11月25日は等々力第一サッカー場へ。Jユースカップにより中断されていたプリンスリーグ関東はこの日が再開初戦の第16節。勝ち点27で3位につける川崎フロンターレU-18は、勝ち点23で5位につける流通経済大付属柏をホームに迎えました。
プリンスリーグ関東は、首位前橋育英、2位三菱養和がフロンターレと同じ勝ち点27。そのあとを1試合消化の多い東京ヴェルディユースが勝ち点24で4位。流通経済大柏を含めた5チームがプレミアリーグ参入戦に進める3位以内への可能性を残しており、フロンターレはこの試合に勝利すれば、流通経済大柏に勝ち点で並ばれる可能性がなくなり、大きく3位以内確定へ前進するという一戦となりました。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第16節 vs 流通経済大付属柏】
11月25日(土)午後1時半キックオフ 等々力第一サッカー場 晴れ
フロンターレは34高吉正真が出場停止。また、18宮代大聖がけがのため、メンバー外に。先発はGK1早坂勇希、DFは右から5小川真輝、4伊従啓太郎、3新井秀明、11デューク・カルロス、ボランチはゲームキャプテンの15池谷祐輔、7桝谷岳良、右MF13大曽根広汰、左MF24宮城天、トップ下10村田聖樹、FW37有田恵人。
23日に市立船橋との高校サッカー選手権千葉県大会の決勝を2-1で制したばかりの流通経済大柏。先発はGK25薄井覇斗、DFは右から38齋藤優輝、5関川郁万、27瀬戸山俊、12佐藤蓮、ボランチはキャプテンの31宮本優太、34丹沢翔吾、右MF10菊地泰智、左MF21鬼京大翔、トップ下にはフロンターレU-15出身の4三本木達哉、FW26加藤蓮。
好天に恵まれ、Tシャツ1枚でもしのげるような暖かさが戻ってきた等々力第一サッカー場。両チームの家族に加え、多くのフロンターレのサポーターらが集まり、幕や旗、チャントやコールで選手たちを後押しする中、試合は始まりました。
立ち上がり、前に出たのは流通経済大柏。エリア外右でファールを受けると、菊地が左足でエリア内へボールを入れますが、フロンターレはこれをしのいで、クリアボールを前線の有田が運んだところからラインを上げて、コンパクトに、いい距離感でボールを回せるように。小川真輝、デュークがそれぞれの高い位置へ顔を出し、早坂も正確なボールを左サイドの宮城へつけるなどし、組み立てにかかわっていきます。
流通経済大柏はマイボールにすると、裏を狙って走り出す加藤を狙って菊地が浮き球を入れるなどしていきますが、新井がしっかり対応。10分にはフロンターレ、人数をかけてエリア前に迫っていくと、池谷がエリア正面やや右でシュートを打つも決めることはできず。直後には流通経済大柏がカウンターへ。エリア右へ抜け出した菊地へボールが出ると、これには早坂が対応。シュートにはつながらせず。フロンターレは、12分には大曽根がエリア左へ抜け出して、シュートを打つもこれは右に。
フロンターレは流通経済大柏へボールが渡ると、大曽根が自陣に戻って、スローインの受け手の加藤に激しく、ファールにならないようにうまく体を寄せて奪い返すなど、局面局面で守備でも好プレーを見せ、池谷もよくボールをカットするなど、いい時間帯が続いていきます。
しかし、流通経済大柏も菊地が佐藤と左サイドでうまく連係するなどして高い位置へ次第に出てこられるように。18分には宮本のサイドチェンジをエリア右の高い位置で加藤が受け、シュート。枠をとらえますが、早坂がこれを弾き出す好セーブでしのいでいきます。
三本木が加藤との連係からエリア右へ抜け出すなど、流通経済大柏がゴールをおびやかす時間帯は続き、24分左コーナーキックのこぼれ球を、エリア左でうまく体を入れてマイボールにした鬼京がクロスを上げると、エリア内右で関川がこれに合わせてゴールネットが揺れます。0-1。先制点は流通経済大柏へ。
27分には鬼京が左サイドの高い位置へ仕掛けて振り切り、折り返すと菊地のシュートが決まって、0-2。フロンターレは突き放されてしまいます。
フロンターレは、左MFに大曽根、右MFに有田、FWに宮城とポジションを入れ換え。桝谷や池谷に村田がかかわって中央でボールを回し、大曽根が切れのある動きでドリブルで仕掛けるなど、起点となっていきます。33分には桝谷から左サイドへ展開。デュークが仕掛けてボールはエリア外右へ。小川真輝が抜け出すもシュートにはつながらず。しかし、35分流通経済大柏のパスをカットした大曽根が一気に前へ。自らエリア前右へ持ち込みシュートを放つと、これが決まって1-2。
3点目を狙ってくる流通経済大柏に対して、大曽根が自陣の深い位置まで戻ったり、クロスに対しては早坂がしっかりと対応するなどしていくフロンターレ。40分には有田からエリア左の宮城へ。シュートはブロックされ、直後の右コーナーキック、桝谷が左足でボールを入れると、宮城が飛び込み、最後はファーで新井が合わせますが、これは上に外れてゴールには至らず。
大曽根、デューク、村田が左サイドでテンポよくパスを回すなど、マイボールの時間帯を続けていくと、42分には池谷の縦パスから有田を経由して宮城がエリア左に。しかし、流通経済大柏の体を張った守備の前に得点には至らず。さらに桝谷が高い位置へボールを持ち上がり、宮城やデュークとの連係からゴールヘ迫るなどしていきますが、前半はそのままタイムアップ。1-2でハーフタイムへ。
後半、流通経済大柏は加藤と三本木に代えて、前線に14熊澤和希、15安城和哉を入れてのスタート。
立ち上がりには熊澤がうまく前でボールをおさめ、右へ展開すると齋藤が高い位置へ。しかし、ここはデュークがしっかりクリア。
フロンターレは3分には有田、小川真輝と右サイドからの攻め。小川のクロスに村田がエリア内で合わせますが、GK薄井がこれをキャッチ。直後には流通経済大柏、エリア前やや右でファールを受けると、菊地がゴール右隅を狙ってシュートを打ちますが、早坂がキャッチ。さらに流通経済大柏がサイドをうまく使って攻撃する時間が続きますが、右サイドから仕掛けてきた齋藤に対しては大曽根がねばり強く対応し、右からのクロスに対しては新井がエリア内でしっかりクリア。6分にはエリア右から齋藤がシュートを打ちますが、ボールはサイドネットに。
7分には流通経済大柏は鬼京に代えて22時岡寛拓が左MFへ。
フロンターレは9分には池谷、桝谷と縦へパスがつながり、最後はエリア外右で有田が倒され、ゴールに近い位置でのフリーキックを得ます。小川真輝のシュートはブロックされますが、こぼれ球を拾った池谷がエリア右へボールを入れると村田が折り返し。新井が飛び込む決定機となりますが、薄井にキャッチされてしまいます。12分には右コーナーキックを得ると、桝谷のボールに伊従がエリア内左で合わせますが、関川にブロックされて、枠をとらえることはできず。
流通経済大柏は15分には早くも4人目の交代。丹沢に代わって6平子竣哉がボランチに。フロンターレも16分には有田に代わって26横田大祐が右MFへ。
流通経済大柏は菊地が前線で起点となり、時岡との連係からよくゴール前に迫っていきます。フロンターレは横田が右サイドの高い位置へ仕掛け、リターンを受けた桝谷を経由して左サイドの高い位置へデュークが仕掛けるなど、こちらもゴール前に。攻防が続いていきます。
21分には流通経済大柏、時岡がエリア左へ抜け出し、折り返すも早坂がボールはキャッチ。さらに22分には菊地からボールをエリア左で受けた佐藤がシュートを打つも早坂のセーブでしのいでいきます。直後にはフロンターレ、横田、村田と右サイドの高い位置でボールを回し、エリア前の宮城へ渡りますが、シュートは流通経済大柏がブロック。ゴールヘ近づくもののなかなか体を張った守備を崩すことはできず。
フロンターレは25分、桝谷に代わって9山田新が入り、FW。村田はボランチ、右MF横田、左MF宮城、トップ下は大曽根に。直後には宮城のパスにエリア右へ横田が抜け出しますが、シュートはここでもブロック。さらに30分には村田が左サイドの高い位置へボールを入れると山田とのパス交換からデュークが突破を試みますが、ここでも流通経済大柏の体を張った守備に遭い、決定機にはつなげることができません。
フロンターレが両サイドを使ってゴールをこじ開けようとしていく時間帯は続き、33分には横田が粘って右コーナーキックを得ますが、伊従を狙ってのボールは薄井にキャッチされてしまいます。
34分には流通経済大柏は佐藤に代わって12近藤立都が左SBへ。フロンターレは小川真輝に代わって27森璃太が右SBへ。直後には池谷のパスに右サイドの高い位置へ山田が抜け出すも、ここでも流通経済大柏のねばり強い守備。一方の流通経済大柏は熊澤が前線でよく競り勝ち起点に。37分には熊澤、時岡と渡って、エリア内右、菊地が抜け出しますがデュークがこれには対応し左からのコーナーキックに。近藤立都が左足でボールを入れると、関川が頭で合わせて枠をとらえますが、森璃太がクリア。好守を見せていきます。
ところが、直後にセカンドボールを拾って流通経済大柏が攻勢をかけていくと、エリア内でフロンターレにファールがあったとの判定が下り、流通経済大柏にPKが与えられます。キッカーの宮本がこれを決めて、1-3。
たたみかける流通経済大柏が直後にはエリア外右へ熊澤が抜け出し、対応しようとした早坂がエリア外へ出たところを狙ってシュートを打ちますが、これは左へ。
フロンターレは、42分にはデュークの折り返しに大曽根がエリア内へ飛び込みますが、流通経済大柏がゴールの前で必死の守備でゴールラインを越えるには至らず。ロスタイムは2分。46分には自陣のセンターライン手前から早坂がエリア前にボールを入れると、伊従が競り勝って山田がシュートに持ち込みますが、これも決めることはできず。
マイボールにした流通経済大柏が高い位置でボールをキープし、試合はタイムアップ。1-3。
前半1-2 後半0-1 計1-3
得点:大曽根広汰(川崎)関川郁万、菊地泰智、宮本優太=PK(流通経済大柏)
フロンターレの先発:1早坂勇希、5小川真輝、4伊従啓太郎、3新井秀明、11デューク・カルロス、15池谷祐輔(c)、7桝谷岳良、13大曽根広汰、24宮城天、10村田聖樹、37有田恵人
交代:有田→26横田大祐 桝谷→9山田新 小川→27森璃太
控え:16安福祐一 6森陽平 28栗田悠巨 8奥山璃空 30山内日向汰 20上野綜太
流通経済大柏の先発:25薄井覇斗、38齋藤優輝、5関川郁万、27瀬戸山俊、12佐藤蓮、31宮本優太(c)、34丹沢翔吾、10菊地泰智、21鬼京大翔、4三本木達哉、26加藤蓮
交代:加藤→14熊澤和希 三本木→15安城和哉 鬼京→22時岡寛拓 丹沢→6平子竣哉 佐藤→2近藤立都
他会場では前橋育英が1-0で横浜FCユースに勝利。三菱養和SCユースは3-2でジェフユナイテッド市原・千葉U-18に勝ち、ともに勝ち点を30までのばすことに。フロンターレは勝ち点27にとどまり、3位。流通経済大柏が勝ち点差1、勝ち点26の4位に迫ることになりました。プリンスリーグ関東は残り2試合となり、5位東京ヴェルディユースも含めた5チームに3位以内の可能性が残されています。
フロンターレは次戦は12月2日午前10時半、姉崎サッカー場にてジェフユナイテッド市原・千葉U-18との試合に臨みます。
混戦となったプリンスリーグ関東ですが、3位のフロンターレには自分たちで決められるという強みがあります。ひとつひとつのプレーにこだわって、等々力陸上競技場で迎えるリーグ最終戦にいい形でつなげてほしいと、思います。
(文中敬称略)
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