11月の後半に入って、ぐっと寒さが増した関東地方。沿岸部の川崎と比べるとずっと内陸に位置する栃木県宇都宮市 日環アリーナ栃木にて、11月30日、U18世代のBリーグユースチームの王座をかけた B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2023 が開幕しました。U18川崎ブレイブサンダースは初参戦で勝利を挙げられなかった2021年、2022年大会に続き、まずは初勝利を目指して大会に臨みました。
B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2023 1回戦
U18川崎ブレイブサンダース – 茨城ロボッツU18
2023/11/30(木) 11:45 日環アリーナ栃木 Cコート
川崎のスターティング5は5 山口朝陽、9 大津光合、10 寺田潤平、11 佐久間翔三、12 畑中駿景。高校バスケでの活躍を終えて、川崎へ戻ってきた山口朝陽、大津光合がスタートに名を連ねました。
対する茨城は2 寺門瞬、13 橋谷真季、21 大森把吾斗、34 藤岡琉音、53 千葉琉月がスターティング5となりました。
試合はティップオフジャンプボールに勝った川崎のオフェンスからスタート。
川崎のオフェンスをコントロールするのは11 佐久間翔三。ファーストシュートは9 大津光合の3pt。これは惜しくも外れますが、オフェンスリバウンドを取った5 山口朝陽がセカンドチャンスでゴール下を決めて川崎が先制。続けて佐久間と大津の合わせからシュートを放ちますが、これは決まらず。
8:18、川崎10 寺田潤平のブロックショットが決まったところで、茨城は選手交代。5人全員を交代する、いわゆるツープラトンがしばらく続くことになります。
7:50には再び山口。ゴール下からのシュートを冷静に決めます。対して茨城は11 富田誠也が得点をあげ、チームのスコアを動かします。
ここからはシーソーゲームに。川崎が寺田、大津のフリースロー、14 安彦海音のファストブレイクなどで加点すれば、茨城は13 橋谷真季の3ptが決まってここまで8-5。リードを取る川崎ですが、なかなか思うようにスコアを伸ばせません。
5:01、川崎は4 水品皓暉のスティールでポゼッションを得ますが、ここは得点できず。逆に茨城にファストブレイクを決められ、迫られます。
川崎は3:38、安彦のコントロールから8 上原一芦とのワンツーで抜け出しレイアップ。これはファウルで止められますが、フリースローを決めて9-7。逆に茨城も22 長谷場將成のフリースローで対抗。
オフェンスは停滞気味の川崎ですが、ディフェンスはしっかりと遂行し、相手のターンオーバーを誘発するなどします。特に山口はリバウンドはもちろんのこと、ブロックショットで茨城の得点チャンスを潰していきます。
川崎は7 西田瑛久のゴール下、寺田のフリースローで加点しますが、茨城は21 大森把吾斗のフリースロー、長谷場の3pt、39 梅原咲弥などで川崎を逆転し、12-15でこのクォーターを終えます。
2q、まだまだシーソーゲームの様相は変わりません。
茨城は梅原がファストブレイクを決めれば、川崎は上原のフリースロー、佐久間のフローターで加点。
上原のスティールから12 畑中駿景へボールが渡りますが、畑中はこれをファンブル。オフェンスのチャンスを失ってしまいます。更に茨城のスティールから大森にファストブレイクをキメラてたところで、川崎 村岡史哉HCはタイムアウトを申請。オフェンス時の落ち着かなさを考慮してか、立て直しを図ります。
しかし、タイムアウト明けにもうまくいきません。安彦と畑中の合わせから絶好のイージーバスケットを作り出しますが、決めきれず。更に安彦がアンスポーツマンライクファウルを取られ、茨城にフリースローとポゼッションを与えてしまいます。シューターの13 橋谷真季は2本きっちり決め、さらに大森の3ptも決まって15-24と差を広げられてしまいます。
川崎は佐久間と畑中の合わせ、山口のフリースロー、上原のフェイダウェイジャンパーでスコアを動かしますが、茨城も梅原が難しいシュートをねじこむと、富田のスティールから15 荻沼倖大がフローター、更に橋谷のバスケットカウントで点差はついに2桁に。
苦しい時間の続いていた川崎は、ここからオフェンスに勢いが出てきます。
大津のフリースローで得点差を縮めると、上原のスティールからフローターが決まって24-33。さらに相手のインバウンズをディフェンスで嵌め、山口のスティールからイージーバスケットを決めます。さらに全員ディフェンスでジャンプボールシチュエーションをもぎ取り、ポゼッションを奪うと、安彦がミドルドライブからバスケット・カウントをもぎ取り、フリースローも決めて3点プレーを完成。流れを一気に引き寄せます。
42.8秒、上原のディフェンスから安彦がスティール。これは得点には結びつきませんが、その後大津のフリースローで加点し、前半を30-35で終えました。
後半、流れを掴んだのは川崎。
8:55、山口がフェイクでディフェンスをかわしミドルドライブを決めて1on1を制すと、ゴール下での大津と山口の合わせで加点し連続得点。茨城のスコアをはさんで、山口フリースローで2点差に。そして7:06、畑中がねばって押し込んだセカンドチャンスポイントで37-37とスコアをタイに戻します。
更に直後、トップの位置でスティールを決めた大津がワンマン速攻。この試合久々のリードを奪います。ここで茨城が後半最初のタイムアウト。悪い流れを断ち切りにきます。
しかし、タイムアウト明けも川崎は流れを渡さず。
6:15、大津のドライブが決まれば、5:18、佐久間のブロックショットから大津が走り、フローターを決めて連続得点。更に4:20、大津は3ptまでも沈めて一気に茨城を突き放します。
続けて安彦のスティールから小野のファストブレイクが決まって川崎は11-0のランを達成。一気に二桁のリードとします。
シュートが決まらず我慢の展開が続いていた茨城は3:05、富田がドライブからダブルクラッチを決めて、重かったスコアを動かすと、梅原のステップバックスリー、荻沼、大森のファストブレイクなどで加点して盛り返し、このクォーターを52-49と、ワンポゼッション差まで縮めます。
迎えた最終クォーター、試合は再びリードチェンジを繰り返す展開に。
川崎が畑中のゴール下で得点すれば、茨城は梅原が3ptを決める。茨城が橋谷のファストブレイクで加点すれば、川崎は上原の3ptを決めて対抗。
それぞれの特徴を出し合い、得点を重ねていきます。
59-60で迎えた5:10、川崎は大津のキックアウトから小野がミドルジャンパーを決めて一歩前に出ると、茨城は大森のフリースローで前へ。川崎はオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスを小野が決めてまたもリードチェンジ。
3:46、大津、西田が連続で3ptを決めて69-62とリードが久しぶりに2ポゼッションになるも、茨城は富田のゴール下バスケットカウント、長谷場と34 藤岡琉音の合わせからの得点で再び1ポゼッションに。
そして1:34、茨城は梅原の3ptが決まって69-70。茨城が前に出ます。
1:23、川崎は大津の3ptが外れるも、こぼれ球を拾った小野がゴールにねじ込み71-70。
1:00、茨城はこの日両チームでのハイスコアとなる26得点目を決めて71-72。クラッチタイムでの攻防はまだ終わりません。
45.3秒、川崎は佐久間がフリースローを獲得し、同点、逆転のチャンスを得ますが、たまりにたまった披露のためか、2本ともに失敗。
絶体絶命の川崎は最終ポゼッション、12.9秒のところでエンドラインドライブから大津がフローターを決めて73-72。
土壇場で再度のリードチェンジに成功します。
12.7秒、川崎は茨城のインバウンズを激しいディフェンスで守りきり、試合はそのまま終了。
最後の一瞬まで目が離せない試合を制したのは川崎。これまで2度挑戦してきて到達できなかった、B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP での、本当に嬉しい初勝利となりました。この試合を決めたのが大津光合、山口朝陽といった、U15時代に川崎で研鑽を積み、高校バスケでの経験を経て戻ってきた選手たちだったことが、とても大切なことだと感じました。これまでの川崎ブレイブサンダースアカデミーを作ってきた先輩やかつてのチームメイトたちも喜んでくれていることだと思います。
これの勝利をもって、川崎は翌日に滋賀レイクスU18との対戦が決定。上位を目指してさらなる勝利を掴みたいところです。
破れた茨城ですが、凄まじい集中力で流れを持っていくなど、どちらが勝ってもおかしくない試合を展開しました。またどこかで、彼らの活躍が見られることを願っています。
川崎-茨城
1q 12-15
2q 18-20
3q 22-14
4q 21-23
合計 73-72
写真はなつこさんからいただきました。ありがとうございます!
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