5月5日、愛知県刈谷市のウェーブスタジアム刈谷では、日本フットボールリーグ(JFL)第8節が行われ、FC刈谷とヴェルスパ大分が対戦。川崎フロンターレU-18出身の2選手がそれぞれ、先発出場に名前を連ねました。
FC刈谷は、西原樹。ヴェルスパ大分は吉田直矢。ともに2010年から12年までプレーした同期がピッチの上で対峙することになりました。
【日本フットボールリーグ第8節 FC刈谷vsヴェルスパ大分】
5月5日(木)午後1時キックオフ ウェーブスタジアム刈谷 453人
12年ぶりにJFLに昇格したホームのFC刈谷はここまで7敗で17位。先発は、GK1山岡哲也、最終ラインは右から13渡邊宥也、3浅田大樹、25長谷川翔平、24田中貴大、ボランチは2福田航太、キャプテンの9佐藤悠希、右MF23西原樹、左MF22神谷椋士、前線には14山本大稀、27勝又慶典。
川崎フロンターレU-18→金沢星稜大の西原が先発に。西原は2017年にヴェルスパ大分でプレーしており、古巣戦ともなりました。
一方、昨年のJFL王者のヴェルスパ大分の先発は、GK20渡辺泰広、最終ラインは右から5本多琢人、30村田勉、3浦島貴大、4西村大吾、ボランチはキャプテンの8篠原宏仁、13吉田直矢、MF10薮内健人、17藤本拓臣、前線には18中村真人、33前田央樹。
こちらも、川崎フロンターレU-18→筑波大の吉田は、昨年までグルージャいわて盛岡でプレー、今季ヴェルスパ大分に加入し出場を重ねています。
強い風雨のなか、それでも子どもたちがダンスで会場を盛り上げるウェーブスタジアム刈谷。こどもの日にちなんで、メンバー紹介の際には選手それぞれの子どもの頃の写真を使うなどの演出もあり、暖かな雰囲気の中、試合は始まりました。
立ち上がり、先にゴールをおびやかしたのはヴェルスパ大分。篠原のエリア内を突くパスに、薮内が反応。シュートまでは至らずも揺さぶりにいくと、吉田や篠原が中盤でボールを落ち着かせ、ラインを高めて前に出る展開に。
一方のFC刈谷は縦への速い展開で対抗。5分には西原が中央のスペースを持ち上がり、勝又を狙いスルーパス。これは通らずも、ゴールへ向かう動きを見せていきます。
6分には、左コーナーキックを得たヴェルスパ大分。吉田が右足でボールを入れると、遠いサイド、浦島が頭で合わせますが、右へ。さらに8分には、中村が競ったボール、抜け出した前田がシュートを打ちますが、これは上に。徐々にヴェルスパ大分が前線の2選手に両サイドの好連係、吉田、篠原がボールを動かして、主導権を握っていきますが、FC刈谷もコンパクトな守りで対抗。西原も中央へ寄り、吉田に厳しく寄せ、ボールを奪いにいくなど、球際に負けず、プレーを重ねていきます。
20分には、ヴェルスパ大分が後ろからの組み立てを図ろうとしたところ、前から連動してプレスをかけにいったFC刈谷。エリア前で西原がボールをカット。シュートを打ちますが、これはおびやかすようなものにはならず。
24分には今度はヴェルスパ大分、篠原から左の藤本へ。藤本が仕掛けて、クロスを入れると前田、中村が飛び込みますが、さわることはできず。
さらにキレのある動きで再三仕掛けていく藤本を起点にゴールへ迫るヴェルスパ大分。27分には左コーナーキックを得ると、吉田が入れたボール、中村が合わせますが、枠はとらえられず。28分には、ボールをFC刈谷陣内で動かし人数をかけた攻めに出たヴェルスパ大分。最後はエリア外左で、本多が地をはうようなミドルシュート。FC刈谷の山岡がセーブし、こぼれたボールも最後はクリア。
ヴェルスパ大分が攻め、FC刈谷がしのいでいく展開が続いていきます。
37分には、カウンターに持ち込んだヴェルスパ大分、吉田のスルーパスに、薮内がエリア内右へ。しかし、シュートは山岡がセーブ。
一方のFC刈谷は、40分、フリーキック、長谷川が左足で入れたボール、エリア内で渡邊が合わせますが、左に。
ボール保持ではややヴェルスパ大分、それでもFC刈谷も好チームと感じさせられる展開で前半はスコアレスでタイムアップとなります。
雨も風もやまないなか、始まった後半。
3分には、ヴェルスパ大分、右に開いた中村のパスにエリア前、前田が動き出すも届かず。それでも、前半に比べやや下がり目でプレーするようになった中村、藤本、薮内、前の前田が絡んで起点をつくっていくヴェルスパ大分。
一方のFC刈谷は、9分には左サイドでフリーキックを得ると、前半も精度の良いボールを入れていた長谷川がニアに入れたボール、西原が走り込みますが、さわることはできず。
FC刈谷はかつてFC町田ゼルビアで活躍した勝又が下がりめでボールをおさめ、前に出ていこうとしますが、なかなかシュートまではいけない場面が続いていきます。
すると12分、ヴェルスパ大分は右サイドの高い位置で前田がボールを奪取、クロスを入れると、ゴールの前、篠原を経由して、エリア左で藤本がシュート。ボールはゴールネットを揺らし、0-1。先制点はヴェルスパ大分へ。
さらに19分には吉田がエリア右を突くスルーパス。抜け出した薮内のシュートはブロックされ、決まりませんでしたが、さらにチャンスをつくるのはヴェルスパ大分。
FC刈谷は20分、西原に代わり7中野裕太を入れ、山本が右MF、中野が前線へ。
選手を入れ替えるFC刈谷に対し、篠原や吉田がセカンドボールを回収。最終ラインも強さを見せていくヴェルスパ大分。68分には右サイドでのスローインからエリア内、薮内が抜け出し、最後は前田がシュートを打ち、右コーナーキックに。吉田がボールを入れると、浦島が遠いサイドで合わせますが、左へ。
FC刈谷は27分、山本に代わり17古賀俊太郎、勝又に代わり8蛭田悠弥。佐藤を前に上げ、蛭田のクロス、また、神谷の縦への仕掛けなどから迫っていきますが、最後のところでシュートまではいけず。
34分には右コーナーキック、長谷川が入れたボール、遠いサイドで神谷が頭で合わせますが、ライン上でヴェルスパ大分がクリアする好守を見せていきます。
ヴェルスパ大分は40分、吉田に代わり2土田直輝。
前田や中村がよくおさめて、相手陣内で時間を重ねていくヴェルスパ大分。FC刈谷も神谷の縦への仕掛けから打開を図りますが、得点にはつながらず。
試合はタイムアップとなり、0-1。ヴェルスパ大分が勝利。FC刈谷は開幕8連敗を喫することになりました。
前半0-0 後半0-1 計0-1
得点:藤本拓臣(ヴェルスパ大分)
FC刈谷の先発:1山岡哲也、13渡邊宥也、3浅田大樹、25長谷川翔平、24田中貴大、2福田航太、9佐藤悠希(c)、23西原樹、22神谷椋士、14山本大稀、27勝又慶典
交代:西原→7中野裕太 山本→17古賀俊太郎 勝又→8蛭田悠弥
控え:18坂口璃久 4佐々木宏樹 15内田悟 26村上宗太郎
ヴェルスパ大分の先発:20渡辺泰広、5本多琢人、30村田勉、3浦島貴大、4西村大吾、8篠原宏仁、13吉田直矢、MF10薮内健人、17藤本拓臣、前線には18中村真人、33前田央樹
交代:吉田→2土田直輝
控え:34中村駿介 26久米航太郎 7中野匠 9山﨑一帆 11利根瑠偉
勝者と敗者、それぞれ分かれましたが、際どいチャージを受け、倒れてもすぐさま起き上がり再びプレーを始める西原の姿も、フロンターレU-18、そして筑波大で磨いた技術を大いに発揮しチャンスをつくる吉田の姿も、それぞれ見られたことはうれしくなるものがありました。
試合の前には再会を喜ぶように、ハグをかわし、試合に入れば、コーナーキックで吉田が西原に厳しいマークを試みるなど、それぞれのチームのためにプレーを重ねた2人。試合後は再び少し手荒く再会をあらためて喜び合う姿も、心に残るものがありました。
これからの活躍を楽しみにしています。
(文中敬称略)
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