5月に入り、川崎フロンターレU-18を卒業した選手たちもそれぞれ新しいチームでのシーズンを本格化させています。5月13日は日本工学院八王子グラウンドへ。昨年左SBとして攻守に活躍した川崎晶弘は、神奈川県茅ヶ崎市に本社のある社会人チーム、東邦チタニウムに入り、関東サッカーリーグ2部でゴールも記録。ここまで1勝2分けの東邦チタニウムは、この日、TUYとの試合に臨みました。
【関東サッカーリーグ2部第4節 TUY vs 東邦チタニウム】
5月13日(土)午後1時キックオフ 日本工学院八王子グラウンド 雨
関東大学サッカーリーグ1部の桐蔭横浜大サッカー部に属する選手で構成されるTUY。先発はGK31古瀬圭祐、DFは右から2松葉知己、4近藤瑛佑、3吉田誠、18佐藤喜生、ボランチはキャプテン5山内翼、7中井朗人、右MF6山崎俊輝、20冨樫凌央、FW10小原羽矢駄、11滝沢昂司。
東邦チタニウムの先発はGK1樫浦翔、DFは右から11深澤早、キャプテン20佐々木一磨、3常盤祐介、16久保拓也、ボランチ10宇都宮拓也、4佐野正典、右MF9加藤厚樹、左MF2川崎晶弘、FW8志村優、18和田直樹。
冷たい雨がグラウンドの人工芝を濡らし、好天に恵まれた前日までの初夏のような暑さもどこへやら。羽織るものがもう一枚ほしくなるような肌寒さのなか、試合は始まりました。
立ち上がり、ゴールへ迫ったのはTUY。志村が前線でボールをキープしリターンを受けた宇都宮から左へ展開。川崎がエリア左へ抜け出しますがこれはオフサイド。佐野、宇都宮がよくセカンドボールを拾い、さらに攻勢に出ていきます。しかし、5分にアクシデント。志村が負傷のため交代を余儀なくされ、13加藤卓也がピッチへ。志村の治療のため、救急車が呼ばれることに。
しばしの中断のあと再開された試合、TUYは小原や滝沢を起点に攻勢に。11分には左サイドへ抜け出した滝沢がクロスを上げるもクリア。東邦チタニウムも12分には川崎が頭ですらしたボール、加藤卓也が抜け出してGK31古瀬と1対1に。シュートはブロック。こぼれ球に川崎が詰めシュートを打つも右へ。
すると先制点はTUYへ。左からのクロスをエリア前で収めた山崎のリターン、エリア前左で中井がミドルシュートを放つとこれがゴールネットを揺らします。1-0。
TUYは吉田、近藤がラインを高く保ちコンパクトに。山内や中井がかかわって後ろから組み立て。松葉や佐藤の両SBも高い位置へ時折上がって裏を狙って動き出していきます。21分には冨樫から左へ展開。佐藤が左からクロスを入れるも常盤がクリア。東邦チタニウムは24分には佐々木がインターセプトし、エリア右を狙ってパスを出すもこれはシュートにはつながらず。
28分にはTUYも滝沢が足を痛めて自らピッチの外へ。9桑原孝太郎が前線に入ります。34分にはTUY、小原から右へ展開、山崎がクロスを入れるもクリア。
東邦チタニウムは前線の和田、加藤卓也、右の加藤厚樹、左の川崎が時折ポジションを入れ替え、川崎が前線に入って、和田が中盤の宇都宮や佐野とかかわり、活性化を図っていきます。38分には吉田の浮き球を深澤が折り返し、こぼれ球を加藤厚樹が拾いシュートを打つもTUYのGK古瀬が好セーブ。これで得た右からのコーナーキック、川崎が左足で入れたボール、常盤が合わせ枠をとらえますがGK古瀬がまたもこれを阻んで追いつくことはできず。
TUYも交代で入った桑原が切れのある動きで起点となり、山崎や冨樫とかかわり厚みのある攻撃をしかけていきます。40分には桑原がエリア前で出したパスに山崎が抜け出しますが東邦チタニウムは常盤が読みよくこれをカット。43分には桑原から右へ展開。折り返しにエリア左、冨樫がシュートを打つもここはGK樫浦がセーブ。
一方の東邦チタニウムも直後には左から加藤厚樹が仕掛けてシュートを打つもワンタッチあり決まらず。前半は1-0でタイムアップとなります。
ともにメンバー交代はなく始まった後半。前半と同様、冷たい雨が降る中、TUYが山内や中井がよくボールに絡んで前へ出ていきます。2分には山内が高い位置でボールを奪い、左へ展開。小原がエリア左からミドルシュートを打つも枠外。
東邦チタニウムは5分にはルーズボールに川崎がエリア左へと抜け出しますがシュートには持ち込めず。
6分にはTUY。小原のパスに、エリア右へ桑原が抜け出しシュートを打つも左へ。直後には東邦チタニウム、加藤厚樹のパスに、右から加藤卓也が抜け出しますがTUYの守備の前にシュートを打つことはできず。
すると次の1点もTUYへ。9分、左サイドから桑原が仕掛けて中央の小原を経由して右へ展開。エリア外右から山崎が入れたボール、エリア内で小原が押し込んでゴールネットを揺らします。2-0。
東邦チタニウムも直後には宇都宮のスルーパスに、エリア右、加藤卓也が抜け出しますがうまくボールを収めることはできず。
TUYは吉田と近藤の両CBがうまく連係、東邦チタニウムの前線に起点をつくらせず。セカンドボールも山内や中井がよく拾い、攻守の切り替えの良さでさらにゴールへ迫る場面をつくっていきます。19分には冨樫のパスにエリア内、桑原が抜け出してシュートを打つも左へ。
東邦チタニウムは後ろから組み立てを図るTUYに対して、和田や加藤卓也、川崎や加藤厚樹らが前から連動してプレスをかけていきますが、なかなか攻勢に転じることはできず。
21分には、桑原から右へ展開、山崎が折り返したボールにエリア左、小原がシュートを打つも東邦チタニウムは常盤がこれをブロック。さらに続くTUYの攻勢。24分には、桑原を起点にエリア右、山崎が抜け出しますが東邦チタニウムは佐々木がクリア。東邦チタニウムも川崎から右へ展開、和田の折り返しに加藤厚樹がシュートを打つも右へ。
ボールを失っても各選手の出足の良さで上回り、TUYがボールを取り返す場面がさらに続いていきます。41分には冨樫に代わり24中野勝太が左MFに。
東邦チタニウムは43分にはエリア外左で川崎がカット、エリア内、和田へパスを出すもGK古瀬の前にシュートには結びつけられず。
46分にはTUYは桑原に代えて17石井康輝を入れ、最終ラインに。守備時には5バックとなって逃げ切りへ。東邦チタニウムはGK樫浦が前へボールを入れるなどして何とか1点を狙っていきますがなかなかシュートには持ち込めず。逆にTUYにカウンターからゴールへ迫られる場面をつくられ、追加点こそ許さなかったものの試合はタイムアップ。2-0。TUYが勝利することに。東邦チタニウムは今シーズン初黒星で1勝2分け1敗となりました。
前半1-0 後半1-0 計2-0
得点:中井朗人、小原羽矢駄(TUY)
TUYの先発:31古瀬圭祐、2松葉知己、4近藤瑛佑、3吉田誠、18佐藤喜生、5山内翼(c)、7中井朗人、6山崎俊輝、20冨樫凌央、FW10小原羽矢駄、11滝沢昂司
交代:滝沢→9桑原孝太郎 冨樫→24中野勝太 桑原→17石井康輝
東邦チタニウムの先発:1樫浦翔、11深澤早、20佐々木一磨(c)、3常盤祐介、16久保拓也、10宇都宮拓也、4佐野正典、9加藤厚樹、2川崎晶弘、8志村優、18和田直樹
交代:志村→13加藤卓也
フリーキックやコーナーキックのキッカーもつとめるなど、チームの中でポジションをつかみつつある様子の川崎。ゆくゆくはJリーグ加入を狙うチームもあれば、教員主体のチーム、TUYのような大学生のチームなど、さまざまなチームが集まる関東サッカーリーグ2部だからこそ、できる経験があると思います。これからどんな選手になっていくのか、とても楽しみにしています。
(文中敬称略)
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