12月13日、大学サッカーの冬の日本一を決める全日本大学サッカー選手権が始まりました。北海道から九州地区までの24大学によって競われる大会には、川崎フロンターレU-18出身の選手もメンバーに登録されています。
今大会では、富士大学のFW11伊藤健太、筑波大学のMF9三笘薫、法政大学のMF6土橋優樹、静岡産業大学のDF5諏訪部徹、大阪体育大学のDF2太田賢吾、阪南大学のMF14脇坂泰斗、GK1名良橋拓真、DF5長谷川隼の8選手が登録。
初日の13日、足利市総合運動場陸上競技場で行われた1回戦では、富士大学と静岡産業大学が対戦。現在はトップチームの選手として期待を受けている板倉滉、三好康児とともに、フロンターレU-18を支えた伊藤、諏訪部の2選手がともに先発に名前をつらねました。
【全日本大学サッカー選手権1回戦 富士大学 vs 静岡産業大学】
12月13日(水)午前11時キックオフ 足利市総合運動場陸上競技場 晴れ
東北地区大学サッカーリーグ1部の2位となり、初めての出場となった富士大学。先発はGK1石塚涼、DFは右から6稲村知大、キャプテンの4伊藤仁也、2新田修平、7鈴木一朗、ボランチは8志村大海、12大内優紀、右MF13池田大郎、左MF10清水光、FW11伊藤健太、9木村比呂。
東海地区の王者として挑む静岡産業大学。先発はGK1石原翼、DFは右から15宮田和哉、4原田大雅、キャプテンの5諏訪部徹、2光澤和人、ボランチは7大木竜平、6井上諒、右MF14藤池翼、左MF10藤田脩人、トップ下12佐藤友哉、FW9遠山拓民。
好転に恵まれたものの冬らしい寒さの足利市総合運動場陸上競技場。それでも多くの両チームの選手の家族や応援に駆けつけたメンバー外の選手、OBらが見守るなか、試合は始まりました。
立ち上がり、ゴール前に迫ったのは静か産業大。エリア左へ遠山が抜け出てシューおを打ちますが、GK石塚の好セーブでゴールとはならず。さらにこぼれ球を拾った遠山が再びシュートに持ち込みますが、これは上に。
直後には富士大、高い位置で伊藤健太がカットし、エリア右からシュート。しかし、こちらもGK石原の好セーブに阻まれゴールネットを揺らすには至らず。さらにエリア外左へ池田が抜け出していくも、またもGK石原がクリア。互いにゴール前に迫っていきます。
8分には静岡産業大、フリーキックのセカンドボールを諏訪部が拾い、右サイドの高い位置へ。佐藤が折り返し、エリア内へ大木が進入しますがクリア。シュートには結びつけられず。
富士大は伊藤も自陣に時には戻り、前線に木村を残してコンパクトに。マイボールにすると、静岡産業大のGKとCBの間に浮き球を入れて揺さぶりに。11分にはエリア前でうまく前を向いた伊藤健太がシュートを打つもブロック。さらに木村がセカンドボールを拾ってシュートを打ちますが、これは左へ。さらに左サイドの高い位置へ鈴木が持ち上がるなど、ゴールへ迫っていきますが、宮田が粘り強くブロック。ルーズボールを拾って、木村がシュートを打つもGK石原がセーブ。しのいでいきます。
遠山が前線でやや孤立気味でなかなか分厚い攻撃に出られない静岡産業大に対して、いい距離感でゴールへ近づいてく富士大。高い位置でスローインを得ると、木村や鈴木がロングスローを入れてゴールを狙っていきます。守備に転じても、藤池のドリブルを大内が読みよくカットするなど、流れは渡さず。26分には遠山のキープからエリア前に顔を出した佐藤がミドルシュートで狙うも大内がまたもブロック。28分には遠山のパスにエリア前に抜け出した藤池がシュートを打つも左へ。
直後には富士大、石塚が送ったボールをエリア前でうまく木村が受け、シュートに持ち込むも左へ。36分には左サイドの高い位置で伊藤健太がボールをキープ。鈴木が高い位置でファールを受けると、鈴木がニアを狙って直接フリーキックで狙いますが、クリア。しかし、直後の左からのロングスロー、木村が入れたボールを伊藤仁也が競り勝ち、最後は清水が押し込んでゴールネットを揺らし、1-0。富士大が先制点を得ます。
なおも木村のロングスローやセットプレーからゴールを狙っていく富士大。静岡産業大にボールがわたると、切り替えよく伊藤健太や清水も自陣まで戻って起点をつくらせず。44分には静岡産業大が遠山が大木とのパス交換からスルーパスを送ると、エリア内へ藤池が抜け出しますが、石塚が前に出てシュートは打たせず。前半は1-0。富士大がリードしてハーフタイムへ。
後半も木村がボールをうまくキープするなど、高い位置で富士大が起点を作り、伊藤健太や清水がうまくかかわってゴールへ迫る立ち上がりに。3分には高い位置で鈴木が左クロスを入れるも、諏訪部がクリア。直後には左コーナーキックのこぼれ球をエリア左で伊藤健太が拾い、シュートを打ちますが、わずかに左へ。追加点とはならず。
静岡産業大も6分には右から藤池が仕掛け、遠山、大木が立て続けにシュートを打ちますが、富士大の体を張った守備に阻まれゴールには結びつけられず。さらに藤田の縦パスを起点に選らないへ佐藤が抜け出しますが、これはオフサイド。
静岡産業大の攻勢をしのいだ富士大は鈴木のフリーキックなどセットプレーからゴールをおびやかす時間帯に。鈴木が清水との連係から左サイドの高い位置へ上がってクロスを入れるなど、追加点を狙っていきますが、静岡産業大は諏訪部や原田がエリア内でこれによく対応していきます。
13分には再び静岡産業大、佐藤が右から折り返し、遠山がシュートを打つもブロック。直後の右コーナーキック、藤池が左足でボールを入れると、こぼれ球を拾った佐藤の左クロスに光澤が合わせますが、左へ。同点とはならず。
16分には静岡産業大、井上に代わって21栗田マークが入り、前線へ。佐藤がボランチに。栗田がサイドに時折流れながらボールをうまくキープし、大木がセカンドボールをよく拾って、諏訪部や原田とかかわって後ろから組み立てつつゴールを目指してきます。
18分には遠山の縦パスを受けた栗田からエリア左へ。藤田が切れ込んでシュートを打つも右へ。さらに光澤の縦パスを受けた藤池がシュートを打つもワンタッチあり、決まらず。なおも立て続けに静岡産業大がコーナーキックを得て、セカンドボールも拾って、ゴールへ迫っていきますが、富士大はうまくブロックをつくり、守っていきます。そしてマイボールにすると、高い位置のスローインでは、木村のロングスローにエリア内へ伊藤仁也が上がってゴールを狙いにいくなど、守りにはいるだけではなく、次の1点を狙いにいきます。26分にはロングスローのこぼれ球を木村が拾い、エリア内へクロスを入れますが、諏訪部がクリア。
30分、静岡産業大は伊藤健太に代わって28長峯大輔が入りFWに。木村が右MF、大内がトップ下へ。木村、長峯、清水がよくかかわって前線に起点をつくっていきます。
31分には静岡産業大、高い位置で大木がボールをカットし、遠山を経由してエリア右、藤田がシュートを打ちますが、石塚がセーブ。
34分、静岡産業大は光澤に代わり、3安立大輝が左SBへ。直後にはエリア外左でファールを受けると、安立が左足で入れたボールのこぼれ球を拾い宮田がミドルシュートを打ちますが、ブロック。さらに宮田の右クロスを諏訪部が競り、原田が合わせるも決めることはできず。
ここで静岡産業大は藤池に代わり、13村上涼。40分には佐藤に代わって28大坪岳。DF登録の村上がFW、大坪がボランチ、栗田が右MFに。
長峯を起点としたカウンターに対抗しゴールをうかがう静岡産業大。ロスタイムは4分。
46分には、静岡産業大、右から栗田がボールを入れると、村上が頭で合わせますがクロスバーを叩き、最後は石塚が阻みゴールとはならず。
しかし、直後に左サイドの高い位置で静岡産業大が得たロングスロー、諏訪部がエリア内へ入れたボール、押し込んだのは栗田。ゴールが認められて、土壇場で1-1。同点に。
なおも静岡産業大がコーナーキックを立て続けに得て、ゴールへ迫る時間帯が続きましたが、後半はタイムアップ。1-1。前後半計30分の延長戦へ。
延長前半、静岡産業大は村上がCB、原田がボランチ、大坪が右MF、栗田がFWに。
立ち上がりは池田のボールキープや木村の右からの仕掛けで富士大がゴール前に。4分には足をつった志村に代わって5高橋周平がボランチに。5分には右から木村がロングスローを入れると、静岡産業大のGK石原はキャッチしきれず、左からのコーナーキックに。左から鈴木が入れたボール、ファーで合わせたのは清水。2-1。富士大が再びのリード。
しかし、静岡産業大も藤田の縦パスに大坪が抜け出すなど攻勢に。10分、安立の左クロスに合わせた栗田のシュートは石塚が阻みましたが、これで得た左コーナーキック、遠山のボールに合わせた村上がゴールネットを揺らして、2-2。再び同点に。
富士大はここで木村に代わって17菊池和樹が右MFに。ロスタイムは2分。鈴木のロングスローをしのいだところから静岡産業大がカウンターへ持ち込むも決めることはできず。延長後半へ。
立ち上がり、鈴木が高い位置から上げたクロスに長峯がエリア左で合わせるもこれをブロックしてしのいだ静岡産業大。大木の縦パスを受けた藤田が左から仕掛けてシュートを打つもこれは枠外に。しかし、3分、エリア外左でボールを受けた栗田がうまくプレッシャーをかわしシュートを打つとこれがゴール右に決まり、2-3。ついにリードを奪ったのは静岡産業大。
富士大学は大内に代わって20久保拓夢が入り、ボランチに。伊藤仁也が前線へ上がり、高橋が最終ラインへ。鈴木のクロスやフリーキック、ロングスローから同点を狙っていきます。
11分には静岡産業大、宮田に代わって18境亘平が右SBへ。静岡産業大は村上や諏訪部がロングスローにうまく対応。ロスタイムは3分。46分にはエリア前正面でフリーキックを得た富士大。鈴木が直接狙いますが、右へそれて枠をとらえることはできず。さらに新田のフィードに左サイドの高い位置から鈴木が仕掛けていきますが、諏訪部がよく対応し、クリア。試合はついにタイムアップ。2-3。静岡産業大が、どちらが勝者となってもおかしくはないような熱戦を制することになりました。
勝者と敗者と立場は別れましたが、かつてチームメートとしてフロンターレU-18で育った2人の選手が、それぞれのチームでポジションをつかんで対戦したことに、フロンターレのアカデミーを応援するさまざまな人々が大きな喜びを感じていると思います。2選手のこれからをとても楽しみにしています。
前半1-0 後半0-1 延長前半1-1 延長後半0-1 計2-3
得点:清水光2(富士大) 栗田マーク2、村上涼(静岡産業大)
富士大の先発:1石塚涼、6稲村知大、4伊藤仁也(c)、2新田修平、7鈴木一朗、8志村大海、12大内優紀、13池田大郎、10清水光、11伊藤健太、9木村比呂
交代:伊藤健太→28長峯大輔 志村→5高橋周平 大内→20久保拓夢 木村→17菊池和樹
控え:18服部礼 3古谷将寛 21田村孝洋 32熊谷直樹 14青砥大輝
静岡産業大の先発:1石原翼、15宮田和哉、4原田大雅、5諏訪部徹(c)、2光澤和人、7大木竜平、6井上諒、14藤池翼、10藤田脩人、12佐藤友哉、9遠山拓民
交代:井上→21栗田マーク 光澤→3安立大輝 藤池→13村上涼 佐藤→28大坪岳 宮田→18境亘平
控え:16前澤充 8小寺将意 23後藤真 11國井息吹
(文中敬称略)
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