:島崎→27森璃太 山田→37有田恵人 大曽根→24宮城天
控え:16安福祐一 4伊従啓太郎 8奥山璃空 26横田大祐 30山内日向汰 20上野綜太
鹿島学園の先発:1稲津右京、2水野志乃哉、3對馬佳祐、22佐藤悠、5井上瑠、6深貝陸、7梶野航平(c)、13向山裕麻、8飯塚寿輝也、11金原朝陽、9冨岡大智
交代:向山→17池田彪真 金原→32高柳朗 深貝→20柳田慈英
フロンターレは7勝3分け3敗、勝ち点24に。第13節では東京ヴェルディユースに逆転勝利し、4連勝の三菱養和SCユースが勝ち点を23まで伸ばし、2位に浮上。3位に前橋育英(勝ち点21、得失点差+7)、4位に東京ヴェルディユース(勝ち点21、得失点差+3)、さらに5位に流通経済大柏(勝ち点19、得失点差+7)が迫り、ますますプリンスリーグ関東は混戦模様に。
フロンターレは少し足踏みが続いていますが、後半戦では初めての無失点で連敗を止め、守備でのねばり強さが戻ってきていることはプラスになると思います。ここで勝ち点1を積み上げたことは、次へつながっていくと思います。
第14節は9月23日午後2時、麻生グラウンドにて、東京ヴェルディユースとの上位対決となります。
(文中敬称略)