「ずっと過ごしてきたので思い入れは強い」と語る五十嵐太陽と川崎Fアカデミー【1/3】


 

U‐12,15,18と川崎フロンターレアカデミーで育ち、U‐18最後の年には、プリンスリーグ関東得点王としてチームをプレミアリーグ昇格に導いた五十嵐太陽。2022年のトップチーム昇格から1年をフロンターレで過ごし、育成型期限付き移籍として、レノファ山口FC(J2リーグ)で1年半を過ごしています。
山口での2年目を過ごす五十嵐選手に、アカデミーのこと、山口でのプレーや生活のこと、今後のサッカー人生のことなどについて、たっぷりとお伺いしました。
1本目の本記事では、アカデミーでの思い出や、今の後輩たちへの思いなどをお届けします。
五十嵐太陽選手。今季はレノファで55番を背負ってプレーしています

 

アカデミー時代の記憶に残る試合

 

――五十嵐選手に関連する川崎そだちの記事を振り返ってみると、私たちサポーターの記憶に残るゴールや試合も多くあります。U‐12からフロンターレアカデミーで過ごす中で、様々な試合を経験されてきていると思うのですが、自分の中で一番思い出に残っている試合はどの試合ですか。

そうですね、まず、小学校の6年生の時のダノンネーションズカップ、国内での決勝が一つ思い入れのある試合です。

 

写真右の10番が五十嵐選手 photo byとめさん

 

――プロ1年目の時、プロフィールのQ&Aでも答えられていた試合ですね。

はい。あとは、高校3年生のプリンスの最終節、矢板中央戦。自分がゴールした試合です。もう一つ、最後のプレミアリーグ参入のプレーオフ、大阪の阪南大学高校との試合で3つですね。ここから一番印象に残っているものを一つ挙げるとしたら、かなり難しいですけど、プレミアリーグに初昇格できたことだったり、その大事な試合で自分が貢献できたかなと思うことだったりがあるのでプレーオフの試合ですかね。

 

得点後、仲間たちからの祝福を受ける画面中央が五十嵐選手 photo by だいちさん

 

2ゴール1アシストで勝利に貢献 photo by だいちさん

 

――記憶に残る試合に挙げてくださった試合はもちろんですし、それ以外の試合でも多くのゴールを決められていると思います。アカデミー時代のゴールで一番忘れられないゴールはどのゴールですか。

そうですね、小6のダノン決勝か、高3の矢板中央戦のゴールになるんですけど、どちらかといえば矢板中央戦のゴールです。どちらも自分があまり打たないタイプのボールで、ああいう形でのゴールっていうのは、自分でも珍しいというか。でも、あの時は「これはなんか入るな」と思って打った感覚を今でも覚えています。

――自分がゴールを決めた試合がより思い出に残る試合になるものですか。

そうですね。ゴールを決めると記憶に残るのはもちろんですが、大事な試合でゴールを決められていたからこそ色濃く覚えているっていう部分はあると思います。もちろん覚えているのは自分のゴールだけではないですけどね(笑)。

 

チームメイトの若月大和選手は、アカデミー時代に……

 

――少し話題が変わりますが、今プロサッカー選手としてやっていく中で、ユースの時に対戦していたり一緒にやっていたりした選手で、同じくプロになっている選手もいると思います。例えば、今同じチームでプレーしている若月大和選手(レノファ山口FC#9 / 桐生第一高校)や、先日レノファに内定が決まった日本体育大の小澤亮太選手(昌平高校)などと高校時代に対戦されていると思うんですが、エピソードや思い入れがある選手はいますか。

そうですね、それこそ(若月)大和君は、今年入ってきたときに本人とその話をしたんですけど、僕は知っていて、大和君は僕のことを知らなかったんです。彼が2学年上だったので多分2個下の僕のことは知らなかったと思うんですけど、彼は高校の時から有名な選手だったので僕は知っていました。チームに入ってきたときは、「お、あの時の若月選手だ」って思いましたね。チームでも仲よくしてくれていますし、そうやってアカデミー時代に見ていたり対戦していた選手とできていることは刺激になっています。現時点で、はっきり認識していてエピソードがあるのは大和君ぐらいです。

 

写真左が五十嵐選手、少し隠れてしまっていますが、写真中央、壁の奥から2番目が若月選手

 

――同じ年代の選手はまだ大学在学中の選手も多いですもんね。

はい。これからもっと過去に対戦したことがあったり知っていたりする選手がJリーグで増えるのが楽しみです。

 

「見てたけどなかなか始まらなくて(笑)」クラブユース選手権の思い出と今の後輩たちに向けて

 

―― ちなみに、先日U‐18の後輩たちが、クラブユース選手権の初優勝を懸けて初めて決勝の場に立っていたと思うんですが、ご自身のクラブユース選手権の思い出はどうですか。

高1の時は確か負けスタートで、準々決勝くらいまででしたよね。その時は僕は全然出ていなくて。高2の時は、途中(関東予選)で負けちゃって本選に進めなくて。なので一番よく覚えているのは高3の時ですかね。名古屋(グランパスU‐18)に負けて、その名古屋が優勝したという年だったと思います。今年の後輩たちはすごいなと思います。

 

高校1年時のクラブユース選手権 準々決勝 先発の五十嵐選手 photo by だいちさん

 

――そんな後輩たちの活躍は、クラブユース選手権での決勝進出や普段のプレミアでの戦いなどで耳にしていると思いますが、ユースの後輩たちに一言いただけますか。

僕自身にとってもすごく刺激になっています。それこそ、この間のクラブユースの決勝も、6時半からYouTubeを開いて一人でずっと見ていたんですけどなかなか始まらなくて。

※試合開始前から続く激しい雷雨の影響で、キックオフ時間が2度後ろ倒しに。最終的には、8時15分に試合開始、PK戦/延長なしの40分一本勝負形式へと変更されました。

――見られていたんですね。画面越しからでもわかるような悪天候の映像が流れていました。

すごかったですよね(笑) 「全然始まんないな」と思いながら待って、8時半前にようやく始まって。試合もしっかり見て、応援していました。強度高く試合を運んでいて、すごくいい選手たちばかりで、見ていて面白かったですね。

サポーターの方もたくさんいらっしゃってたみたいで、うらやましいなと思いましたし、懐かしくなりました。このままどんどん頑張っていってほしいですし、僕としても負けられないなと思うので、できることを頑張りたいです。

 

挨拶をしたときには、「川崎そだちは中学高校のころからお世話になっているのでもちろん知っています。アカデミーの選手はみんな知っていると思いますよ。」と、爽やかに嬉しい一言をかけてくださいました。取材中は、質問に対して詰まることなくスラスラと回答し、時には話しながら笑みがこぼれることも。受け答えの節々から、U‐12から過ごしてきたフロンターレアカデミーへの深い思い入れが伺えました。
(2本目に続く。)

 

(文中一部敬称略)

文・写真 / イナ(19)(一部撮影者が明記されている写真を除く。)

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「ずっと過ごしてきたので思い入れは強い」と語る五十嵐太陽と川崎Fアカデミー【1/3】」への1件のフィードバック

  1. 山口のサポーターです。五十嵐選手にこんなにも輝かしい水色の経歴があったことを初めて知り感動しました。山口でもっともっと、五十嵐選手の足元、見たいです!!!!期待してます!!そして2本目の記事もたのしみです💞

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