1月15日は、保土ケ谷公園サッカー場へ。
神奈川県社会人サッカー1部2部の入替戦があり、日本工学院F・マリノスとエブリサ藤沢ユナイテッドが対戦。川崎フロンターレU-18出身、エブリサのMF岸晃司も大切な一戦に臨みました。
【神奈川県社会人サッカーリーグ1部2部入れ替え戦】
1月15日(日)午前11時5分キックオフ くもりのち雨 保土ケ谷公園サッカー場
1部の11位の日本工学院F・マリノスは、専門学校、日本工学院のスポーツ・医療カレッジ、サッカーコースを選考する選手たちによるトップチーム。
エブリサ藤沢ユナイテッドは、2022年4月、エブリサ藤沢と藤沢ユナイテッドが統合し、藤沢市を本拠に、Jリーグ昇格を目指すチームとして誕生。
専修大学を卒業後、エブリサ藤沢でプレーしていた岸も、背番号10をつけ、創設メンバーに名前をつらねました。
藤沢は、神奈川県社会人サッカーリーグ2部Bブロックを首位で終え、12月18日に行われた鎌倉インターナショナルFC(2部Aブロック1位)との優勝決定戦は1-2では敗戦。
その結果、日本工学院F・マリノスとの入れ替え戦に臨むことに。
入れ替え戦は、引き分けか、日本工学院の勝利ならば、日本工学院の1部残留が決まり、藤沢の昇格のために必要なものは、勝利のみ。
藤沢の先発は、GK1脇野敦至、最終ラインは右から19中山楓介、8久保拓道、キャプテンの3工藤祐生、5長谷川修平、ボランチは6小多喜優弥、22高徳勇輝、右に17寺内渉、左に9波多野海、トップ下に10岸晃司、前線には7菱沼裕吾。
空には雲がかかり、今にも雨が降り出しそうな保土ケ谷公園サッカー場。それでも、メインスタンドには、日本工学院側も、藤沢側も多くの人々が席を埋めていき、熱のこもった雰囲気に。
藤沢側では、差し入れに提供されたというホッカイロも配られ、Jリーグ昇格を目指すクラブのあたたかさも感じさせられるなか、試合は始まりました。
立ち上がり、前に出ていくのは藤沢。1分には岸がボールをおさめ、右へ展開。菱沼が仕掛けて折り返し。これはGK21のセーブに阻まれたましたがチャンスをつくっていきます。
直後には、日本工学院にファールがあり、フリーキックを得た藤沢。高徳のすばやいリスタートから、エリア右へ寺内が飛び出しますが、GK21がカバーしていきます。
5バック気味に構える日本工学院に対して、ロングスローも交え、ゴールを目指していく藤沢。
ところが、5分、日本工学院は、6が中央からエリア内へ、縫うようにして仕掛けていくと、藤沢にファールがあり、PKの判定に。
キッカーは9山本琉平、左へ決めて、1-0。先制点は、日本工学院へ。藤沢は昇格のため、二つのゴールが必要となる展開に。
ボランチの小多喜、高徳、岸も下がり目で組み立てに加わり、左サイドでは波多野、長谷川が連係するなどして、ゴールを目指す藤沢。
10分には、エリア外右で、菱沼に対して、日本工学院にファールがあり、フリーキックを得ます。
キッカーは、高徳。やや距離のあるところでしたが、直接右足で狙ったシュートは、ゴールネットを揺らし、1-1。
すばらしいフリーキックで、同点に追いつきます。
勢いづいた藤沢は、波多野が中央にも顔を出し、ボールを競り、右に流れた菱沼が仕掛け、起点に。また、岸も中央でボールを受け、巧みにボールをコントロール。囲まれても、前へうまく持ち出し、こちらも起点となっていきます。
17分には、縦パスを受けた岸から小多喜とつながり、小多喜は右サイドを突くパス。
抜け出した中山がクロスを入れていきますが、GK21がセーブ。
やや藤沢の時間帯が続くなか、18分には日本工学院、右サイド、22がエリア内へ、フィードを入れると、抜け出したのは山本。脇野はこれを防ぎきれず、9が流し込み、2-1。ふたたび日本工学院がリード。
21分には、さらに日本工学院、下がり目で18がおさめ、右へ展開。22のパスに、山本がエリア外右へ。シュートは枠をとらえられませんでしたが、うまく間を突いて、チャンスをつくっていきます。
飲水タイムをはさんで、ふたたびボールを保持するのは藤沢。高徳の縦パスを受けた岸が、前に仕掛ける姿勢を見せるなどしていくと、27分には最終ラインの工藤から長谷川とつながり、長谷川は、右サイドを突くパス。
これをうまくおさめた菱沼は、ミドルシュートを打ちますが、大きく枠を外してしまいます。
藤沢は、菱沼を右、寺内を前線と入れ替え。セカンドボールを多くものにし、両サイドを使いながら、前へ出ようとしていきます。
34分には寺内に代わり26内田和真が前線へ。
35分には、その内田がやや右サイド寄りでボールをおさめ、落としたボール、岸がエリア外右でミドルシュート。ミートしきれず、ゴールをおびやかすようなものにはならなかったものの、早速コンビネーションを見せていきます。
日本工学院も、38分には、中盤の6から右サイドにパスが通り、22が高い位置へ。クロスに18が頭で合わせますが、脇野がセーブ。
脇野はすぐさまリスタート。岸が運んで、正面へ。そのパスに、正面やや右、菱沼がシュート。しかし、ワンタッチあり、決まらず。
42分には、日本工学院、GK21のフィードに、山本が左サイドの高い位置へ。エリア内へ向かい仕掛けていきますが、工藤が粘り強く寄せていき、カバー。
そこからボールは岸へ。岸から左に展開し、波多野が仕掛け、中央を経由して右へ。最後はエリア内へ小多喜が抜け出しますが、日本工学院はクリア。
立て続けに藤沢がコーナーキックを得て、セカンドボールを拾い、フィードの折り返しに、エリア内に残っていた工藤が合わせますが、GK21がセーブ。
44分には、右コーナーキックのセカンドボールを小多喜が正面で拾い、右サイド、残っていたキッカーの高徳へ。
高徳が日本工学院の選手を剝がして、クロスを上げると、工藤がヘディングシュート。しかし、枠はとらえられず。
前半はタイムアップ。2-1でハーフタイムへ。
ともに交代はなく、始まった後半。
ラインを高く保つ藤沢は、高徳が斜めにエリア内への仕掛けを見せるなどしていくと、5分には、菱沼が正面で競り、おさめた岸から右サイド、抜け出した小多喜へ。
小多喜が右クロスを入れ、こぼれ球を久保が拾い、久保の縦パスに、エリア内へ菱沼が飛び出しますが、GK21がセーブ。
直後には、右サイドで菱沼が粘り、これに対して日本工学院がファール。ファールをめぐり、両チームの選手がやや熱くなる場面に。
少しの間を経て、試合は再開。センターライン、右サイド寄りでのフリーキック、高徳が右足でボールを入れると、遠いサイド、工藤のヘディングシュートは枠をとらえましたが、日本工学院はライン上でクリアする素晴らしい守り。
藤沢としては、惜しくも同点ゴールとはならず。
そこから攻めに転じた日本工学院は、左サイド、山本につながり、山本が流れて時間をつくり、そのパスに6がエリア外左へ。ゴール右を狙い、シュートを打ちますが、枠はとらえられず。
それでも、切り替えの速さを見せ、ゴールをおびやかしていきます。
藤沢は8分、治療のため、菱沼が外へ。代わりに21三上輝樹が入ります。
ここから日本工学院は、6に代わって入った10五百久徹哉、山本がうまい連係を見せ、藤沢のゴールへ迫る時間をつくっていきます。
11分には、左コーナーキックを得て、セカンドボールを拾い、右サイドからのパスに、山本が正面へ。シュートを打つも、ワンタッチあり決まらず。
さらに14分には、右サイド、抜け出したが仕掛けて、ゴール前に折り返し。
しかし、藤沢はこれをしのぎ、ボールは岸へ。
持ち上がった岸は、一気に左サイドの高い位置へ。そのパスに、長谷川が抜け出し、ゴール前に折り返しますが、GK21がセーブ。
17分には、藤沢の攻めをしのぎ、日本工学院のカウンターに。8小林恭河がエリア左へ抜け出し、シュート。
ボールはゴールへ転がりそうになりますが、工藤がライン上でクリアする好守。
日本工学院の左コーナーキックとなり、20が右足でボールを入れると、正面へのこぼれ球、走り込んだ18のシュートは枠をとらえますが、藤沢は体を張ってしのいでいきます。
ここで藤沢は、小多喜に代わり14佐藤隼人、高徳に代わり98油木龍八。佐藤がCB、久保と岸がボランチ、油木が前線へ。
19分には、藤沢、左サイド、波多野のスルーパスに抜け出した長谷川が折り返すと、エリア右、抜け出した内田がシュートを打ちますが、GK21がセーブ。
さらに岸が中盤でボールを受け、左サイド、波多野に預け、パス交換からエリア左へ仕掛けるなど、藤沢がゴールに迫る時間をつくっていきます。
しかし、そんななかでも決定的な場面をつくるのは日本工学院。25分には、山本が正面でボールをおさめ、受けた18が、藤沢の両CBの間を縫うようにしてエリア内左へ。
シュートを打つも、右に。
直後には、藤沢の最終ラインの乱れを突いて、五百久がエリア外正面右へ。シュートを打つと、今度は決まり、3-1。
日本工学院が突き放し、藤沢は三つのゴールが求められる展開となってしまいます。
ややピッチに足を取られる場面が続き、なかなか攻めきれない藤沢。
34分には、日本工学院、ルーズボールを拾った五百久がエリア正面へ。シュートを打つとこれが決まり、4-1。
さらに厳しくなった藤沢。
しかし、39分には波多野のパスから、長谷川が高い位置へ仕掛け、左コーナーキックに。
キッカーの波多野が、エリア外左、岸へボールを送ると、岸は、少し前に持ち出して、エリア外正面やや左へ。右足を振りぬきます。
ミドルシュートは、ゴールへ決まり、4-2。
ところが、突き放したのは日本工学院。40分、正面へ小林が抜け出し、シュートを打つと、脇野は反応しきれず。5-2に。
ボールが足元につかない場面も多く出た藤沢に対して、スピードのある選手たちが攻めに持ち込む場面をつくっていく日本工学院。
43分には、10のパスに、8が左サイド、抜け出して折り返すと、16がシュートを打ちますが、枠はとらえられず。
44分には、藤沢、岸が間で受け、マークを巧みに剝がして、左サイド、波多野へ。波多野が折り返すと、右サイドから正面へ抜け出した三上がシュート。
しかし、上に。
アディショナルタイムには、油木の右クロスに、内田がヘディングシュートを打ちますが、枠はとらえられず。
試合はタイムアップとなり、5-2。
日本工学院の1部残留が決まり、藤沢の1部昇格はなりませんでした。
残念な結果とはなりましたが、こうして両チームにとっての命運を占うような大切な一戦で、岸が随所随所にうまさと力強さを見せ、厳しい状況にもあきらめずに、ゴールまで奪ってみせる。
2015年にフロンターレU-18を卒団し、さらに専修大を卒業してからも、こうして、ピッチで、サポーターの気持ちを熱くさせるようなプレーを見られたことは、とてもうれしいものがありました。
厳しい結果をばねにして、2023年がより良いものになることを願っています。
前半1-2 後半1-3 計2-5
得点:山本琉平2=PK1 五百久轍哉2 小林恭河(日本工学院F・マリノス) 高徳勇輝 岸晃司(エブリサ藤沢ユナイテッド)
藤沢の先発:1脇野敦至、19中山楓介、8久保拓道、3工藤祐生(c)、5長谷川修平、6小多喜優弥、22高徳勇輝、17寺内渉、9波多野海、10岸晃司、7菱沼裕吾
交代:寺内→26内田和真 菱沼→21三上輝樹 小多喜→14佐藤隼人 高徳→98油木龍八
控え:53五味茂樹 28笛田翔 29嶋田竣
(文中敬称略)
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