7月10日、J1セカンドステージ第2節が行われた名古屋から夜行バスで帰り、山梨県河口湖町のくぬぎ平スポーツ広場にある河口湖サッカー場へ。
日本クラブユース選手権の出場権を得た川崎フロンターレU-15は準々決勝の大宮アルディージャ戦を2-1で制し、前日9日の準決勝はクマガヤSCに3-2で勝利、日本クラブユース選手権関東予選の決勝へ進みました。対戦相手は横浜F・マリノス追浜との準決勝を6-3で制した横浜F・マリノスジュニアユースです。
【川崎フロンターレU-15 日本クラブユース選手権関東予選決勝vs横浜F・マリノスジュニアユース】
7月10日(日)午前11時キックオフ くぬぎ平スポーツ広場河口湖サッカー場 晴れ 40分ハーフ
フロンターレの先発はGK1安福祐一、DFは右から5森璃太、9ディアウ勇守歩、20澤田泰大、15栗田悠巨、ボランチは14山内日向汰、18佐藤聖真、右MF11有田恵人、左MF7中島大成、トップ下13安田捷人、FWキャプテン10宮城天。この大会からCBにも挑戦しているFW登録のディアウが先発に。
横浜F・マリノスジュニアユースは関東ユース(U-15)サッカーリーグ1部で現在2位。この世代のマリノスは大きな大会で何度もフロンターレに立ちはだかってきました。
立ち上がりはややマリノスが押しぎみ。4分には左サイドから5久保賢侑が仕掛けてくるのに対しては有田が粘り強い対応。6分にはエリア外正面やや左から10粟飯原央統がフリーキックで狙いますが、これは枠外。12分には18藤原樹生が左サイドからシュートを放ちこぼれ球に粟飯原が反応しますがシュートは上に。
なかなか攻めに出られなかったフロンターレでしたが、14分には栗田とのワンツーから中島が左からクロスを入れるとボールはエリア内安田の足元に。安田はシュートを放ちますがマリノスの選手のブロックに阻まれこぼれ球を自ら拾った安田は再びシュートを打ちますがこれもまたもブロックに。
フロンターレはこの時間帯からディアウや澤田が出足鋭くマリノスのボールをカットして切り替えはやく次第に攻勢に。澤田の縦パスを有田がワンタッチではたいて展開し右サイドから森が仕掛けるなどチャンスを作っていきます。
19分には左サイドから仕掛けた山内がミドルシュートを放ちますがここはマリノスのGK1高橋昂大が反応して上に。ここで得た左コーナーキック、山内のボールにディアウが触り最後は宮城がバイシクルシュートを打ちますがここはボールに勢いはなくGK高橋がキャッチ。
給水タイムを挟んでマリノスもエリア外左でフリーキックを得ると粟飯原が左足で狙ったシュートは枠をとらえますがここは安福が横っ飛びで対応。さらに27分には8石井宏育のスルーパスに抜け出した11キャプテンの西川潤がエリア内右1対1になりますがここも安福が反応する好セーブ。
パスを回してゴールを目指すフロンターレに対してマリノスも鋭くカウンターを仕掛ける展開がここから続きますが、ディアウや佐藤が好対応を見せていきます。
34分には佐藤が中盤でボールをカットして右へ展開すると森がミドルシュートを放ちますがこれは決まらず。さらに山内のボール奪取からエリア左、中島がシュートに持ち込みますがここはマリノスの選手がブロック。さらに38分には佐藤のスルーパスに抜け出した宮城がエリア外左からシュートを打ちますがこれはわずかに右へ。39分には佐藤がカットしたところから有田、森とボールが渡ってエリア外右から森がシュートを放ちますがこれは上に。
前半は0-0でタイムアップとなります。
「絶対に勝つぞ!」。全員で円陣を組み再びピッチへ入った選手たち。立ち上がりはフロンターレ、左から栗田が仕掛けたところから中島がエリア内左へ進入。しかし、ここはマリノスの選手たちの粘り強い守備の前にシュートには至らず。4分にはまたも栗田が左サイドを突破するとクロスのこぼれ球を拾った中島がシュートを放ちますがまたもブロックには阻まれます。
マリノスも右クロスから決定的なシュートに持ち込みますがここは安福が素晴らしい反応。
8分にはフロンターレ、エリア前宮城のリターンを受けた山内がうまく切り返してミドルシュートを打ちますが枠をとらえたボールはマリノスの高橋が好守。
10分には佐藤のサイドチェンジを受けた栗田がエリア内左へ進入、シュートを打ちますがここはブロック。マリノスの選手も球際に粘り強い対応を見せていきます。ここでフロンターレは有田に代わり、28浅倉廉が右MFに。
11分にはディアウの自陣でのクリアボールがエリア前中島に渡りますが、中島のシュートはまたもブロックにあい、ゴールネットを揺らすことはできず。14分には宮城の右クロス、エリア内左で栗田がシュートを打ちますが左に。後半は栗田が高い位置で攻撃にからむ時間が続いていきます。
マリノスも直後には右SBの2日隈雄作がエリア内右へ進入。エリア前へボールを送りますがここは誰もさわることはできず。
19分にはフロンターレ、右から浅倉、森とつないでエリア前宮城のスルーパスに栗田が抜け出してシュートを放ちますがまたまたGK高橋がこれに反応。決めることはできません。
21分には安田に代わり6黒川海翔がピッチへ。ディアウのフィードのこぼれ球を拾ったところから最初のプレーでミドルシュートを打ちますがこれはGK高橋の正面。
給水タイムを挟んで25分にはエリア前ボールを奪って山内の右裏へのパスは山内がスルーし浅倉が抜け出しますがシュートを打つことはできず。
26分ついにゴールはフロンターレへ。右サイド仕掛けた浅倉がエリア前へボールを入れると山内がこれを受けて放ったシュートはついにネットを揺らします。1-0。ベンチ前へスライディングで倒れ込む山内に次々に選手たちが折り重なって喜びをフロンターレの選手たちがあらわにします。
しかし、次の1点はマリノスへ。31分、右サイドから途中出場の17清田奈央弥が仕掛けてボールはエリア前粟飯原へ。粟飯原が左足で放ったシュートは枠内右へ。安福は反応したもののこれは触ることはできず。1-1。「勝つぞ!」。活気づくマリノスの選手たち。
それでも沈むことはなかったのはフロンターレの選手たち。34分には右から細かくつないで最後は黒川がシュートを打つもGKに。そして、35分澤田が縦パスを入れるとこれを受けた黒川のスルーパスにエリア右抜け出したのは宮城。シュートを放つとこれがゴールへ決まって2-1。フロンターレのベンチ前ではこの日2度目の歓喜の輪ができあがります。
「守りに入るなよ」と声をかけた寺田周平監督。フロンターレはボールを回して、うまく時間を使いながらもさらに攻勢に。38分には宮城のスルーパスに黒川がエリア右へ抜け出しますがうまく足元につかず、シュートには至らず。
ロスタイムにはマリノス。14賀澤陽友がエリア外左から放ったミドルシュートはバーに。ひやりとさせられましたが、ここで試合はタイムアップ。フロンターレはこの大会初めての優勝を飾りました。
勝ち進んでいくうちにどんどん一体感が増していったフロンターレ。ピッチを見ても二年生の37平田流衣が左SBで先発したり、全国大会出場を決めた横浜FC戦では3有山佑汰が1対1で強さを見せ、この日は二列目で出場することの多かった佐藤がボランチとして好プレー、ディアウがCBとして好守を見せるなどこれからに繋がりそうな場面も多く見られたのがとても印象深い大会となりました。
これから関東ユース(U-15)サッカーリーグ2部が再開され、8月には日本クラブユース選手権に臨むことになります。まだまだ可能性を秘めているように思えるフロンターレU-15。どうなっていくのか、楽しみにしています。
前半0-0 後半2-1 計2-1
得点:山内日向汰、宮城天(川崎フロンターレ) 粟飯原央統(横浜F・マリノス)
フロンターレの先発:1安福祐一、5森璃太、9ディアウ勇守歩、20澤田泰大、15栗田悠巨、14山内日向汰、18佐藤聖真、11有田恵人、7中島大成、13安田捷人、FW10宮城天=cap
交代:有田→28浅倉廉 安田→6黒川海翔
(文中敬称略)
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