9月7日行われたプレミアリーグEAST第13節、FC東京U-18戦。今季初めての等々力での開催でもあった“多摩川クラシコ”は1-3という結果。
試合後には、長橋康弘監督、キャプテンの土屋櫂大、PKでゴールを決めた柴田翔太郎が取材に応じました。
試合の記事は◇フロンターレU18 – FC東京U18 / プレミアリーグEAST第13節
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「優勝を目指すうえで、連敗っていうのは避けたい部分でありますので。
選手たちともう一回整理しながら、1週間を大事に、一日一日を大事にしていきたいと思います」
長橋康弘監督
〇試合を振り返っていかがですか?
後期1試合目でホームでできるという状況で、まずはあの勝ちたかったですけど。ちょっと失点が、簡単な失点というか、プラス、決めるところを決められない。
やはりこういうゲーム展開になるだろうなっていうのはわかっていたことで。
それを改善できないまま試合に臨んでしまったのは、私たちのというか、私の反省点です。
〇クラブユースからいろいろと自分たちのサッカーについて見つめ直してきたと思うんですけど、どういった取り組みをしてきました?
選手たちには細かいところ、こだわっていこうと。そういう人間、グループ、そしてチームにしていこうというところで、細部へのこだわりということを選手には求めてきました。
ただ、こういった部分はすぐに改善できるところではなくて。そういったところも継続してやっていかないといけないかな、と。
まさしく今日の失点なんかは、そういった部分が出たなという感じはしました。
やはりこれから勝ち続けるチームを目指すには、こういったことではいけないと、改めて思いました。
〇とはいえ、これまでの成果も出た部分があったと思うんですけど。
うーん…。そうですね、なかなかこう、私たちの目指すサッカーでいうと、内容も結果も圧倒しようというところで。
なかなかそういうアプローチが選手たちに間違って伝わるとですね、今日なんかも「チャンス多くつくれたね」とか、「そこまでは良かったね」と。
そういう評価を私自身がしてしまうと、違う方向に行くのかなっていう思いがありまして。
やっぱりそういうところもやっていかないと、勝ち続けるチームにはなれないのかなと思いますね。
そのへんのところはまた日常を変えながら、選手たちと一緒に目指すべき、チームになっていきたいと思います。
〇対戦も2巡目ということでFC東京も対策をしてきたと思うんですけど、何か感じるものってありました?
一人一人の能力は高いチームということは分かっていたので。そのへんの選手の特徴というのを気にしながらも、自分たちのサッカーをやろうということで、想定はしていたんですけど、やはり自分たちが持つ時間が多くて、逆にそういった部分で言うと、相手は焦れずにしっかり守備を粘り強くやりながら、カウンターに打って出ようというような、狙いだったと思います。まんまとやられました。
〇細かいところって時間がかかると思うんですけど、今後に向けて一個一個改善していくと思うんですけど、次節に向けてどういったことをやっていきますか?
まず時間をかけないと改善できないことと、意識で変われる部分、まずそこを整理して。
やっぱり優勝を目指すうえで、連敗っていうのは避けたい部分でありますので。
そのへんのところを選手たちともう一回整理しながら、1週間を大事に、一日一日を大事にしていきたいと思います。
〇もともと保土ケ谷だったのが等々力になったというのはどんなお気持ちで?
はい。私たちにとってですね、選手たち、本当にサポーターの皆さんにですね、内容と結果にこだわりながら、素晴らしいフロンターレらしいサッカーをしようというところで入りました。
こういうような環境でサッカーをできる幸せを感じながら、何とか結果と内容で応えたかったんですけど。
残念ながらそういうような結果ではなかったですが、またこういった状況でサッカーができるときには、必ずフロンターレらしいサッカーで、圧倒できるようにやっていきたいと思います。
〇今日は2798人のお客さんが入りましたけど、そういった環境でサッカーができることについては?
本当にありがたいことで。私たちは、今日みたいに来てくださる、サポーターの方々に、支えられています。
それこそアウェイでもですね、本当に「フロンターレのホームか」というぐらいに、来ていただいているときもあるし。
何とか応えれるように。とにかくこの先頑張っていきますので、引き続き応援を、どうかよろしくお願いします。
〇早い時間帯の失点だったと思うんですけど、そのあとのことについては?
正直失点の仕方が、チーム全体が下を向くような、悪い雰囲気になりがちな、失点ではあったんですけど。
ただ改善点の、以前から挙げられている、連続失点をしないというところでは、そのあと選手たちはしっかり立ち直ってくれて、自分たちのリズムというか、流れに持って行けた。そこは評価できるかなというふうに思っています。
〇ハーフタイムの交代については?
本当に代わった新堀がですね、練習からものすごくいいパフォーマンスを見せてくれています。
そういったなかで、ちょっと違うパワーというのを欲しくて入れたんですけど。
彼らしさというのを十分出してくれたと思いますし。
引き続き彼に頑張ってほしいなって思います。
代わった知久もけっして悪い動きではなかったので、非常に迷う采配ではあったんですけど。
結果につながらなかったのは私の責任ですね。
〇これから1、2年生の突き上げがあると思うんですけど、この夏の間彼らの成長をどう見ていました?
金沢の遠征に行ってからだいぶ力をつけてきました。本当に選手の層が厚くなったといいますか、差が少なくなったというんですかね。
そういった部分はすぐに変えられる部分でありますので。
練習の内容がかなり変わってくるんですよね。
そのへんのところはすごく進歩しているところではあると思うので。
また1、2年生がチャンスをつかむとき、試合が来るのではないかと思います。
〇高井選手がA代表でデビューしました。それについてはどんな思いが?
そうですね、うれしかったです。びっくりして。点差も点差だったので。点取りに行っちゃうのかな、とドキドキしながら、見ていたんですけれども。
本当にああいう高井っていう選手が出てくることが、アカデミーの選手たちの刺激になりますので。
彼には継続して頑張ってほしいですし。アカデミーの選手は高井を目指すとか、さらに超える選手がでてきてほしいなというふうに思います。
〇チームのなかにそういう雰囲気が出ていたりします?
やっぱり選手たちは高井が出るといろいろ話をしていますので。かなり刺激を受けていると思うんですよね。
ここから追い抜いてほしいですね。
「最後まで突き詰めてやっていかないと、もう1回こういう試合はしたくないので。細部にこだわってこれから練習していきたいと思います」
DF5 土屋櫂大
〇最初は保土ケ谷だったのが、等々力でできたということに関して、どう思います?
やっぱりここ等々力でできるということは、トップチームの試合も日ごろ見ていますし。ここで試合をやるというのは、気持ちの持ちようと言いますか、自分たちがここでサッカーができるというので、ポジティブではあったので。ここで今日勝ちたかったというのが、率直な気持ちです。
〇クラブユースの悔しい負け方から自分たちのサッカーというのを立て直してきたと思うんですけど、これまでどんな準備をしてきましたか?
そうですね、守備の部分だったり、攻撃の決めきるという部分もそうですけど。
やっぱり現実的にクラブユースの決勝も4失点という部分があったので。軽い失点はしないというのは、見つめ直して、練習からやってきたんですけど。
今日の舞台で、複数失点もそうですけど、後半に関しては連続失点してしまったというのがあるので。
やっぱりそこは、見つめ直さなきゃなって思います。
〇最初の失点は、どんな反省点があります?
立ち上がり、入りっていうのは意識して入ったなかで、やっぱり立ち上がり、数分で失点してしまうっていうのは良くないと思いますし。
はっきりやるっていう、まずは自分たちの背後を目指して、立ち上がりは背後を目指すという目を合わせて、スタートしたつもりだったんですけど。
ああいうところではっきりプレーできなかったというのが自分たちの良くなかったところだったので。
もっとひとつひとつ最後まで突き詰めてやっていかないと、もう1回こういう試合はしたくないので。細部にこだわってこれから練習していきたいと思います。
〇どういうところを改善していきたい?
まず、今日の複数失点、連続失点含めてまず日々の練習からゴール前もそうですし。やっぱり軽い失点はしないっていうのは、もっともっと突き詰めてやっていかないといけないと思っていますし。あとは決めきるっていうところは、前線の選手だけじゃなくて、自分たちももっともっとスムーズにビルドアップをして、前にボールをつなげられれば、もっとチャンスが増えていくと思うので。
そこは前線だけの選手じゃなくて、チーム全体の課題でもあるので、やっぱり日々の練習から来週からそうですけど。
もっと突き詰めてやっていかないといけないと思っています。
〇この夏で個人的に取り組んできたこと、成長したことを教えてもらってもいいですか?
夏休みはトップチームのほうに参加させてもらって行く機会があったんですけど、そこで感じた部分はフィジカルだったり、足のスピードだったので。
そこはその期間もそうですし、ユース帰ってからも筋トレ、体づくりのところにフォーカスして。そこを突き詰めてきました。
〇今日は3000人近いサポーターの方々が来ていただいて。その雰囲気はどう感じました?
本当にトップさながらの雰囲気で。やらしてもらっていることが、本当に当たり前の環境じゃないので。
やっぱりこういう環境をつくっていただいていることに感謝して。その中で、「勝ち」っていう結果にこだわっていかないと、と思っていますし。
あれだけ多くのサポーターが来ていただいたなかで、勝利を届けられなかったことが本当に悔しいので。
次節から優勝目指して、もっと勝ちにこだわって、サポーターの皆さんに届けられればいいな、と思っています。
〇今日の試合とは関係ないんですけど、先輩の高井君が代表でデビューして、身近な存在だったと思うんですけど、それを見て、どう感じました?
自分も試合を見ていましたけど。刺激にも本当になっていますし。憧れではありますけど、やっぱり今代表に呼ばれるということは、言いにくい部分ではあるんですけど。
トップチームでやらせてもらっている機会があるので、高井君のいいところは盗みながら、もっともっと彼に近づけていけるように、いつかは越せるように頑張っていきたいと思います。
〇距離感がつかめる先輩ですよね?
そうですね。
〇遠い存在ではない?
遠くはないですけど、やっぱりA代表に呼ばれたっていうのもあると思いますし。トップチームではレベルの高いプレーをどんどんしているので。
もっともっと見習っていかないといけないですし。
何度も言いますけど、いいところはもっと盗んで、彼に近づければいいかなと思います。
〇ユースからトップチームに上がって、活躍すると代表に呼ばれるという道しるべになっている?
そうですね、本当に近い目標が高井君が「そういう道があるよ」と示してくれたので。もっともっと頑張って高井君に近づけて、A代表入って、高井君と一緒にやれるように、自分も、自分に目を向けて、日々の練習、一日一日を大切にして頑張っていければいいなと思います。
〇今日はいつもはユースを見に来ないサポーターの人もいたと思います。そういったサポーターの方にメッセージをいただいてもいいですか?
今日勝ちを届けられなかったのは非常に悔しいですし。
やっぱりもっともっと自分たちが突き詰めていかなければいけない部分が、今日を通して見れたので。次の試合から、こういう試合はぜったいにしたくないので、勝って今日見てくれた方々にも、もっともっといい試合だったり、情報を届けられるように、頑張るので、応援よろしくお願いします。
「次は何が何でも勝つという気持ちで、泥臭いかたちでも、どんなかたちでもいいので、勝ちを求めてやっていきたいと思います」
DF2 柴田翔太郎
〇優勝に向けて、ということでどんな気持ちでこの試合入りました?
クラブユースである程度の自信と収穫を得ながらっていうなかで、この中断期間を過ごして、優勝できずに終わったところがあったので。
それをファイナルで晴らそうというところで、臨みました、今日は。それで前半は自分たちのサッカーができていた部分が多かったんですけど、失点、軽い失点がありましたし。
防げた失点も多かったので。そこをもう一度、守備の厳しさというのを自分も後ろの選手なので、練習からそういう基準を示していければと思います。
〇試合、公式戦が空いて、やりづらさというのはあった?
個人的にはクラブユースが終わって、早く試合がしたいと思いましたし。公式戦がしたいと思ってはいましたけど。
ほかの選手のことまでは分からないですけど、やっぱり期間が空いたので。もう一度試合の立ち上がりであったり。
アップの最初のところはいつもより引き締めてやろうっていう話は声をかけましたし。
その中でも3分、ですかね。立ち上がりで失点してしまったので。もっと自分たち、3年生が、上の選手たちがもっと基準を示さなければいけなかったと思います。
〇どんどん自分たちのリズムは出ていたと思うんですけど、どんな話をしていました?
失点した時はまだ3分でしたし。そんな慌てる時間じゃないというか、ゼロゼロという気持ちで戦っていたので。自分たちもチャンスはつくれるという自信はあったので。
自分たちのいつもどおりのサッカーを思い切ってやろうと思っていましたし。そのなかで自分たちのサッカー、できましたけど、やっぱり最後決めきるところを決めきれなかったらこういうゲームになりますし。
最後締めでヤスさんも言っていたんですけど、内容勝負じゃないですし。結果を求めていかなければ。試合中は次決めろとかそういう声掛けはあったんですけど。
練習でもっと厳しさをもってやっていかないといけないと思います。
〇クラブユースの後、どんなことに自分で取り組んできて、どんな成長ができました?
攻撃にかかわるところはやっぱり自分の長所であると思うので、そこは自信を持っていましたけど。
自分自身取り組んでいるのはビルドアップのつなぎのところだったり、やっぱりはまった中での回避の仕方だったりは、また、自分の練習でもそうですし、映像とかも見ながら。苦しい状況ではまったときにも、回避できるようなそういう選手になりたいと思っているので。そこはこの期間で取り組んできたところであります。
〇中を締められて、今日はどういう崩しをしようとしていたのですか?
中を締められても外があるとは分かっていたので。中に高い選手はいましたけど、それでもシンプルに入れてもチャンスになると思っていたので。
そこのシンプルに入れた先の、中の入り方だったり中の工夫だったりそういう入るところの精度だったり。
そういうところがあれば意外と、高さはありましたけど、マークはルーズだったので。チャンスあるかなというふうに思っていたんですけど。
やっぱり高さある選手に対する工夫というところは、もっと中ともすり合わせないといけないですし。
自分自身のボールの質も、延々と磨いていかないといけないので。その二つは目を向けて、やっていきます。
〇ミドルとかもこの試合では有効ですよね?
そうですね、振り返ってみてもミドルシュート少なかったですし。
やっぱり相手のバイタルエリアの前で、揺さぶりながらっていうシーンが多くて。外からどう探りを入れていくかという感じが続いてしまったので。
保持はできましたけど。仕掛けっていうところは少なかったなって思いますし。
やっぱりもうちょっとミドル、打ってもいいのかなと思いますし。
そうですね、おっしゃるとおり、ミドル少なかったかなと思います。
〇PKの場面で、相手がトップ(昇格が)決まっている後藤君(後藤亘)で、どんな感じでした? 圧がすごいとか?
いや、多分。代表でもずっとやっていましたし。蹴るところとか多分知っていたと思うので。いつも蹴っているところ知っていたと思うので。
そっちに蹴るという雰囲気を出しながら、逆に蹴るっていうのは決めていたので。そこまで圧は感じなかったですね。
〇結果は悔しいものになりましたけど、3000人くらいの人が入って、その雰囲気や声援はどのように感じました?
このエンブレムをしょっている以上、ここでプレーするということは本当にあこがれですし。
誇りを持ってプレーしなければいけない場所であると思うので。
本当に高ぶりましたし。やっぱりここでやるからには勝たないといけないと思いますし。
ほんとに勝たなければいけないと思うので。ほんとに、アカデミーの自分たちの世代にこれだけ足を運んでもらえたなかで勝てなかったので。
それは本当に申し訳ないと思いますし。
その中でも声援、自分のチャント歌ってくれたり。ほんとに力になっていましたし。
ここ2試合、クラブユース決勝、今日というところで、ふがいない姿を見せてしまっているので。
次は何が何でも勝つという気持ちで、泥臭いかたちでも、どんなかたちでもいいので、勝ちを求めてやっていきたいと思います。
〇保土ケ谷から等々力になって、チーム内では「やるぞ」みたいな雰囲気になっていました?
今年の最初、等々力ないって言われていたので。それが等々力に代わって、やっぱりここでやるのはあこがれですし。
個人的にはここでスタートから出たことはなかったので。いつも以上にやってやるぞっていう気持ちはありましたし。
それをもっとプレーで見せないと、と思っています。
〇ユースの先輩の高井君がA代表デビューしましたけど、身近な存在で、それに対して、どんなモチベーションがあります?
モチベーションというよりは、素直にすごいなと思いますし。2年前一緒にやっていて。
週末にユースに帰ってきて、最初のほうはトップの練習に行って、週末にユースに帰ってくるっていう感じだったので。
試合とかでしか話すことはなかったんですけど、それでも自分がトップに行ったときには声をかけてくれましたし。
そういって一緒にやっていた選手があの舞台で、ワールドカップの最終予選の舞台で、堂々とプレーしている姿を見て、本当に「かっこいいな」と思いましたし。
あこがれの舞台なので。今はそこに到底たどり着けるとは思っていないので。
憧れの存在として、いつか一緒にピッチに立ちたいと思います。
〇三笘君とか田中碧とかとはまた違う存在なんですかね?
そうですね。やっぱり一緒にプレーした選手ですし、一緒にピッチに立った選手であるので。
身近に感じますけど、オリンピックもそうですし、その前のU-23のアジアカップでもそうですけど、ずっと見ていたので。
すごいなと思うので。刺激になっているかと言われると、憧れの存在なんですけど。
やっぱりすごいなって思っています。
〇オリンピックなどとはまた違う?
そうですね、A代表となるとすごいなと思いますし、シンプルにすごいなって思います。
◇
悔しい敗戦の仲にも、フロンターレU-18は自分たちに目を向けて、次へ向かおうとしています。
次節は、J-Village Cup U-18決勝(2-2、PK7-6)、プレミアリーグEAST第3節(〇2-1)に続いて、3度目の対戦となる前橋育英が相手。
フロンターレをよく知る相手だからこそ、それを上回ることができれば、今後のリーグ戦に向けても多くのものを得られると思います。
敗戦を受け止めて、一日一日、Anker フロンタウン生田でトレーニングを積んで、どういったものを見せるのか。とても楽しみにしています。
次節:プレミアリーグEAST第14節 vs 前橋育英
9月15日(日) 午前10時キックオフ 前橋育英高崎グラウンド
(文中敬称略)
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