3月18日は、Jヴィレッジスタジアムへ。
3月15日から、Jクラブユースや全国の強豪校、U-17日本高校選抜が競うJ-VILLAGE CUP U-18が行われており、この日は最終日。
フロンターレは初戦の神村学園に7-0で勝利すると、第2戦の静岡学園には1-0、第3戦のU-17日本高校選抜には3-1で勝利。首位で予選リーグを終え、決勝に進出。
長年プリンスリーグ関東、そしてプレミアリーグEASTでも競い合ってきた、予選リーグ2位の前橋育英との試合に臨みました。
【川崎フロンターレU-18 J-VILLAGE CUP U-18 決勝 vs 前橋育英】
3月18日(月) 午前10時2分キックオフ Jヴィレッジスタジアム 晴れ
昨年大宮アルディージャU-18との決勝を0-0、PK7-6で制したフロンターレにとっては連覇が懸かる試合。
先発は、GK16松澤成音、最終ラインは右からゲームキャプテンの2柴田翔太郎、4林駿佑、23楠田遥希、15関德晴、ボランチは14八田秀斗、10矢越幹都、右MF8知久陽輝、左MF11児玉昌太郎、前線には7加治佐海、9香取武。
U-19日本代表のヨルダン遠征に参加中のDF5土屋櫂大は不在。
前橋育英の先発は、GK81藤原優希、最終ラインは右から94瀧口眞大、94青木蓮人、28立木堯斗、14牧野奨、ボランチは90平良晟也、97石井陽、右MF85白井誠也、左MF11黒沢佑晟、前線には15佐藤耕太、25四方田泰我。
大会期間中好天が続いていたJヴィレッジ。しかし、この日は青空こそ広がっているものの、強い風が吹きつけるコンディション。
それでも、メインスタンドから選手の家族らが見守るなか、キックオフの時を迎えました。
立ち上がりは、フロンターレ、最終ラインの楠田が少し持ち上がり、左に展開していくと、児玉から関につながり、関はクロス。
これは前橋育英がブロック。左コーナーキックとなり、キッカーの柴田はショートコーナーを選択。
遠いサイドで楠田が折り返し、左に展開したフロンターレは、エリア左で矢越が粘りますが、これはファールに。しかし、球際に厳しい姿勢を見せ、いい試合の入り方を見せていきます。
前橋育英も最終ラインの青木や立木が多く触れながら、間にボールを差し込み、前に出ていこうとしますが、フロンターレは八田や矢越、知久も中央に寄りながら対応。最終ラインの林がフィードを入れるなど、長いボールも交え、組み立てを図っていきます。
7分には、フロンターレが右サイドに展開したところ、ボールを奪いにいった前橋育英の牧野が負傷し外へ。
牧野に代わり99井上萩斗が左SBに入ります。
10分には、前橋育英、左サイドでボールをカットすると、佐藤がエリア左へ進入。しかし、これはオフサイド。オフサイドとはなりましたが、その判断が出る前に、楠田がしっかり寄せってブロックに。足を止めず、シュートは打たせない。素晴らしい判断を見せていきます。
林や楠田に加え、松澤も組み立てに加わるフロンターレ。松澤が前線へ正確なボールを供給。また、関のフィードに高い位置へ加治佐が動き出すなどしていきます。
前橋育英も、両サイドを使ってボールを動かしていきますが、間で矢越がボールをカット。
さらに前橋育英は、フィードに四方田が高い位置へ動き出していきますが、林が対応。さらにスペースを突くパスを、佐藤がおさめそうになりますが、楠田が出足よくカット。連戦の中、守備でもいいプレーを積み重ねていきます。
17分には、左サイドに展開したフロンターレ。仕掛けた児玉がクロスを入れると、加治佐、香取が飛び込みますが、ここは前橋育英の守りがあり、シュートにはつながらず。
すると前橋育英は、18分には、最終ラインの立木が縦につけ、中央の平良から右へ展開。右サイド、開いた白井のクロスを佐藤がおさめ、いったん右に展開すると、エリア右へ佐藤が進入。しかし、関が足をうまく伸ばしてボールを奪い取る好守。
20分には、右サイド、中央寄りで受けた白井から右へ展開すると、瀧口が高い位置へオーバーラップ。しかし、関がブロックしていきます。
すると22分には、浮き球のパスに、児玉がエリア正面へ抜け出し、シュート。決定的なチャンスでしたが、前橋育英の好守に遭い、惜しくもゴールとはならず。
23分には、前橋育英、青木のフィードに、佐藤がエリア正面へ。しかし、ここも林が厳しい寄せで前を向かせずに対応していきます。
フロンターレは知久も中央に顔を出し、さらには八田がプレスからマイボールに。
八田や矢越とかかわってボールを動かすなどしていき、八田のパスに、柴田が高い位置へ抜け出し、仕掛ける場面をつくりますが、前橋育英は2人が粘り強くついていき、これに対応。
前橋育英も、高い位置で四方田がボールをものに。高い位置へ持ち込もうとしていきますが、林がうまく、粘り強く体を入れ、マイボールに。1対1の強さを見せていきます。
楠田がハイボールを競ったところ、中央のこぼれ球に対しては、児玉がものにするなど、両サイドの選手もセカンドボールへの反応の速さも見せていきます。
30分には、左サイドで関がファールを受けたところ、フロンターレはすばやくリスタート。左サイドで受けた児玉が正面へ仕掛け、エリア左へ。
児玉は折り返しますが、前橋育英も集中した守り。シュートは打たせずに対応していきます。
前橋育英も、31分には佐藤が下がり目でボールをカットし、右へ展開。平良がエリア内へ斜めに速いパスを入れると、四方田、佐藤につながりそうになりますが、林がカバー。
セカンドボールを拾った前橋育英は、佐藤のパスに、四方田がエリア左へ。四方田はニアを狙い、シュート。しかし、松澤がセーブ。
33分には、中央の石井から右へ展開すると、白井のクロスに、正面で四方田がヘディングシュート。しかし、松澤がセーブ。
連続して相手のチャンスを防いでいきます。
36分には、フロンターレ、左サイド、矢越が右サイドへ正確なサイドチェンジ。これを受けた柴田が仕掛けていきますが、井上が粘り強く対応。
攻めに転じた前橋育英は、右サイドを瀧口が上がり、左サイドに展開すると、四方田の折り返しに、エリア内へ佐藤が抜け出しそうになりますが、これには関が対応していきます。
前橋育英が左サイドに展開する場面では、柴田に加え、知久も低い位置をカバー。人をかけ、コンパクトな守りで対応していくフロンターレ。
浮き球に、佐藤が抜け出しそうになる場面では、林が競り、起点をつくらせずに対応していきます。
すると38分には、フロンターレ、林のサイドチェンジを高い位置で受けた児玉がエリア左へ仕掛け、クロス。これは前橋育英のクリアに遭い、左コーナーキックに。
キッカーの柴田がボールを入れると、エリア外正面、こぼれ球を拾った知久のミドルシュートはクロスバーに。
ボールは左サイドにこぼれ、柴田がクロスを入れると、これがオウンゴールを誘い、1-0。先制点はフロンターレに入ります。
追いかける展開となり、スペースをうまく使い、間にボールを差し込んでくる前橋育英に対し、矢越が中央でボールをカットするなどしていくフロンターレ。再び八田や矢越がテンポよく動かし、右サイドでは知久、柴田が連係するなどしていくと、43分には、左サイドから矢越が入れた浮き球のパスを、エリア正面で加治佐がおさめ、受けた香取が正面へ。香取はシュートを打ちますが、これは右に。
一方の前橋育英も、右サイドに展開し、クロス。エリア内へボールが入りますが、柴田が対応。最後は松澤がセーブ。
44分には右サイドでのスローインの流れから八田がクロス。これに香取が頭で合わせますが、右へ。45分には、左サイド、低い位置から関がフィードを入れると、正面右へ加治佐が抜け出しそうになりますが、前橋育英のGK藤原が外に出てクリアする好判断。
前半は1-0でタイムアップとなります。
後半立ち上がりにはフロンターレ、中央でマイボールにした加治佐から左へ展開すると、児玉が高い位置へ。ここはクロスにはつながらならず。
前橋育英も、3分には、左サイド、黒沢のパスに、四方田がエリア左へ。しかし、ここでも林がカバー。
4分にはさらに前橋育英、下がり目でおさめた佐藤の縦パスに、白井が仕掛け、折り返し。しかし、松澤がセーブ。
直後には、右サイドから瀧口がフィード。エリア左、黒沢が抜け出しますが、柴田がカバー。最後には松澤がセーブ。
前線の佐藤や四方田が両サイドに流れ、間を平良や瀧口が使うなどし、前橋育英がボールを動かす時間が続きますが、フロンターレは加治佐も低い位置をカバーするなどコンパクトに対応を続けていきます。
すると8分には、中央を持ち運んだ八田が浮き球のパスを出すと、柴田がエリア右へ。これに対しては前橋育英が体を張り、ブロック。
右コーナーキックとなり、柴田がボールを入れると、加治佐がヘディングシュート。しかし、これはラインを割っていたとの判定。
前橋育英も中央に顔を出した石井が間を縫うように前に持ち上がり、フロンターレのエリア前でボールを回していきますが、フロンターレは香取がプレスバック。さらに知久も中央に顔を出し、体を入れ、ボールを奪うなどしていきます。
それでも、やや前橋育英がボールをうまくつなぎ、前に出ていく時間が続き、13分には、パス交換から少し前に顔を出した立木の斜めのパスに、石井がエリア外正面へ。石井はミドルシュートを打ちますが、これは上。
フロンターレも、15分には、矢越から左サイドに展開すると、関や児玉、矢越もかかわってテンポの良いボール回し。
最後は矢越が左クロス。正面で八田がシュートを打ちますが、これは上に。
さらに児玉のパスに、関がエリア左へ持ち込んでいきますが、前橋育英の寄せに遭い、左コーナーキックに。
柴田が遠いサイドに入れると、楠田が折り返しますが、藤原がセーブ。
17分にはさらにフロンターレ、右サイドでのスローイン、受けた知久は正面右へ斜めの速いパス。これをおさめた加治佐のシュートは枠をとらえますが、藤原がセーブ。
セカンドボールを拾ったフロンターレは、左サイド、児玉が仕掛けるも、粘り強い守りに遭い、ボールは前橋育英へ。
それでも、高い位置からプレス。左サイドでのスローインを得ると、香取からエリア外正面、矢越につながり、矢越はスルーパス。
しかし、これには加治佐は反応できず。
すると24分には、前橋育英、石井や平良がボールを動かしていくと、それで得た右コーナーキック、石井が入れたボールから、ニアで放った黒沢のシュートが決まり、1-1。前橋育英が同点に。
さらに26分には、エリア右、瀧口との連係から飛び出した白井に対して、フロンターレにファールがあり、前橋育英がPKを得ます。
キッカーは石井。これを決めて、1-2。勝ち越しのゴールは前橋育英へ。
連続失点で、追いかける展開となったフロンターレ。間を締め、簡単は入れさせないようにする前橋育英に対し、矢越や八田、知久が間で受けながら、攻撃の機会を探っていきます。
フロンターレは30分、知久に代わり17恩田裕太郎が入り、前線へ。加治佐が右MFに。
すると31分には、フロンターレ、左サイドからの攻勢に。クロスをエリア右、飛び出した柴田がおり返すと、エリア内、恩田がシュート。これは惜しくもクロスバー。こぼれ球を拾ったフロンターレは、エリア外正面で矢越がミドルシュート。枠をとらえますが、藤原がセーブ。
さらに林のフィードに、香取が高い位置へ動き出し、セカンドボールをおさめた児玉から左サイド、関へ。関の仕掛けに対しては、前橋育英の守備の対応があり、スローインに。その流れから、正面へうまく持ち込んだ香取がシュート。しかし、前橋育英も体を張り、これをブロックしていきます。
前橋育英も中央でボールを奪う場面をつくりますが、八田が奪い返し、34分にはエリア前にフロンターレが入れたところ、クリアボールを拾った平良が右サイド、高い位置へ。しかし、林がカバーしてきます。
すると36分にはフロンターレ、中央で八田、児玉とつながり、そこから関が左サイド、高い位置へ。関がエリア内へ折り返すとシュートを打ったのは恩田。これが決まり、2-2。ついにフロンターレが追いつきます。
前橋育英はここで黒沢に代わり22鈴木蓮大、四方田に代わり30中村太一。
37分には左サイドに展開した前橋育英。クロスにエリア内、飛び込んだ瀧口がヘディングシュート。これは上に。
すると39分には今度はフロンターレ、矢越の浮き球のパスに、恩田がエリア正面右へ。しかし、シュートはクロスバー。
セカンドボールをものにし左サイド、関から右サイドに展開していくと、柴田のクロスに、恩田がヘディングシュート。しかし、これは左に。
一方の前橋育英も、浮き球のパスに、中村が正面へ抜け出しそうになりますが、楠田が粘り強く体を入れ、最後は中村のファールに。
42分には、再び左サイドから持ち込んだフロンターレ。左コーナーキックを得ると、柴田が遠いサイドに入れたボール、楠田が合わせますが、藤原がセーブ。
さらにフロンターレは、エリア前でボールを動かす前橋育英に対しては、林がカバー。香取もプレスバックにいき、そこから攻撃につなげていきます。
45分には、エリア正面右、抜け出した加治佐がシュートを打ちますが、これは右に。
試合はタイムアップとなり、決着はPK戦へ。
先攻は前橋育英、後攻はフロンターレで行われたPK戦。
前橋育英の最初の1人目は石井。左へのシュートは松澤は反応するも、決まり、1-0に。
フロンターレ1人目は矢越。これを決めて、1-1に。
前橋育英、2人目は佐藤。これも決まり、2-1となります。
フロンターレの3人目は林。スパイクのひもをしっかり結び、相手を見極め、自分の間合いに持ち込んで、蹴ろうとしましたが、風でボールが転がるあいにくの状況。
それでも、ボールを置き直し、シュートを打ちますが、惜しくもポスト。
前橋育英3人目は、青木。これも決めて、3-2。前橋育英がリード。
フロンターレ、3人目の香取が決めて、3-3に。
前橋育英、4人目は立木。左へ蹴ったシュートは、松澤が反応。見事にシュートストップ。
フロンターレの4人目、柴田が決めて、3-3となります。
前橋育英は5人目白井、フロンターレの5人目、加治佐も決めて、ともに譲らず、PK戦は6人目へ。
前橋育英は中村、フロンターレは八田が決めて、6-6に。
審判団の判断で、風の影響が少ないフロンターレ側のゴールに変更された7人目。前橋育英は平良。左へ蹴ったシュートには、この日何度も、いい反応を見せていた松澤がここでも反応。シュートストップとはなりませんでしたが、ポストに。
これにはピッチ脇で見守っていた控えの選手たちも大盛り上がり。
そして、フロンターレ、7人目は恩田。これを決めて、7-6。決めた恩田、そして松澤のもとへなだれ込んでいくフロンターレの選手たち。
昨年に続いて、PK戦を制し、J-VILLAGE CUP U-18を連覇しました。
先制し、立て続けの失点で一度は逆転されたところから、下を向かず追いつくメンタリティーの強さを示したフロンターレ。
4連戦という厳しい日程の中、プレミアリーグEASTで今季も戦う好敵手を相手に、そんな試合を経験。トロフィーを得ることもできたことはこれからに必ずつながるはず。そう強く思います。
プレミアリーグEASTの開幕まであと少し。Anker フロンタウン生田に戻り、多くのものを積み重ねていく日々がまた始まります。今年も、結果と内容にこだわるというフロンターレU-18。ピッチの上でどんなものを表現していくのか。期待が高まります。
前半1-0 後半1-2 計2-2 PK7-6得点:オウンゴール、恩田裕太郎(フロンターレ) 黒沢佑成、石井陽=PK(前橋育英)
フロンターレの先発:16松澤成音 2柴田翔太郎(c) 4林駿佑 23楠田遥希 15関德晴 14八田秀斗 10矢越幹都 8知久陽輝 11児玉昌太郎 7加治佐海 9香取武
交代:知久→17恩田裕太郎前橋育英の先発:18藤原優希 94瀬口眞大 94青木蓮人 28立木堯斗 14牧野奨 90平良晟也 97石井陽 85白井誠也 11黒沢佑成 15佐藤耕太 25四方田泰我
交代:牧野→99井上萩斗 四方田→30中村太一 黒沢→22鈴木蓮大
フロンターレU-18のそのほかの登録メンバー:1山本健翔 6齊名優太 20藤井漣祐 22ペイシェンス海翔 24柏村涼太 25平内一聖 26新堀翔 27ステンパールカ大翔 28平塚隼人 34小川尋斗 38奥田悠真
◇試合後、長橋康弘監督に話を聞きました。
「苦しい状況になっても、ひっくり返せる粘り強さというものを、今年のチームは感じられる」
長橋康弘監督
-最後粘り強さを発揮したと思うんですけど、それについてはいかがですか?
選手たちは、チームの中で解決するということを、チーム内で話が、トレーニング中からできているんですね。
なので、去年とちょっと違うような、ああいう苦しい状況になっても、ひっくり返せるといいますか、あそこからひっくり返せる粘り強さというものを、今年のチームは感じられるので。ああいうところをしっかり自信につなげながら、開幕に向けて、さらに成長していきたいな、というふうに思っています。
-前半すごくうまくかたまりながら、まとまりながら、守備をして、というのが見られたと思うんですけど。
そうですね。今日、ちょっと立ち上がりから「元気ないな」っていう感じが私の中で、ちょっとしていて。
ひとつ、ちょっと連戦というところもあるんですけど、それは言い訳にはならない、と。ほかのチームも一緒の状況でやっていますので。
そのへんのところを言い訳にせずに、どのぐらいできるか、っていうところでやってもらったんですけど。
ちょっと決勝戦ということもあって、何かこう、自分たちから仕掛けるっていうプレーがなかなか、こうなかった前半なのかな、と思いましたので。
やはり、ここに来た以上、成長しないといけないと思うので。そういうところでいうと、「このままじゃいけない」という話はしたんですけど。
ただ、ずっと初日から言い続けている守備のところは、非常に良くなってきたかな、というのは前半見受けられたので。
そのへんは継続しながら、というのは伝えようと思います。
-チームが目指して、しっかり優勝というものをとれたことは評価してもいいのかな、と思うんですけど。
そうですね。去年も優勝、先輩たちがしているので。今年もこのJヴィレッジで自分たちがどれだけできるか、ということと、結果を残して開幕を迎えたいと選手は思っていたので。そのへんは達成できて、良かったかな、と。
大事なのは、この優勝というものをつなげていくのが大事なので。また帰ってやっていきたい、と思います。
-元気がないところはあったかもしれないですけど、どのようなところで成長を感じましたか?
やはり90分終わったときに勝ちに持っていく。「このままじゃいけない」ってなったときに、チームとしてどうギアを上げていくか。
そのギアというのは、どういった相手を見ながら。どのようにしていこうっていうところは。
何か、こう例えば、失点したあとの選手たちのプレーで、もうひとつギアを上げて、推進力を見せてくれたと思います。
そんななかで、結局、恩田のゴールになったと思うんですけど、そこにちゃんと、目がそろっていたというか。
そのへんのところが、この時期のなかでは、評価できるのかな、という感じはしましたね。
-恩田君がMVPをとりました。
びっくりしました。
-どのような役割を期待して、入れましたか?
連続失点というのはリーグ戦でもやってはいけない、と。ただ、あの状況で残り時間を考えたときに、恩田の特長というものをチームに与えてほしい、と。そういうところで送り出したんですけど。やはり彼の走力だったり体の強さだったり、あとゴール前の仕事というところを。
その個を生かすために、チームがしっかり、周りの人間が「こうやりたいのね」というところが、わかっていたところが見えたので。
このへんはリーグ戦につなげていけるのかな、という風に思います。
-八田君と矢越君のダブルボランチの評価も教えていただきたいんですけど。
ちょっと連戦で、彼らこのゲームに関しては、ちょっと疲れが出ていたのかな。そのなかでも、しっかり戦っていましたし。
彼ら、実はもっともっとできる選手でして。そのへんのところは本人たちがもっとできたな、悔しいなって思いを持って、神奈川に帰ることになると思うんですけど。
そのへんは先につなげていけたらいいと思うんですけど。このJヴィレッジでの戦い、全部見てですね。
非常にゲームをつくる部分、チームにテンポを与える部分っていうところを意識しながらやってくれていた、ということと。
あとは、やっぱりフロンターレのボランチはゲームをコントロールしなければいけない、というところに関しては、彼らがしっかりとビルドアップのところとか、周りに発信しながらゲームをコントロールしていこうという姿勢が見られたので。
その辺はこの先非常に頼もしいな、というふうに思っています。
-この先、開幕に向けてどう積み上げていきますか?
まだまだ足りないところはたくさんあるんですけど、フロンターレらしいサッカーというものを絶対忘れない、ということと。
あとはしっかり、去年3位という悔しい思いをチームとして、しているので。それを繰り返さないために、今の立ち上げからこの時期まで、こういうことは繰り返さないというのは、何回もミーティングで、彼らに伝えてきました。
そんなところを整理しながら、開幕に向けてやっていけたら、と思っています。
-今回土屋君が不在で、楠田君が多くの出番を得てましたけど、楠田君の評価などについて教えてください。
彼は去年もそうだったんですけど、ボランチもできますし、CBもできるっていうところで、土屋がいなくなったこのタイミングでですね。
レギュラーとして、というか、出てもらったんですけど、全然普通にできていましたね。
やはり彼みたいな選手が活躍することが、非常に私ら、大事にしていて。苦しい時期っていうのを知っている。
今日もベンチにいた子たちはかなり悔しい気持ちを持っているんですけど。
やはり、去年の頑張りというものを同時に見ている。
やっぱりトレーニングでどういう取り組み方をすれば、どういう結果が待っているかっていうところを、彼自身にも、周りにもですね。
ちょっと伝えたい部分が、私の立場からすると、あったので。
彼のこの遠征での活躍っていうのは、私にとっても非常にありがたいですし。何かこのあと必ず変化があると思うので。
ああいう、この1人、2人、3人、4人と、たくさん出したいな、というふうに思っていますね。
-じゃあ、彼だけではなく、ベンチから見つめていた選手にも期待したい、という感じですね。
そうですね、はい。
-昨日は、サポーターの方が見に来ていた、と聞きましたけど、また、サポーターの方にメッセージをいただけますか?
あの、びっくりしました。鹿島戦がある当日なので。「まさか」と思ったんですけど、本当にありがたいことで。
やっぱり高校選抜とやるということで、選手たち、結構いろんな話をしていたと思うんですけど、やっぱり有名な子がけっこういるのでね。対戦相手に。
ただ、サポーターの方たちが来てから、空気が変わった感じがして。いつもいつもサポートしてもらって、申し訳ないんですけど。
本当にありがたい限りです。あの、今年も内容と結果にこだわりながら、感謝の気持ちを伝えていこうと、選手とやっていきますので、引き続き、どうか応援よろしくお願います。
◇J-VILLAGE CUP U-18の各賞◇
優勝:川崎フロンターレU-18
準優勝:前橋育英
最優秀監督:長橋康弘監督(川崎フロンターレU-18)
MIP:白井誠也 (前橋育英)
MVP:恩田裕太郎 (川崎フロンターレU-18)
(文中敬称略)
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