好天に恵まれた20日。東戸塚で行われた関東ユース(U-13)サッカーリーグを見たあとは慶應義塾の下田グラウンドへ。この日はフロンターレU-18出身の選手も多数プレーする東京都社会人サッカーリーグ1部LB-BRB TOKYOがFC.OSSAと対戦しました。
LB-BRBは慶應義塾大学ソッカー部のOBたちのチーム慶應BRBを母体に東京大学ア式蹴球部のOBも加わって今年設立されたクラブ。ホームタウンを東京都文京区とし、2020年のJリーグ参入を目標に掲げています。
東京都社会人サッカーリーグ1部はJFLから数えて四つ目のカテゴリー。LB-BRBは8勝2敗2分けで3位。勝てば、ひとつ上のカテゴリー関東2部昇格をかけ、都県リーグの上位チームが対戦する、関東大会への出場権を得られるという状況でこの日を迎えました。
【東京都社会人サッカーリーグ1部第13節 LB-BRB TOKYO vsFC.OSSA】
9月20日(日)午後1時キックオフ 慶應義塾日吉下田グラウンド 晴れ
LB-BRBの先発はGK1神舎宏、DFは右から19岩田修平、4大和田達、3三上佳貴、5大山元輝、ボランチが10中川靖章、15黄大俊、右MF28佐藤聖、左MF7森田達見、FW14砂川優太郎、16三浦良介。神舎は筑波大学出身、関東大学サッカーリーグでは谷口彰悟と同期でレギュラーとして活躍した選手。中央出身の砂川、慶應出身の岩田も大学時代に何度もプレーしている姿を目にしたことがあり、またグラウンドで見られるのがうれしい選手。黄大俊はザスパクサツ群馬でプレーした元Jリーガー。なお、9月に入り加入した36下村東美(元セレッソ大阪など)、33長谷川太郎(元ヴァンフォーレ甲府など)はこの日はメンバー外。
フロンターレU-18出身の選手はゲームキャプテンを務める大和田(中央大学出身)と森田(慶應義塾大学出身)。11川越勇治(中央大学出身)はサブからのスタートで、23岩渕貴哉(法政大学出身)は出場せず、26山崎翔輝(専修大学出身)はメンバー外。
LB-BRBは立ち上がり、砂川のエリア外左からのフリーキック、こぼれだまを森田が拾うとエリア右角度のないところからシュート。バーをたたいてこれは決まらず。さらに左サイド森田のパスを受けた大山がエリア内へ進入するなど、攻勢に出ます。
なかなか決めきれないでいるとOSSAも反撃。左サイドで3番が一人を交わしてクロスを何度も入れるとエリア内右うまく間に入り込んだ33番が頭で合わせてゴールネットを揺らします。0-1。
追い付きたいLB-BRBは15分佐藤からボールを受けた砂川が右クロスを送ると合わせたのは黄。しかし、DFに阻まれて決まらず。さらに20分には佐藤の縦パスに抜け出した中川がGKと1対1になりますが、これも阻まれて決めることはできません。
このあとも前線で三浦がよく起点となったLB-BRBが攻め、OSSAがカウンターを狙ってくる展開。LB-BRB、29分には右から崩し最後はエリア右砂川がシュートに持ち込みますがGKが足で止めて決まらず。34分には大和田のフィードに森田が抜け出し、こぼれだまを三浦が拾って最後は正面から砂川が狙いますが枠外。
40分には森田の左クロスから三浦がゴールに迫られますがブロックされてフィニッシュにはつながらず。終了間際には森田が左サイドを突破しエリア内へ送ったボールから混戦となりますが、最後は三浦がファールをとられて0-1で前半はタイムアップとなりました。
後半は立ち上がりはOSSAがエリア右でフリーキックを得ますが、15番が直接狙ったボールはGK神舎のもとへ。
直後にはLB-BRB。エリア内へ進入した砂川が倒れますが判定はシミュレーションでイエローカードが提示されます。
5分には砂川がエリア左から仕掛けて狙いますがシュートは右へ。
一方のOSSAは再びセットプレーから。左サイドで得たフリーキックをエリア内へ送ると14番がこれに合わせますが枠外。しかし、フリーにさせすぎたことにLB-BRBのベンチから注意の声が飛びます。
ここをしのいだLB-BRBは再び攻勢に。右サイドから崩していくと、ニアで合わせた中川のシュートは枠をとらえます。これは粘り強く守っていたOSSAの選手たちも防げず、1-1。LB-BRB、同点に。
しかし、それもつかの間OSSAも反撃。19分ボールを奪ったところからエリア右から3番がシュートに。ここは大和田がブロックして枠へは飛ばさせず。好守を見せます。
22分にLB-BRBは佐藤に代わって8川田悠介が右MFに。さらに三浦が右足を痛めるアクシデントがあり、川越が入り、右MF川越、FW砂川、その下に川田とポジションをチェンジ。
起点となった三浦の負傷は想定外であったろう苦しい時間帯となったLB-BRB。30分、しかし、ゴールが生まれます。砂川が左コーナーキックを得ると合わせたのは大山。ゴールネットをボールが揺らして2-1。ついにリード。
さらに攻勢に出るLB-BRBは34分にも砂川が右コーナーキック。これに岩田が合わせますがボールは左へ。直後にはOSSAの14番が2枚目のイエローカードを受けて退場、10人に。
数的有利となったところをいかしたいLB-BRB。42分にはカウンター、森田がセンターサークル付近からドリブルで仕掛けてシュートに持ち込みますが、これはGKの正面。
ロスタイムにはLB-BRB、岩田に代わり32並木凌介。
負傷者もでたため、やや長くなったロスタイムを乗りきってLB-BRBは関東大会出場を決めました。
前半0-1 後半2-0 計2-1
得点:中川靖章、大山元輝(LB-BRB)33番(OSSA)
LB-BRBの先発:1神舎宏 19岩田修平 4大和田達=cap 3三上佳貴 5大山元輝 15黄大俊 10中川靖章 28佐藤聖 7森田達見 14砂川優太郎 16三浦良介
交代:佐藤→8川田悠介 三浦→11川越勇治 岩田→32並木凌介
フル出場の森田は左にはるだけではなく、佐藤らとポジションチェンジをしていろんな場所に顔をだし、守備でもよく貢献。最終ラインの大和田は1対1の守備だけではなく、フィードを積極的に送って攻撃の起点に。川越も短い時間ながら右から積極的に仕掛けてなかなかの存在感。それぞれLB-BRBで足場を固めているという印象を受けました。
現在Jリーグで戦うクラブをみると最近まで下のカテゴリーで上を目指していた、というチームも多く名前を連ねています。10年前の関東大会で優勝し関東リーグに上がったのはFC町田ゼルビアでした。
一人のサポーターがこの日のピッチの脇で声を出して選手たちを励まし続けて、試合後には勝利を分かち合う人たちもいたLB-BRB。いつか目標をかなえる日が来たときに、その最初の入り口へ入ることを決めた試合で、フロンターレU-18出身の選手もピッチに立っていた、と振り返ることができたらいいな、と思いました。
(文中敬称略)
This work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License.