11月21日は、千葉県市原市のゼットエーオリプリスタジアムへ。来季のJFLへの昇格チームを決める全国地域サッカーチャンピオンズリーグの決勝ラウンドが始まり、川崎フロンターレU-18出身の選手やかつてフロンターレでプレーした選手たちもそれぞれのチームで大切な一戦に臨みました。
全国地域サッカーチャンピオンズリーグには各地域リーグの上位10チームと、全国社会人サッカー大会の優勝チーム、準優勝チームの計12チームが出場。3グループに分かれて行う1次ラウンドを1位で通過した3チームと、2位のうち、もっとも多くの勝ち点を得た1チームの計4チームが決勝ラウンドへ進み、総当たりで行われるリーグ戦の上位2チームがJFLへ昇格することになります。
今回はFC刈谷、鈴鹿アンリミテッドFC、松江シティFCが各グループの首位ととなり、2位の最多勝ち点チームとなったJ.FC MIYAZKIとともに決勝ラウンドへ進みました。
【全国地域サッカーチャンピオンズリーグ決勝ラウンド FC刈谷 vs 松江シティFC】
11月21日(水)午前10時45分キックオフ ゼットエーオリプリスタジアム 晴れ 420人
第1試合は、全国社会人サッカー大会で準優勝し出場権を得たFC刈谷と、中国サッカーリーグを制した松江シティFCの対戦。両者は、全国社会人サッカー大会の決勝でも対戦しており、その際は3-2で松江シティが勝利し、優勝を果たしています。
FC刈谷の先発は、GK1藤沢純也、DFは右から2長野祐太、キャプテンの6水木将人、17佐々木宏樹、26菅原渉、ボランチは15内田悟、16沖山正信、右MF5河野圭吾、左MF8中野翔太、トップ下4藤本陽平、FW7中野裕太。
長野はフロンターレU-18出身。神奈川大学では、精度の高いプレースキックと機を見た攻撃参加を武器に、伊東純也や高木利弥(ともに現柏レイソル)とともにチームの1部昇格に貢献した選手。また、フロンターレU-18から金沢星稜大へ進み、JFLのヴェルスパ大分を経て、今季FC刈谷に加入したFWの23西原樹も控えに入りました。
松江シティの先発は、GK1船川航司朗、DFは右から13筒井俊、3下村尚文、5長谷川翔平、29平林卓也、ボランチは14長谷優、キャプテンの31田平謙、右MF8宮内寛斗、左MF9西村光司、トップ下20磯江太勢、FW19酒井達磨。
好天に恵まれたゼットエーオリプリスタジアムのメインスタンドには平日としては多くの観客が集まり、バックスタンドでは、それぞれ10人ほどのFC刈谷、松江シティのサポーターが幕を出し、チャントやコールで選手たちを後押しするなか、試合は始まりました。
立ち上がり、西村の左クロスからコーナーキックを得た松江シティ。シュートにこそつながりませんでしたが、4分には酒井が左サイドからエリア前にうまく仕掛け、シュートに持ち込むなどFC刈谷のゴールを次々におびやかしに。ラインを高め、田平や長谷もかかわって、西村や磯江がサイドからよく仕掛けていきます。
FC刈谷も14分にはようやくカウンターへ持ち込み、河野の浮き球のパスにエリア前に藤本が抜け出すも松江のGK船川かセーブ。シュートにはつながらず。
試合は、松江シティがコンパクトに、いい距離感でボールを保持。平林の左クロスに酒井が飛び込んだり、宮内の縦への仕掛けからコーナーキックを得るなどしていきます。
FC刈谷は、マイボールにしてもなかなか決定的な場面はつくれず。20分には、長野のパスにエリア右へ内田が飛び出すも松江の守備も粘り強く、シュートにはつなげられず。
そこから松江の攻勢の場面へ転じ、23分には宮内がエリア前でうまく切り返しシュート。ここではGKの藤沢がセーブ。さらに長谷のスルーパスに酒井がうまくエリア内に抜け出しますが、FC刈谷の佐々木がブロック。FC刈谷は、中野裕太もエリア近くに戻り、磯江のシュートをブロックするなどして、松江シティの攻めに対峙していきます。
しかし、35分、松江シティは西村がボールを高い位置でカットし磯江を経由してエリア右へ。宮内がシュートを放つとボールはゴールの中へ。0-1。先制点は松江シティに入ります。
追いかける展開となったFC刈谷は直後には長野が右サイドの高い位置へ。クロスを上げると遠いサイドで菅原がシュート。GK船川のセーブに阻まれましたが、両SBがかかわった攻めから同点ゴールを目指していきます。
一方の松江シティも42分には宮内の右クロスに酒井が頭で合わせるなどゴール前での場面をつくり、追加点を狙う姿勢を見せに。しかし、最後のところではFC刈谷も佐々木や水木が体を張った守備を見せ、ゴールにはつながらず。前半は0-1でタイムアップとなります。
後半も立ち上がりから宮内の仕掛けからコーナーキックを得るなどしていく松江シティ。田平が下村や長谷川の間に下り、後ろからボールを動かし、ピッチを幅広く使っていきます。
しかし、10分エリア外右でファールを受けたFC刈谷。フリーキックを得ると、藤本がエリア内に右足で入れたボールに、内田が頭で合わせ、ゴールネットを揺らして1-1。FC刈谷が追い付きます。
勢いに乗ったFC刈谷は直後には長野が右サイドの高い位置へ。クロスはブロックされ、右コーナーキックに。中野翔太が右足で入れたボール、水木が合わすもGK船川がセーブ。
ここから攻撃へと切り替えた松江シティもフリーキックのセカンドボールを拾い、宮内がシュートを打ったり、18分には酒井のリターンを受けた長谷がエリア正面でミドルシュートに持ち込んだりしていきますが、FC刈谷の体を張った守備を上回ることはできず。
FC刈谷も25分には中野裕太の縦パスにエリア内に中野翔太が抜け出しシュート。しかし、船川がセーブ。ともに次の1点を挙げるには至らず。一進一退の場面が続き、終盤へ。
34分、松江シティは長谷に代わり17出口稔規。一方のFC刈谷は河野に代わり23西原樹が入り、FWに。藤本が左MFへ。
FC刈谷は、後ろからボールを動かしていこうとする松江シティに対して、西原や中野裕太が高い位置から連動してプレスをかけるなどして打開を図りに。松江シティも出口が積極的にエリア近くに顔を出すなど厚みのある攻めを見せていきますが、なかなか枠へシュートは飛ばすことはできず。
ともに勝ち越しのゴールは挙げられないまま、3分のロスタイムが提示されます。
46分にはFC刈谷は沖山に代わり27富田竣介、松江シティは酒井に代わり7岡本秀雄。
47分にはFC刈谷、長野が高い位置へ仕掛け、右からクロスを入れると、うまくエリア正面に抜け出した西原がシュート。しかし、船川のセーブに阻まれ惜しくもゴールとはならず。
ともに次の1点を挙げることはかなわずに試合はタイムアップ。1-1。勝ち点1を分け合うことになりました。
前半0-1 後半1-0 計1-1
得点:内田悟(FC刈谷) 宮内寛斗(松江シティFC)
FC刈谷の先発:1藤沢純也、2長野祐太、6水木将人(c)、17佐々木宏樹、26菅原渉、15内田悟、16沖山正信、5河野圭吾、8中野翔太、4藤本陽平、7中野裕太
交代:河野→23西原樹 沖山→27富田竣介
控え:41中村慧 3酒井隆也 10坂本樹是 13今部勇太 18浜田康寿
松江シティの先発:1船川航司朗、13筒井俊、3下村尚文、5長谷川翔平、29平林卓也、14長谷優、31田平謙(c)、8宮内寛斗、9西村光司、20磯江太勢、19酒井達磨
交代:長谷→17出口稔規 酒井→7岡本秀雄
控え:1守山健二 4種市真太 24赤尾凌 25赤尾俊 18相馬将夏
右SBとして攻守に奮闘する長野、また、試合を決める切り札として起用された西原。それぞれがチームで確かな役割を担っていることを目にすることができ、嬉しさを感じる試合となりました。残り2試合、FC刈谷が勝ち抜いて、全国の舞台でもそのプレーを見られることを願っています。
(文中敬称略)
写真はあんざいさんからも頂きました。ありがとうございます!
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