トップチームのJ1ファーストステージ第12節、ヴィッセル神戸戦を翌日に控えた5月13日は、富士通スタジアム川崎へ。川崎フロンターレの創立20周年を記念して神戸戦の前に行われる、OBドリームマッチに出場する選手たちが前日練習を行いました。
午後2時半から1時間の予定で行われる練習、好天に恵まれ、からっとした過ごしやすい暑さのスタジアムには多くのサポーターが集まり、OBたちが来るのを待ち構えました。鈴木達矢(2006~08年在籍)がスタジアムへ入り、飛弾暁(03~07年)が中西哲生(1997~01年)と談笑し、ジェシ(12~14年)の登場に歓声が上がりと、続々と選手たちが姿を現しますが、ジュニーニョ(03~11年)はアウグスト(03~05年)とともにやっぱり遅れて到着。天野春果プロモーション部長の「もうジュニとアウグストが着きました!」の声には、伊藤宏樹(01~13年)の「もうじゃないよ!」と鋭い突っ込みが入ります。
二人が着替えを終えた頃にはすでに午後3時近く。武田信平特別顧問がジュニやアウグストと抱き合って再会を喜ぶ場面を経て、石塚啓次(03年)、フロンターレのアカデミーで監督やコーチを務める佐原秀樹(97~07、10年)、高田栄二(97~01年)、玉置晴一(01~03年)、吉田勇樹(08~11年)と合わせて12人のOBが集合しました。
シュート練習などで汗を流したあと、アウグスト、ジュニーニョ、ジェシ、中西哲生、高田栄二、伊藤宏樹、玉置晴一、飛弾暁、鈴木達矢にフロンターレサッカースクールのGKを加えたチーム、石塚啓次、佐原秀樹、吉田勇樹にフロンターレサッカースクールのコーチ陣が加わったチームに分かれてミニゲームを20分ほど行いました。
普段から体を動かしているサッカースクールのコーチ陣がよい動きを見せて5分くらいには左サイドを崩してネットを揺らしますが、主審を務めた天野部長の判定はオフサイド。ボールを前にするとどの選手もプレーに熱を帯び始め、伊藤宏樹が好ディフェンスで攻撃の芽を摘めばジュニーニョから「ナイス、ヒロキ!」の声。左サイドから攻撃に出るアウグストの後ろを伊藤宏樹がDFとしてカバーをする関係は現役のころと同じで、懐かしく感じられます。
スコアが動いたのは10分ほどしてから。ジェシのサイドチェンジを受けたジュニーニョがエリア外右から右足を振り抜くと、ボールはゴール左隅へ吸い込まれていきます。さすがの得点力を見せたジュニーニョ、アウグストもジュニーニョにおんぶされようと背後から抱きつきますが、うまくおんぶされることはできず。逆にジュニーニョがアウグストの背中へ抱きつく場面も。現役の選手としてプレーをしていたころ、ジュニーニョがゴールを決めるたびにおんぶされようとするアウグストと、時にはそれを嫌がって逃げることもあったジュニの姿が思い出されるのでした。
給水タイムを経てエンドを入れ換えた後半も一進一退の攻防。高田栄二が右サイドをかけ上がれば、佐原秀樹も頭で確実にボールをクリア、東海社会人リーグ1部のFC伊勢志摩で現役の飛弾暁やTAKAサッカースクールで指導する鈴木達矢も動きは軽やか。プレーのひとつひとつに力がこもります。20分が過ぎた頃にはペナルティエリア外やや左で吉田勇樹がジュニーニョにファール。「なんだ、おまえ!」。少し声を荒らげながらも笑顔を見せるジュニーニョと、吉田勇樹。アウグストが直接ゴールを狙ってフリーキックを放ちますが、残念ながら壁に当たってゴールとはならず。ここでミニゲームはタイムアップ。
本番が楽しみになるOBたちの前日練習は、多くのサポーターたちの拍手を受けて終わったのでした。
(文中敬称略)
写真はlovefroさん撮影のものも使わせていただきました。ありがとうございます!
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