2025年、トップチームのヘッドコーチに就任した長橋康弘前監督に代わり、川崎フロンターレU-15生田のコーチを務めていた森勇介監督が就任。
新たな体制でシーズンを戦った川崎フロンターレU-18。
キャプテンのDF林駿佑やDF関德晴をはじめ、多くの3年生がけがで離脱。
特に前半戦は4連敗を喫し、夏の日本クラブユース選手権ではグループステージで敗退するなど苦しいものに。
しかし、夏場に磨き上げた攻撃サッカーが花開いた後半戦は、6勝3分け2敗。FW恩田裕太郎とMF新堀翔がともに12ゴールを記録するなど、総得点はリーグ2位の47得点を記録し、9勝6分け7敗、6位でシーズンを終えました。
川崎そだちでは、2月初旬に森監督にインタビュー。フロンターレのホームゲーム時に配布されている「みんなのチラ裏」の「川崎そだちのアカデミー通信」にて、2回に分けてその模様を掲載しました。
この記事はその詳細版です。

〇昨年を振り返ってみて、率直な感想はいかがですか?
ユースカテゴリーも(指導するのは)初めてだったし、プレミアは、なかなかうまく勝たせてあげられなかった。
難しかったなっていうのが率直な印象です。
けが人も多かったし。そこはこっちのチームマネージメントだったり。練習の強度だったり。そこらへんがうまくできていなかったかなっていうイメージで。難しかった。全員そろわなかったのも難しかったかなっていう感じです。
〇一番印象に残った試合は、どの試合でしたか?
最後の等々力(第21節、浦和レッズユース戦、〇5-2)とかも良かったけど、久しぶりに勝った市船戦(第13節、〇2-1)も自分の中で一歩前進できたかなって。
チームがひとつ前進できた試合かなって思います。
〇一番うれしかった試合はどの試合ですか?
いや、特にはないですね。全部勝った試合はうれしいですよ。
〇1年通して選手たちが成長したと思うところはどんなところですか?
泥臭いプレー。前からプレスに行くとか。最後体を張るとか、運動量とかは徐々には、最後のほうは意欲的にみんなやってくれたなって。
技術的っていうよりもそういうところがしっかりついてきたのが、最後良かったかなって思います。
〇去年もシーズン前に「技術を気持ちに乗せる」ということを言っていたと思うんですけど、それがだいぶできてきたような感じですか?
全部圧倒して勝ったわけじゃないですけど。最後のほうも(勝てるようになったのは)ちょっとはそこの部分があるからだと思います。
足先だけではなく、普段の練習のところからみんながやってくれたのが大きかったかなって思います。
〇新2年生や新3年生はそういった部分が今にもつながっている?
入りとしてはそんなに悪くはないので。
1年やっている分、やることも別に変えていないですし。求めているものも変えていないので。
そこらへんの基準は一個合っているかなって。
基準はまだまだ高くはないので。基準をもうちょっとみんなで高めていきたいっていう思いですね。
〇去年を踏まえて変えてみたことは?
ちょっとやさしくなったぐらいですね。あとはそんなに変えていないです。
自分たちで雰囲気をつくれるし。そこのところはそんなに。あとは変えていないです。
〇2年生から3年生になって。最高学年になって、変わったなと思うところは?
「やってやろう」っていうか。
「自分たちが最高学年で、やってやろう」って、感じ取れますし。
最高学年だから、自分たちが年上だから、少し緩くなってもいいのかなっていう時があるので。
そこのところはちょっと気になるかなというぐらいですかね。
〇意識は変わってきた?
自分たちでも分かっていると思うけど、そんなにタレントがいる代ではないので。
「さぼったら勝てない」というのは自分たちで分かっているので。
そこのところはみんなで声をかけながらやっているっていうイメージです。
〇去年も最後に話を聞いたときに、去年の3年生に比べると今年の3年生はタレントが少しいないという話をされていました。それでも可能性を感じる部分はありますか?
やっていれば出てくるんじゃないかと思いますけど。リーグ戦が始まってみないとわからないので。
でも、楽しみな選手も。伸びてきている選手もいるので。
あとはけがとか。そういうのはなしで。どれぐらいずっと継続できるかが一個カギかなと思います。
〇今年は森さんが直接(フロンターレU-15生田のコーチとして2024年に)指導した選手がフロンターレU-15生田から入ってきましたけど、彼らについて印象はどうですか?
メンタリティーが大丈夫なので。
物おじせずやっているし。
あとは練習来れている選手、来れていない選手がいるので。コンディションはまちまちですけど。
だいたいが怖がらず、自信を持ってやっているので。
そのなかでできている、できていない、はあるんですけど。あとはちょっとユースのスピードだったり。
肉体的なところじゃなくて、判断のところもそうだし。頭のところと、体のところからどれぐらいスピード感に慣れてくるかによっては、全然試合も最初から出れる選手がいるかなと思います。
〇フロンターレU-15等々力の1期生がU-18に上がりました。彼らについては?
彼らも一緒に練習をすごく交流してやっていたし。
一緒にミックスで遠征も行っていたので。全然自分のこともわかっているし。
まだまだちょっと生田の選手に比べると、メンタルのところが少し。やさしいっていうのも違いますけど。
ちょっと一歩引いたような感じで。もっともっと自分を出すというところだったりしてくれないと。
「ちょっとおとなしいかな」っていう印象なので。もっともっとやってほしいかなって思います。
〇持っているものはいいものがある?
まだまだ体的には成長しきっていない選手が多いので。
そこらへんがついてきたら、面白いかなっていう感じの選手が多いです。
〇去年は最初は「守備を何とかしたい」という話をされていましたけど。今年はどうですか?
毎試合たくさん点を取りたいっていうところで。「点を取るためには守備のところも大事」っていう話をしているんですけど。
球際のところだったり切り替えのところだったり。プレスバックのところだったりっていうのは今、すごく意欲的にやってくれているので。
そのなかで多少失点してもしょうがない。
どれぐらい(失点を)減らして、どれぐらいたくさん点を取れるか。ちょっとやってみないとわからないですね。
〇フロンターレのサポーターもたくさん点を取れるとうれしいと思うんですけど、去年と比べると攻撃で良さを出せそうなところはありますか?
そんなに個人で行けるようなところは今のところはあんまりないですけど。
グループだったり。エリア外からのシュートの数だったり。
その精度のところだったり。そこはけっこうやっているので。
練習試合ではミドルのところだったり、崩しのところだったりけっこうきれいなシーンがあるので。
あとはそこが決まるか、決まらないかになっているんですけど。そこのところの回数と精度を上げていきたいなっていうところと。
去年とはまた違う崩しとかを見せられると思います。
〇今年最初に掲げた目標などは?
「1試合3点取ろう」っていう話はしました。
「それが目標だよ」って。
〇プレミアリーグで順位などは?
いや。特に選手には言っていないので。
全部の大会、当然優勝は目指しますけど。それは1試合1試合大事にしなかったら出てこないですし。
日々成長していければ。それが勝利につながって、結果、優勝に近づければいいと思いますけど。
そんなに簡単じゃないのはわかっているので。
日々、積み重ね、ですかね。
〇去年も聞いた話ではあるんですけど。改めてユースをあまり見たことがないサポーターの方にこういうところを見てほしいというのは?
全員攻撃、全員守備なので。
本当にありきたりになっちゃうんですけど。最後まで走りきって。
特にテクニックのある選手が最後まで泥臭く走りきったり。球際怖がらなかったりっていうのが、見せられるかなって思います。
そこを見てほしいかなって。うまさだけじゃなくて、体を張るところもそうだし、あきらめないところはやってくれると思いますので。
そこのところは見てくれるといいかなって思います。
〇今年から稲本さん(稲本潤一FRO)に代わって狩野さん(狩野健太コーチ)がコーチになりました。(狩野コーチは2025年は川崎フロンターレU-15生田のコーチとして主に2年を指導。2026年は川崎フロンターレU-18のコーチを務める)それで変化などは?
健太もトップの(コーチの)経験がありますし。
そのなかで特に中盤のところ。真ん中のエリアの選手のボールの引き出し方だったり。
すごく熱心に見てくれているので。
うちではそこが肝なので。そこのところは変化が出てくるんじゃないかなって。
徐々に変化は出てきていますし。
そこらへんのところはやってくれているので。
もっともっとやってほしいなって思います。
〇ボランチにはいろんな武器を持っている選手がいると思います。それにもいい影響がありそうだと?
攻撃面のところなんですけど。
いっぱいアドバイスをもらっている選手がいますし。全員が同じことをやらなくてもいいんですけど。
その選手、選手に合った足りないところだったり。
良いところを見つけてアドバイスしてくれているかなって思います。
〇トップチームのキャンプに行った選手も何人かいると思うんですけど。彼らに変化を感じるところはありますか?
一個基準というものを肌で感じたと思うので。
それをユースの中でどうやって、つくりだすというか。
「ユースだと物足りないよね」じゃなくて、「自分たちで基準を上げられるようにっていうところをやっていく」っていう話をしたので。
そこらへんでいい影響を与えてくれていると思います。
〇どうしても結果と選手の成長が求められるところだと思うんですけど。今年はどれだけ彼らを成長させたいですか?
U-21(U-21 Jリーグ)も始まりますし。なるべくそこのステージだったり。
高校生が終わる前にトップのところに契約してもらえるような選手だったりというところを出していけたらなあって。
上ですぐ「欲しいよ」って思われるような選手になってくれればいいかなって思っています。
〇大学に行くっていうよりもすぐにトップに行くような?
シーズン途中でもプロ契約してもらえるような感じですかね。シーズンを待ってではなくて。
〇まだけっこう準備期間はありますけど。これからどういったことを取り組んでいきますか?
今は体の部分しか、ほぼほぼやっていないので。
それもちょっと継続してやっていって。
自然と自分たちで強度を上げられるような。
それしか今は求めていないので。
そこのベースができてきたらもう1回技術のところだったり。もっとやっていければなあって思っています。
〇関君(関德晴)と林君(林駿佑)がトップチームに上がりましたけど、森さんなりに、サポーターに彼らのこういうところを見てほしいところはどこですか?
駿佑だったら足元も、蹴れますし。あとはリーダーシップのところだったり。
センターバックだったらディフェンスラインのコントロールのところだったり。
賢さ。勘の良さで、高さがない分、そこらへんで守れるっていうところ。
ボランチでも怖がらずにボールを受けて前につけれるっていうのはユースでもやってきたので。
そこらへんのところを見てくれたらありがたい。特に守備的なところは見てほしいかなって思います。
ノリに関してはタイミングのいいオーバーラップだったり。
両足のキック精度は彼の武器だと思いますし。
人と絡みながら、自分でソロで(行ける)。サイドの崩しというところは見てくれたらまた面白いかなって思います。
〇改めてフロンターレのサポーターの方にメッセージをお願いします。
2年目になりますけど。
まだまだ不慣れな部分もありますし。毎試合「すごいな」って試合を見せられるか分かりませんけど。
一生懸命、選手たちみんなやってくれると思うので。
そういう頑張りとかあたたかい目で見守ってもらえたらなって思います。
1試合1試合大事にして一つでも上の順位に行けるように頑張りますので、今年もよろしくお願いします。

◇
インタビューから1カ月ほど。
3月16日にJヴィレッジで行われたJ-VILLAGE CUP U-18の順位決定戦、静岡学園戦(○3-1)では相手にボールを握られる時間をつくられながらも、体をよく張り、失点はPKによるひとつと、守備でも粘り強いプレーが多かったことが印象的だったフロンターレU-18。
大会を通じて予選リーグと順位決定戦の4試合以外にも、チャレンジマッチ7試合を行うなど、新1年生も含め多くの試合を経験。
川崎に戻ってきたのちもトレーニングや練習試合を行いながら、新たなシーズンへの準備を進めています。
4月5日のプレミアリーグEASTの開幕戦はベガルタ仙台ユースが相手。ホーム、Anker フロンタウン生田のピッチで選手たちがどんなプレーを見せるのか。
とても楽しみにしています。
次戦:プレミアリーグEAST第1節 vs ベガルタ仙台ユース
4月5日(日)午後0時キックオフ
Anker フロンタウン生田 Anker Field
(文中敬称略)
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