11月21日、ゼットエーオリプリスタジアムで行われた全国地域サッカーチャンピオンズリーグ決勝ラウンド。FC刈谷と松江シティFCが1-1で引き分けた第1試合に続いて、第2試合では、鈴鹿アンリミテッドFCと、J.FC MIYAZAKIが対戦しました。
【全国地域サッカーチャンピオンズリーグ決勝ラウンド 鈴鹿アンリミテッドFC vs J.FC MIYAZAKI】
11月21日(水)午後1時半キックオフ ゼットエーオリプリスタジアム 晴れ 650人
3年連続出場の鈴鹿アンリミテッド。先発は、GK17月成大輝、DFは右から15中村俊貴、3藤井竜、4キローラン木鈴、22芦田成利、ボランチは25和田篤紀、6藤田浩平、右MF11泉宗太郎、左MFキャプテンの10堀河俊大、FW7エフライン・リンタロウ、9藤沢ネット。
2年ぶりにこの大会に挑むJ.FC MIYAZAKIの先発は、GK1渡邊敬人、DFは右からキャプテンの17徳重翔大、3チェ・ボンウォン、4キム・ミンギ、23小松峻輔、ボランチは16橘本勇次、15本玉林平、右MF11無津呂武瑠、左MF8高橋健哉、FW13白坂拓也、34黒津勝。2001年から12年までをフロンターレでプレーした黒津が先発に名前をつらねました。
大きな幕を出し、チャントを歌い、30人ほどの鈴鹿アンリミテッドのサポーターが声援を送れば、わずかに一人ながら、J.FC MIYAZAKIのサポーターも太鼓を叩いて懸命に声を張り上げ、選手を鼓舞するなか、始まった試合。
立ち上がり、MIYAZAKIは白坂のボールキープから人をかけた攻めを試み、高橋が高い位置へ仕掛け、ゴールへ迫りに。黒津はコーナーキックのキッカーも務め、セットプレーからゴールを引き出そうとしていきます。
しかし、鈴鹿アンリミテッドは、キローランや藤井を中心に黒津のシュートをブロックするなど、しっかりMIYAZAKIの攻撃に対応。次第に流れを引き寄せていきます。8分には、左SBの芦田のクロスがエリア外右に流れ、受けた泉がエリア前に仕掛け、シュート。GKの渡邊のセーブに遭いましたが、ゴールに迫っていきます。
鈴鹿アンリミテッドが、エフラインや藤沢が前線で起点となり、堀河や泉がかかわり、ラインを高め、相手陣内でのプレーを重ねる場面が続き、14分には左コーナーキック、堀河が右足で入れたボール、キローランが合わせると枠をとらえますが、GK渡邊がセーブ。
MIYAZAKIはすばやいリスタートから高橋が中央を駆け上がろうとするも、鈴鹿アンリミテッドは藤田がカバー。切り替えの良さでも上回っていきます。
18分には、MIYAZAKI、黒津がフロンターレ時代を彷彿とさせるようなスピードで、高い位置でボールをカット、しかし、白坂がオフサイドとなりシュートにはつなげられず。
すると、19分、鈴鹿アンリミテッドは左サイドの高い位置で堀河が仕掛けると、左クロスにエフラインが合わせ、ボールはポストに。拾ったエフラインが自らシュートを決めて、1-0。鈴鹿アンリミテッドが先制します。
22分にはMIYAZAKIも、黒津からボールを受けた高橋がエリア前に仕掛けるなどして、人数をかけた攻めに。左へ展開し小松の左クロスに、エリア内、白坂が合わせますが、GK月成が好セーブを見せてゴールとはならず。
すると26分、鈴鹿アンリミテッドは藤沢の左クロスからエフラインが頭でシュート。これはバーに阻まれましたが、エリア外で拾った藤田のミドルシュートがゴールへ突き刺さるようにして決まり、2-0。
さらに鈴鹿アンリミテッドは高い位置でボールをカットした堀河が、エリア外左からバーを叩くミドルシュートを打つなどゴールをおびやかしていきます。
MIYAZAKIは、33分、無津呂に代え、2重富朝登を入れ、3バックに。攻守にてこ入れを図りに。スローインを得ると、エリア内にチェやキムも上げ、白坂のロングスローからゴールを狙いにいきますが、なかなか決定機はつくれず。黒津も前線だけではなく、中盤に下りて組み立てにもかかわっていこうとしますが、鈴鹿アンリミテッドはエフラインも時には中央に下りて、守備にいくなど、コンパクトに守っていきます。
前半は2-0。鈴鹿アンリミテッドリードでハーフタイムへ。
後半MIYAZAKIは、橘木に代え、19小笠原賢聖。鈴鹿アンリミテッドはそのままでのメンバーでのスタート。立ち上がりからラインを高め、小笠原や本玉が多くボールに触り、MIYAZAKIがゴールをうかがおうとしていきますが、なかなかエリアには近づけない展開が続いていきます。11分には高橋が右サイドを仕掛け、エリア正面で受けた白坂がシュート。しかし、ブロックされ、ゴールをおびやかせず。
ボールこそ、MIYAZAKIに持たれていたものの、鈴鹿アンリミテッドはいったんボールをものにすると、そこからシュートに持ち込む場面をつくりに。高い位置でエフラインがボールをカットしシュートを打ったり、16分には右サイドを崩して、最後はエリア右から藤沢がシュートを打ったりするなどしていきます。
13分、MIYAZAKIは白坂に代わり20渡辺正嗣。20分にはGK渡邊のスローから右サイドを徳重が仕掛け、エリア前にボールを送ると黒津が鋭いターンからシュート。しかし、月成のセーブに阻まれ、ゴールとはならず。
25分にはさらにMIYAZAKIは交代。小松に代え、7高瀬廉。一方の鈴鹿アンリミテッドも27分には藤沢に代わり28小澤司。
黒津や渡辺らが仕掛け、人数をかけ、攻めに出ていくMIYAZAKI。落ち着いてそれに鈴鹿アンリミテッドが対応していく展開が続いていきます。35分には、エリア外正面で小笠原がシュート。GK月成の逆をついたものになりますが、最後はよく月成が立て直し見事な反応を見せ、ゴールとはならず。
なおもMIYAZAKIが攻めようとするも、なかなかシュートまでは至らないまま、進んでいく試合。すると、44分、鈴鹿アンリミテッドは高い位置でルーズボールをものにした小澤がエリア右に持ち込み、シュート。これが決まり、3-0。鈴鹿アンリミテッドが突き放します。
45分、鈴鹿アンリミテッドは泉に代わり13藏川洋平。4分のロスタイムに入り、堀河に代わり8小西洋平、エフラインに代わり26フェレイラ・パブロ・ヤンと選手を交代し時間を使いに。MIYAZAKIはキムを前線に上げ、ゴールを狙いにいきますが、それはかなわず。試合はタイムアップ。3-0。鈴鹿アンリミテッドが勝利しました。
前半2-0 後半1-0 計3-0
得点:エフライン・リンタロウ、藤田浩平、小澤司(鈴鹿アンリミテッド)
鈴鹿アンリミテッドは、今年こそはJFLへ上がろうと、準備をここまで重ねてきたことをうかがわせる結果に。MIYAZAKIにとっては、厳しい滑り出しになりました。それでも道は開ける可能性は十分にあると思います。
川崎を離れて6年。今でも当時を知る多くのフロンターレのサポーターにとって、黒津勝はヒーローであると思います。もはや負けか、という絶望を、歓喜に変えるようなゴールを決め、何度も沸かせてくれました。
残り2試合、「黒津勝、ここにあり」と思わせるようなプレーを見せ、MIYAZAKIを応援する人々にも大きな喜びをもたらすことを願っています。
(文中敬称略)
写真はあんざいさんからも頂きました。ありがとうございます!
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