9月25日、川崎フロンターレが等々力に横浜F・マリノスを迎える神奈川ダービーを前に、横浜FC東戸塚フットボールパークへ。フロンターレU-18出身の選手が多く在籍するLB-BRB TOKYOが関東サッカーリーグ2部の最終戦、後期9節に臨みました。
LB-BRBはかつて天皇杯を制したこともある慶應BRBや東大LBを母体に東京23区内を拠点に将来はJリーグへの加盟を目指しているチーム。JFLの下のカテゴリーにあたる関東サッカーリーグは1部と2部に分かれており、首位のLB-BRBは前節の勝利で11勝2分け4敗とし、すでに1部への昇格の条件となる2位以内が確定。2位の神奈川教員との勝ち点差は3であるものの得失点差の関係から敗れてもほとんど優勝も確実の状況でこの日を迎えました。
【関東サッカーリーグ2部後期9節 LB-BRB TOKYOvsエスペランサSC】
9月25日(日)午前11時キックオフ 晴れ 横浜FC東戸塚フットボールパーク
LB-BRBの先発はGK51奥山陸、DFは右から28香西克哉、4大和田達、3三上佳貴、25黄大城、ボランチは14卞栄将、キャプテン6黄大俊、右MF11川越優治、左MF20野村良平、FWは29森田達見、10砂川優太郎。奥山(専修大→前JFLヴァンラーレ八戸)、大和田(中央大出身)、川越(中央大出身)、森田(慶應義塾大出身)とフロンターレU-18出身の選手が4人名前をつらねました。
一方のエスペランサSCは、フロンターレU-18やU-15が日本クラブユース選手権の予選などで対戦する機会の多いユースやジュニアユースのトップチーム。先発はGK90鈴木悠生、DFは右から88鈴木心、35柿崎翔太、33玉川由、20野中桂輔、ボランチはキャプテン8オルテガ・レオナルド・アグスティン、47江川真矢、右MF4藤原裕太、左MF7北野智貴、トップ下10井上瑞希、FW50古川頌久。12ゴールで関東2部得点ランクトップに立つ古川は2011年の一時期フロンターレU-18に在籍、当時中学三年だった三好康児らとともにプリンスリーグなどの公式戦にも出場。その後はウルグアイやJ3のカターレ富山でプレーした選手。
よく晴れて夏の暑さが戻ってきた東戸塚フットボールパーク。前半は前線の古川の高さを活かして攻勢に出るエスペランサに対して、LB-BRBは野中、黄大城、川越、香西の両サイドから攻めを試みるもののエスペランサが1対1で警告をいとわないような激しさを見せてきたこともあり、なかなか前へ運ぶことはできず。
エスペランサの攻めに対しては大和田や三上がよく守り、決定機はつくらせないものの、シュートにはなかなか持ち込めないまま、25分には給水タイムに。「全員で全員で」「集中して」声を掛け合って再びピッチへ戻ります。
30分にはエリア左で砂川が倒されてフリーキックを得ると、砂川のボールにファーで黄大城が合わせますが左に。枠はとらえられず。36分にはエスペランサも鈴木心の右クロスにフリーで井上が頭で合わせますがシュートは奥山の正面に。
37分にはLB-BRBも香西からボールを受けた川越が右から仕掛けていきますがエスペランサの守備に阻まれてエリア内へは入れず。
42分にはエスペランサが鈴木心が右からクロスを上げるとエリア内、古川が飛び込みますが奥山がパンチングで防ぎ、さらに副審が旗を上げてオフサイドの判定。前半は0-0でタイムアップとなります。
後半はともにメンバーの交代はなくキックオフ。前半と比べるとややつなぐ場面が増えてきたエスペランサに対して、LB-BRBは川越の仕掛けや砂川が前でうまくボールを納めて森田らがよく絡んでゴールへ迫っていきます。2分には黄大城がボールを奪って右に展開。川越がエリア右から仕掛けてシュートを打つも枠はとらえられず。エスペランサもセットプレーから狙いますがLB-BRBの選手たちも必死のブロック。
7分にはコーナーキックの競り合いのなかで接触があり両チームの選手が少しヒートアップしたもののキャプテンの黄大俊とオルテガ・レオナルド・アグスティンが握手をかわしてその場をおさめる場面も。
13分にはエスペランサ、古川のポストプレーから右へ展開、井上がフリーで受けてエリア内へ迫るも足を芝にとられたのか転倒、決定機には持ち込めず。14分にはエスペランサ、藤原に代え、66アルブル・クマゾノ・ディエゴ・レナトが右MFに。
直後にはLB-BRB、川越が仕掛けたところから野村がシュートを打つもワンタッチあり右へ。次第にゴールへ迫っていくと、18分川越を起点に右サイドを香西がかけ上がってクロスをエリア内へ。それを受けてゴールネットを揺らしたのは森田。1-0。森田はこれが3試合連続の得点。一目散にピッチ脇の選手たちのもとへ。優勝へさらに近づくゴールに歓喜の輪ができあがります。
しかし、23分にはエスペランサ、北野がエリア正面からミドルシュートを放つと、これがゴールネットを豪快に揺らして1-1、同点に。
28分にはLB-BRBが野村に代わり23川田悠介、エスペランサは江川に代わり5オルテガ・ホルヘ・グスタボ。31分には古川がエリア右からシュートを打つもLB-BRBの選手たちの寄せもあってボールはサイドネットに。エスペランサはキープ力のあるオルテガ・ホルヘ・グスタボを起点に攻勢に。LB-BRBは卞が「マイボールの時間帯を増やそう。サイドを起点に」。声をかけていきます。
35分にはLB-BRB、川越からボールを受けた砂川がエリア右、シュートを放つもワンタッチあり、コーナーキックに。こぼれ球を拾って森田がミドルシュートを打ちますがこれも阻まれて決めることはできず。攻守の入れ替わりが激しくなり、エスペランサもリスタートから鈴木心が右からクロス性のシュートを打つもバーを叩いて決まらず。
39分にはカウンターから数的優位となったLB-BRB、森田のスルーパスに川田が抜け出して折り返すもGK鈴木悠生に阻まれて決めることはできず。41分には森田が下がり16三浦良介。
LB-BRBは砂川のミドルシュートや川田がエリア内へ迫るなどして攻勢に。エスペランサも柿崎のロングスローのこぼれ球を拾ったオルテガ・レオナルド・アグスティンのシュートなどからゴールをおびやかすもののともに決めることはできず。試合は1-1でタイムアップ。この結果、勝利こそならなかったもののLB-BRBは優勝が確定。ほぼ1年前に関東大会出場を決め、その後昇格を果たしたチームは2部での栄冠を勝ち取ることになりました。
試合後にはずっとチャントを歌ったり、手拍子を叩いたり時にはファールに怒りの声を上げたりもしたサポーターとともに喜びを分かち合った選手たち。まだまだクラブの規模は小さいかもしれませんが幸せな景色がそこにはひろがっていました。何年かのちに、LB-BRBがカテゴリーをさらに上げ目標に近づいたときに、フロンターレのアカデミーで育った4人の選手がそれぞれ奮闘したこの試合のことを振り返ることができたらいいな、と思います。
前半0-0 後半1-1 計1-1
得点:森田達見(LB-BRB TOKYO) 北野智貴(エスペランサSC)
LB-BRBの先発:51奥山陸、28香西克哉、4大和田達、3三上佳貴、25黄大城、14卞栄将、6黄大俊=cap、11川越優治、20野村良平、29森田達見、10砂川優太郎
交代:野村→23川田悠介 森田→16三浦良介
エスペランサSCの先発:90鈴木悠生、88鈴木心、35柿崎翔太、33玉川由、20野中桂輔、8オルテガ・レオナルド・アグスティン=cap、47江川真矢、4藤原裕太、7北野智貴、10井上瑞希、50古川頌久
交代:藤原→66アルブル・クマゾノ・ディエゴ・レナト 江川→5オルテガ・ホルヘ・グスタボ
(文中敬称略)
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