10月10日の前橋育英戦から1カ月余り。全国高校サッカー選手権の予選のなどのため、中断していたプリンスリーグ関東は再開を迎え、川崎フロンターレU-18は11月21日、三菱養和SCユース戦に臨みました。
前日11月20日には2位前橋育英(勝ち点22)が鹿島アントラーズユースに1-2で敗れ、勝ち点30のフロンターレを上回る可能性が消滅。このため、フロンターレのプリンスリーグ関東初優勝が決まりました。
この記事は、フロンターレに取材を依頼し、書かせていただきました。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第16節 vs 前橋育英】
11月21日(日)午後1時半キックオフ 等々力第一サッカー場 くもり
フロンターレの先発は、GKキャプテンの1青山海、最終ラインは右から2高畠捷、15高井幸大、5田鎖勇作、20松長根悠仁、ボランチは18大関友翔、30由井航太、右MF8秋葉拡人、左MF32岡野一恭平、前線には10五十嵐太陽、9田中幹大。
三菱養和の先発は、GK30町田佳祐、最終ラインは右から2西久保駿介、キャプテンの5森山純平、4日隈雄大、17大沢惇貴、ボランチは7仲野隼斗、27児玉陽平、右MF11須藤太一、左MF6磯大成、前線には8嵯峨康太、9篠原將浩。
好天が続いた前日までとは打って変わって、空には雲が広がるなか、始まった試合。
立ち上がり、フロンターレは最終ラインから組み立てを図りにいきますが、三菱養和はそのボールを奪いに。2分、右サイドの高い位置でボールを奪った嵯峨が、そのまま持ち込み、シュートを打つと、青山は反応したものの、その手をかいくぐるようにゴール右に決まり、0-1。先制点は三菱養和へ。
フロンターレはいきなり追いかける展開に。
フロンターレは、青山のフィードに、田中幹大が抜け出そうとしたり、右に開いた秋葉のパスに、大関がエリア前に顔を出したり、また、由井から左に展開し、左サイドに開いた岡野一が仕掛けていったり、と同点ゴールを目指していきます。
4分には、前橋育英、フィードに篠原がエリア左へ抜け出しそうになりますが、高井が対応。しっかりボールをおさめ、マイボールにしていきます。
5分には田中幹大がおさめ、そのパスに秋葉がエリア右へ仕掛けていきますが、三菱養和は3人が対応。三菱養和も人をかけた粘り強い守りを見せていきます。
三菱養和も大沢のフィードに再び篠原が高い位置へ仕掛けていきますが、高井がここでも厳しく寄せていき、シュートは打たせず。さらに磯、嵯峨、大沢の連係から左サイドを攻めていきますが。、フロンターレはブロック。左コーナーキックに。
嵯峨が左足で正確なボールを入れていきますが、青山がセーブ。すばやくリスタートした青山は、左サイドに展開。岡野一につながり、仕掛けていきますが、三菱養和は戻りの速さを見せていきます。
フロンターレは、さらに最終ラインでボールを回し、田鎖のフィードに正面へ田中幹大が抜け出そうとしたりするなど、長いボールも交え、攻めの機会をうかがいに。
五十嵐が高い位置でプレスをかけていき、ボールを奪いにいき、松長根が高い位置でクロスを上げるなどしていきます。
一方の三菱養和は、中央でセカンドボールを奪ったところから、篠原をエリア内へ走らせていきますが、高井がここでもうまく体を入れて、ゴールキックに。さらに10分には、嵯峨が高い位置でボールを奪い、エリア正面へ。しかし、田鎖が粘り強く奪い返しにいき、シュートは打たせず。
そこから攻めに転じたフロンターレは左へ展開し、岡野一から松長根へ。松長根はエリア内へクロスを入れていきますが、三菱養和はクリア。さらにフロンターレは細かく田中幹大、高畠、五十嵐が右サイドでボールを動かし、五十嵐はエリア正面へ持ち出し、そのパスに岡野一がエリア左へ抜け出しますが、オフサイド。
19分には、中央やや右寄りの大関が、エリア左を突くパス。岡野一が抜け出しますが、三菱養和の寄せが速く、最後はGK町田がセーブ。
一方の三菱養和も14分には、エリア正面で混戦から、児玉がミドルシュートを打ちますが、枠はとらえられず。さらに嵯峨が左サイドを突くパス。磯が抜け出していきますが、高畠がカバー。17分には、パス交換から西久保が右サイドを駆け、クロスを入れていきますが、しぼった高畠がエリア内をカバー。
ここぞというところでの三菱養和の攻めに、フロンターレはしっかり向き合っていきます。
飲水タイムをはさんで、三菱養和は磯が斜めに仕掛ける動きを見せますが、秋葉が対応。さらにスローインから右サイドへ流れた篠原がボールをおさめていきますが、高井が体を入れて、起点とはさせず。
フロンターレも、28分には田中幹大が中央でボールをカット。由井が左サイドに展開。岡野一が仕掛けてクロスを入れていくと、田中幹大が飛び込みますが、町田がセーブ。
さらに秋葉が中央に寄り、五十嵐が左サイドに開き、岡野一が中央に顔を出したりと、位置を入れ替えながら攻めていくフロンターレ。高い位置で囲い込んでボールを奪い、五十嵐が仕掛けていくなど、ゴールをおびやかす動きを続けていきます。
34分には、三菱養和、左サイドで篠原がカット。そのパスに磯が仕掛けていこうとしますが、秋葉が戻り、対応。さらに左サイドのスローインから、磯がクロスを入れていきますが、エリア内で高井が対応していきます。
高井や由井、大関や田鎖がかかわりあい、大関の右サイドを突くパスなどで揺さぶっていくフロンターレ。39分には五十嵐のスルーパスに、秋葉がエリア外右へ。仕掛けていき、クロスを入れますが、三菱養和はブロック。
さらに高畠のクロスを、エリア左で岡野一がおさめますが、三菱養和はクリア。42分には、青山が送ったボールを、田中幹大が競り、おさめた五十嵐から右へ展開。秋葉がクロスを入れると、エリア内、田中幹大が迫りますが、町田がパンチング。
43分には、左サイドからの攻めに。松長根がクロスを入れると、遠いサイドで高畠が折り返し、正面で秋葉がバイシクルシュートを打つも、三菱養和はブロック。
フロンターレが相手陣内の高い位置でプレーを重ねる時間は続き、46分にはエリア正面やや左で、田中幹大がファールを受け、フリーキックに。キッカーの秋葉は右足で直接狙いますが、左へ。
前半はタイムアップ。0-1でハーフタイムへ。
後半立ち上がりは、浮き球を入れるなどし、中盤でボールを奪い合う展開に。
そのなかでフロンターレは、4分には、田中幹大のプレスバックでボールをものにし、岡野一から松長根、田鎖から高井とつないで、持ち上がった高井の縦パスに、高畠が抜け出そうとしますが、三菱養和はカット。そこから三菱養和も攻めに持ち込もうとしていきますが、フロンターレはクリア。
切り替えの良さを見せていきます。
さらに5分には三菱養和、中野から嵯峨とつないで、嵯峨のパスを受けた須藤が、左サイドを仕掛けていきますが、松長根がブロック。
スローインの流れから右コーナーキックを得た三菱養和は、ショートコーナーを選択。嵯峨がクロスを入れていきますが、青山がセーブしていきます。
フロンターレは6分、松長根や大関、田鎖や高井がかかわりあい、ボールを動かしていくと、高井のパスに高畠が右サイドの高い位置へ。高畠が右サイドから速いボールを入れると、左サイドに流れたボールを五十嵐が折り返し、三菱養和がクリアし、左コーナーキックに。
秋葉がボールを入れると、高い打点で合わせたのは高井。ボールはゴールのなかへ。1-1。ついにフロンターレが同点に。
田鎖や高井、高畠や大関とボールを動かし、左に開いた岡野一につなげ、岡野一が仕掛け、さらには由井から間で受けた大関から右サイド、高畠に展開したりしていくなど、高い位置でプレーを重ねていくフロンターレ。
ボールを奪われても、すばやく囲い込むように、中央で五十嵐や大関、由井が奪い、右サイドに展開。秋葉がクロスを上げ、さらに高畠のクロスに、岡野一がエリア左へ抜け出すなど攻勢を続けていきます。
12分には細かいパス回しから、正面やや右で五十嵐がスルーパス。高畠が右から折り返すも、町田がセーブ。そこから右へ展開した三菱養和は、須藤が仕掛けていきますが、松長根が五十嵐につながるようなかたちで対応。守備から攻めへのつながりをつくっていきます。
14分には、右に開いた高井のパスを、五十嵐がおさめ、右へ展開。高畠がクロスを入れると、五十嵐が正面でシュートを打ちますが、ワンタッチあり、ゴールとはならず。
さらに松長根のパスに、五十嵐がエリア左へ抜け出し、仕掛けていくなど、攻勢を続けるフロンターレ。由井も左サイドの高い位置に顔を出すなど、厚みのある攻めを見せていきます。
16分には、秋葉がエリア右へ仕掛けていき、折り返すと、五十嵐が迫りますが、三菱養和はクリア。18分には、松長根や田鎖、高井から高畠と細かく動かしていき、エリア正面やや左、五十嵐がスルーパスを狙いますが、三菱養和はクリアしていきます。
三菱養和はここで篠原に代わり、13赤井ウェズリー景太。
21分にはさらにフロンターレ。左に開いた岡野一のパスに、五十嵐がエリア左を仕掛け、左コーナーキックに。秋葉が入れたボール、田鎖が合わせるも左へ。
さらにフロンターレは、秋葉や高畠、由井や大関がパスを交換。秋葉がエリア内へ顔を出すなどしていきます。
22分には由井に代わり14大瀧螢。
さらにボールを動かして攻勢を強めていくのはフロンターレ。23分、スローインの流れから田中幹大がエリア内へ。するとここで三菱養和にファールがあり、フロンターレはPKを得ます。
キッカーは田中幹大。しかし、シュートは町田がセーブ。フロンターレは勝ち越しとはならずに後半の飲水タイムへ。
飲水タイム明けは、三菱養和、右サイドを仕掛けた須藤がクロスを入れていきますが、田鎖がクリア。さらにボールをカットした磯から右へ展開。嵯峨が仕掛けていきますが、松長根が粘り強く体を入れ、最後は嵯峨のファールに。
盛り返した三菱養和は、中央に寄った磯から右に展開。間で受けた嵯峨、児玉から右に展開し、西久保が高い位置へ抜け出しそうになりますが、大瀧がカバー。岡野一につなげ、攻めに持ち込もうとしていきます。
さらに三菱養和は赤井にボールを預けて、高い位置で起点をつくろうとしますが、田鎖が厳しく寄せていき、前を向かせず。32分には三菱養和、左サイドでボールをカット。右サイドに展開し、西久保が鋭いクロスを入れていきますが、青山がセーブ。
勢いを取り戻した三菱養和の時間が続きますが、最後のところで集中した守りを見せていきます。
33分にはフロンターレ、高畠のパスに、大瀧が右サイド、高い位置へ。折り返しを受けた秋葉がエリア右へ仕掛けていきますが、三菱養和も粘り強く守っていきます。
フロンターレはここで、秋葉に代わり17浅岡飛夢、岡野一に代わり25五木田季晋。浅岡が前線、五十嵐が右MF、五木田が左MFに。
三菱養和はさらに中央の児玉から左を突くパスが出ると、大沢が抜け出しそうになりますが、高畠が体を入れていきます。
五十嵐から左の五木田、五木田から受けた松長根が高い位置で折り返し、セカンドボールも大関が拾って、ふたたび相手エリア前で時間をつくっていくフロンターレ。
38分には田中幹大がボールをおさめ、そのパスに大瀧がエリア内へ抜け出しますが、三菱養和はクリア。
さらに高畠から受けた五十嵐がエリア右へ切り返していき、その速いボールに、エリア左、五木田が飛び出しますが、シュートは打てず。
三菱養和も、40分には右サイドでスローインを得ると、仲野がロングスローを入れていきますが、田鎖がクリア。
クリアしたボールを拾った田中幹大が、前に持ち込み、五十嵐から右へ展開。高畠が高い位置で受け、そのパスを正面で浅岡が受けますが、三菱養和はブロック。
右コーナーキックとなり、大瀧が入れたボール、ニアで田中幹大が合わせますが、左へ。
三菱養和も、磯の右サイドを突くパスに、エリア右、赤井が抜け出しそうになりますが、ボールをおさめきれず。さらに須藤が仕掛けていきますが、松長根が対応していきます。
三菱養和は嵯峨が痛めて外へ。代わって26和光翔空。
フロンターレは44分、田中幹大に代わり34岡崎寅太郎。
45分には三菱養和、児玉の右サイドを突くパスに、抜け出そうとしますが、ここでも松長根が1対1の強さを見せていきます。
高井が持ち上がり、その縦パスなどから人をかけた攻めに持ち込もうとしていくフロンターレ。48分にはフリーキックをエリア外右で得て、セカンドボールを拾い、左サイドを五十嵐が仕掛け、そのこぼれ球に正面へ詰めた高井がミドルシュート。ワンタッチあり、左コーナーキックに。
しかし、コーナーから決定的なシュートには至らず。試合はタイムアップ。1-1。試合は引き分けに終わりました。
勝ち点1にとどまったことに、悔しさもあらわにする選手たちもいたフロンターレ。その悔しさを感じたことが、さらなる高みへ、2試合が残ったプリンスリーグ関東、さらにはプレミアリーグ参入戦に必ずつながるものになるはずです。
前半0-1 後半1-0 計1-1
得点:高井幸大(フロンターレ) 嵯峨康太(三菱養和)
フロンターレの先発:1青山海(c)、2高畠捷、15高井幸大、5田鎖勇作、20松長根悠仁、18大関友翔、30由井航太、8秋葉拡人、32岡野一恭平、10五十嵐太陽、9田中幹大
交代:由井→14大瀧螢 秋葉→17浅岡飛夢 岡野一→25五木田季晋 田中幹大→34岡崎寅太郎
控え:16宮地健輔 26溝田大和 11小野寺瑠 23川口達也 24吹田航晟
三菱養和の先発:30町田佳祐、2西久保駿介、5森山純平(c)、4日隈雄大、17大沢惇貴、7仲野隼斗、27児玉陽大、11須藤太一、6磯大成、8嵯峨康太、9篠原將浩
交代:篠原→13赤井ウェズリー景太 嵯峨→26和光翔空
控え:18洪潤太 15田中涼大 16シーバー アガスティン優人 12中谷凪沙 24海老原大輝 10洪怜鎮 36小宮績己
(文中敬称略)
写真はとめさんからもいただきました。ありがとうございます。
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