好天に恵まれ、人でにぎわう麻生グラウンドをしばし眺めたあと、坂を下って国士舘大学鶴川グラウンドへ。9月初旬に開催予定だった関東大学サッカーリーグ第12節のうち、天皇杯本選へ出場した3大学、順天堂大、桐蔭横浜大、流通経済大の試合が延期され、台風18号の影響を受けてさらに日程がずれ込むことになり、3試合のうち、2試合、慶應義塾大vs順天堂大、国士舘大vs桐蔭横浜大が鶴川グラウンドで行われ、フロンターレ加入が決まった特別指定選手の順天堂、長谷川竜也も出場しました。
【関東大学サッカーリーグ1部第12節 慶應義塾大vs順天堂大】
9月22日(火)午前11時半キックオフ 国士舘大学鶴川グラウンド 晴れ
暫定3位につける慶應の先発はGK1宮原隆志、DFは右から13手塚朋克、キャプテン5久保飛翔、2望月大知、6井上大、ボランチは8山田融、4宮地元貴、右MF14渡辺夏彦、左MF19松木駿之介、FWは20田中健太、11山本哲平
久保はファジアーノ岡山への加入が決まっているCB、渡辺は國學院久我山で活躍しプリンスリーグでは川崎フロンターレU-18とも対戦した選手。2013年等々力でのリーグ開幕戦では大いに苦しめられました。
7位の順天堂はGK30今川正樹、DFは右から19野田聖矢、2坂圭祐、横浜F・マリノス加入内定の5新井一耀、12原田鉄平、ボランチ10長谷川竜也、24室伏航、右MF27杉田真彦、左MF11米田隼也、FW29名古新太郎、9佐野翼。前の試合を教育実習のため欠場した長谷川はスタメンに戻り、ゲームキャプテンも務めました。
慶應はアルビレックス新潟に加入内定の特別指定選手10端山豪、順天堂はFC岐阜の特別指定選手6青木翼が不在。慶應は3溝渕雄志、順天堂は3吉永哲也、ともに右SBが出場停止。
なお、順天堂の長谷川、米田、原田、名古、慶應の手塚、望月の6選手は静岡学園出身。同級生の手塚と原田がマッチアップするかたちに。
試合はDFラインを高く保ち、ボランチと両サイドのMFが近い距離でプレーをして攻守の切り替えがはやい慶應、長谷川と室伏が組み立てていく順天堂、互いにチャンスをつくっていき、白熱した展開となりました。
順天堂の攻勢をしのいだところから4分には慶應の山本がエリア外左からミドルシュートで狙いますが、順天堂のGK今川が弾き、コーナーキックに逃れます。
そのあとには順天堂、杉田の左コーナーキック、最後はエリア右、新井が拾いますが、慶應の選手が体を寄せてシュートには持ち込ませず。直後には米田、原田、名古と静岡学園出身の3選手がボールにかかわってショートパスで左サイドを崩していきますが、ここも慶應の寄せのはやさの前にシュートには持ち込むことができません。さらに長谷川がリスタートから左サイドの原田へボールがわたり、クロスを上げるとエリア内で佐野が頭で合わせますがボールは慶應GK宮原がキャッチ。
慶應も順天堂の攻めをしのぐと、山田のサイドチェンジを受けた手塚が高い位置から右クロスを入れると、最後はこぼれだまを拾った渡辺がエリア外右からシュート、しかし、順天堂のブロックにあうことに。さらに左サイドをうまくドリブルで抜け出した田中がシュートに持ち込みますが、ここはDFに。ここで得た左コーナーキック、ニアで松木が合わせますが、枠外。
順天堂は坂の縦パスをエリア前で受けた名古が前を向くとそのままシュート。しかし、慶應の選手にブロックされて、ボールはGK宮原へ。
互いにゴールに迫ったなかで試合が動いたのは30分、順天堂の最終ラインから中盤へのパスを高い位置で田中がカットするとエリア外右の渡辺へボールがわたり、渡辺が中央へ送ったボール、左サイドからエリア前へ入ってきた松木が合わせるとこれが決まって1-0。松木の動きの良さが印象に残るゴールで先制点は慶應へ。
直後には順天堂も反撃。左サイドから米田が佐野へ縦パスを入れると最後は名古がミドルシュートを放ちますが、これはバー。さらに長谷川が佐野へ縦パスを入れて前線へ上がってうまく引き付けると米田がシュートに持ち込みますが、GK宮原がキャッチ。
前半は1-0でタイムアップとなりました。
後半も人数をかけた攻めでゴールを目指していく順天堂に対して、両サイドMFとボランチがプレッシャーをかけて中盤でボールを奪っていく慶應という展開。序盤の順天堂の攻めをしのぐと、8分に慶應は奪ったところからエリア右の渡辺へボールがわたり、足を振り抜くとこれがゴールを揺らして2-0。
順天堂は直後に杉田がエリア右でうまくDFをひきつけてクロスを入れますが、名古が頭で合わせたボールは枠外。
「相手は前がかりになってるぞ。2本つなぐぞ」。久保の不在時はゲームキャプテンを務めた山田の声が響くと、直後にさらに慶應に追加点。11分左サイドから山本が入れたボールにエリア正面で合わせたのは松木。この日2点目のゴールで3-0。
ここで順天堂は米田に代わって18松島奨真がFWに。直後には杉田の左コーナーキックを坂が折り返してエリア外正面から米田がシュート、しかし、強いシュートにはならず、ボールはGK宮原へ。
25分には慶應が交代、山本に代わって7黄将健。FWに。28分には順天堂名古に代わって14毛利駿也が前線へ。
28分慶應の手塚が痛んだところを攻めて最後は長谷川がミドルで狙いますが、枠外。さらにエリア左でボールを受けた長谷川、狙っていきますが、シュートは上へ。
32分には慶應は渡辺に代わって13小谷春日。
終盤にかけては、点差がついてもどの選手も声を絶やさない、緩まない慶應に対して、何とかゴールをこじあけにいく順天堂。35分には米田がエリア内でキープしたボールから毛利がシュートに持ち込みますが、枠外。
43分には慶應宮地に代わり、17豊川功治。本来はCBの宮地、高さに加えて寄せのはやさでセカンドボールをひたすら拾いこの試合の立役者の一人という印象の活躍ぶり。
試合終了間際には順天堂長谷川の右クロスを杉田が折り返して最後は毛利。しかし、GKに。最後までネットを揺らすことはできず、3-0でタイムアップとなりました。
慶應と順天堂、スコアほどには力の差はないとは感じましたが、攻守の切り替えのはやさ、球際の強さで慶應が上回ったという印象。ベンチのスタッフもピッチ上の選手も1点たりとも順天堂にゴールを許さないという意欲にあふれている、と感じました。
選手では2ゴールの松木。一年生ながらここまで7ゴール。けして高さのある選手ではありませんが、ゴールキック時にはターゲットとなり、ほとんど競り勝つ姿も印象に残りました。
ボランチでの起用が続く長谷川、室伏とのボランチのコンビもいい関係ですが、ゴールに近いところでのプレーもまた見てみたいものです。
順天堂はこれで2連敗となり、順位は7位と変わらないものの、首位との勝ち点差は9になりました。まだまだ先が長いリーグ戦、踏みとどまって上位を再び争ってほしいものです。
前半1-0 後半2-0 計3-0
得点:松木駿之介2 渡辺夏彦(慶應)
慶應の先発:1宮原隆志、13手塚朋克、5久保飛翔=cap、2望月大知、6井上大、8山田融、4宮地元貴、14渡辺夏彦、19松木駿之介、20田中健太、11山本哲平
交代:山本→7黄将健 渡辺→15小谷春日 宮地→17豊川功治
リザーブ:12田野稔明 16飯高颯生 23岩崎湧治 9加瀬澤力
順天堂の先発:30今川正樹、19野田聖矢、2坂圭祐、5新井一耀、12原田鉄平、10長谷川竜也=cap、24室伏航、27杉田真彦、11米田隼也、29名古新太郎、9佐野翼
交代:佐野→18松島奨真 名古→14毛利駿也
リザーブ:1志和大貴 13宮本和輝 4矢部純也 17小島凌 8新里涼
(文中敬称略)
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