アウェー甲府戦の前に西が丘へ。関東でも大学サッカーリーグが9月初旬から再開され、この日は来季川崎フロンターレへの加入が決まり、特別指定選手にもなった長谷川竜也が所属する順天堂大が中央大と対戦しました。
12チームによって争われるリーグ戦、昨年は終盤まで専修大、明治大と優勝を争い3位となった順天堂は今季は4勝4敗3分け、勝ち点15の7位で中断期間へ。首位法政大まで勝ち点差6とさほど差はないだけに勝ち続けていけばまだまだタイトルにも手が届く位置。天皇杯のヴァンフォーレ甲府戦があり、台風の影響で試合が1試合延期されたため、中央大戦がリーグ戦の再開初戦となりました。
一方中村憲剛、安柄俊の母校、中央は昨年筑波大との残留をかけた最終戦で勝利して今季も1部で戦うことになりましたが、ここまで3勝7敗2分け、勝ち点11で10位。1試合消化試合の少ない11位桐蔭横浜大が同じ勝ち点で並び、12位神奈川大も勝ち点9、降格圏の2チームが迫ってきています。
【関東大学サッカーリーグ1部第13節 順天堂大vs中央大】
9月12日(土)午前11時半キックオフ 味の素フィールド西が丘 晴れ
順天堂の先発メンバーはGK30今川正樹、DFは右から3吉永哲也、5新井一耀、2坂圭祐、12原田鉄平、ボランチが10長谷川竜也と24室伏航、右MFに27杉田真彦、左MFに11米田隼也、FWは29名古新太郎、18松島奨真。当初は名古ではなく、14毛利駿也がメンバー表に載っていましたが、アップ中にアクシデントがあったのか変更に。新井はフロンターレにも練習参加した横浜F・マリノス加入内定のCB。長谷川はゲームキャプテン。攻撃的なポジションに入ることが多い選手ではありますが、天皇杯1回戦ヴァンフォーレ甲府戦(2-3)に続いてボランチでの先発となりました。
中央の先発はGK30佐川雅寛、DFは右から11翁長聖、13小川雄生、キャプテンの3小出啓太、2縣翔平、ボランチは10三島頌平、18須藤岳晟、トップ下に9内田祐介、右MFに7古橋匡梧、左MF8山田和輝、FWは19矢島輝一。186センチと長身の矢島はここまで11得点でランキング首位。
好転に恵まれた西が丘。試合は立ち上がりにいきなり動きます。エリア左でボールを受けた順天堂の米田がシュートに持ち込むとこれが決まって1-0。まだ試合に入りきれていない中央のすきを突いて順天堂が先制します。
一方の中央は5分に左サイドをドリブルで古橋が仕掛けてDF二人を交わしてクロスを送りますが、これは合わす選手はおらず。
7分には長谷川竜也がワンタッチで前線へ浮きだまのパス、これに名古が反応しますがDFが体を寄せてシュートには持ち込ませません。さらに順天堂は左サイドを細かいパス回しで崩して最後は長谷川がエリア外からグラウンダーのシュートで狙いますがこれは枠外。
一方の中央は11分に左コーナーキック、古橋が入れたボールにファーで矢島が合わせますが枠をとらえることはできず。
22分には中央、サイドチェンジから山田が左サイドを仕掛けて一人を交わしてシュートを放ちますがこれはGKに。
一方の順天堂は直後に再び左サイドからの攻撃。米田と長谷川がパス交換で崩してクロスを入れるも誰もさわることはできず。
26分には中央、左SB縣がいい軌道のクロスを入れ、内田がこれに詰めますが新井の好守がこれを阻みます。
さらに中央は山田の左クロスを矢島が競りこぼれ球を拾った古橋がエリア右から狙うもGK今川の好守が阻み、最後はサイドネット。
31分には順天堂、杉田の右クロスのこぼれ球を拾った米田が左から仕掛けてシュートを放つもこれは右へ。
やや膠着状態、このまま1-0で終わるかと思われた44分、仕掛けたのは順天堂。名古、米田とつないだボールをエリア左で受けたのは中盤から上がってきた長谷川。シュートはゴール右を揺らして2-0。前半終了間際に順天堂にとっては大きな追加点。追いかける中央は両サイドから山田や古橋がドリブルで仕掛けたり、矢島へボールを入れたところからこぼれ球を拾ってチャンスも作っていただけに、痛い失点となりました。
後半も立ち上がりからゲームを動かしたのは順天堂。3分に名古、室伏とつないだボールをエリア左、裏をとった米田が仕掛けてシュートを放つとこれがゴール右へ決まり3-0。
さらにたたみかける順天堂は6分には左サイドを崩して最後は名古がGKと1対1になるもシュートは中央GK佐川が好守を見せて決めることはできず。しかし、さらに突き放したのは順天堂。杉田の縦パスがエリア前松島に入りここから抜け出したのは名古。今度は決めて4-0。
ここで中央は須藤を下げて6飯干雄斗。さらに負傷した三島に代わって28桜井昴とボランチを二人とも代えざるを得なくなることに。前線に矢島と内田を並べて打開を図ろうとしますが、新井をはじめとした順天堂の守備陣の前にシュートに持ち込むことがなかなかできません。
24分には長谷川が接触プレーで傷めて8新里涼がボランチに。
さらに攻勢を強めるのは順天堂。この日ピッチでもっとも輝いていたのは米田、左から中へ切れこんでまたもシュートに持ち込みますが、これは左へ。
31分には中央は古橋に代えて33田中優一。矢島と2トップに。右MFが内田、左MFが山田に。
32分には名古に代わってFC岐阜の特別指定選手、J2デビューも果たした6青木翼がボランチに。新里はトップ下へ。
33分には中央のコーナーキックをしのいだところから順天堂がカウンター。前線で杉田がキープしたところから新里が飛び出すもここは佐川の好守。
38分には松島に代わり9佐野翼がFWに。
直後には米田が縦パスを入れたところから新里からボールを受けた佐野がシュートに持ち込みますがこれは佐川が触って決めることはできず。
ロスタイムにはセットプレーから中央が何とか1点を返そうと反撃を試みますが、シュートに持ち込むことができず、試合は4-0で終了となりました。
順天堂は先制してから受けに回っている時間帯は少しあったものの矢島を目掛けていいクロスを中央が入れても最後には中でしっかり守って堅い守備を見せました。中でも新井の対応は光っていた、という印象。後半は追加点を次々に入れて選手もいい距離感でプレー。中央は後半シュートを打つことができませんでした。
前半2-0 後半2-0 計4-0
得点:米田隼也2 長谷川竜也 名古新太郎
なお、スコアラーはすべて静岡学園出身の選手たち。順天堂の左SB原田鉄平も静岡学園出身で米田との好連係で存在感を見せました。
順天堂の先発:30今川正樹 3吉永哲也 2坂圭祐 5新井一耀 12原田鉄平 10長谷川竜也=cap 24室伏航 29名古新太郎 18松島奨真 27杉田真彦
交代:長谷川→8新里涼 名古→6青木翼 松島→9佐野翼
リザーブ:1志和大貴 13宮本和輝 19野田聖矢
中央の先発:30佐川雅寛 11翁長聖 13小川雄生 3小出啓太=cap 2縣翔平 18須藤岳晟 9内田祐介 10三島頌平 7古橋匡梧 19矢島輝一 8山田和輝
交代:須藤→6飯干雄斗 三島→28桜井昴 古橋→33田中優一
リザーブ:1石川拓磨 18渡辺剛 14山中登士郎 31今井渓太
長谷川竜也は少し足を引きずりながら交代したのが心配ではありますが、守備でも献身的。ドリブルで仕掛け、ボールをいったん預けてから積極的にエリア内へ顔を出すプレーは得点シーン以外でも印象に残りました。
これから残りの大学サッカーシーズンでどんなプレーを見せるのか。そして、川崎フロンターレでどう育っていくのか。とても楽しみです。
(文中敬称略)
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