「フロンターレが好きですし。幼いころから育った川崎という町が好きなので。そういう部分を心に持ちながら生きていきたいというのは思っています」 / MF南暖


川崎そだちがスタートした、2015年は川崎フロンターレU-12が4年ぶりにダノンネーションズカップ in JAPANで優勝したシーズン。

当時6年生だった選手たちは、2018年にはフロンターレU-15の選手として、関東ユース(U-15)サッカーリーグ2部で優勝。さらに高円宮杯全日本U-15サッカー選手権大会で3位に。大きな躍進を遂げました。

 

その中で、FWやサイドアタッカーとしてプレーしていたのがMF南暖。

 

2016年フロンターレU-13時代の南暖選手

 

フロンターレU-15の2年生のときの南暖選手

 

2018年、高円宮杯全日本U-15サッカー選手権大会準々決勝、青森山田中戦で鈴木洋平GKコーチから指示をうける南暖選手

 

U-10からU-15まで過ごしたフロンターレのアカデミーを離れた後は、日大藤沢へ。

 

 

2020年、フロンターレU-18との練習試合に日大藤沢の選手として出場した南暖選手

 

日大藤沢を卒業後は、2年のブランクを経て、2024年に関東大学サッカーリーグ戦東京・神奈川1部の日本大文理学部に加入。今季は4年生として、最後のシーズンを迎えています。

 

 

9月1日、アローレパーク 文化杉並学園八王子グラウンドで行われた関東大学サッカーリーグ戦東京・神奈川1部第15節、桜美林大戦では右ウイングバックとして、先発。

 

日本大文理学部の南暖選手

 

上下動を何度も繰り返し、フロンターレU-15の後輩であるMF城田優のパスを、うまくおさめてクロスを上げる場面も。

57分と早い時間での交代とはなり、日本大文理学部も0-3と敗戦という結果とはなりましたが、厳しい暑さの中、攻守に奮闘するところを見られたことは、とてもうれしいものがありました。

 

試合後に南暖に話を聞きました。

 

 

南暖選手



〇お疲れ様です。まずは今日の試合を振り返ってみて、いかがですか?

今日は後期の開幕戦だったんですけど。この夏休みで準備してきたことを出したかったなかで、その相手の勢いとかにものまれて。

前半はわりと悪くはない試合運びはできていたんですけど。

後半の2失点目以降、チームとして崩れてしまって。

自分としては、ちょっと。途中で鼻血が出てしまうアクシデントがあったんですけど。

そこからちょっと貧血ぽくって。早めにアウトになっちゃたんですけど。

今日は自分の中では、後悔が残る試合で。走り切れなかったりとか。球際のところでもっと強くいけなかったりとか、という部分があったので。


そういう部分は次からの試合に向けて、しっかりと改善してやっていきたいな、と思います。



〇ポジションとしては、3バックで右の?

3バックをやっているので、3-2-4-1のフォーメーションで、ウイングバックをやっています。


〇やってみてどうですか?

特に夏の期間はやっぱり暑さもあって。上下の動きがすごい多いので。しんどいんですけど。

その自分が頑張ったところで、けっこうチームも自分から、攻撃が始まったりとかっていうシーンがあるので。

自分としては納得しているというか、満足できるようなポジションで。自分の動き次第でチームを変えられるのは、すごくやりがいのあるポジションだなと思っています。


〇大学1年目からはプレーしていなかったですよね?

そうですね。1年目と2年目はまだこの部活に入っていなくて。違うチームでサッカーをしていたんですけど。

日藤出身の選手もすごい多いので。誘っていただいて、3年生から入ったというかたちになります。



〇何か環境の違いとか感じたりします?

指導者とかも学生がやっているので。ほかのチームと比べたら緩い雰囲気でやっているんですけど。

そのぶん、すごい仲の良さというのがあって。

チームとしての雰囲気は、ほかのどのチームよりも良い、というのはあります。


〇今年はチームとしての目標はどうなんですか?

チームとしては、本来はリーグ戦で3位以内に入るということだったんですけど。

ちょっと後期になって、状況も変わってきたので。(第15節終了時点で7位)

5位を目指すというところにシフトチェンジをして頑張っています。


〇個人としては、今年が最後のシーズンになると思うんですけど、何か目標は?

まずはやっぱり試合に出続けることというのはやりたくて。

その中で、ほかの人との違いを見せて、自分は過去にフロンターレでやらせていただいたこともあるので。

けっこうこれまでいい環境でプレーをしてきて。

そういう部分を、ほかの人とは違う環境でやってきたというのを、しっかりとプレーで見せれるようにしていきたい、というのはあります。



〇ここまでゴールも決めたりしていると思うんですけど、どうですか?

やっぱり攻守において活躍できるポジションだと思っているので。

攻撃は自分が点を決めて。守備は相手の攻撃を抑えて、というふうに。一番結果に直結するところで。

自分がやったプレーが結果につながると思うので。そのへんはしっかり責任感を持ってやっていきたいというのはあります。


〇卒業後の進路は決まっているんですか?

普通に就職で内定は決まっているんですけど。特にサッカーはどうしていくかというのは決まっていなくて。

社会人のサッカーでやりたい、というのはあるんですけど。ちょっとこれから考えていこうかな、という感じです。


〇同期のフロンターレの選手がだいぶ、Jリーグに。輝大君(佐々木輝大、関東学院大、水戸ホーリーホック加入内定)とか幹大君(田中幹大、中央大、いわきFC加入内定)とか、あとは勇作君(田鎖勇作、拓殖大、SC相模原加入内定)が決まりましたけど、それについて思うところは?

本当に誇らしいですね。

うれしくて。その半面、自分は何しているんだみたいなものはやっぱりあるんですけど。それでも、やっぱり自分と一緒にやっていた選手たちが羽ばたいていくというか。

活躍しているのを見て、僕はすごいうれしいですし。

うちの代は仲がけっこう良かったと思うので。いまだにみんなで集まってサッカーしたりというのもやっているので。

今後もそういうのをやっていきながら、プロになった選手はこれからずっと応援し続けたいですし。

自分はプロにはなれなかったんですけど。

ほかの分野で活躍していきたい、というか。何かしら名を残すような人になりたいというのはあるので。

そういう部分では、僕も頑張っていきたいというのは、すごい力をもらっていますね。


〇フロンターレに対する思いというのは、今ありますか?

フロンターレもやっぱり先輩だったりが、今プレーしているじゃないですか。宮城君(宮城天)だったり、良汰君(神橋良汰)だったり。

あとは後輩。僕は関わっていないですけど、大関君だったり。頑張っていて。

やっぱり自分自身、すごい応援していますし。試合とか、見に行く機会は今あまりないんですけど。

これから、どんどん見に行きたいというのはあって。

やっぱり、僕はフロンターレが好きですし。幼いころから育った川崎という町がすごい好きなので。

これからも、そういう部分をしっかり心に持ちながら、生きていきたいというのは思っています。


〇フロンターレのサポーターの方にメッセージをお願いします。

僕自身はそこまで大きな活躍というのはしていないんですけど。

僕の周りにいる子たちとか。それこそ、同年代の活躍している選手たちとかを、これからも応援してほしいなというのはあります。

よろしくお願いします。


フロンターレU-15出身の城田優選手、松尾凜久選手と南暖選手

 

 

筆者としては、プレーを見るのは、フロンターレU-18との練習試合に、日大藤沢の選手として出場した2020年以来、5年ぶり。

自分のプレーがチームの結果に直結する。責任感とやりがいと、フロンターレで育ったという誇りを胸に、大学最後のシーズンに臨んでいるところを見られたことは、とてもうれしいものがありました。

残りのシーズン、どんな結果を残すのか。どんな活躍を見せていくのか。

とても楽しみにしています。

 

(文中敬称略)

CC BY-NC-ND 4.0 This work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License.

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