8月8日は大阪市へ。夏の大学サッカーの日本一を決める総理大臣杯が行われており、川崎フロンターレU-18で育った選手たちもそれぞれ、厳しい暑さの関西の地でチームのためにプレーを続けています。
1回戦では大阪体育大のDF2太田賢吾が先発し2アシスト、チームは3-2で勝利。筑波大はMF20三笘薫が先発し1アシスト、筑波大は2-1で勝利し2回戦へ。
また、富士大学のFW14伊藤健太が先発するも立命館大に0-3。阪南大もMF14脇坂泰斗が先発、DF2長谷川隼もベンチ入りをしましたが、東海学園大に0-3で敗れています。
さらにU-15から新城高校を経て関東学院大へ進んだFW9今村優介も途中出場し、チームは0-0、PK3-0で2回戦へ進みました。
8日、訪れたのはセレッソ大阪の本拠地、キンチョウスタジアム。2試合が行われ、3人のフロンターレU-18出身の選手が出場しました。
【総理大臣杯2回戦 筑波大vs立命館大】
8月8日(月)午後3時半キックオフ 晴れ キンチョウスタジアム
まだ気温も高い時間帯でのキックオフとなった筑波大vs立命館大。筑波大はMF8吉田直矢、MF20三笘薫のフロンターレU-18出身の2選手はベンチスタート。GK1森本泰介、DFは右から2浅岡大貴、3小笠原佳祐、5鈴木大誠、14会津雄生、ボランチはゲームキャプテンの7三宅智大、25西澤健太、右MF22長澤皓祐、左MF17野口航、トップ下27高嶺朋記、FW11中野誠也
立命館大はGK1白坂楓馬、DFは右からキャプテン4大田隼輔、22池松大騎、18重松勇樹、24芝丈寛、ボランチは6清水航輔、7高畑智也、右MF10國分伸太郎、左MF13中野匠、FWは25佐藤慧、9木藤舜介
試合は動きが重く、組み立ての段階からパスミスの目立つ筑波大を、前からの守備で立命館大が押し込んでいく展開に。さらにマイボール時には清水が最終ラインまで下りて組み立てにかかわってボールを保持しながらゴールへ迫っていきます。
それでも先制したのは筑波大。右サイド深い位置を仕掛けた浅岡のクロスがエリア左へ。これを拾った野口がシュートを放つとネットを揺らして1-0。
しかし、給水タイムを挟み、試合が再開された25分、エリア外正面でボールを受けた中野が意表を突いてミドルシュートを放つとこれがネットを揺らして1-1。さらに再三いいくさびのボールを入れていた池松がエリア右へパスを送ると、これを受けた木藤が右から決めて1-2。あっという間に立命館大が逆転します。
その後もいい距離感でボールをつなぐ立命館大。機を見て、ミドルシュートを放つなどしてさらにゴールを狙っていきます。筑波大はカウンターから中野がバーをたたくシュートを放つなど追い付くチャンスはありましたが、それを生かすことはできずに前半は1-2。立命館大がリードしてのタイムアップとなります。
後半になり、球際で激しく行けるようになった筑波大は西澤健太が攻守にさまざまな局面で顔を出して牽引。一方の立命館大もカウンターから追加点のチャンスを迎えるもののなかなか決めきれず。
筑波は長嶺に代えて16戸嶋祥郎、野口に代えて10北川柊斗と次々に攻撃的な選手を投入。立命館大を押し込んでいく場面が目立っていき、中野が右クロスに合わせてヘディングシュートを放ったり、西澤健太がうまく中央を突破してミドルシュートを打つなどチャンスをつくっていきます。
27分には警告を受けた三宅に代わり吉田がピッチへ。キャプテンマークも巻きボランチへ。前線へ積極的に顔を出す西澤をうまくフォローして後ろから組み立てにかかわっていきます。
終盤にかけては立命館大の運動量が落ち、さらに引きぎみになったことで、ボールを回せるようになった筑波大、中野や戸嶋が決定機を迎えますがなかなか決めることはかなわず。41分には長澤に代わり三笘が入り、FWは中野と北川、右MFに戸嶋、左MFに三笘という並びで攻勢に。
三笘は左から積極的に仕掛けてチャンスメークに。相手に囲まれてもうまくそれをかわして前線へ顔を出していきます。ロスタイムにはエリア外左で三笘が倒され筑波にフリーキック。すばやいリスタートからエリア内抜け出した三笘のシュートは枠をとらえますが、立命館大の粘り強い守備に阻まれてこれは決まらず。試合は1-2でタイムアップ。準々決勝へ駒を進めたのは立命館大となりました。
前半1-2 後半0-0 計1-2
得点:野口航(筑波) 中野匠、木藤舜介(立命館)
【総理大臣杯2回戦 桐蔭横浜大vs常葉大浜松キャンパス】
8月8日(月)午後6時キックオフ キンチョウスタジアム 晴れ
続いての対戦カードは初めての全国大会へ挑んでいる桐蔭横浜と澤登正朗監督(この日は不在)、山西尊裕コーチ、山本浩正GKコーチらが指導し近年力をつけている常葉大浜松キャンパス。
桐蔭横浜は先発はGK21三浦和真、DFは右から22打越大樹、24時田和輝、キャプテン17田中憧、2剣聖矢、ボランチは5林拓弥、14山下優人、右MF15岡本一輝、左MF27イサカ・ゼイン、トップ下16末廣浩暉、FW20浅川隼人。岡本は川崎フロンターレU-18がサンフレッチェ広島ユースと対戦した、2013年のJユースカップ準決勝以来のキンチョウスタジアムのピッチに立つことに。
常葉大浜松キャンパスはGK1臼井健一郎、DFは右から6藤田将、5渡邉翔太、2長島來雅、3濱一誠、ボランチは7廣岡亮、14酢崎祥人、右MF8本多峻弥、左MF16吉田真、FW11鈴木将馬、キャプテン9大野耀平
試合は序盤から桐蔭横浜がボールを保持、時にはGKの三浦もペナルティーエリアから出て組み立てに参加していきます。常葉大浜松は廣岡を起点にしたり、前線で体を張る大野からボールを受けたりした本多がゴールへ迫りますがブロックされたり三浦の対応の前にゴールネットを揺らすには至らず。
さらに桐蔭横浜はイサカの仕掛け、常葉大浜松は大野の頭などでゴールへ迫りますが、ともに決めることはできず。岡本も中盤まで下りて、組み立てに参加、右サイド高い位置にとった打越との連係からゴールへ迫りますが、決定機には至らず。
30分には桐蔭横浜が自陣でボールを失ったところからエリア前、常葉大浜松、大野がシュートを打ちますがここは三浦が好セーブ。
桐蔭横浜も38分にはサイドチェンジを受けた岡本が右から仕掛けてミドルシュートを打つもここは臼井が反応し、決めることはできず。前半は0-0でタイムアップとなります。
後半の桐蔭横浜は末廣、岡本を下げて10石川大地、11鈴木国友がピッチへ。後半はこの二人がよくボールへ絡んで桐蔭横浜が攻勢に。常葉大浜松は大野を起点に二列目の選手が絡んでゴールへ迫りますが桐蔭横浜の守備もよくなかなかシュートを打つことはできず。
20分には石川を起点に山下がシュートを打ちますがここはブロック。32分にも石川からボールを受けたイサカがエリア左、シュートを打ちますがここもブロック。なかなかゴールを決めることはできず。
しかし、31分コーナーキックからゴールを奪ったのは桐蔭横浜。右から山下が入れたボールを田中が折り返すと最後は浅川が押し込み1-0。その後もボールを持ちながらうまく攻撃につなげていた桐蔭横浜、押し込んでいくとイサカが放ったシュートがハンドを誘ってPKを獲得。イサカ自らこれを枠右を狙って蹴りますが、常葉大浜松のGK臼井が見事に反応し、追加点とはならず。
そして44分エリア外左、常葉大浜松の大野がボールを納めると最後は走り込んだ15前田直輝がシュートを放つとこれが決まって1-1。試合は前後半計20分の延長戦へ。
延長前半に攻勢に出たのは追い付かれた桐蔭横浜。もう一度ギアを上げてきたという印象で常葉大浜松と対峙すると、3分、石川のスルーパスに鈴木が抜け出てエリア左からシュートを放つとこれが決まって2-1。そして、PKを決められなかったことを取り返すように攻守に力強いプレーを見せていたイサカもこれに続きます。途中出場で右SBに入っていた8佐々木俊輝のサイドチェンジを受けて、左からシュートを放つとこれが決まって3-1。
延長後半、常葉大浜松は途中出場の右SB24水野広夢のロングスローから反撃に出ていきますが、これに桐蔭横浜の守備陣はしっかり対応。試合は3-1でタイムアップ。初めての全国大会となった桐蔭横浜はベスト8への進出を果たしました。
前半0-0 後半1-1 延長前半2-0 延長後半0-0 計3-1
得点:浅川隼人、鈴木国友、イサカ・ゼイン(桐蔭横浜) 前田直輝(常葉大浜松)
このほか2回戦では、大阪体育大のDF2太田賢吾は先発出場、チームは4-0で関東学院大を下して準々決勝へ駒を進めました。
ここ数年毎年総理大臣杯へ足を運んでいますが、今年もフロンターレで育った選手が全国の舞台でプレーするところを目の当たりにできて良かった、と思います。
残念ながら初戦や2回戦で姿を消してしまい、納得できるプレーをできなかった選手もいるかもしれません。それを糧に秋のリーグ戦や、冬の全国大会である全日本大学サッカー選手権などで活躍する姿を見たいものです。
(文中敬称略)
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