1月13日、国立競技場で史上最多の5万8347人を集め、行われた全国高校サッカー選手権大会の決勝は、ともにプレミアリーグEASTに属する前橋育英と流通経済大柏が対戦。1-1、PK9-8で前橋育英が7大会ぶり2回目の優勝を果たしました。
今大会、試合でメンバーに入ることこそなかったものの、登録30選手に名前を連ねたのが川崎フロンターレU-15生田出身、流通経済大柏のDFメンディーサイモン友(1年)。
プレミアリーグEASTでも登録選手に名前を連ね、U-15生田時代のチームメート、川崎フロンターレU-18のDF藤田明日翔とともに、U-16日本代表にも選出されるなどした2024年や、選手権を終えての心境などについて、聞きました。
〇お疲れさまでした。まずはこの大会振り返ってみてどうでした?
そうですね。まずは自分は最後、ベンチ入ることができなくて。自分が出て、勝たせたかったんですけど。最後は見守る側になってしまったんですけど。
3年生たちの素晴らしい後ろ姿を自分は見て、来年再来年と、「自分がチームを引っ張っていかないと」と思いました。
〇大会の期間中はどういった役割をしていたんですか?
1年生としてできること。チームを支えたりとか、ムードメーカーとしてチームを元気づけていました。
〇大会期間中は紅白戦もけっこうやったりしていたんですか?
やりました。
〇じゃあ、そういうときに相手方の選手というか、やはりセンターバックで?
はい。
〇改めて、国立で5万人とか入る舞台で。なかなか経験できないもので。ベンチに入れなかったにせよ、感じるものってありますか?
そうですね。選手権というのは3年生にとって一番大きい大会なので。その舞台には立てなかったんですけど、メンバーに入れてもらえたので。
やっぱり今日見たその姿を。なかなか味わえないと思うので。来年は自分らが3年生の仇を取るためにも、自分たちが必ず優勝して、3年生に「勝ったぞ!」ていう顔を見せたいです。
〇この1年間を振り返ってどうですか? 1年前、自分のこうなった姿を想像したりしていました?
まず、代表とかも呼んでもらって。全然そんな選手じゃなかったんですけど、やっぱり流経に入ってから、榎本監督のもとで厳しく指導してもらって。
中学のころまでは気合でけっこう行けたんですけど、(中学の)3年生になると頭も使ってきて、全然前までの自分の強さだけでは生きなくなってきて。
そういった面でも、3年生の奈須さん(奈須琉世)とか夢真さん(佐藤夢真)とかにアドバイスをしてもらって、自分がすごく成長できて。
来季はもう、自分がスタートで出れるような選手になって。やっぱりこの期間中で、プレミアもすぐ4月に始まるので、自分がそこにコンディションをしっかり合わせて、しっかりと流経を支えるセンターバックとして、頑張っていきたいです。
〇今日出ていた2人は自分のお手本になるようなセンターバック?
やっぱり高校に入ったときは、「スタメンで出たい」って思いだったんですけど、今日出ていた夢真さん・奈須さんのセンターバックは、とても強いので、やっぱりその壁は最後まで大きくて。でも、その後ろで自分がサッカーを続けることができたから、多分、自分がこんなに成長できたと思いますし。
自分はユースに行けなくて、高校に来たんですけど、「流経に来て良かったな」ってとても思っています。
〇じゃあ、何か自分がなりたい選手というものが明確に見えたような、感じですかね?
やっぱり高校は。奈須さんを超えるセンターバックになります。やっぱり日本一うまいセンターバックだと思っているので、2人とも。
〇そうですね。流経、守備がかたくて、対応も的確だなって。
そうですね。その2センターバックを超えられるセンターバックに、まずはなって。しっかり高校卒業時にはプロから声がかかるような選手になりたいと思います。
〇2年生だけど、最終ラインでチームを支えるような存在に。
はい。
〇また、フロンターレとプレミアでやる機会もあると思うんですけど、それについては?
そうですね。勝ちます、流経が。それだけです。流経が勝ちます。
〇今大会では、フロンターレにいた選手がけっこう出ていましたけど、開会式では会いました?
会いました。雄基(佐々木雄基、静岡学園)には会いました。1個上だったのでけっこう仲良かったんですけど、ちょっと話しました。
〇どんな話を?
「でかいね」って言われて。あんまり時間がなかったので、「久しぶり」みたいな感じで話をしました。
〇フロンターレの同期の子からは連絡ありました? メンバーに入って。
そうですね。元フロンターレの子とか、今もフロンターレの子とか、けっこう応援メッセージもらいました。
〇来シーズンもまた代表に呼ばれる機会もあるのかなと思うんですけど、代表にもやはり入り続けたい?
そうですね。代表に入り続けて。もちろん今選ばれ続けることも大事なんですけど、最終的にはやっぱりトップの、しっかりとしたトップの日本代表に選ばれることが、最終的な自分の目標なので、やっぱりこのU-16に選ばれて満足せずに、もっと上を目指して飛び級も目指して、自分が落ちないように、自分に厳しく、成長していきたいと思います。
〇目指すのはワールドカップだったりとかそういった場ですかね?
そうですね。今はまだ全然自分が出れる実感は湧かないんですけど。自分がもし成長してワールドカップに出たら緊張もすると思うんですけど、頑張りたいと思います。
〇フロンターレのアカデミーを応援しているサポーターにメッセージをいただいてもいいでしょうか?
やっぱり自分はフロンターレから育ったので。小学生の低学年の頃からフロンターレに入ったので。
そのおかげで今にもつながっていると思いますし。やっぱり昔から自分をサポートしてくれた人には、とても感謝しています。
◇
どちらが勝ってもおかしくはない。そんな試合を演じた末に、準優勝に終わった流通経済大柏。
メンバーに入ることはできませんでしたが、ピッチに立った先輩たちの姿を間近で見たからこそ、「今度は自分がチームを引っ張る存在に」。そして、「必ず優勝したい」。
自らが成長する道しるべのような存在だった奈須琉世やキャプテンの佐藤夢真といった3年生の想いも、受け継いで、メンディーサイモン友は、これからに向かおうとしています。
大きな成長。選手権での悔しさ。さまざまな経験を経て迎える2025年はどういったものになるのか、とても楽しみにしています。
そして、プレミアリーグEASTでの対戦を、とても楽しみにしています。
(文中敬称略)
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