12月18日は柏の葉公園総合競技場へ。全日本大学サッカー選手権は大会3日目を迎え、準々決勝が行われました。
第1試合では、前回の覇者筑波大が初出場で快進撃を続ける東京国際大に0-1で敗戦。U-20日本代表のタイ遠征を終えた川崎フロンターレU-18出身のMF三笘薫はベンチに入らず、大学2年目のシーズンを終えました。
第2試合では、九州地区の優勝チーム福岡大と、フロンターレに加入が決まっている守田英正が所属する流通経済大が対戦しました。
【全日本大学サッカー選手権準々決勝 福岡大vs流通経済大】
12月18日(月) 柏の葉公園総合競技場 晴れ
福岡大の先発は、GK1永石拓海、DFは右から6青山生、3菅田真啓、19中田永一、13石田皓大、ボランチは4三浦秀哉、右MF7中村太一、左MF15大熊健太、トップ下、キャプテンの14山下敬大、FWは12井上健太、24前田翔吾。
流通経済大の先発は、GK21新井栄聡、DFは右から28アピアタウィア久、ゲームキャプテンの5守田英正、4今津佑太、2小池裕太、ボランチは13小野原和哉、16吉田大河、右MF10ジャーメイン良、左MF9立花歩夢、トップ下8森永卓、FW32宮津祥太。
福岡大は2回戦から先発を2人、流通経済大は6人を変更。また、台湾で行われたユニバーシアードの優勝メンバーである永石と守田、ジャーメインが対戦することにもなりました。
非常に厳しい寒さの柏の葉。それでも、多くのメンバー外の選手たちがにぎやかにチャントやコールでスタンドを熱く盛り上げ、流通経済大を支える地域の人たちらによる「街の応援団」も旗などで勇気づけるなか、試合は始まりました。
前半、流通経済大は小池が左サイドの高い位置へよく出てきて起点となり、精度の良いクロスを入れてゴールを狙っていきます。5分には小池の左クロスから、右サイドのアピアタウィアのリターンを受けた宮津がミドルシュートを打ちますが、枠はとらえられず。
なおも吉田や小野原もボールを預けたところから前へ出ていき、ジャーメインも仕掛けていくなど、ゴールへ近づいていきます。10分には小池のフリーキック、エリア内でアピアタウィアが合わせるもGK永石が対応。さらにサイドにうまく展開。小野原がセカンドボールをよく回収。
福岡大もセットプレーをしのいで、井上が仕掛けるなどしますが、守田のカバーなどの前にシュートには結びつけられず。
すると29分、流通経済大は立花がファールを受けてフリーキックを得ると、小池が左足で入れたボール、エリア内で今津が合わせてゴールネットを揺らします。0-1。
福岡大はここで早くも1人目の交代。前田に代わり10梅田魁斗。
なおも小池の精度の良いプレースキックなどからゴールへ迫る流通経済大でしたが、次の1点は福岡大へ。36分、エリア外正面の距離のある位置から山下がミドルシュートを打つとゴールへ突き刺さり、1-1。会場にどよめきを生む素晴らしいゴールで振り出しに。
直後にも福岡大は中村、井上と右サイドの連係からゴールの前に。最後はこぼれ球を拾った山下がシュートを打つも右へ。流通経済大は高い位置でフリーとなった立花に正確にフィードを通したり、小池のリターンを受けた小野原の浮き球にジャーメインがエリア内へ抜け出すなど、勝ち越し点を狙っていきますが、なかなか決定的なものにはならず。福岡大もセットプレーなどからチャンスをつかむもこちらもゴールには至らず。前半は1-1でタイムアップとなります。
後半、中村に代えて17梅木翼が前線に入り、梅田が右MFへ移った福岡大。流通経済大はそのままのメンバーでのキックオフ。福岡大がセットプレーに持ち込んで、勝ち越し点を狙うのに対して、流通経済大は宮津がカウンターからエリア前へ仕掛けるなどしての立ち上がり。ともに切り替えが良く、一進一退の攻防に。
9分には流通経済大は森永に代わり11渡邉新太。直後には、福岡大が流通経済大のミスをついて、エリア前へ梅田が抜け出してシュートを打つも左へ。福岡大としてはもったいない、流通経済大としては救われた場面となります。
15分にはさらに流通経済大に交代。立花に代わり7新垣貴之。20分には小野原に代わりチームのキャプテンである6石田和希。
流通経済大はラインを上げて今津や守田のサイドチェンジ、守田が意表を突いてオーバーラップをするなど揺さぶりにいきますが、福岡大の守備の出足の良さの前になかなか決定機にはならず。
福岡大も31分には井上の左クロスに梅木が頭で合わせますが右へ。
31分には流通経済大は、宮津に代わり19高澤優也がFWへ。40分には守田が鋭く縦へパスを入れるとエリア外正面で渡邉が前を向き、エリア右へパス。ジャーメインが抜け出してゴールに迫りますが、折り返しを選択。クリアをされてシュートには結びつけられず。
ともに決定的な場面はつくれず、それでも熱のこもった目の離せない展開のままに、後半はタイムアップ。前後半計30分の延長戦へ。
延長前半、早々に試合を動かしたのは流通経済大。小池のフリーキックのこぼれ球をアピアタウィアが拾い、エリア内へボールを入れると、ジャーメインの折り返しを渡邉が押し込んで1-2。
福岡大はここで井上に代わり8佐々木亜門。
畳み掛ける流通経済大は新垣が左サイドから抜け出し、エリア左へパスを送ると渡邉がシュートを打つも永石がわずかに触ってポストを叩き決めることはできず。
福岡大は高い位置でスローインを得ると、青山のロングスローからゴールを狙いに。ロングボールも盛んに入れていきます。交代で入った佐々木のドリブルも良いアクセントになり、流通経済大はジャーメインも自陣に戻って今津や守田との連係して対応しようとしていきます。
しかし、低くなった流通経済大のラインを突いて高い位置で攻められるようになった福岡大。10分、左クロスからエリア左、井上のシュートが決まり、2-2。同点に。
石田の縦パスや新垣の仕掛けを起点に勝ち越そうとする流通経済大、ロングスローからさらにゴールを狙う福岡大の攻防が続きますが、ともにゴールをあげることはできず。2-2で延長後半へ。
延長後半、流通経済大は吉田に代わり30星野秀平が入り、高澤とともにFWに。渡邉が左MF、新垣はボランチにとなります。
ファールを自陣で受けるとGK新井、相手陣内で受けると小池のフリーキックからエリア内へボールを入れていく流通経済大でしたが、なかなかシュートには至らず。福岡大は4分に高い位置でボールをカットした梅木がエリア外左から狙うものの枠はとらえられず。
5分には福岡大のロングスローをしのいだところから新垣がドリブルで持ち上がりますが、最後はブロック。これで得た左コーナーキック、今津が折り返すもシュートを打つことはできず。9分には石田から左サイドの高い位置へ展開。小池がクロスを入れますがGK永石がキャッチ。
10分には福岡大、大熊に代わり26花田佳惟斗。
ここから流通経済大が立て続けにフリーキックを得ていきますが、なかなかゴールをおびやかすことはできず。試合はロスタイムへ。
ファールをセンターライン付近で受けた流通経済大。小池がエリア内へボールを入れると主審の笛が鳴ります。エリア内でハンドがあったとして、流通経済大にPKが与えられます。キッカーのジャーメインがユニバーシアードのチームメート、永石との1対1を制してボールはゴールの中へ。ここで試合は終了。2-3。
試合後に福岡大の乾真寛監督と流通経済大の中野雄二監督ががっしりと握手を交わしたすがすがしい場面が心に残る好ゲーム。2回戦ではボランチとしてプレーをした守田が、今度はCBとして今津らと好連係を見せ、福岡大の迫力のある攻めに対応していたこと、また、縦に鋭いパスをつけたり、正確なサイドチェンジで流れを変えていたことなどは、来年フロンターレに来てからどうなるのか、楽しみになるものでした。
前半1-1 後半0-0 延長前半1-1延長後半0-1 計2-3
得点:山下敬大2(福岡大) 今津佑太、渡邉新太、ジャーメイン良=PK(流通経済大)
福岡大の先発:1永石拓海、6青山生、3菅田真啓、19中田永一、13石田皓大、4三浦秀哉、7中村太一、15大熊健太、トップ下、14山下敬大、12井上健太、24前田翔吾
交代:前田→10梅田魁斗 中村→17梅木翼 井上→8佐々木亜門 大熊→26花田佳惟斗
控え:21真木晃平 30山部巧磨 5饗庭瑞生 18小橋直人 20江崎晃大
流通経済大の先発:21新井栄聡、28アピアタウィア久、5守田英正(c)、4今津佑太、2小池裕太、13小野原和哉、16吉田大河、10ジャーメイン良、9立花歩夢、8森永卓、32宮津祥太
交代:森永→11渡邉新太 立花→7新垣貴之 小野原→6石田和希 宮津→19高澤優也 吉田→30星野秀平
控え:1オビパウエルオビンナ 12宮内雄希 33清水智貴 23渋谷峻二郎
(文中敬称略)
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