筑波大 – 阪南大 / 全日本大学サッカー選手権準決勝


12月15日はNACK5スタジアム大宮へ。全日本大学サッカー選手権は準決勝。この日は大宮ではともに川崎フロンターレU-18出身の選手が主軸を担う筑波大と阪南大が決勝進出を懸けて対戦しました。

【全日本大学サッカー選手権準決勝 筑波大vs阪南大】
12月15日(水)午後1時キックオフ 晴れ NACK5スタジアム大宮

筑波大の先発はGK30阿部航斗、DFは右から14会津雄生、3小笠原佳祐、5鈴木大誠、17野口航、ボランチは6鈴木徳真、8キャプテン吉田直矢、右MF25西澤健太、左MF15長澤皓祐、トップ下16戸嶋祥郎、FW11中野誠也。フロンターレU-18出身の吉田は先発、MF20三笘薫は控えに。

阪南大の先発はGK1黒木優佑、DFは右から23大本佑槻、4大野佑哉、5甲斐健太郎、3吹ケ徳喜、ボランチは8重廣卓也、12岡部拓実、右MF17山崎康太、左MFキャプテン11外山凌、トップ下10山口和真、FW13前田央樹。フロンターレU-18出身のMF14脇坂泰斗、DF2長谷川隼、GK41名良橋拓真の3選手はベンチスタート。

よく晴れ渡った空、しかし、空気は冷たく日陰ではいよいよ冬本番か、と思わされる気候のなか始まった試合。

序盤から流れをつかんだのは阪南。2分に右サイドから崩してリターンを受けた重廣がミドルシュートを打つも枠外。さらに3分にはエリア前人数をかけて攻めると最後は左から外山がシュートを打つなどゴールをおびやかしていきます。4分には大本が右から駆け上がりクロスをあげるとエリア内、ニアで前田が会わすもGK阿部がキャッチ。

一方の筑波も中野が右サイドから持ち込んでクロスをあげると、エリア内長澤が走り込みますが触れず。

10分にも筑波は長澤の浮き球に左サイドへ中野が抜け出してエリア前へボールを入れるもクリア。

その後も中野を起点にしようとする筑波に対して、大本、吹ケの両SB、とりわけ縦へのスピードの光った大本が積極的に上がり厚みのある攻撃を阪南が見せていく場面が目立っていきます。が、筑波は小笠原、鈴木大の両CBの守りもよく、吉田と鈴木徳も中盤でよくボールを奪って切り替えの速さを見せていきます。

13分には阪南、右からのコーナーキック、山口がボールを入れるとエリア右でボールを拾った重廣がシュートを打つも右へ。19分には甲斐のフィードを前線で前田が競り、右サイドでボールを拾った大本がクロスをあげると重廣が迫りますが、クリアに阻まれてシュートにはつなげられず。

すると先制点は筑波へ。左から攻勢に出るとエリア外左付近、戸嶋から吉田につないでエリア前やや左へボールが出ると、鈴木徳が右足を振り抜いて放ったシュートがゴールポストを叩きながら決まります。1-0。

阪南も28分にはエリア外右から山口のフリーキックに甲斐が頭で合わせるもGK阿部の正面。33分にはエリア外右から大本が抜け出てクロスをあげるもクリア。直後には筑波もバックパスを奪った中野が阪南のゴールへ、迫りますがシュートはうまくミートすることができず。枠外に。

すると阪南が人数をかけて攻勢に。35分にはエリア左から外山が切れ込んでシュート。枠をとらえますが、筑波は吉田がブロック。体を張った好守。さらにこぼれ球を拾った山崎のシュートもブロックに阻まれて決めることはできず。38分には山口が中盤でボールをカットしたところから右へ展開。クロスにファーで前田が合わせるもボールはサイドネットに。さらにコーナーキックのこぼれ球を拾った岡部も枠内へシュートを打ちますがまたも筑波の体を張った守備に阻まれます。

前半は1-0。タイムアップとなります。

後半の阪南は岡部に代えて脇坂がピッチへ。ボランチに入ります。阪南は立ち上がりにコーナーキックを得ると右から山口のボールに甲斐が合わすも右へ。さらに左から山口が仕掛けてシュートを打つもGK阿部が対応。ゴールへ迫っていきます。

しかし、次の1点は筑波へ。5分にエリア外左でフリーキックを得ると西澤が入れたボールが阪南のハンドを誘い、筑波にPKが与えられます。筑波のキッカー中野がこれを決めて2-0。突き放します。

阪南も左から外山が仕掛けたところから前田がシュートを打ちますが小笠原がこれを体で阻む好守。

筑波は中野、戸嶋、長澤ら前線の選手がよく起点に。中盤の吉田と鈴木徳がいい距離感でかかわっていきます。13分には吉田も脇坂のプレッシャーを受けつつも右サイドから持ち込みミドルシュート。さらに鈴木のスルーパスに中野が抜け出してエリア外からシュートを打つも右へ。

16分には阪南は外山に代えて15草野侑己。草野が右MF、山崎が左MFへ。すると直後には大本のクロスを前田が折り返し、草野が頭で合わせますがGK阿部の正面。阪南はその後も人数をかけて攻勢に出ますが、吉田や鈴木徳がよくボールを奪ったところから、逆に筑波の攻めを受ける場面も目立っていきます。脇坂は積極的に前へ顔を出す重廣とバランスをとるように中盤に構えてボールを奪われると自陣で奪い返すいい守備も見せていきます。

29分には筑波は西澤に代えて20三笘薫。戸嶋が右MF、三笘はトップ下。阪南は前田に代えて7江坂巧。直後には右サイドから仕掛けた三笘が相手選手をかわして自らシュートまで持ち込む好プレー。その後も3人がボールを奪いに来るところをかわして前へボールを運ぶなど起点になっていきます。

人数をかけながらもなかなかゴールを破ることのできない阪南も40分には左から攻めるとエリア外左、草野がシュートを打つもボールはバーへ。さらに脇坂もシュートを打つもブロック。

43分には筑波は野口に代わり4宮田拓哉。阪南は甲斐を前へ上げて競り合いの強さを生かして起点にしようとしますが次の1点は筑波へ。ボールを奪うとセンターサークル付近から三笘が一気にドリブルで前へ。そのまま、自ら決めて3-0。かつてのジュニーニョを思い出すような三笘の2試合連続のゴールが決まります。

筑波は中野に代えて10北川柊斗がピッチへ。試合は3-0でタイムアップ。阪南の攻めを上回る好守を見せた筑波が決勝へ駒を進めることになりました。

前半1-0 後半2-0 計3-0
得点:鈴木徳真、中野誠也=PK、三笘薫(筑波)

筑波大の先発:30阿部航斗、14会津雄生、3小笠原佳祐、5鈴木大誠、17野口航、6鈴木徳真、8吉田直矢=cap、25西澤健太、15長澤皓祐、16戸嶋祥郎、11中野誠也
交代:西澤→20三笘薫 野口→4宮田拓哉 中野→10北川柊斗
控え:21大川圭為 24山川哲史 7三宅智大 23松村遼 28吉川修平 9高柳昂平

阪南大の先発:1黒木優佑、23大本佑槻、4大野佑哉、5甲斐健太郎、3吹ケ徳喜、8重廣卓也、12岡部拓実、17山崎康太、11外山凌=cap、10山口和真、13前田央樹
交代:岡部→14脇坂泰斗 外山→15草野侑己 前田→7江坂巧
控え:41名良橋拓真 2長谷川隼 19田渕大貴 20川崎雄一郎 22藤原奏哉 9松尾雄斗

準決勝のもうひとつの試合、川崎フロンターレU-18出身のDF2太田賢吾が先発した大阪体育大と日本体育大の試合は2-3。日本体育大が決勝へ進みました。

脇坂、太田は来年が大学生として最後のシーズン。この大会では出場機会のなかった長谷川や名良橋を含めて、関西の地でどんなプレーを見せるのか、楽しみにしています。

決勝は12月18日正午、浦和駒場スタジアムで行われます。

途中から出場して試合の流れを引き寄せたり決定づけてきた三笘が決勝でどんな働きを見せるのか。期待が高まります。

中盤で筑波の攻撃と守備をつなぐような好プレーを見せてきた吉田は、勝っても負けても大学生最後の試合となります。かつてのキャプテン谷口彰悟たちでも果たせなかった優勝を筑波が決めて、トロフィーを掲げることができるのか。いい形で終えられることができるよう、願っています。

(文中敬称略)

写真はあんざいさんからもいただきました。ありがとうございます。

吉田直矢選手
長谷川隼選手
名良橋拓真選手
脇坂泰斗選手の幕も出された

吉田直矢選手は先発
筑波大の先発メンバー
阪南大の先発メンバー

阪南の外山凌選手
阪南の甲斐健太郎選手。FC岐阜加入内定
鈴木徳真選手
重廣卓也選手
吉田直矢選手

阪南がゴールへ迫るも体を張った守備で筑波がしのぐ
吉田直矢選手

中野誠也選手
小笠原佳祐選手
吉田直矢選手
鈴木徳真選手がミドルシュートを決めて筑波大が先制する

同点を狙う阪南大

吉田直矢選手
出場に備える三笘薫選手
脇坂泰斗選手は後半からの出場

脇坂泰斗選手
追加点を狙う筑波
中野誠也選手がPKを決めて2-0

脇坂泰斗選手と鈴木徳真選手

脇坂泰斗選手と吉田直矢選手
大本佑槻選手
三笘薫選手
脇坂泰斗選手
吉田直矢選手
後半途中からの出場となった三笘薫選手

ドリブルで仕掛ける三笘薫選手
三笘薫選手

この日は守備で好プレーを見せた脇坂泰斗選手
ゴールへ阪南大は迫るも決められない
吉田直矢選手もよく体を張った
三笘薫選手
大宮アルディージャの江坂任選手の弟、阪南の江坂巧選手

センターライン付近から仕掛ける三笘薫選手

自ら持ち込みゴールを決めた

3-0でタイムアップ。筑波が準決勝へ

脇坂泰斗選手

三笘薫選手
吉田直矢選手
名良橋拓真選手、長谷川隼選手
脇坂泰斗選手
白血病と闘うアルビレックス新潟の早川史哉選手へのメッセージを撮影する筑波大の選手たち
2試合連続のゴールとなった三笘薫選手
吉田直矢選手

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