10月26日月曜日、朝の北陸新幹線で金沢へ。この日はたまたま休みで、よくよくJリーグのスケジュールを見たら試合が予定されていたのが金沢vs北九州。フロンターレではもうアウェー遠征もなさそう(と思ったら天皇杯の会場が万博になってしまいましたが...)、北九州には小松塁、風間宏希、金沢には田中パウロ淳一とフロンターレにかつて在籍した選手もいる、ということで、行ってみることにしました。
お昼前に金沢駅についてひたすら金沢城や兼六園、近江町市場などを5時間くらい歩き回ってから駅に戻ったのは夕方。街中を見てもあまりツエーゲンのポスターなどはなく、まだまだ浸透していないのかな、と思いつつも駅の西口へ着くとちらほらと北九州のサポーターの方々が。
予定時間ぎりぎりに駅にスタジアムへのバスが着くとどこからともなくツエーゲンのユニホームを着た男性と女性が現れ「歓迎 ギラヴァンツ北九州様」の紙を掲げて出迎え、バスを見送ります。
温かな気持ちになって20分ほどバスに揺られると試合会場の石川県西部緑地公園陸上競技場に着きました。
この日のツエーゲン金沢はハロウィーンナイトと題したイベントを企画。仮装をすれば入場料が割引きになるなどサービスもあり、マスコットのゲンゾーさんも仮装でサポーターを出迎えます。
会場に入ると陸上競技場ではありながらも角度があり見やすいスタンド。ピッチ脇を見ると見覚えのある選手の姿が。かつてはフロンターレにも練習参加したこともあった、筑波大出身、ツエーゲン金沢の玉城峻吾と話し込む風間宏希でした。
荷物を席において外へ出ると仮装をしたスタッフやサポーターがあちらこちらを歩き回り、すっかり日もくれたこともあってなかなかの雰囲気。サイン会に臨むツエーゲンの選手も仮装をしていたら、完璧でした。
あまりお腹は空いてなかったため、みたらし団子を1本だけ食べて場内へ戻ると両チームのGK、次いで選手たちが姿を表しアップが始まりました。
先に選手紹介がされたのは北九州。GK鈴木彩貴、DF星原健太、前田和哉、西嶋弘之、川島大地、MF風間宏希、加藤弘堅、小手川宏基、内藤洋平、FW小松塁、原一樹がこの日の先発メンバー。
一方の金沢はGK原田欽庸、DF辻尾真二、太田康介、作田裕次、阿渡真也、MF清原翔平、秋葉勝、山藤健太、星野有亮、佐藤和弘、FWジャーン・モーゼルが先発メンバー。田中パウロ淳一はサブ。星野は静岡学園では大島僚太の同級生で専修大学をへて今季加入したルーキー。
果たして3人が同時にピッチに立つ時は来るのか。期待を抱きながらも始まった試合、ワントップのモーゼルを起点にしようとする金沢と、風間宏希、加藤のボランチコンビがゲームをつくる北九州のせめぎあいが続きましたが、前田と西嶋のCBコンビがモーゼルに自由を与えずモーゼルとほかの選手の距離が遠かったこともあってか次第に流れは北九州へ。
18分に川島のフリーキックのこぼれ球を小手川が決めて0-1。北九州が先制します。
J2序盤戦では旋風を起こし首位に立った金沢でしたが、ここしばらくは未勝利。この日もアンカーに星野を起用するなど試行錯誤をしていることがうかがえる布陣。北九州とはチームの成熟度の差が出たのか、スコアが動いてからは北九州がペースを握っていきます。金沢もセットプレーから得点を狙うものの前田、西嶋らが跳ね返し、同点とはさせません。
後半立ち上がりの北九州、小松塁が左から仕掛けて1対1を制するとエリア内へ送ったボールを再び小手川宏基が決めて2-0。だいぶ調子の良さそうな小松も16分にはゴールを決めて3-0。北九州は守備をしっかりしつつも、原と小松の2人が前線で起点となって、優位に試合を進めていきました。
佐藤和弘に代えて玉城峻吾、辻尾に代えて左利きのDFメンデスを入れて何とか1点を返そうと巣する金沢でしたが、メンデスが前線へフィードを送ってもセカンドボールを拾えずなかなか決定機をつくれません。
残りの交代枠は一人。呼ばれるのは誰かな、と金沢のベンチを見ているとビブスを脱いだのは田中パウロ淳一。35分に秋葉勝に代わってピッチに立ち、両チームの元フロンターレ選手が同時に出場することになりました。
モーゼルの近くでプレーしつつも相手ボール時には守備にも戻った田中パウロ淳一。風間宏希に激しくプレッシャーをかけながらもドリブルでボールを運んでいく一幕も。守備に頑張る宏希にもそれに負けないパウロにも嬉しくなる場面。
ボールが前線へ渡ってエリア前やや右から田中パウロ淳一がGK鈴木と1対1になる場面もありましたが、うまく体を入れられてシュートをうまく打つことはできませんでした。
40分には交代で出場したかつてのフロンターレキラー大島秀夫らが起点となってまたも小手川がハットトリックとなるゴールを決めて0-4。風間宏希は42分に市川恵多と交代し、ピッチを退きます。
結局スコアは0-4。終わってみればギラヴァンツ北九州がここまで培ってきたチームの力を発揮するかたちとなりました。
試合を終えて握手をかわす選手たち。小松塁が田中パウロ淳一と握手をかわし、ポンッと肩をたたく姿が心に残りました。
北九州で主力を担う小松塁と風間宏希。劣勢のなか、最後の交代枠で呼ばれた田中パウロ淳一。それぞれがそれぞれの道を歩んでいる姿を見られて嬉しくなる月曜日の夜でした。
(文中敬称略)
【J2第38節 ツエーゲン金沢vsギラヴァンツ北九州】
10月26日(月)午後7時キックオフ 石川県西部緑地公園陸上競技場 2255人 晴れ
前半0-1 後半0-3 計0-4
得点:小手川宏基3 小松塁(北九州)
金沢のメンバー:GK 31 原田欽庸 DF 15 辻尾真二(68分→DF 16 メンデス)5 太田康介 3 作田裕次 2 阿渡真也 MF 7 清原翔平 30 秋葉勝(80分→MF 49 田中パウロ淳一) 8 山藤健太 25 星野有亮 FW 10 佐藤和弘(65分→MF 19 玉城峻吾)FW 11 ジャーン・モーゼル
控え:GK 21 大橋基史 DF 18 野田紘史 4 チャ・ヨンファン MF 29 茂木駿佑
北九州のメンバー:GK 21 鈴木彩貴 DF 3 星原健太 5 前田和哉 6 西嶋弘之 19 川島大地 MF 7 風間宏希(87分→DF 4 市川恵多) 17 加藤弘堅 10 小手川宏基(86分→MF 11 井上翔太) 18 内藤洋平 FW 9 原一樹(79分→FW 15 大島秀夫)25 小松塁
控え:GK 1 阿部伸行 DF 16 弓崎恭平 FW 14 渡大生 28 大塚翔平
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