川崎フロンターレが初めてのタイトル獲得の可能性を残して、等々力陸上競技場でのJ1最終節に臨んだ12月2日は、千葉県市原市の姉崎公園サッカー場へ。プリンスリーグ関東は第17節。前節の流通経済大付属柏高校戦を1-3、8勝3分け5敗、勝ち点27、得点26、失点20の川崎フロンターレU-18はジェフユナイテッド市原・千葉U-18との試合に臨みました。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第17節 vs ジェフユナイテッド市原・千葉U-18】
12月3日(日)午前10時半キックオフ 姉崎公園サッカー場 晴れ
フロンターレの先発は、GK1早坂勇希、DFは右から5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、11デューク・カルロス、ボランチはゲームキャプテンの15池谷祐輔、7桝谷岳良、右MF37有田恵人、左MF24宮城天、トップ下13大曽根広汰、FW18宮代大聖。左手を負傷し前節は欠場した宮代が包帯を巻きながらも先発に復帰。
ジェフの先発は、GK1広浜顕哉、DFは右から15堀博昭、16ファーガソン・カルム、キャプテンの4深川大輔、13神宮司嶺、中盤の底に14竹嶋裕二、その前に7安光将作、9渡辺啓太が入り、右サイドには30秋元拓巳、左サイドには10榎本啓吾、CFは18古川大悟。
好天に恵まれたものの気温は上がらず、12月らしい寒さの姉崎公園サッカー場。両チームの家族らが多く集まり、フロンターレのサポーターもジェフのサポーターもチャントやコールで選手を後押しする中、試合は始まりました。
立ち上がり、サイドからの攻めでフロンターレのゴール前に迫ってきたのはジェフ。2分、右から堀にクロスを上げられるとエリア内左にうまく入り込んだ渡辺のシュートがゴールネットを揺らします。0-1。先制したのはジェフ。
フロンターレは池谷を中心にボールを動かし、右サイドの小川真輝、有田の連係からゴールへ迫っていきますが、決定機にはつなげられず。逆にジェフの左サイドの榎本のドリブルやボールキープなどからゴールへ迫られていきます。6分には榎本がエリア外左の高い位置へ。折り返されますが、これはデュークがクリア。直後のコーナーキック、右から深川が右足で入れたボール、竹嶋が合わせますがこれは左に。さらにエリア前でボールを失い、古川にシュートを打たれますが、早坂の好セーブでしのいでいきます。
フロンターレは縦パスを入れていくことを試みるもカットされる場面が少し目立ち、そこからジェフの攻撃をさらに受けることに。11分には左サイドでのスローイン、竹嶋のロングスローから安光にシュートを打たれますが、ブロック。13分にはエリア外左でのフリーキック、深川の入れたボール、ファーで合わされますがここでもよくブロック。直後にもコーナーキックのセカンドボールを拾われ、左サイドから渡辺が仕掛けてきますが、高吉がねばり強く寄せてシュートにはつながらせず。さらにジェフの左サイド、榎本のボールキープから神宮司が高い位置へ仕掛けてくるも、小川真輝がしっかり寄せてラインを割らせ、クロスにはつながせず。
15分も過ぎるとフロンターレもようやく前に出られるように。18分には宮城とのパス交換からデュークがエリア外左の高い位置へ。ねばり強く寄せられて、シュートにはつながらなかったものの、このあとも宮城とデュークの連係からゴール前に迫れるように。19分には大曽根、有田とつないで、有田がエリア前に。最後はエリア左へ宮代が抜け出しゴールネットを揺らしますが、オフサイドの判定。同点とはならず。
24分にはジェフの竹嶋のロングスローやコーナーキックのセカンドボールを拾ったところからの攻めを受けますが、高吉らがよく跳ね返してしのいでいくと、24分には右サイドから左へボールを動かし、宮城のパスにデュークが左サイドの高い位置へ抜け出しシュート。これは決まらず、左からのコーナーキックに。そこからセカンドボールを拾い、桝谷、宮城とエリア外左でつないで、最後は前線に残っていた小川真輝がエリア外右の高い位置から速く低いボールをエリア内へ入れますが、クリアされてしまい、これも得点にはつながらず。
渡辺との連係から左サイドから迫ってくる榎本に対しては、池谷や高吉がうまく連係したり、小川真輝もねばり強い守備を見せるなどして、うまく対応できるようになり、新井や高吉がラインを上げて、コンパクトに。池谷や桝谷がかかわって縦へパスを入れていくフロンターレ。しかし、ジェフもパスをよくカットし、なかなかゴール前に迫ることはできず。33分にはボールをジェフがカットしたところから、左へ。榎本、神宮司とつないで高い位置から折り返しをいれますが、ここは池谷がエリア内でよくクリア。さらに右サイドのロングスロー、竹嶋がエリア内へボールを入れると、古川が頭で合わせますがシュートは上に。
フロンターレは宮城との連係からデュークがエリア前によく顔を出し、また小川真輝も機を見て右サイドの高い位置へ。40分には宮代のリターンを高い位置で受けた高吉から右へ展開。小川真輝がクロスを入れますが、これはGK広浜がキャッチ。直後にはデューク、宮城、デュークと左サイドでテンポよく縦への攻め。最後はエリア左へ大曽根が抜け出しますがこれはオフサイド。45分には宮代が倒されてエリア外左で得たフリーキック、小川真輝が直接狙いますが、シュートは上に外れてゴールネットを揺らすことはできず。前半は0-1でタイムアップとなります。
後半そのままのメンバーのフロンターレに対して、ジェフは秋元に代わり、19阿部渚を入れてのスタート。立ち上がりには古川がフィードに抜け出したり、竹嶋のロングスローからゴール前に迫ってきますが、デュークや早坂がしっかり対応ししのいでいきます。なおも4分にはジェフが左サイド、榎本が高い位置へ仕掛け、エリア内へパスを出すと堀が高い位置へ抜け出しますがデュークがねばり強く対応しシュートは打たせず。
フロンターレも有田のパスに右サイドの高い位置へ、小川真輝が上がり、エリア前にボールを戻すと宮代のパスにエリア左へ宮城が抜け出していきますが、ジェフの守備に阻まれてシュートは打つことはできず。直後にはジェフ、安光から右サイドの高い位置へ。堀がまたも仕掛けていくもデュークが奪いうまくマイボールにしていきます。
フロンターレは宮代が時には中盤まで下りパスの出し手にもなり起点に。右サイドで有田と小川真輝がよくかかわり、新井も時には前に出てコンパクトにして攻勢に出ていきます。10分には桝谷のパスにエリア前、宮代が抜け出すもGK広浜に阻まれ、11分には新井のサイドチェンジを右サイドの高い位置で受けた小川真輝の縦パスに宮代が抜け出そうとするもこれは足にはつかず。さらに左サイドの高い位置で宮城がボールをカットし宮代へラストパスを送りますが、ボールはカットされシュートにはつながらず。さらに宮城のパスにデュークがエリア外左へ抜け出していきますが、倒されてしまいファールに。フロンターレはここで有田に代わって、9山田新が右MFへ。
直後のフリーキックはジェフの体を張った守備に阻まれたものの、カウンターをしのいだフロンターレはさらに攻勢に。小川真輝のパスに宮代がエリア内へ抜け出すなどゴールへ迫り、次々にコーナーキックを得ていきますが、なかなかゴールを破ることはできず。
ジェフは16分には神宮司に代わり2越後快が左SBへ。17分にはエリア前に古川が抜け出しますが、新井が体をよく入れて最後は早坂がボールはキャッチ。19分にはフロンターレ、小川真輝の縦パスに山田が抜け出してエリア右へ仕掛けていきますが、ジェフの越後の守備に阻まれてしまいます。それでもフロンターレの攻勢の時間は続き、21分には宮代から右の山田へ。小川がエリア内へ折り返すとニアに大曽根が飛び込みますが、ここもクリアされてゴールネットは揺らすことはできず。22分には池谷の縦パスにエリア左へ宮代が抜け出すも、ここでもクリアされてシュートを打つことはできず。さらに宮代が高い位置で前を向いて右へ展開すると、小川真輝がエリア内へボールを入れますが、またもクリア。
23分には池谷の縦パスにエリア右へ山田が抜け出してシュートを打つも広浜の好セーブで決めることはできず。なおも池谷と桝谷が中盤でうまく連係してマイボールにし、高吉の縦パスにデュークが抜け出すなど、フロンターレが攻める時間帯が続いていきます。27分には宮城がエリア左へ抜け出してシュートを打つも広浜がここでもセーブ。直後には山田のパスを受けた小川真輝がエリア外右で倒されてフリーキックを得るも、桝谷が左足で狙ったシュートは広浜が弾き出して決めることはできず。
ジェフはここで古川に代わって25桜川ソロモンが前線に。前に桜川を残しコンパクトに守りに。29分にはフロンターレ、新井の縦パスにエリア正面へ宮城が抜け出しシュートを打つもジェフの守備に阻まれて枠へ飛ばすことはできず。ここで得たコーナーキックのセカンドボールを大曽根が拾い、エリア内へボールを入れると、宮城が競りにいくもここでも広浜にキャッチされてシュートに結びつけることはできず。31分には池谷の縦パスを受けた宮城が前を向いてパスを出すと、エリア正面で大曽根がシュートを打つもこれは広浜の正面。なおも池谷と桝谷がボールをよく拾い、全体に高い位置取りでフロンターレは攻めていきます。
32分にはジェフは堀に代わって3畔蒜涼太郎が入り、フロンターレは小川真輝に代わって27森璃太が右SBへ。ジェフはフロンターレボール時には最終ラインに阿部も下りて5バック気味に。それに対して、フロンターレは人数をかけてさらに攻勢に出ていきます。34分には左コーナーキック、桝谷が左足でボールを入れると、エリア右で新井がシュートを打つもGK広浜が好セーブ。
37分にはジェフは渡辺に代わって37持田大輝がピッチへ。
ジェフの前線の桜川に対しては、デュークや新井が連係した好対応を見せて起点とはさせずにさらに同点を狙っていくフロンターレ。時には高吉が持ち上がって山田へ縦パスを入れるなどしていきます。40分には大曽根に代わって4伊従啓太郎が前線へ。
機を見たジェフのカウンターには宮城が自陣まで戻ってボールを取り返すなどし、守備から攻撃へつなげていこうとするフロンターレ。44分には宮城がファールを受けながらもパスを出すと、宮代、デュークがエリア左から迫るもシュートは打てず。ロスタイムは4分。
新井が前線へ入れたボールを伊従が競り、宮代がゴール前右へ送ったボールを山田がシュートに持ち込みますが、ここでもジェフの好守に阻まれてゴールにつなげることはできず。なおも早坂が自陣から前線へボールを入れるなどしてゴールを狙い続けたフロンターレでしたが、こじ開けるには至らず。試合は0-1でタイムアップ。勝ち点を伸ばすことはできず、最終節へ臨むことになりました。
前半0-1 後半0-0 計0-1
得点:渡辺啓太(ジェフユナイテッド市原・千葉U-18)
フロンターレの先発:1早坂勇希、5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、11デューク・カルロス、15池谷祐輔(c)、7桝谷岳良、37有田恵人、24宮城天、13大曽根広汰、18宮代大聖
交代:有田→9山田新 小川→27森璃太 大曽根→4伊従啓太郎
控え:16安福祐一 23島崎元 8奥山璃空 26横田大祐 30山内日向汰 20上野綜太
ジェフの先発:1広浜顕哉、15堀博明、16ファーガソン・カルム、4深川大輔(c)、13神宮司嶺、14竹嶋裕二、7安光将作、9渡辺啓太、30秋元拓巳、10榎本啓吾、18古川大悟
交代:秋元→19阿部渚 神宮司→2越後快 古川→25桜川ソロモン 堀→3畔蒜涼太郎 渡辺→37持田大輝
プリンスリーグ関東は次戦の第18節が最終戦。12月10日午後1時、等々力陸上競技場にて前橋育英との試合に臨みます。
フロンターレは勝ち点27のまま、4位。他会場では東京ヴェルディユースに2-1で勝利した流通経済大柏が勝ち点29で3位に。前橋育英が三菱養和SCユースを2-1で下し、勝ち点33で首位、勝ち点30の三菱養和が2位。前橋育英はプレミアリーグ参入戦への出場権を得られる3位以内が決まり、残り2つの枠を三菱養和、流通経済大柏、フロンターレが争うことになりました。
フロンターレは自力では決められないきびしい状況。しかし、何が起こるかわからないのがサッカー。この日初めてタイトルを得たフロンターレのトップチームが等々力で見せたような、そして、これまでU-18が見せたような、攻守にひたむきなサッカーで勝利を追い求める姿を見られれば、と思います。
トップチームの鬼木達監督が言うように結局は他力ではなく、自力なのだと思います。
(文中敬称略)
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