12月20日は長野市の長野運動公園総合運動場陸上競技場へ。Jユースカップのベスト4進出チームと世界各国のクラブのユースチーム4チームによって競われるJリーグインターナショナルユースカップが始まり、川崎フロンターレU-18もこの日初戦を迎えました。
フロンターレは京都サンガFC U-18、ブラジルのシャペコエンセ、セルビアのヴォイヴォディナと同じグループAに入り、20、21、23日にかけて3チームとそれぞれ対戦し、最終日の24日にはガンバ大阪ユース、サンフレッチェ広島ユース、フランスのオリンピック・マルセイユ、韓国の浦項スティーラーズが入るグループBのチームと順位決定戦を行います。
20日は、昨年の飛行機事故でフロンターレにも在籍したアルトゥール・マイアら多くの選手やスタッフらが犠牲になった、シャペコエンセと対戦しました。
【川崎フロンターレU-18 Jリーグインターナショナルユースカップvsシャペコエンセ】
12月20日(水)午前11時キックオフ 長野運動公園総合運動場陸上競技場 晴れ 40分ハーフ
フロンターレの先発はGK16安福祐一、DFは右から27森璃太、キャプテンの34高吉正真、28栗田悠巨、23島崎元、ボランチは30山内日向汰、36黒川海翔、右MF37有田恵人、左MF24宮城天、FWは20上野綜太、18宮代大聖。
シャペコエンセの先発はGK1アルトゥール・ロセット、DFは右から2ジェアン・カルロ、4チアゴ・ヴィニシウス、3フランシスコ・ジョゼ、6レナン・オリヴェイラ、ボランチはキャプテンの5ギリェルメ・ジョアン、右MF7パウロ・リカルド、左MF8ルカス・アントニオ、トップ下10ウィリアン・エンリッケ、FWは11マテウス・ザンロン、18ファビアン・バストス。
寒さは感じられるものの、好天に恵まれた長野市陸上競技場。平日の午前ということもあり、観客こそ少ないものの、フロンターレのサポーターも駆けつけてチャントやコールで声援を送るなか、試合は始まりました。
立ち上がり、スローインを得てエリア前のファビアン・バストスにボールを集めようとするシャペコエンセ。しかし、フロンターレは栗田がボールをクリア。しのいでいくと、ラインを上げてコンパクトに。ボールを失っても切り替えが速く、右サイドでは有田と森の連係からうまくシャペコエンセの選手からボールを奪ってマイボールにするなど、いい距離感で試合を進めていきます。
5分にはスローインの流れから宮城が前を向いてエリア右へパスを出すと、上野が抜け出しますがブロックされ、シュートにはつながらず。さらに高吉の縦パスを起点に、山内、宮代とつながり、上野を経由して森が右サイドの高い位置へ上がるなど、押し込んでいきます。9分には宮城が高い位置でボールをカットしミドルシュートを打つも左へ。
さらに高吉が高い位置へ持ち上がり、エリア右の森へ。森のドリブルは阻まれ、直後の右コーナーキック、山内が右足でボールを入れるとニアで宮城が競り、最後は高吉がシュートに持ち込むも枠はとらえられず。
しかし、宮代や山内らも連動して前からプレスをかけ、ボールをものにし、高吉が中盤を飛ばして宮代へ縦パスを入れるなど、フロンターレは揺さぶっていきます。13分には黒川の浮き球に有田がエリア右へ抜け出すもオフサイドに。さらに宮代が左サイドからエリア前へ仕掛けてシュートを打ちますが、GKアルトゥール・ロセットがキャッチ。
15分には山内、上野、宮代とエリア前でパスを回して最後は宮城がシュートを打つもGKアルトゥール・ロセットが弾き出し、最後はクリア。
さらに高い位置でのプレーが続いたフロンターレでしたが、19分島崎がエリア前正面、少し距離のあるところで倒され負傷。ピッチの外へ出て17小川達也との交代に。森が左SB、小川が右SBに。
島崎がファールを受けて得たフリーキックのキッカーは宮代。右足を振り抜くとボールはゴール左隅へ鮮やかに吸い込まれていきます。1-0。先制点はフロンターレへ。
なおもフロンターレ。切り替えも良く、小川が中へしぼってポジショニングよくマイボールにするなどしていきます。22分には山内がボールをカットしパスを出すと、エリア前、宮代はヒールパスを出し、エリア内へ上野が抜けていこうとしますが、これはカットされてシュートには至らず。
シャペコエンセもルカス・アントニオがエリア前へ抜け出し人数をかけて迫ってきますが、栗田がブロック。最後は高吉がクリアし、決定的な場面はつくらせず。さらにファビアン・バストスがFW、2列目に右からマテウス・ザンロン、ウィリアン・エンリッケ、ルカス・アントニオ、パウロ・リカルドと選手を入れ換え打開を図るシャペコエンセ。パウロ・リカルドとレナン・オリヴェイラのパス交換などから揺さぶろうとしますが、パスがずれる場面がやや目立ち、スローインをファビアン・バストスにつけて起点をつくろうとするも、栗田が厳しく対応し、前を向かせず。
フロンターレはパス交換から小川がエリア前に顔を出すなど、さらにゴールへ近づいていきます。
しかし、34分ゴールキックのクリアボールがフロンターレの最終ラインと安福の間のスペースへ落ち、抜け出したファビアン・バストスに流し込まれてしまい、1-1。やや不運な形で同点となってしまいます。
これでやや勢いのついたシャペコエンセ。38分には左コーナーキックのこぼれ球を拾ったルカス・アントニオにエリア前正面でミドル正面を打たれますが、安福がしっかりキャッチ。
フロンターレも山内がうまく間で受けてスルーパスを送り、宮代がエリア前へ抜け出したり、山内のフリーキックなどから勝ち越し点を狙いますが、前半はタイムアップ。1-1でハーフタイムへ。
後半、前半と比べるとうまく連動してプレスをかけてくるようになったシャペコエンセをいなすように後ろからの組み立てを図っていくフロンターレ。ボールを失っても宮城のプレスバックで再びマイボールにするなど、切り替えよく対峙していきます。
5分には上野、宮代とパスを回して最後はエリア外左から宮城がミドルシュートで狙いますが、GKアルトゥール・ロセットがこれには対応。直後にはシャペコエンセ、レナン・オリヴェイラの自陣からのボールにエリア右へマテウス・ザンロンが抜け出そうとしますが、森がカット。
7分にはフロンターレ、黒川のパスにエリア右へ有田が抜け出し折り返すも宮城は惜しくも触れず。10分にはシャペコエンセも右の高い位置からマテウス・ザンロンが仕掛けてルカス・アントニオを経由して左へ展開、パウロ・リカルドがシュートを打つも左へそれてゴールとはならず。12分にはフロンターレも黒川から右へ展開すると宮代がうまく相手をかわしてエリア左へパス。宮城が抜け出してシュートを打つも右へ、
シャペコエンセもボールを高い位置でものにする場面が続くようになり、13分にはファビアン・バストスのボールカットからエリア右へマテウス・ザンロンが抜けてシュートを打つも枠はとらえられず。さらにパウロ・リカルドのパスを左サイドの高い位置で受けたルカス・アントニオが仕掛けていきますが、小川が粘り強く対応。最後はブロックしコーナーキックに。左からショートコーナーでシャペコエンセはゴールを狙いにいきますが、ルカス・アントニオのクロスに頭で合わせたマテウス・ザンロンのシュートは枠をとらえられず。
シャペコエンセは17分、ファビアン・バストスに代わり14ラファエル・アギアールが入り、右MF、マテウス・ザンロンがFWへ。
フロンターレは再びラインを高く上げ、宮代が時おり中盤まで下りたりしながら打開を図りに。24分には左サイドのスローインを受けた宮城がエリア前へ斜めに仕掛けてパスを出すと、上野、宮代とゴールへ迫りますが、シュートを打つことはできず。27分にはシャペコエンセもチアゴ・ヴィニシウスのフィードにレナン・オリヴェイラが左サイドの高い位置へ抜け出し、エリア前へパスを出すとウィリアン・エンリッケがシュートを打つも安福がセーブ。
28分、フロンターレは上野に代わり9山田新が入り右MFに。有田がFWへ。直後には宮代が左サイドでボールを受けてエリア内へボールを送ると、エリア右へ山田が抜け出しますが、GKアルトゥール・ロセットに阻まれてシュートを打つことはできず。
シャペコエンセはさらにウィリアン・エンリッケに代わり15ジアンルッカ・ビオラが入り右MFに。パウロ・リカルドがその横へ。また、ラファエル・アギアールが左MFへ。
31分には宮代がエリア外右でボールを受けてシュートを打つもブロックされてゴールネットを揺らすことはできず。シャペコエンセもコーナーキックをしのいだところからカウンターへ持ち込もうとしますが、小川がうまくボールを奪い取る好対応でそれは許さず。
32分には宮城が左サイドでボールをカットしたところからまたも宮代がシュートを打ちますが、ここでもワンタッチあり、決めることはできず。シャペコエンセも縦に速い攻めからゴールへ迫りますが、小川や高吉、山田がよく対応していきます。
36分にはシャペコエンセ、ラファエル・アギアールが負傷し16ジアン・カルロス。
次第にともに選手間の距離が空いてきてやや行ったり来たりの展開となった終盤。36分にはフロンターレ、森のパスを起点に左サイドの高い位置から有田が折り返すも宮代のシュートはGKアルトゥール・ロセットの正面を突いて決まらず。一方のシャペコエンセもレナン・オリヴェイラの折り返しにマテウス・ザンロンが抜け出すもフロンターレはこれをクリアし、シュートは打たせず。
ロスタイムは3分。42分、フロンターレは宮城がボールをカットし、宮代へ預けると宮代のパスにエリア左へ有田が抜け出しますがオフサイドに。試合はタイムアップ。1-1で初戦を終えることとなりました。
前半1-1 後半0-0 計1-1
得点:宮代大聖(川崎) ファビアン・バストス(シャペコエンセ)
フロンターレの先発:16安福祐一、27森璃太、34高吉正真(c)、28栗田悠巨、23島崎元、30山内日向汰、36黒川海翔、37有田恵人、24宮城天、20上野綜太、18宮代大聖
交代:島崎→17小川達也 上野→9山田新
控え:40川合我空 22ディアウ勇守歩 29道間雄生 14古屋雄帆 32澤田泰大
シャペコエンセの先発:1アルトゥール・ロセット、2ジェアン・カルロ、4チアゴ・ヴィニシウス、3フランシスコ・ジョゼ、6レナン・オリヴェイラ、5ギリェルメ・ジョアン(c)、7パウロ・リカルド、8ルカス・アントニオ、10ウィリアン・エンリッケ、11マテウス・ザンロン、18ファビアン・バストス
交代:ファビアン・バストス→14ラファエル・アギアール ウィリアン・エンリッケ→15ジアンルッカ・ビオラ ラファエル・アギアール→16ジアン・カルロス
控え:12ペドロ・エンヒケ 13マテウス・ルジケ 17フェリペ・ノヴェッロ
フロンターレは大会2日目の21日は京都サンガU-18と対戦します。12人の3年生が卒団し新たなチームは立ち上がったばかり。大会を通してどうなっていくのか、とても楽しみです。
(文中敬称略)
安福祐一選手
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