徳島市立 – 静岡学園/ 全国高校サッカー選手権準々決勝


1月5日は駒澤オリンピック公園陸上競技場へ。全国高校サッカー選手権は準々決勝。矢板中央が3-0で四日市中央工業に勝利した第1試合に続いての対戦カードは、徳島市立 vs 静岡学園。川崎フロンターレU-15出身、静岡学園の3年生、浅倉廉も試合に臨みました。

【全国高校サッカー選手権準決勝 徳島市立 vs 静岡学園】
1月5日(日)午後2時10分キックオフ 駒澤オリンピック公園陸上競技場 晴れ 40分ハーフ

徳島市立の先発は、GK1中川真、最終ラインは右から3土田桜介、5田内悠貴、12三倉頼真、ボランチは4川人太陽、キャプテンの10阿部夏己、右に8平佑斗、左に16佐野博紀、2シャドーに15野口蓮太、11木村広也、前線には13石井嵩也。

静岡学園の先発は、GK17野知滉平、最終ラインは右から4田邉秀斗、キャプテンの3阿部健人、5中谷颯辰、15西谷大世、ボランチは18藤田悠介、16井堀二昭、右MF10松村優太、左MF14小山尚紀、トップ下8浅倉廉、前線には12岩本悠輝。

青空が広がったものの冷たい風が吹き、屋根のかかったメインスタンドは冬らしい寒さに。それでも多くの選手の家族らが集まり、バックスタンドでは徳島市立が太鼓のリズムに乗って声援を送れば、多くの部員らがつどった静岡学園も吹奏楽のメロディーに載ってにぎやかにチャントなどを歌う。熱気にあふれた雰囲気のなか、試合は始まりました。

立ち上がりは徳島市立、エリア右へ野口が抜け出すも、シュートまではいけないでいると、流れは静岡学園へ。ラインを高め、右サイドを松村が仕掛ていくと、2分には右クロスに岩本がニアへ。徳島市立はクリアしきれず、左コーナーキックに。井堀が右足で入れたボール、遠いサイドで田邉が合わせますが上に。

静岡学園は、西谷やときには阿部も前に持ち上がり、浅倉が右に開き、松村が寄せに遭いながらもボールをキープ。後ろに戻して、阿部が左サイドの高い位置へ、岩本を走らせるようにフィードを入れ、西谷の寄せから高い位置でスローインを得るなど、押し込んでいきます。

8分には右サイドのスローインの流れから、井堀のスルーパスに、浅倉がエリア右へ。シュートはブロックされるも、セカンドボールをものにして静岡学園は前に出ていきます。

10分には、徳島市立もルーズボールに、エリア右へ石井が抜け出し、シュートに持ち込みますが、ワンタッチあり、決めることはできず。コーナーキックをしのいだ静岡学園は高い位置で岩本や松村、藤田が囲い込みマイボールに。15分、左コーナーキックを得ると、井堀が入れたボール、阿部が頭で決めて、0-1。先制点は静岡学園へ。

静岡学園はさらに、藤田がボールを奪ったところからすぐさま右に展開するなど、切り替えの良さを見せ、井堀や藤田、最終ラインの阿部や中谷も加わり、ラインを高めながら前に出ていき、徳島市立は石井も下がってボールをおさめようとしますが、そこから左に展開しようとするところで、静岡学園は松村がすばやく寄せ、マイボールのスローインにしていきます。

20分には、中谷のフィードに左サイドの高い位置へ小山が走り、こぼれ球を拾った岩本がエリア外左でファールを受け、静岡学園のフリーキックに。井堀が入れたボール、ニアで岩本が触り、ボールはゴールのなかへ。0-2。静岡学園が突き放します。

田邉の縦パスを受けた浅倉が中央でためをつくり、右サイドを突くパスに、松村が仕掛ける姿勢を見せ、藤田から受けた松村が一気にエリア左へ仕掛け、コーナーキックのセカンドボールもものにして、静岡学園は徳島市立の陣内で時間を重ねていきます。

徳島市立も、ロングスローから打開を図りに。29分にはルーズボールに、正面で木村がシュートを打ちますが、野知がセーブ。

直後には静岡学園、岩本がボールをカット、エリア左へ持ち込み、マイナスに折り返すと、正面で浅倉がシュートを打ちますが、わずかに左。直後には徳島市立の阿部がボールをカット、左へ展開しようとしたボールを、奪った松村が一気にエリア右へ。折り返しはブロックされたものの、切り替えの速さで徳島市立を上回っていきます。

34分には、藤田の浮き球に、正面へ岩本が抜け出しそうになるも、徳島市立も粘り強くしのぎますが、なかなか前に出ることはできず。静岡学園はときには中谷がボールを預けて前に出ていくなど、人をかけて迫っていきます。38分には、うまく縦に仕掛けた浅倉がエリア左へ。しかし、シュートは上に。

39分には徳島市立。センターサークル付近でフリーキックを得て、GKの中川がキッカーとなり、ゴールを狙いにいきますが、これをしのいだ静岡学園はカウンターに。右サイドを仕掛けた松村がクロスを入れると、頭で合わせたのは岩本。0-3。静岡学園が見事な速攻から突き放し、前半はタイムアップとなります。

後半徳島市立は、野口に代わり6中田舜貴。

打開を図りにきた徳島市立。しかし、静岡学園は立ち上がりから高い位置でのプレーを重ね、2分にはうまく中央で前を向いた浅倉のパスに、田邉がエリア外右まで上がり、徳島市立がブロックし、右コーナーキックに。井堀が入れたボール、中谷が頭で合わせ、さらにブロックされたところ、こぼれ球を拾った阿部がシュートを打ちますが、ここでも徳島市立はブロックしていきます。

静岡学園の流れは続き、6分にはルーズボールをものにした浅倉が右サイドを突くパス。松村のクロスに、岩本がシュートを打ちますが、オフサイド。それでもボールをものにしたところからゴールへ向かう速さをここでも出していきます。

阿部のフィードに、岩本が走り出し高い位置でスローインを得て、ときには小山が中央へ顔を出すなどしていく静岡学園。藤田がよくカバーし、左サイドを突くパスに、岩本が動き出していき、左サイドの高い位置で西谷がカバーし、マイボールのスローインにつなげるなど、相手陣内でプレーを重ねていきます。

13分には、藤田に代わり11渡辺怜歩が入りトップ下、浅倉がボランチに。徳島市立は、木村に代わり18槇野秋也。直後には徳島市立、右サイドでのスローイン、三倉のロングスローに、ニアで土田が合わせますが、野知がパンチング、そこから静岡学園は攻めに転じて田邉の縦パスに、松村が正面やや右へ。シュートはブロックされたものの、再び前に出ていきます。

18分には、松村のパスに田邉が右クロスを上げると、遠いサイドに岩本が飛び込みますが左へ。さらに20分には、今度は田邉の縦パスから松村が右サイドで折り返すと、岩本がまたもシュートを打ちますが上に。

徳島市立も、右から平が仕掛けてクロスを入れると、エリア内に川人が迫りますが、浅倉がカバー。さらにロングスローからエリア右へ迫る田内に対して、それをしのいで小山が高い位置へ。徳島市立は、さらにクロスを入れていきますが、浅倉がまたもエリア内で対応していきます。

23分には徳島市立は、佐野に代わり9前田俊。24分には徳島市立、センターライン手前やや右でフリーキックを得ると、中川が入れたボール、エリア正面で三倉がシュートを打ちますが、静岡学園はブロック。最後は野知がセーブしていきます。

静岡学園は、右に小山、左に松村と位置を入れ替え。27分には浅倉が間で受け、左へ展開。松村がドリブルでエリア内へ仕掛けていき、エリア内で拾った小山がシュートを打ちますが、中川がセーブ。さらに井堀の縦パスに、エリア右へ岩本が抜け出し、シュートを打ちますが上に。ここで徳島市立は、石井に代わり26前川泰聖が入り右に。平が前に。

しかし、次のゴールも静岡学園へ。左サイド、仕掛けた西谷がエリア左へ。折り返しを徳島市立はうまく処理しきれず、エリア内左、岩本がシュートを打つとこれが決まり、0-4。岩本のハットトリックで静岡学園は突き放します。

ここで静岡学園は、小山に代わり13清水和馬。直後には、その清水のパスに右から田邉が折り返すと、岩本がシュートを打ちますが右へ。一方の徳島市立も、阿部が縦にパスを入れようとしていきますが、静岡学園は井堀が粘り強く足を出し、ここでもマイボールに。浅倉の縦パスに、岩本が縦に仕掛け、ゴールへさらに迫っていきます。

36分には静岡学園はGKが野知から1北口太陽。徳島市立は、土田に代わり14二宮蒼士。38分にはさらに静岡学園、井堀に代わり28関根大輝。

右からエリア内へ仕掛ていく川人に対し、西谷がカバーからマイボールにするなど、守備でも緩めない静岡学園。ロスタイムは3分。41分には正面で受けた浅倉が縦に仕掛けてシュートを打ちますが、ブロック。さらに42分には浅倉の縦パスに、松村がエリア内へ。中川が阻んで、ゴールとはなりませんでしたが、最後まで、静岡学園が攻めの姿勢を打ち出し、試合はタイムアップ。0-4。静岡学園は23年ぶりのベスト4進出を決めました。

選手個々が技術を発揮するだけではなく、高い位置で、ボールをすぐさま取り返し、攻めにつなげていくことが印象的な静岡学園。フロンターレのサポーターとしては、初めてリーグ優勝を果たしたころのチームを、思い起こさせるものもありました。そんなチームのなかで、中盤で存在感をこの日も見せていった浅倉を見られたことは、とてもうれしいものがありました。

静岡学園は、1月11日埼玉スタジアム2002で行われる準決勝では矢板中央と対戦。キックオフは午後2時20分。ボールへのアプローチの速さや、フィジカルの強さがあり、クロスなどに入り込む巧みさもある矢板中央との試合は、きっととても面白いものになるのでは、と思います。タイプの異なる強さを持ったチームとの一戦。浅倉も含め、静岡学園の選手たちが持ち味を発揮してより大きな舞台に立つことができますように。とても楽しみにしています。

前半0-3 後半0-1 計0-4

得点:阿部健人、岩本悠輝3(静岡学園)

徳島市立の先発:1中川真、3土田桜介、5田内悠貴、12三倉頼真、4川人太陽、10阿部夏己(c)、8平佑斗、16佐野博紀、15野口蓮太、11木村広也、13石井嵩也
交代:野口→6中田舜貴 木村→18槇野秋也 石井→26前川泰聖 佐野→9前田俊 土田→14二宮蒼士
控え:17米田世波 30大地勇悟 21岡田優哉 24小林直人

静岡学園の先発:17野知滉平、4田邉秀斗、3阿部健人(c)、5中谷颯辰、15西谷大世、18藤田悠介、16井堀二昭、10松村優太、14小山尚紀、8浅倉廉、12岩本悠輝
交代:藤田→11渡辺怜歩 小山→13清水和馬 野知→1北口太陽 井堀→28関根大輝
控え:2田中太晟 22岩野寛太 6権平美樹 19草柳祐介 9加納大

(文中敬称略)

この日はエスコートキッズを伴って選手たちは入場した
静岡学園の先発メンバー

試合に臨む静岡学園の選手たち

浅倉廉選手
阿部健人選手が決め、静岡学園が先制

岩本悠輝選手が決め静岡学園がさらにリード

松村優太選手が仕掛けていく

静岡学園の中谷颯辰選手、阿部健人選手
岩本悠輝選手がシュート

0-3に
かめはめ波のゴールパフォーマンスを披露
前半は、タイムアップ

後半へ
仕掛ていく浅倉廉選手

岩本悠輝選手が決めるがオフサイド

井堀ニ昭選手
浅倉廉選手

小山尚紀選手

岩本悠輝選手が抜け出す
0-4に
ハットトリックを達成した

交代で初出場となった北口太陽選手

0-4でタイムアップ

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