フロンターレのトップチームがヴィッセル神戸に5-0で快勝した翌日、7月2日は流通経済大付属柏高校へ。プリンスリーグ再開初戦となった桐光学園戦を2-1で競り勝った川崎フロンターレU-18は、4勝1分け1敗。前橋育英や東京ヴェルディユースと勝ち点では並んで得失点差で2位をキープ。この日は2月のジャパンユースプーマスーパーリーグでは、2-3で敗れた流通経済大柏との対戦に臨みました。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第7節 vs 流通経済大付属柏高校】
7月2日(日)午前11時キックオフ 流通経済大付属柏第2グラウンド 晴れ
フロンターレの先発は、GKゲームキャプテンの1早坂勇希、DFは右から5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、11デューク・カルロス、ボランチは15池谷祐輔、7桝谷岳良、右MF37有田恵人、左MF20上野綜太、FW24宮城天、18宮代大聖。
7月末にライバルの市立船橋とともに宮城県で開かれる高校総体に出場する流通経済大柏。先発はGK25薄井覇斗、DFは右から12佐藤蓮、27瀬戸山俊、5関川郁万、2近藤立都、ボランチはキャプテン31宮本優太、28宮本泰晟、右MF18芹田悠真、左MF29笹岡款太、トップ下10菊地泰智、FW15安城和哉。フロンターレU-15出身の4三本木達哉はサブに入りました。
好天に恵まれ、やや蒸し暑い気候の流通経済大柏第2グラウンド。フロンターレは多くのサポーターが集まり、流通経済大柏側もメンバー外の選手が拡声器を使いチャントを歌って鼓舞。互いに選手を後押しするなか、試合は始まりました。フロンターレは2分には早坂が前線へ送ったボール、宮代が収めてシュートを打つもGK薄井のもとに。
流通経済大柏も4分にはカウンターに持ち込むと左から笹岡が抜け出し仕掛けていきますが、小川真輝が粘り強く対応。流通経済大柏は菊地や笹岡がサイドへ流れて、ドリブルで積極的に仕掛け、安城にロングボールを入れて起点を前につくっていきますが、フロンターレは新井や高吉がしっかり跳ね返し、決定機はつくらせず。7分には左サイドのスローインの流れから笹岡が左サイドの高い位置に抜け出し、クロスを上げてきますが、早坂がしっかりキャッチ。さらに右からのスローインを受けた芹田がエリア右へ抜け出そうとしますが、デュークがしっかり対応。しのいでいきます。
フロンターレも10分には、桝谷が有田とのパス交換からエリア外右へ抜け出すもシュートにはつながらず。しかし、流通経済大柏のカウンターに対しては、池谷がしっかりボールを取り返して、再びフロンターレの攻勢に。11分には宮代が前線で起点となって右へ展開。小川真輝が折り返すも流通経済大柏はこれをクリア。こぼれたボールを左サイドで上野が拾って宮城につなげ、最後は池谷がミドルシュートを放ちますが、これは薄井がキャッチ。人数をかけた攻撃に出られるようになっていきます。
流通経済大柏も安城が中盤まで下りて左サイドへ展開。近藤立都がクロスを入れますが、これは早坂がしっかりキャッチ。14分には笹岡が左サイドから中へ切れ込んでくるも池谷が読みよくボールはカット。16分には右からのスローインの流れから芹田がエリア右へ。最後は笹岡がシュートを打つも早坂が好セーブ。こぼれたボールがエリア左へ流れて、芹田に枠内へシュートを打たれますが、高吉がこれをライン上でブロックする好守。さらにスローインからエリア内右、安城がうまく前を向いてシュートを打つもこれはサイドネットに。直後にも右サイドから笹岡がドリブルで仕掛けてきますが、小川真輝に加えて有田も自陣まで戻って粘り強く対応。さらにセンターライン付近から菊地が枠をとらえたミドルシュートを打ちますが、早坂がしっかりセーブ。迫力のある攻めに対して、よく対応していきます。
20分にはフロンターレも上野がエリア外正面でうまくボールを受け、エリア外右へ展開。有田がこれに抜け出してシュートを打つもこれは左へ。さらに宮代が早坂からのボールをうまく左サイドで収めてドリブルで前に。宮城から右サイドの有田、さらに小川真輝とつなぎ、小川真輝が折り返すもこれはシュートにはつながらず。ここから流通経済大柏も右サイドへ菊地が流れて、前へ仕掛けていきますがデュークが対応してシュートにはつなげさせず。さらに左から笹岡が仕掛けてきますがこれには小川真輝が対応。ボールを奪って桝谷を経由し、一気に有田が前へドリブルで運ぶなど、フロンターレは切り替えの良さが出てきます。
気温が上昇してとられた給水タイムを挟んで、26分には池谷から右へ展開し、抜け出した有田の折り返しにエリア左で宮代がシュート。これはブロック。さらに28分にはエリア外正面やや左でフリーキックを得ると宮代が直接ゴールを狙いますが、これはやや上に外れて決めることはできず。それでも安城に対するロングボールには新井や高吉がよく対応。デュークも自陣までよく戻って距離感よくボールを保持してフロンターレはさらに攻勢に。ボールを失っても桝谷がすぐさまカバーして、縦へパスを出すなど、守備から攻撃につなげていきます。36分には池谷から右サイド高い位置に抜け出した小川真輝にパスが出ると、小川真輝がエリア内へクロス。これに宮城が飛び込みますが惜しくも触ることはできず。
一方の流通経済大柏も直後にはエリア外右へ抜け出した芹田がうまく切り返し、左足でミドルシュートを打つもこれは左に。さらに中央から宮本優太がドリブルで前に出てきますが、池谷や桝谷、上野が相次いでスライディングし再びフロンターレがマイボールに。40分には有田の縦パスをエリア左で受けた宮代から右へ展開。エリア右から小川真輝がシュートを打つもサイドネットに。
フロンターレは距離感もよく、新井や高吉がラインを上げコンパクトに。テンポよくパスを回して流通経済大柏のゴールへ迫っていきます。42分、池谷の縦パスが右サイドへ流れ、宮城がこれを拾ってエリア前へ戻すと、宮代のパスをうまく受けた池谷のミドルシュートが相手選手に当たってゴールネットを揺らします。1-0。先制点はフロンターレへ。
直後には流通経済大柏も人数をかけ、エリア外左から笹岡が最後はシュートを打ちますが、これはしっかり早坂がキャッチ。前半は1-0でタイムアップとなります。
後半は流通経済大柏が二人選手を入れ替え、芹田に代わって20近藤潤が右MF、笹岡に代わって29鬼京大翔が左MFに。1分には安城がボールを前線でうまく収め、左へ展開。菊地がシュートを打つも早坂がキャッチ。3分には右から近藤潤が仕掛け、安城とのパス交換からエリア右へ。シュートを放つもこれもまた早坂がキャッチ。4分には宮本泰晟がセカンドボールを拾って左へ展開。近藤立都の左クロスは新井がクリアするも、このこぼれたボールも菊地が拾ってさらに流通経済大柏が攻勢に。再び左へ展開し、近藤立都の左クロスに近藤潤が飛び込みますが、新井が寄せて枠へは飛ばさせず。しかし、流通経済大柏が距離感よくフロンターレへ攻勢をかける立ち上がりとなります。
フロンターレも池谷や桝谷を、上野がフォローして中盤から組み立てていこうとしますが、なかなか打開できず。連動してクロスやコーナーキックなどから流通経済大柏がフロンターレのゴールへ迫る時間帯が続いていきます。9分にはフロンターレは上野に代わって9山田新がピッチへ。山田がFWに入り、宮城が左MFに。日本クラブユース選手権関東予選では出場することのなかった山田は、久しぶりの公式戦に。
13分には右へのパスに抜け出した山田が一気に前に。流通経済大柏の選手を振りきってエリア内へボールを送ると、宮代がシュートを打ちますがこれはミートしきれず、枠へは飛ばせず。フロンターレは有田がよく自陣に戻ってマイボールにするなど、流通経済大柏の攻勢が続く時間でもよく対応。シュートに対しては高吉がブロックするなど、体を張った守備で対抗していきます。14分には菊地のパスに、エリア左へ鬼京が抜け出しますが、シュートは上に。16分には流通経済大柏は宮本泰晟に代わって、11後藤大輝が入って、前線には180センチ超の安城と後藤が並び、菊地がボランチに。後藤や安城が前線でよくボールを収めて、サイドへ展開して流通経済大柏がさらに攻勢に出ていきます。
フロンターレも20分には流通経済大柏の左コーナーキック、近藤立都が左足で入れたボールを早坂がパンチング。有田につなげて、有田が左サイドからドリブルで一気に前に。右へ展開すると、エリア右、宮代がシュートを打つもこれは上に。なかなか前に出られない中でも、切り替えよく追加点を狙っていきます。
さらに流通経済大柏が佐藤蓮や近藤立都が高い位置へ出てクロスを入れる場面が続いていきますが、早坂やデュークがよくこれに対応。24分には左コーナーキックに、関川が頭で合わせますがこれは上に。1-0のまま、この日2回目の給水タイムに。
給水タイムがあけても流通経済大柏がさらに攻勢に。サイドからの攻めに対して、エリア内では新井がよく対応。右サイドに流れた後藤に対してはデュークがボールをクリアしてシュートにはつなげさせず。しかし、26分、コーナーキックのこぼれ球を左サイドで拾われ、菊地のクロスに合わせた後藤のシュートがゴールネットを揺らします。1-1。同点に。
フロンターレも直後には山田がドリブルで仕掛けて左へ展開。宮城からエリア内、宮代へボールが入って宮代がシュートを打つもこれはGK薄井の正面。しかし、フロンターレは桝谷がこぼれたボールをよく拾って、さらに人数をかけた攻勢に。28分、池谷のパスにエリア内右、有田が抜け出し1対1に。シュートは薄井がブロックするも、右サイドへ流れたボールを小川真輝が拾い、エリア内へ低い弾道のクロスを送ります。このボールにゴール前左で詰めた桝谷が押し込み、2-1。勝ち越したのはフロンターレ。
フロンターレは山田が左MFに入って、宮城がFWに。流通経済大柏は菊地がよく縦へパスを入れ、同点を狙っていきますが、フロンターレは池谷が読みよくカット。37分には流通経済大柏のコーナーキック、左から菊地がボールを入れると、エリア内へボールがこぼれ流通経済大柏の選手の足元へ。しかし、デュークがクリアしてシュートには持ち込ませず。38分には佐藤蓮が中央へボールを運んでエリア内へスルーパスを出しますが、新井がカバー。フロンターレも守備だけではなく、切り替えよく山田と宮城が左サイドからボールを運び、セカンドボールは池谷がよく拾って桝谷らとパス交換。ボールを回しながらさらにゴールを狙っていきます。39分には小川真輝の浮き球にエリア右、宮代が抜け出しますがここは流通経済大柏の関川が厳しい寄せ。シュートには持ち込めず。
43分、フロンターレは有田に代わって4伊従啓太郎が入り、ボランチに。山田が右MF、桝谷が左MFに。流通経済大柏も安城に代わって4三本木達哉が入って右MF、近藤立都に代わって3坂下景太が左SBに。ボランチの宮本優太の前に三本木、鬼京、菊地が並び、前線に後藤と近藤潤が出て同点を狙っていきます。44分には三本木が右から仕掛けてくるもデュークがこれに対応してコーナーキックに。右からのコーナーキックは山田がクリア。佐藤蓮がエリア正面で拾うもロングボールに対してはしっかりフロンターレが対応。
ロスタイムに入って、フロンターレは宮城に代わって30山内日向汰がピッチへ。山田や宮代がボールをうまく前へ運んで試合はまもなくタイムアップ。2-1。フロンターレが勝利を飾りました。
前半1-0 後半1-1 計2-1
得点:池谷祐輔、桝谷岳良(川崎)後藤大輝(流通経済大柏)
フロンターレの先発:1早坂勇希(c)、5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、11デューク・カルロス、15池谷祐輔、7桝谷岳良、37有田恵人、20上野綜太、24宮城天、18宮代大聖
交代:上野→9山田新 有田→4伊従啓太郎 宮城→30山内日向汰
控え:19野口照瑛 23島崎元 27森璃太 28栗田悠巨 36黒川海翔 14古屋雄帆
流通経済大柏の先発:25薄井覇斗、12佐藤蓮、27瀬戸山俊、5関川郁万、2近藤立都、31宮本優太(c)、28宮本泰晟、18芹田悠真、29笹岡款太、10菊地泰智、15安城和哉
交代:芹田→20近藤潤 笹岡→21鬼京大翔 宮本泰晟→11後藤大輝 安城→4三本木達哉 近藤立都→3坂下景太
控え:41猪瀬康介 33蓬莱七星 14熊澤和希 9池田啓利
フロンターレは、5勝1分け1敗、得点13、失点6、得失点差+7。首位前橋育英、3位東京ヴェルディユースとは同じ勝敗、同じ勝ち点という状況は今節も変わらないことに。日本クラブユース選手権前に残されているのは、次節のジェフユナイテッド市原・千葉U-18戦(7月8日午後3時、麻生グラウンド)と前半折り返しとなる前橋育英戦(7月16日午前11時、前橋育英高崎グラウンド)の2試合となります。
この日は桐光学園戦と同様、失点直後にいい形で勝ち越しを決めたフロンターレ。接戦を2試合続けてものにしたことは、これからに必ずつながっていくものと思います。
(文中敬称略)
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