7月1日は、ヤンマースタジアム長居へ。
夏の大学日本一を決める総理大臣杯の予選、関西学生サッカー選手権は準々決勝を迎え、ヤンマースタジアム長居での第2試合では、立命館大と京都橘大が対戦。
勝てば、総理大臣杯の出場が決まる一戦に、川崎フロンターレU-18出身、立命館大のMF戸水利紀、MF秋葉拡人の2選手も試合に出場しました。
【関西学生サッカー選手権準々決勝 立命館大 vs 京都橘大】
7月1日(土)午後1時半キックオフ ヤンマースタジアム長居 雨
びわこ成蹊大に2-1で勝利し、準々決勝進出を決めた立命館大は、この試合で勝てば、優勝した2016年以来、7年ぶりの総理大臣杯出場という一戦に。
先発は、GK1永田健人、最終ラインは右から33瀬崎耕平、15荻野元伸、18加藤寛人、ゲームキャプテンの7竹田豪、ボランチは26市河太一、その前に10工藤大雅、25戸水利紀、右に11小西宏登、左に28中野瑠馬、前線には9大谷優斗。
関西学生サッカーリーグ2部のチームでは唯一の勝ち残りの京都橘大は、勝てば総理大臣杯初出場。
先発は、GK31櫻井絢介、最終ラインは右から22木村愛斗、3西村航士朗、5横山凌雅、17中川樹、ボランチはキャプテンの8軸丸広大、10細島大空、右MF13松村尚樹、左MF14湯川翔平、トップ下16寺木奏人、前線には11甲本大成。
立命館大と京都橘大は、3月の京都学生サッカー選手権3位決定戦で対戦。その際には京都橘大が3-2で勝利しています。
次第に弱い雨が降り始め、やや蒸し暑さも感じるヤンマースタジアム長居。
メインスタンドでは、京都橘大は人数は少ないながらも、メンバー外の選手たちが、声をたやさずに声援を送り、立命館大も多くのメンバー外の選手たちがつどい、こちらもチャントなどで後押しをするいい雰囲気に。
選手の家族らも見守る中、キックオフの時を迎えました。
立ち上がり、GKの櫻井に最終ラインの横山や西村、細島も間に下りながら、組み立てていく京都橘大。2分には、浮き球を正面で甲元がおさめ、受けた寺木がエリア右へ。
寺木はクロスを入れますが、これはシュートにはつながらず。
さらに京都橘大が、後ろからボールを保持。組み立てを図っていきますが、立命館大はしっかりブロックをつくり、間には入れさせず。
すると3分には、京都橘大にエリア外正面やや右でハンドがあり、立命館大はフリーキックを得ます。
キッカーは竹田。左足で直接狙ったシュートは、京都橘大の選手に当たり、わずかに右。
立命館大の右コーナーキックとなり、竹田がボールを入れると、正面でセカンドボールを拾った戸水は、右サイド、残っていた竹田へ。竹田から大谷とつながり、大谷は右クロスを入れますが、櫻井がセーブしていきます。
櫻井や横山、西村が動かしていく京都橘大に対し、前から連動して、プレスをかけにいく立命館大。
京都橘大が正面へボールを付ける場面では、竹田が絞って対応。そこから右に開いた小西につなげるなどしていきます。
7分には、GK永田が右サイドに送ったボールを小西がおさめ、小西のパスに、大谷がエリア外右へ。これを京都橘大が体を張って阻み、右サイドでのスローインに。
その流れから、エリア外右、小西が抜け出すも、クロスは京都橘大の選手に当たり、立命館大が右コーナーキックを得ます。
竹田がボールを入れると、こぼれ球を拾った立命館大は、竹田が右クロス。これに頭で合わせたのは大谷。しかし、ボールはポスト。
さらに右サイド、小西がクロス。ボールは左へ流れ、竹田が左クロス。ゴール正面で工藤がおさめますが、京都橘大の中川が体を張っての守り。最後は工藤のファールになります。
京都橘大も11分には、中川のフィードに、甲元がエリア内へ。しかし、永田がカバー。粘り強くついていき、最後はゴールキックに。
直後には立命館大、加藤から左へ展開。間で戸水が受け、戸水の縦パスに、工藤がエリア外正面へ。ミドルシュートを打つも櫻井がセーブ。
櫻井が弾いたところ、大谷が詰めますが、最後には櫻井がセーブ。
15分には立命館大、戸水のサイドチェンジを、右に開いた小西が受け、小西から下がり目で受けた瀬崎はクロス。こぼれ球を拾った市河がエリア外正面でミドルシュート。
ここも櫻井がセーブ。得点とはなりませんでしたが、ピッチの幅を使いながら、立命館大がゴールに迫る場面をつくっていきます。
一方の京都橘大も、再び櫻井や横山、西村が多くボールに触れながら、組み立てに。西村が時には前に持ち出す一方で、細島が最終ラインに下り、奪われてもカバー。
ボールを動かす時間をつくっていきます。
17分には、立命館大が後ろで組み立てを図るところボールをカット。正面へ甲元が迫りますが、立命館大は加藤が体を張り、ブロック。
19分には、京都橘大が浮き球を入れると、立命館大がうまく処理しきれなかったところ、ルーズボールを拾った甲元が正面へ。
1対1。決定的な場面でしたが、立命館大のGK永田が足でシュートをブロック。好守を見せ、しのいでいきます。
立命館大も、荻野や加藤、戸水も下がり目に下りて、ボールを動かしていくと、23分には、荻野から右サイド、瀬崎へ。高い位置へ開いた瀬崎は正面へパス。
ボールは戸水を経由して、エリア外正面やや左、中野へつながり、中野はミドルシュートを打ちますが、枠はとらえられず。
飲水タイムをはさんで、ともに後ろから動かしながら、間にボールを差し入れ、前に出ていこうとする京都橘大と立命館大。
27分には、立命館大。戸水から中野と左サイドでつながり、ボールをキープした中野のスルーパスに、高い位置へ抜け出した竹田がエリア外左へ抜け出し、折り返し。
しかし、京都橘大はクリア。
直後には、戸水の縦パスを、正面やや中央寄りで受けた中野は右へ展開。小西がクロスを入れると、大谷がヘディングシュート。しかし、枠はとらえられず。
それでも、立命館大がゴールをおびやかす場面をつくっていきます。
一方の京都橘大も、30分には中盤でボールをカット。中央へ寄った湯川から右サイド、高い位置へ上がった木村へ。
木村の折り返しから、最後はエリア外正面でミドルシュート。これは立命館大が体を張って阻んで、右コーナーキックに。
右コーナーキック、キッカーは中川。左足でボールを入れると、甲元のヘディングシュートが決まり、0-1。先制点は京都橘大に入ります。
ラインを上げ、京都橘大が後ろから動かす場面では、2トップ気味に構えた大谷、小西を先頭に、連動してプレスをかけにいく立命館大。
ボールを自分たちのものにしていくと、工藤や戸水、市河、最終ラインの荻野や加藤がかかわって、動かしていきます。
36分には京都橘大、左サイドでボールをカットすると、中川が高い位置からクロスを入れますが、竹田がエリア内をカバー。
再び立命館大がつないでいく時間となり、38分には、右サイド、高い位置の小西へ。
小西はエリア内へクロスを入れると、GKの櫻井は処理しきれず。こぼれ球を大谷が押し込み、1-1。立命館大が追いつきます。
ゴールで勢いがついた立命館大は、高い位置で連動しプレスをかけ、マイボールにする時間をつくり、右サイド、小西が開き、工藤もエリア右へ飛び出すなど、エリア近くでの時間を増やしていきます。
すると42分には、戸水の縦パスに、小西が高い位置へ。小西が右クロスを入れると、頭で合わせたのは大谷。ボールはゴールへ決まり、2-1。
立命館大が勝ち越し。
44分には、左サイド、高い位置で中野がキープし、スルーパス。それに抜け出した竹田が、地を這うようなボールをゴールの前に入れると、大谷が決め、3-1。
立て続けのゴール。大谷のハットトリックで、立命館大がリードを広げます。
直後には、下がり目で受けた市河の浮き球のパスに、大谷が正面へ抜け出すも、これはオフサイド。
アディショナルタイムは2分。
46分には立命館大。戸水がボールをカット。そのパスに、左サイド、抜け出した中野が折り返すと、エリア左、反応した大谷がシュート。ボールはゴールのなかへ。4-1。
大谷は、4点目。さらに立命館大が突き放して、前半はタイムアップとなります。
ともに交代はなく、始まった後半。
立ち上がりには、立命館大。右サイド、小西、瀬崎の連係から動かしていくと、セカンドボールを拾った市河のパスに、瀬崎が右サイドの高い位置へ。
瀬崎はエリア内へ折り返しますが、櫻井がセーブ。
さらにエリア右、工藤が抜け出し、仕掛けていくもここでも櫻井がセーブしていきます。
直後には京都橘大もパスワークから、立命館大の陣内へ入り込んでいき、左サイド、中川がクロス。
しかし、エリア内正面、戸水がカバー。戸水の縦パスを大谷がおさめ、左サイドの中野へ。中野がサイドを変え、ボールは右サイド、小西へつながり、小西はエリア正面やや右へ仕掛けていきますが、京都橘大はブロック。
立命館大の右コーナーキックとなり、竹田がボールを入れると、遠いサイド、工藤がヘディングシュートを打ちますが、エリア内で立命館大にファールがあったとの判定。
ゴールとはなりませんでしたが、立命館大が、守備から攻撃へ切り替えの良さを見せ、セットプレーを獲得し、ゴールをおびやかす場面をつくっていきます。
GKの櫻井も正確なキックを見せるなど、点差が開いても、後ろから組み立てを図り、そこから前に出ていこうとする京都橘大。
それに対して、立命館大は、市河が厳しい寄せを見せるなど、球際に厳しくいき、前に行かせず対応していきます。
6分京都橘大は、湯川に代わり21鎌田翔大。
8分には立命館大。左サイド、下がり目で前を向いた戸水は浮き球のパス。これに抜け出した中野はエリア外正面やや左へ仕掛けていき、シュート。しかし、京都橘大はブロック。
左コーナーキックとなり、戸水が右足でボールを入れるも、これはシュートにはつながらず。それでも、立命館大がセカンドボールもものにし、自分たちでボールを動かす時間を続けていきます。
9分には、立命館大に交代。工藤に代わり17平川絢大。平川が左のインサイドハーフに入り、戸水が右のインサイドハーフへ。
すると11分、立命館大は、中盤で受けた平川がスルーパス、これに抜け出したのは大谷。エリア左へ持ち込み、シュートを打つと、ゴール右へ決まり、5-1。
大谷は5ゴール目。立命館大がさらにリードを広げます。
京都橘大も、前から連動してプレスをかけに行きますが、立命館大は、工藤や戸水、中野や平川が間で受け、失わずにプレーを続けていきます。
14分には、工藤から平川とつながり、平川から右サイド、瀬崎へ。瀬崎がエリア内へ折り返すと、これに飛び出した戸水はシュート。
これに対して、京都橘大は体を張り、ブロック。しかし、こぼれ球を拾い、再びシュートを打つと、京都橘大にハンドがあり、立命館大はPKを得ます。
キッカーは戸水。これを決めて、6-1。さらに立命館大がリードを広げます。
15分立命館大は、小西に代わり24秋葉拡人。
京都橘大も、左サイドから攻めに持ち込むも、立命館大は、瀬崎が戸水につながるようにして対応。シュートは打たせず、対応していきます。
18分立命館大は、竹田に代わり8花城怜志。
間で受けた平川のスルーパスに、中野がエリア左へ抜け出すなど、エリア近くで時間をつくっていく立命館大。
京都橘大、GKの櫻井が縦に付けたところ、戸水がカットし、すぐさま中野へつけるなど、相手をよく見ながら、プレーを続けていきます。
すると21分、立命館大は、左サイド、流れた大谷がクロス。ボールは、エリア右、秋葉へ。おさめた秋葉がシュートを打つと、これが決まり、7-1。この日20歳の誕生日を迎えた秋葉のバースデーゴールで、立命館大がさらに突き放します。
京都橘大は、松村に代わり25川島優人。
点差が開いても、前線の甲元がプレスバックにいくなどし、攻めの糸口をさぐろうとしていく京都橘大。
しかし、立命館大は加藤が出足よくボールをカット。立命館大の縦パスを、京都橘大が狙い、中央から持ち込もうとする場面では、戸水がカバー。
26分には、正面で甲元が受けますが、ここでも加藤が体を張った守り。球際の強さを見せ、対応していきます。
平川や市河、戸水、秋葉も中央へ寄って受け、ボールを動かしていく立命館大。平川の間を突くパスに、大谷が正面やや右へ飛び出すなど、ゴールに迫る場面をつくっていきます。
28分には、京都橘大の縦パスを、平川がカット。ボールは左サイド、高い位置の中野へ。中野が折り返すと、正面で平川がシュートを打ちますが、櫻井がセーブしていきます。
30分、立命館大は市河に代わり23西村洸大。西村がインサイドハーフに入り、戸水がボランチに。
30分には立命館大。中野が高い位置へ抜け出し、折り返すと、正面で秋葉がシュート。枠はとらえられませんでしたが、さらにチャンスをつくっていきます。
31分、京都橘大は、軸丸に代わり23上甲海琴。
京都橘大も、ボールを動かす時間こそつくりますが、それに対して、しっかりブロックをつくって対応。間に簡単には入れさせず、立命館大は対応していきます。
31分には、前に持ち出した荻野のパスに、秋葉が高い位置へ。秋葉の折り返しは、京都橘大がブロックし、右コーナーキックに。
右コーナーキック、代わって入った花城が左足でボールを入れると、遠いサイドで競り、最後は正面で西村がシュート。しかし、上に。
一夫の京都橘大も、33分には、上甲のパスに、背後を取った川島が右サイド、高い位置へ。川島のリターンを正面やや右で受けた上甲はミドルシュートを打ちますが、枠はとらえられず。
最終ラインの西村が流れのなかから、エリア近くに顔を出すなど、ボールを動かしながら、前に出ていく京都橘大に対して、コンパクトに、対応を続けていく立命館大。
秋葉が間でボールをカットし、マイボールにすると、中野も中央へ寄り、西村や最終ラインの加藤、GKの永田もかかわってボールを動かす場面をつくっていきます。
29分には、戸水から西村とつながり、西村の縦パスに、花城が高い位置へ。花城の左クロスは、右サイドへ流れ、これを拾った秋葉のパスに、瀬崎が高い位置へ。
瀬崎がクロスを入れると、ニアで平川がシュートを打ちますが、枠はとらえられず。
立命館大は中野に代わり27澤田忠和。
40分には、立命館大、戸水の縦パスが左サイド、澤田へ通り、澤田のパスに、西村がエリア左へ。
西村が折り返すと、エリア右、秋葉がシュートを打ちますが、櫻井がセーブ。さらにこぼれ球を自ら拾った秋葉がシュート。しかし、枠はとらえられず。
立命館大は交代で入った澤田がうまく、厳しく体を入れるなど、球際の強さも見せ、マイボールにする場面をつくっていきます。
京都橘大は、中川に代わり2平間陸斗。
43分には、京都橘大、川島が高い位置へ。エリア右へ仕掛けていこうとしますが、加藤が体を入れ、ゴールキックに
永田や花城、加藤がかかわって、さらに組み立てを図っていく立命館大。
44分には、加藤がフィードを入れると、セカンドボールを拾った澤田がエリア外正面へ持ち込み、ミドルシュートを打ちますが、わずかに左。
アディショナルタイムは4分。
京都橘大も自分たちで動かす時間をつくりますが、立命館大はコンパクトに。焦れずに対応。
川島のスルーパスに、エリア右、抜け出した上甲に対しては、荻野がカバーするなどしていきます。
48分には、京都橘大、上甲が右サイド、高い位置へ。クロスを入れていきますが、エリア内、荻野が頭で対応しシュートは打たせず。
試合はタイムアップとなり、7-1。
立命館大は勝利。準決勝進出とともに、2016年以来の総理大臣杯出場権を決めました。
前半4-1 後半3-0 計7-1
得点:大谷優斗5、戸水利紀=PK、秋葉拡人(立命館大) 甲元大成(京都橘大)
立命館大の先発:1永田健人 33瀬崎耕平 15荻野元伸 18加藤寛人 7竹田豪(c) 26市河太一 10工藤大雅 25戸水利紀 11小西宏登 28中野瑠馬 9大谷優斗
交代:工藤→17平川絢大 小西→24秋葉拡人 竹田→8花城怜志 市河→23西村洸大 中野→27澤田忠和
控え:21栗林颯 29木村誠之輔 12比良柊斗 19守岡晃希
京都橘大の先発:31櫻井絢介 22木村愛斗 3西村航士朗 5横山凌雅 17中川樹 8軸丸広大(c) 10細島大空 13松村尚樹 14湯川翔平 16寺木奏人 11甲元大成
交代:湯川→21鎌田翔大 松村→25川島優人 軸丸→23上甲海琴 仲川→2平間陸翔
控え:1岡田修樹 20宮嶋大輝 26梁大翔 19小見山翔 37小林勇太
京都橘大も、しっかり後ろから組み立てを図るサッカーを展開する中で、同点ゴールをきっかけに、次々にたたみかけて、大差で試合をものにした立命館大。
厳しい関西学生サッカーリーグ1部を戦っている経験が、生きているのではと思わされるものがありました。
7年ぶりの全国の舞台でどんなサッカーを見せていくのか。そして、大学では初めての全国大会となる戸水と秋葉が、どんなプレーを見せていくのか、とても楽しみにしています。
さらに関西学生サッカー選手権は7月5日に準決勝を開催。立命館大は阪南大と対戦します。
こちらの試合も、どういったものになるのか、とても楽しみにしています。
(文中敬称略)
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