7月25日日本クラブユース選手権グループステージ第3節、サガン鳥栖U-18に4-0で勝利。逆転でのグループステージ突破と、ノックアウトステージ、準々決勝進出を決めたフロンターレU-18。
試合後に長橋康弘監督、恩田裕太郎、土屋櫂大、香取武に話を聞きました。
試合の記事は◇フロンターレU18 – サガン鳥栖U18 / 日本クラブユース選手権グループステージ第3節
「3連戦で。気持ちだけでどこまでいけるかっていうのは心配だったんですけど。
私の想像をはるかに上回りました」長橋康弘監督
〇点を取ったうえで勝たないといけないというシチュエーションで試合に入ったと思うんですけど、試合に向かう選手のモチベーションはどうでした?
やるしかないっていうスイッチは入っていましたね。やってくれるな、っていう気はしていました。
ただ、さすがに3連戦で。気持ちだけでどこまでいけるかっていうのは心配だったんですけど。
私の想像をはるかに上回りました。彼らは。
〇交代で入った平内君がアシストをしたりとかして。ああいうところを見てもチームの目が合っているようなそんな感じがしたんですけど、それはどうですか?
こっちに来て頭から出ている選手の疲労を、彼らは身近で見ているし。ただベンチも一緒になって戦っている雰囲気をこっちに入ってすごく感じていたんですよね。
なので自信もって送り出したんですけど。素晴らしすぎましたね。
よく頑張ってくれましたね。
〇チームのスイッチの入り方が尋常ではないというか、ハイになっているような感じがしたんですけど、それはどう見ていましたか?
そうですね、彼らは本当にやれる子たちで。なかなか点が取れず難しいゲームを経験してきているので。
選手たちはいろんなことがよぎりながら、多分プレーしていると思うんですよね。
ただやっぱり点が入ると別のチームに変わるので。もう私の仕事は、1-0から勝っているつもりで入ってくれ、と。
本当にそういうふうにやってくれるのが一番いいんですけどね。
ただスイッチというのは私もびっくりしたし。普段からあれでやってほしいなって思います。
〇久しぶりに香取君が点を決めましたけど、それもまた大きいのかなと思うんですけど、それはどうですか?
彼は頭から出ていても、外れても、絶対に下を向かないんですよね。そういう子がやるんだなってやっぱり思います。
私も「武ならやってくれる」って思って交代できるんですよね。彼の努力だと思います。
〇こんな勝ち方はどうですか? 監督やっていてもなかなかない勝ち方だと思うんですけど。
ないと思います。初めてです。選手たちは私の思っている以上にできるし、こういう試合を見せてもらって。彼らの伸びしろを私自身が止めちゃいけないなって。改めて思いましたね。
彼らはもっとできると、今日のゲームで改めて思いました。
〇今後はやっぱり優勝を狙うしかないんじゃないですか?
そうですね。はい。次が大事になると思います。もう1回スイッチ入れ直して。相当疲れがたまっていると思うんですよね。
こっちに来てキックオフの時間だったりとか、いろんなことを心配しながら選手たちはやってきたので。もう1回気持ち入れ直して。次が大事だと思います。
頑張ります。はい。
〇またサポーターの方にメッセージをいただいてもいいでしょうか?
サポーターのみなさんにまた今日もとらせてもらいました。昨日もそうだったんですけど、今日もこんなにたくさんの方が見に来てくれて。
応援しに来てくれてですね。本当に選手も力をもらいましたし。その結果だと思うので。また素晴らしいゲームを選手たちはやってくれると思います。
引き続き応援をよろしくお願いいたします。
「まずはチームの勝利が一番ですけど。自分の得点も意識しながら、チームの勝利を一番に考えていきたいと思います」
FW17 恩田裕太郎
〇お疲れさまでした。
ありがとうございます。
〇ご自身のゴールを振り返ってどうですか?
あんまり自分は左足、自信がないんですけど。監督からも「打ってけ」っていう言葉があったので。
そこで左でもふってやろうっていう気持ちだったので。振り切ったら入ったので良かったと思います。
〇次は決勝トーナメントになると思うんですけど、意気込みを教えてください。
この勢いで絶対全国大会優勝したいと思っているので。チーム全体で一丸となって優勝狙っていきたいと思っています。
〇結果としてあのゴールが突破を決めるゴールになったんだけど、どうですか?
飲水タイムの時に、向こうが2-0というのを聞いていて。で、自分たちがまだゼロ点の状況で。
ここから巻き返すぞっていうのがチーム全体で流れていたので。駿佑(林駿佑)の得点から、波に乗って、隼人(平塚隼人)と武さん(香取武)が続いて、3-0になって2-0は超えたんですけど。自分も得点が欲しかったですし。チームにはもう1点必要だなって思ったので。そこで決められて良かったと思っています。
〇一番難しいシュートを決めたんじゃないかと思うんだけど。
その前から簡単な、抜け出すチャンスはあったので。そこで決められたらと思ったんですけど。決められて良かったんですけど。
決勝トーナメントはもっと簡単なゴールを決めて、複数得点狙っていきたいと思います。
〇あんなシュートって決めた記憶あります? 本当にすごかったと。
いいところ飛んでくれました。
〇これで3試合連続ゴールとなりましたけど、さきほども複数得点という話もしていましたけど、これからどういった心持ちで試合に臨んでいきますか?
まずはチームの勝利が一番ですけど。自分の得点も意識しながら、チームの勝利を一番に考えていきたいと思います。
〇また今日もサポーターの方が来ていました。そのサポーターの方にメッセージなどをいただけますか?
生田かと思うぐらいの声援で、とてもやりやすかったですし、力にもなったので。決勝トーナメントも勝って、みなさんと喜びを分かち合えたらと思うので、これからも応援よろしくお願いします。
「前の選手たちが点を取るし。後ろのキーパー含めて、隣の駿佑も本当に体張って守っているので。みんなには感謝の気持ちでいっぱいです」
DF5 土屋櫂大
〇こんな勝ち方があるんですか?
いやあ本当に前の選手たちのおかげです。本当に。本当に感謝でいっぱいです。
〇チーム全体の勢いが、すごいスイッチが入ったんじゃないかと思うんだけど、それについてはどういうふうに思います?
そうですね。本当に今日は試合前から。他会場の結果もあると知っていたんですけど、まずは自分たちの目の前の試合に集中しようということで。
得点取るだけ取るっていうのは、みんなの中であったので。
でも点を取り急がず、まず1点、まず1点っていう、みんなでひとつの方向に向かっていたので。それが4-0っていう結果につながったのかなって思います。
〇もともと予定にはなかった3連戦になって、体もきつかったんじゃないかと思うんだけど。
そうですね。でも練習からみんな、タフに力強く練習してきたので。それがこのクラブユース3連戦っていうピッチで、それが表現できたのかなって、やってきたことが無駄じゃなかったと思います。
〇このチームでいけそうな流れもできたんじゃないかと思うんですけど。
そうですね。自信はありますけど、今日の勝ちが慢心にならないように。明日一日休息日ができたので。明日の過ごし方というのを、今日の夜からですけど。
もう1回見つめ直して。優勝できるようにそこに向かっていくだけだと思います。
〇突破が決まったと分かったのはどのタイミング?
そうですね。本当に確信が持てたのは最後に“バラバラ”をやったときだったので。そこまではちょっと疑っていた気持ちもありましたけど。
正直自分も喜んじゃっていましたけど。でもあそこでちゃんと決まったって分かったので。
それがうれしかったです。
〇最後恩田君が決めて、それがちゃんと生きて良かったですね。
はい、でも恩田が決めた後もチームの中ではまだまだ失点もしちゃいけないですし。まだあそこから1点っていう声も出ていたので。
本当に前の選手たちが点を取るし。後ろのキーパー含めて、隣の駿佑も本当に体張って守っているので。みんなには感謝の気持ちでいっぱいです。
〇平内君とか、平塚君がゴールを決めたりとか。途中交代で入ってくる選手が結果を残していることもチームに力がついてきている証拠なのかなと思うんですけど、それについてはどうですか?
そうですね、練習もそうですし。練習試合、神奈川でやっている練習試合もそうですけど。本当に途中から入ってくる、自分たちの学年だったり1個下の学年だったり。本当にチームに力をつけてくれるので。そこは本当にもう自信を持って、仲間を、途中から出てきた選手を信じてみんな使っていますし。
そういうところは本当にチームの絆が深いのかなって思っています。
〇今日もあれだけサポーターが来ていました。サポーターにメッセージをいただいてもいいですか?
昨日もともと試合がなかったのに駆けつけてくれたサポーターもそうですし。今日来てくださったサポーターの目の前で、本当にこういう試合ができたというのは誇りに思います。
また明日休息日があって、明後日に試合があるので引き続き応援をよろしくお願いします。
「チームのために得点でもなんでも、走るでも本当に貢献したいっていう気持ちだったので。
それが得点という形で、一番いい形で実ったというのが、本当にうれしいです」
FW9 香取武
〇どうですか、今の率直な気持ちは
いや本当に鳥肌がたっていて。ゴールの余韻というのが鮮明に頭にある状態で。興奮しかないです。うれしいです。
〇ゴールシーンをちょっと詳しめに振り返ってもらえますか?
前に恩田がはっきりターゲットでいるので。その下にいれば絶対ディフェンスラインが下がった状態になるので。
自分が決めるイメージはできていたと思いますし、左足で練習をずっとしてきたので、それが実ったと思います。
〇ゴールが入った瞬間ってどういうことを思いました?
この長い、ゴールがない状態が続いていたので。たまにゴールの仕方を忘れている自分が情けなくて。
この試合でチームのために得点でもなんでも、走るでも本当に貢献したいっていう気持ちだったので。
それが得点という形で、一番いい形で実ったというのが、本当にうれしいですし。
次につながる点だと思います。
〇公式戦でいうといつ以来のゴール?
市船戦(5月12日プレミアリーグEAST第6節、〇3-0)ぐらいですね。けっこう前です。
〇このゴールが取れていない期間っていうのは率直にどういう思いでした?
ゴール、どうやってとるっていうパニックみたいな感じになってしまっていて。今日ゴール、本当に狙っていたので。
ゴールの形が今日は本当に明確に見えたので。そこは本当に自分として大きな一歩だと思います。
〇かみしめるようなガッツポーズを、少ししゃがみ込みながらしていたと思うんだけど、あれは自然に?
本当に自然に出て。もうこれしか、得点しかいらなかったので。
〇あのゴールが3点目取りたいっていう中での3点目だったと思うんだけど、そういう勝利の貢献っていうのを自分の中でどういうふうにとらえています?
ひとつ流れを絶対変えてやるっていう気持ちで入りましたし。僕の点から恩田で4点目でそれでもう決まったので。
自分が流れ、変えられたらいいなって思っていたので。こういう結果で良かったです。
〇突破が決まったとわかったのはいつ?
いや僕は終わったときに初めて思って。4点必要とか、正直考えられていないので。
がむしゃらにやっていました。
勝って気づいた感じです。
〇これから自分自身の新たなスタートになるイメージはどうですか?
いや本当にこの1点は大きいと思いますし、このパフォーマンスを継続させていくというのが自分の次の課題だと思うので。
もっとできるようにしていきたいです。
〇こんな勝ち方ある?
いや本当に信じられないですね。正直後半の途中までゼロゼロだったので。本当に正直みんなも絶望を感じていたかもしれないですけど。
自分が入って「絶対変えてやる」っていう気持ちだったので。こういうかたちで勝てて本当にうれしいです。
〇ちょっとピッチに立ってチームのスイッチが入ったって雰囲気は、どうでした?
前半、チャンスがあったなかで決めきれない、いやな時間帯が続いていて。
後半選手交代とかがあって、流れとか変わったと思いますし。誰が出てもこのチームは活躍できるというのは証明できたと思うので。
これからベスト8、戦いに行きますけど、そこでもチーム総力戦として、絶対チーム一丸となって戦いたいです。
〇本当に上まで駆け上がるしかない流れだと思うんだけど。
はい。この流れはチームとしても個人としても本当に大きいので、これを継続していきたいです。
〇ああいったかたちでまたサポーターの方と喜ぶことができましたけど、どうでした?
いや本当にサポーターの声援なくして、自分の活躍とかチームの点とかも生まれないと思いますし。
こういう奇跡的な結果になりましたけど。本当にサポーターの方々のおかげだと思うので。
本当に感謝しています。
〇ちなみに香取君のチャント、前聞いたときに「知らなかった」って言っていましたけど、気づきました?
はい、気づきました。
〇どうでした?
自分が決めないといけないなって思いますし。点決められて良かったです。
〇じゃあ次の試合でも決めてチャントを歌ってもらえるような活躍を…
はい、ありがとうございます。
〇“バラバラバラ”は? 音頭を取るのは開幕戦以来?
あれはF東戦以来です。
〇あれは気持ちいいもの?
気持ちいいです。あそこに立ったらMVPなので。
〇あれはサポーターから呼ばれる感じ?
いやみんなから今日の試合良かった選手ということで。
〇チームメートから何となく推される感じ?
はい。
〇「今日は俺だな」って思った?
いや正直最後の恩田の点とかも。全部大事なので。チーム総力戦なので。自分の点っていうのはもちろんですけど。
チームが勝てたのがうれしいです。
〇最後にサポーターの方にメッセージをいただけますか?
こういう奇跡みたいな結果になりましたけど、こういう流れっていうのは本当に大事だと思いますし。
次につながる一戦だったと思うので。次も絶対に勝って優勝っていう形で終えられたら、自分たちはすごいいい、歴史に残る大会だと思うので。
本当に一丸となって、自分も点を取って、チームを勝ちに持って行けるように頑張りたいです。
◇
林駿佑が先制点を決めてからの約15分間で平塚隼人、香取武、恩田裕太郎がゴールを決め、奇跡的ともいえる試合運びでノックアウトステージ進出を決めたフロンターレU-18。
ノックアウトステージでも、フロンターレらしく“戦う”姿勢を前面に打ち出して、U-18にかかわる多くの人々が喜びを分かち合えるサッカーを展開していきますように。
大きなものを全員一丸となってつかみとることを願っています。
次戦:日本クラブユース選手権ノックアウトステージ準々決勝 vs 大宮アルディージャU-18
7月27日(土) 午後6時キックオフ 大野工業大胡総合運動公園
(文中敬称略)
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