フロンターレU18 – 栃木SCユース / クラブユース選手権グループステージ第2戦


7月24日は、前橋駅から自転車で1時間ほど、上毛電鉄の大胡駅から30分ほどの宮城総合運動場へ。日本クラブユース選手権はグループステージ第2戦。前日の初戦、大分トリニータU-18戦を4-0で勝利した川崎フロンターレU-18は、栃木SCユースとの試合に臨みました。

栃木SCユースは、フロンターレがFC東京U-18と対戦した関東予選の決勝の前に、SC相模原との試合を逆転で制し、関東の最後の枠を勝ち取って出場を決めたチーム。第1戦ではモンテディオ山形ユースと対戦し、0-0で引き分けています。

【川崎フロンターレU-18 日本クラブユース選手権グループステージ第2戦 vs 栃木SCユース】
7月24日(月)午前9時キックオフ 宮城総合運動場 曇りのち晴れ 40分ハーフ

フロンターレの先発は、GK1早坂勇希、DFは右から5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、11デューク・カルロス、ボランチはゲームキャプテンの15池谷祐輔、7桝谷岳良、右MF37有田恵人、左MF24宮城天、トップ下は13大曽根広汰、FW18宮代大聖。大分トリニータ戦と同じメンバーが名前を連ねました。

栃木SCの先発は、GK16中島健人、DFは右から15中三川海斗、4金田智明、キャプテンの5川野秀悟、6川原丸暉、ボランチは7山本廉、14神野淳、右MF17柳陸斗、左MF9坂本昂優、FW10早乙女達海、11本庄竜大。

夏らしい厳しい日差しはないものの、じっとりと湿気を含んだ蒸し暑さの宮城総合運動場。「マイボールにして」「前から、前から」「盛り上げていこう!」。キックオフを前にフロンターレの選手たちが声を掛け合って、タッチをかわします。両チームの選手の家族が見守り、サポーターが声援を送る中、試合は始まりました。

立ち上がりは、栃木SCが前に人数をかけての攻め。ファールを受けると、右寄りでは柳の左足のフリーキック、左寄りでは早乙女の右足のフリーキックからフロンターレのゴールへ迫っていきますが、早坂がしっかりキャッチしたり、セカンドボールを拾われてもしっかり寄せ、決定機にはつなげさせず、しのいでいきます。

フロンターレも5分には、桝谷の左サイドの高い位置へのパスに、デュークが抜け出していきますが、クロスは中三川がブロックし、シュートにはつながらず。さらに7分には有田が右サイドから仕掛け、大曽根へパスが出ると、大曽根のクロスに宮城が抜け出し、エリア内で合わせますが、GK中島の好セーブで決めることはできず。続いてのコーナーキック、セカンドボールを大曽根が拾い、エリア外左へスルーパスを出すと、小川真輝が抜け出しますが、栃木SCは中三川がしっかりと寄せ、ラインを割ってクロスにつなげることはできません。

9分には栃木SC、早乙女がうまくエリア前で前を向きパスを出すと、エリア右へ本庄が抜け出しますが、新井が寄せ、シュートは右へ。

フロンターレは、右サイドでは小川真輝が有田に縦パスを入れて、前へ抜け出して、大曽根もこれにかかわって崩していこうとするも、シュートにはつながらず。さらに新井や高吉に池谷や桝谷がかかわって、後ろから組み立て。12分には新井のフィードにエリア右へ宮代が抜け出しますが、これはオフサイド。

一方の栃木SCも左サイドへ本庄が抜け出し、ドリブルで仕掛けてエリア左へ。早坂はこれに寄せ、ルーズボールがエリア内へこぼれ、小川真輝がカバーしたところに、早乙女が飛び込んでシュートに持ち込むもこれは右へ。フィジカルの強さと競ったボールをよくおさめる本庄と、スピードのある早乙女がうまく前で起点となる栃木SCに苦しめられていきます。

フロンターレも14分には桝谷が高い位置でボールをカット。左へ展開すると、デューク、宮代、池谷とこまかくパスを回して最後はエリア前に池谷が抜け出すも、栃木SCの選手はクリア。こぼれ球を拾って、小川真輝がクロスを入れていきますが、これもクリアされてシュートにはつながらず。18分には桝谷のパスに右サイドの高い位置へ有田が抜け出して、リターンを受けた小川真輝がエリア右へ仕掛けて、エリア内へボールを送ると、宮城が飛び出しますが、中島が前に出てシュートには至らず。さらにエリア前でよくプレスをかけていくフロンターレは、池谷がボールをカットしてスルーパスを出すと、大曽根がこれに抜け出そうとしますが、栃木SCの選手も読みよくこれをカット。

20分には栃木SCも柳の浮き球のパスに、エリア内へ本庄が抜け出していきますが、デュークがこれに対応。さらに縦パスを高吉がカットして、桝谷から左へ展開。宮代が宮城とのパス交換からエリア左へ抜け出そうとしていきますが、クリアされてシュートにはつながらず。直後にも大曽根が中央へ仕掛けていき、スルーパスにエリア前、宮代が抜け出しますが、ここでもクリアをされてシュートを打つことはできず。スコアレスのまま、給水タイムへ。

フロンターレボールで始まった給水タイム明け。フロンターレは、時には宮代が桝谷や池谷とかかわって中盤まで下り、宮城が前線へ動き出して、エリア右へ顔を出すなど、ポジションを流動的に入れ替えながら揺さぶっていきます。25分には右サイドから攻勢に出ると、最後はエリア外右でリターンを受けた桝谷がミドルシュートを打ちますが、これは中島がキャッチ。得点には至りません。

直後には栃木SCも前線で本庄がボールを奪って、右へ早乙女が抜け出し、折り返しが流れたところに坂本が走り込んでシュートを打ちますが、これは上に。さらに中三川の右クロスにエリア内へ本庄がうまく抜け出しますが、高吉が寄せ、最後は早坂がキャッチ。

30分には栃木SC、前線で本庄がボールをおさめて左へパスを出すと、抜け出した早乙女がシュートを打ちますが、早坂がわずかに触ってゴールにはつなげさせず。栃木SCはこれで得たコーナーキックのこぼれ球を拾い、クロスを上げると、川野が頭で合わせますがこれは上に外れていきます。

32分にはフロンターレも小川真輝から縦パスを受けた池谷がエリア前でうまく前を向いて、エリア右へパスを出すと、大曽根が抜け出しますがここでも栃木SCの選手の寄せが速く、シュートには至らず。直後には栃木SC、左からのボールにエリア右へ柳が抜け出してシュートを打つも、早坂が好セーブ。こちらも得点には至らず。

34分にはさらに栃木SC、本庄がエリア前でボールを奪い、エリア内へ。早乙女がエリア内左でボールを拾ってクロスを上げると、エリア内右、柳や山本がこれに迫りますが、デュークがカバー。39分には山本のパスに坂本がエリア左へ抜け出してシュートを打ちますが、早坂がよく反応。続けてのコーナーキック、右から柳が左足でボールを入れると、バーをたたくシュートを放たれますが、最後は池谷がクリア。前半は0-0でタイムアップ。決定的な場面は栃木SCのほうが多く、それを早坂らを中心にしのいでいったという印象の前半となりました。

後半、フロンターレは有田に代えて27森璃太が右MFに。次第に宮城総合運動場には日差しが出てきて、暑さが増す中でのスタートとなります。

立ち上がりには、ロングボールに本庄が競り勝って、エリア左へ早乙女が抜け出していきますが、これはオフサイド。フロンターレも宮代がエリア外正面でファールを受けて、すばやくリスタートしていくと、桝谷がエリア内へスルーパスを出し、これに宮城がいいタイミングで抜け出していきますが、栃木SCの選手もよくカット。シュートにはつなげられず。

マイボールにすると、神野が最終ラインまで下りて、後ろから組み立てていく栃木SC。両サイドへよくボールを入れて、ゴールへ迫っていきます。5分には左サイドから坂本がエリア前へ斜めにパスを入れるも新井がクリア。7分には自陣の左サイドから川原がフィードを入れ、エリア内、本庄が抜け出そうとしていきますが、早坂が前へ出てこれをキャッチ。

フロンターレも直後には高吉が持ち上がり、池谷にパスを入れ、池谷の右サイドの高い位置を突いたパスに森璃太が抜け出して仕掛け、クロスを入れると、エリア外左でデュークがこれを拾いますが、中三川に寄せられて決定的な場面へつなげることはできず。しかし、前半途中からなかなかエリア近くへ顔を出すことのできなくなったデュークが、高い位置でプレーできるようになっていきます。

栃木SCの陣内で相手のスローインになると、「はめろ、はめろ!」「しゃべれ、しゃべれ!」と声を掛けていくフロンターレの選手たち。高い位置から大曽根や宮代がプレスをかけ、マイボールにすると桝谷や池谷に大曽根がかかわって中盤でパスを回しながら、ゴールを伺っていきます。11分には桝谷がボールをカットして縦へパスを出すと、大曽根のスルーパスに宮代が抜け出そうとするも栃木SCの選手の守りでシュートにはつなげられず。

12分にはフロンターレは宮城に代わって10村田聖樹が左MFに。直後には池谷、大曽根とテンポよく縦へパスが出て、エリア右へ展開。森璃太が抜け出してシュートを打ちますがこれは上に。

しかし、このあと、エリア内で栃木SCのGK中島が反則をとられて、エリア内左でフロンターレは間接フリーキックが与えられます。
ボールに並ぶのは宮代と小川真輝。宮代がわずかにボールに触り、小川真輝が右足を振り抜くと、ゴールネットが揺れます。ベンチの選手のもとへ掛けていき、ジャンプをする小川真輝とフロンターレの選手たち。1-0。先制点はフロンターレへ。

直後には栃木SC、右から中三川がアーリークロスを上げると、エリア右でフリーでこれに合わせたのは柳。シュートはポストをたたく、栃木SCとしては惜しいものに。フロンターレも右からのスローイン、小川真輝がボールを入れると、大曽根が抜け出し、エリア前へ。宮代のパスに左サイド高い位置へ、デュークが抜け出し、エリア内へよく折り返すもシュートにはつながらず。直後には栃木SCがカウンターに。エリア前へ本庄と早乙女が抜け出して、新井、高吉と2対2という場面になりますが、桝谷がよく戻ってボールを奪い取るすばらしいカバーリングを見せてシュートにはつなげさせず。

20分には右サイドの高い位置へ中三川が抜け出していきますが、デュークがしっかりとした寄せ。21分には右サイドの柳の縦パスを本庄がおさめ、エリア左へパスが出ると早乙女が抜け出しますが、高吉がカバー。シュートにはつなげさせず。直後にはフロンターレも宮代のパスにエリア左へデュークが抜け出してシュート。しかし、栃木SCの体を張った好守に決めることはできず。25分、この日2回目の給水タイムに。

給水タイム明け、「切り替え、切り替え!」「立ち上がりから立ち上がりから!」。早坂が後ろから声を掛けていきます。栃木SCは柳に代わって24鈴木隼斗が右MFに。フロンターレは宮代が最終ラインからボールを奪うなど、前線から連動してよく守備から攻撃へ転じていき、村田がボールを受けると、左からエリア前にボールを運んで池谷や桝谷とかかわっていくなどしていきます。

28分には小川真輝の浮き球をエリア左で宮代がおさめて、リターンを受けた大曽根がシュートを打つもGK中島の正面。30分には高吉の縦パスに宮代が抜け出して折り返すと、エリア左へ村田が飛び込むも触ることはできず。栃木SCも33分には坂本から右へ展開。鈴木の右クロスにエリア内、本庄が飛び込みますが、高吉が寄せて本庄のファールに。本庄にはイエローカードが提示されます。

後ろから組み立てつつもさらにゴールを狙っていくフロンターレ。33分には宮代のパスにエリア右へ森璃太が抜け出し、シュートを打ちますが、これは上に。

栃木SCは34分には、早乙女に代えて、18長谷川淳也が前線に。長身でがっちりした体格の長谷川を入れて打開を図りに。

終盤に入っても早坂がボールをキャッチしたところから素早く前にボールを送るなど、守りに入るのではなく、2点目を狙いにいくフロンターレの選手たち。37分には、森璃太の縦パスに大曽根がエリア前に抜け出し、大曽根のパスにエリア内、宮代が抜け出すも栃木SCの選手の寄せでシュートにはいたらず。さらに桝谷がセカンドボールを拾い、エリア内へ仕掛けていきますが、シュートにはつなげられず。

栃木SCも38分には左サイドから攻勢に。坂本がエリア前へ縦パスを入れると、フロンターレにファールがあり、エリア正面でフリーキックが栃木SCに与えられます。

ボールの前に立ったのは右利きの坂本と左利きの山本。早坂が選手たちに指示を出して、壁を築いていきますが、ボールを蹴った山本のシュートは壁をすり抜け、早坂の頭上を破ってゴールの中へ。1-1。39分、同点に。

フロンターレは、池谷が前線で動き出す宮代に浮き球を入れて、勝ち越しを狙っていきますが、GK中島がしっかりキャッチし、シュートにはつながらず。栃木SCは本庄に代えて、3柴山宗太を入れ左MF、坂本がFWに。こちらもエリア前に坂本が抜け出し、ゴールへ迫っていきますが、高吉が寄せてシュートは打たせず。さらに左からクロスを入れて、長谷川がこれに競りにいきますが、新井がよく対応。

フロンターレも右サイドの高い位置で攻勢に。小川真輝が抜け出してエリア内へボールを入れると、エリア左へ流れたボール、村田がシュートを打つもこれはサイドネットに。終盤までともに勝ち点3を狙った試合はタイムアップ。1-1。勝ち点1を分け合うことになりました。

前半0-0 後半1-1 計1-1
得点:小川真輝(川崎)山本廉(栃木SC)

フロンターレの先発:1早坂勇希、5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、11デューク・カルロス、15池谷祐輔(c)、7桝谷岳良、37有田恵人、24宮城天、13大曽根広汰、18宮代大聖
交代:有田→27森璃太 宮城→10村田聖樹
控え:16安福祐一 4伊従啓太郎 23島崎元 30山内日向汰 9山田新

栃木SCの先発:16中島健人、15中三川海斗、4金田智明、5川野秀悟(c)、6川原丸暉、7山本廉、14神野淳、17柳陸斗、9坂本昂優、10早乙女達海、11本庄竜大
交代:柳→24鈴木隼斗 早乙女→18長谷川淳也 本庄→3柴山宗太
控え:21荒井歩夢 2藤原龍司 29黒川恭也 19藤井翔太

勝ち点1を得た形となった栃木SCの選手たちは笑顔でタッチをかわし、勝てば決勝トーナメント進出が決まったはずだったフロンターレの選手たちはけわしい表情。試合後、家族やサポーターのもとへ来た選手たちに「下を向くな。顔をあげよう」。早坂が声をかけて、フロンターレの選手たちは引き揚げていきました。

グループステージ第2戦のもうひとつの試合は、モンテディオ山形ユースが大分トリニータU-18に1-0で勝利。このため、フロンターレの属するグループBは、フロンターレが勝ち点4、得失点差+4で首位。モンテディオ山形ユースが勝ち点4、得失点差+1で2位、栃木SCユースが勝ち点2、得失点差±0で3位、大分トリニータU-18は勝ち点0、得失点差-5で4位。フロンターレ、山形、栃木SCの3チームに決勝トーナメント進出の可能性が残ることになりました。フロンターレは26日午前9時、前橋フットボールセンターCで行われる最終戦で山形と対戦し、引き分けか勝利で決勝トーナメント進出が決まることになります。

(文中敬称略)

早坂勇希選手
養日幹大選手はサポート役に
宮代大聖選手
森璃太選手
円陣を組む選手やスタッフ

タッチをかわしていざ試合へ
序盤は栃木SCの攻勢を受ける
早坂勇希選手
新井秀明選手
早坂勇希選手
宮城天選手
池谷祐輔選手
早坂勇希選手
デューク・カルロス選手

大曽根広汰選手
桝谷岳良選手
気温が上昇したため、給水タイムがもうけられた
大曽根広汰選手
早坂勇希選手
デューク・カルロス選手
有田恵人選手

早坂勇希選手
デューク・カルロス選手
新井秀明選手

前半は0-0
島崎元選手
伊従啓太郎選手
山田新選手
森璃太選手
フロンターレのチームバスの運転手の町田さんがサポーターに「がんばりましょう!」と声をかける場面も
後半へ
小川真輝選手
森璃太選手
大曽根広汰選手
高吉正真選手
高吉正真選手
小川真輝選手
森璃太選手
間接フリーキックを得たフロンターレ
宮代大聖選手が少し触ったボールを小川真輝選手がシュートに持ち込む
ボールはゴールネットを揺らし、1-0

フロンターレが先制。小川真輝選手は2試合連続のゴールになった
村田聖樹選手
デューク・カルロス選手
この日2回目の給水タイム
桝谷岳良選手
宮代大聖選手
宮代大聖選手
大曽根広汰選手
森璃太選手
栃木SCのフリーキック、山本廉選手が左足で直接狙う

1-1。同点に

小川真輝選手
池谷祐輔選手
1-1でタイムアップ

早坂勇希選手

決勝トーナメント進出を懸けて、26日のグループステージ最終戦に臨む

CC BY-NC-ND 4.0 This work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License.

コメントを残す