前週のグループリーグ2ndラウンド最終戦で長野パルセイロU-18を下し、決勝トーナメントへ駒を進めた川崎フロンターレU-18は、準々決勝で清水エスパルスユースとの対戦になりました。
【Jユースカップ 準々決勝 川崎フロンターレU-18 vs 清水エスパルスユース】
11月3日(日) 10:40 キックオフ Jヴィレッジスタジアム 晴 110人
川崎フロンターレの先発は、GK19 井澤明己、最終ラインは右から24 柏村涼太(c)、31 山川陽平、29 藤田明日翔、20 藤井漣祐、ボランチは23 楠田遥希、34 小川尋斗、右MF26 新堀翔、左MF25 平内一聖、中央に38 奥田悠真、FWは1トップで27 ステンパールカ大翔。
対する清水エスパルスの先発は、GK16 大石息楓、DF2 平誠太朗、DF24 安本桜亮、DF4 皆見宏樹、DF26 齋藤諒、MF17 市川幸優、MF29 増田奏萌、MF23 望月蒼太、MF25 鈴木晴智、2トップにFW32 佐藤利仁、FW30 佐藤陽斗。2013〜2015年に川崎フロンターレで活躍した山本真希コーチが指揮をとります。
舞台となったJヴィレッジは、春先のJヴィレッジカップでここ2年で連覇を成し遂げている縁起のよい場所。すっきりとした青空、少し冷たい風が吹く秋晴れの中、駆けつけた家族やサポーターの見守るなか、川崎のキックオフで試合開始。
序盤からペースを握ったのは川崎。3分、左サイドで20 藤井漣祐からのパスに抜け出した38 奥田悠真から右サイドの25 平内一聖へ。平内のクロスはDFに触られますが、こぼれ球に走り込んだのは23 楠田遥希。ダイレクトでミドルシュートを放ちますがこれは枠外へ。最初のチャンスをものにすることはできません。
しかし立て続けに川崎。26 新堀翔のインターセプトから再び左サイドの平内へ。平内はクロスを上げますが、これは清水GK16 大石息楓が難なくキャッチ。
清水は5分、右サイド2 平誠太朗からのスルーパスに23 望月蒼太が走りますが、合わず。
6分には川崎。右サイドで再びインターセプトした新堀からオーバーラップしてきた24 柏村涼太へ。柏村がクロスをあげますが、これはDFにブロックされCKに。柏村のCKは清水DFにブロックされますが、こぼれ球に反応した藤井がシュートを放つも、これはバーの上へ。
更に7分、清水のDFの乱れを見逃さずボールを奪った平内がペナルティエリア内からシュート。これは惜しくも右ポストに阻まれ、先制点とはなりません。
その後も9分には27 ステンパールカ大翔、12分には26 新堀翔、15分には29 藤田明日翔とシュートを放ちますが、いずれも清水の粘り強い守備にあい、ゴールを割ることはできず。
すると18分、チャンスは清水に。右サイドから望月と32 佐藤利仁のパス交換で仕掛けられ、CKを与えると、キッカーは25 鈴木晴智。中央へ際どいボールが入りますが、ここは川崎GK19 井澤明己が高さを活かしたパンチングで難を逃れます。
22分には川崎。楠田から奥田、34 小川尋斗とつなぎ、清水DFを崩して新堀がシュートを放ちますが、これは惜しくもゴール左へ。なかなかゴールを割れない中でも、楠田・小川のダブルボランチが相手のチャンスの芽をつぶし、セカンドボールを回収することで、連続した攻撃につなげていきます。
そして26分、中盤右サイド深い位置から柏村が放った逆サイドへのロングクロスは、清水GK大石のわずか上を通過してファーサイドの平内へ。平内は伸ばしきった身体でなんとか頭にあて、ループ気味にヘディングシュート。これがネットを揺らし、待望の先制点は川崎へ。攻め続けてようやく手にしたゴールに、選手たちからは喜びと安堵の表情が伺えます。
清水は27分に佐藤利仁がカウンターを仕掛けるも、藤田が身体をあてうまく対処。新堀のインターセプトも続くなど、流れを清水に渡しません。
川崎は29分、ステンパー、奥田がゴール前で崩したところ、こぼれ球を柏村がシュート。しかしこれはゴール上に。
32分には清水。右サイドの仕掛けから望月がクロスをあげますが、これはラインを割ってチャンスとはなりません。
35分、川崎は左CKを得てショートコーナーを選択しますが、クロスが清水DFに弾かれたところから清水のカウンター。平からフリーの4 皆見宏樹へと渡り、少し距離のある川崎GK井澤と1対1になりますが、ここは井澤が値千金のシュートストップ。得点を許しません。
直後、川崎は守備の連携ミスがからボールを奪われ、インターセプトした佐藤利仁にミドルシュートを放たれますが、これはわずかにバーの上へ。紙一重で事なきを得ます。
42分にも清水。距離のあるFKにペナルティエリア内で合わせたのは皆見。しかしこれは枠を捉えません。更に44分、佐藤利仁と望月のパス交換から中央の佐藤陽斗へつながりかけますが、ここは柏村がなんとか対応。得点を許しません。
ここで前半が終了。序盤攻め続けた末に先制点を手にした川崎ですが、終盤は清水に押し込まれる場面も見られました。
後半は両チームとも選手交代なくキックオフ。
開始早々、チャンスを掴んだのは川崎。2分、柏村の左足でのクロスは左にそれます。立て続けに、藤井からのロングボールに平内が抜け出し、切り替えしてクロス。しかしこれは味方には合わず。続けて9分には31 山川陽平のロングボールに再び平内が抜け出すも、清水DFにブロックされCKとなります。この右CKは柏村から中央でステンパーが頭で合わせますがこぼれ、そこに楠田が詰めますが、清水GK大石がキャッチ。得点とはなりません。
13分にもフロンターレ。右サイドでボールを受けた小川から新堀、平内とつなぎ、最後は奥田が中央でボールを受け仕掛けますが、これは清水DFがいい対応でCKに逃れます。このCK、柏村はファーサイドを狙うもボールはこぼれ、それを拾った藤井から平内とつなぎ、中央のステンパーへ。ステンパーは狭いコースを狙ってシュートを放ちますが、ここは清水DFがブロック。跳ね返りを拾った藤井がゴール目前でDFをかわしてシュートするも、清水GK大石が身体を張ってブロック。得点とはなりません。
するとその跳ね返りからカウンターを仕掛けた清水。中盤でボールを受けた佐藤陽斗から右サイドに抜け出した望月へ。望月はペナルティエリア内右からシュートを放ちますが、こちらは川崎GK井澤がセーブ。CKに逃れます。キッカーは25 鈴木晴智。中央へ鋭く蹴り込まれたボールに走り込んだのは17 市川幸優。頭で合わせ、ゴール。清水が試合を振り出しに戻します。試合後のインタビューで連携ミスと井澤が語った通り、守備の乱れがあり同点ゴールを許してしまいました。
追いつかれた川崎は18分、右サイドに流れたステンパーのフリックから奥田へとつなぎ、中央へ寄せてきた藤井から更に左サイドの平内へ。平内はインサイドへ切り返しますが、ここは清水DFに対応されCKに。左からのCK、新堀は誰もいないニアサイドへとボールを蹴り込むと、素早く走り込んだのはステンパー。頭でわずかにコースを変え、ゴール。同点に追いつかれた嫌な流れを断ち切るように、すぐさま清水を突き放します。
清水はここで最初の選手交代。平、佐藤陽斗に代えて12 岡村直紀、34 末吉琉人を投入します。
ここから両チーム大きな展開がない中、川崎も選手交代へ。ステンパーに代わって39 廣瀬寧生を投入。追加点を狙っていきます。
すると29分、清水のCKの崩れから奥田が中盤を持ち上がると、投入された廣瀬へつなぎますが、ブロックにあいカウンターとはならず。33分にも川崎。中盤でインターセプトした新堀が持ち上がり、ペナルティエリア外からシュートを放ちますが、これはゴール右へ。立て続けに36分、中盤で楠田がボールを刈り取ると、左の平内へ。平内は少ないタッチで更に前に走り込んだ藤井へつなぐと、藤井は角度のないところからシュートを放ちますが、これは清水DFにブロックされます。
清水は37分、45分に26 齋藤諒に代えて27 足木奏心、鈴木に代えて35 仲村南星、川崎は40分、奥田に代えて35 木下勝正をそれぞれ投入。
提示されたアディショナルタイムは3分。
47分、左サイドでFKを得た清水は末吉のファーサイドへのボールに佐藤利仁が頭で合わせるも、川崎守備陣が身体を張ってCKに逃れます。
川崎は最後の交代。新堀、平内に代わって30 菊池京、22 ペイシェンス海翔。
左から末吉のCKは中央で川崎DFが先に触りますが、こぼれ球に反応したのは清水足木。右足を振り抜きますが、シュートはゴール上にそれ、ここで試合終了。
主導権を握りながらも、粘り強い清水の守備にゴールを割れなかった序盤。先制点をあげるも、盛り返され、更には同点を許してしまった中盤。しかしそこからギアを上げ、勝ち越した終盤。苦しい中でも勝ちきった川崎フロンターレU-18。2024/11/09(土)10:40 AGFフィールド(味の素スタジアム西競技場)にて開催される東京ヴェルディユースとの準決勝へ駒を進めました。
試合後、先制点をあげた平内一聖選手、GK井澤明己選手、指揮を務めた佐原秀樹コーチに話を伺いました。
◯ 平内一聖選手
― お疲れさまでした。試合を振り返っていただけますか
自分が前半の最初のチャンスを決めていれば、もっと楽な試合だったのかなと思うので、そこをまずは決められるようにしていきたいなと思います。
― 得点シーンはについては
練習のときから、ああいうトレーニング(ヘディング)を積んできたっていうのが、試合に出たのかなと思います。ありがとうございます。
― ハーフタイムに掛けられたことなどありましたか?
苦しくなってきて、押されるなっていうのはあったんですけど、やっぱりそこで1人1人が協力して、チームのコンセプトというか、球際だったり、 戦うっていう部分を最後まで切らさなかったから勝てたのかなと思います。
― 準決勝に向けての意気込みをお願いします
次も自分がゴールを決めて勝てるように、この1週間練習を頑張りたいです。ありがとうございました!
◯ 井澤明己選手
― お疲れさまでした。試合を振り返っていただけますか
2年生の中でも、主力の林(駿佑)や恩田(裕太郎)がいない中で、残ってるメンバーだけでしっかりと勝ち切れたっていうことがやっぱり1番大きい試合だったかなと。
― 試合の中で流れが大きく変わっていきましたが、GKの心理としてはどうでしたか?
攻めてる時は、やっぱりもちろん点取ってほしいっていう気持ちは大きいんですけど、そこで自分がああいうコーナーキックみたいなので、イージーなミスから失点してしまうと、チームとしても 雰囲気が下がってしまうので、悔やまれるところではあります。
― 決定的なシュートストップがいくつかありました
浦上GKコーチと、よく練習後にそういう1対1といった個人練習もしてるので、そういうところが生きています。最近は自分の中で自信を持ってやれてる部分なので、そこまでやばいみたいな感じはあんまりなかったです。
― 準決勝への意気込みを聞かせてください
1つ1つ勝っていくしかないと思ってるので。夏(クラブユース選手権。川崎は決勝で敗れ、準優勝だった)は取れなかったですけど、1、2年で全国とって、いい報告ができたらなって思います。
― サポーターにひとことお願いします
遠いところまで応援に来てくれてありがとうございました! 次はいっぱい来てくれるようなところ(東京開催)で、もっと自分たちのいいプレーを出せたらなって思います。
◯ 佐原秀樹コーチ
― お疲れさまでした。今日の試合を振り返っていただけますか
自分たちがやろうとしてるところ、守備のところだったりとか、あとは攻撃的な部分っていうところは、前半から見せれた試合だったのかなと。
― 試合を通して攻守の流れが大きく動く展開でした。ハーフタイムに選手に伝えたことなどはありますか?
前半の入りから、 流れ含めて内容は悪くないし、ちょっと最後に押し込まれたけれど、素晴らしいゲームしてるということは選手に伝えた上で、やっぱ点取るところも、質にこだわっていこうということはハーフタイムで話をしました。
― 次の準決勝へ向けて、意気込みをお聞かせください
2位が続いてる状況があったりするので、とにかくチャレンジャー精神で、もう1個勝ち切ってファイナル行きたいなって思っています。
― 今日もサポーターの声援がありました。コメントいただけるでしょうか
僕、サポーターの中に知り合いがすごく多いので、どこ泊まったの? 前乗りでコンディションはバッチリだよ!なんて話をしながら(笑)。いつも遠くまで足運んでいただいて、常にありがたいなと感じています。彼らの声っていうのは、すごく勇気もらえるんですよね。次も頑張ります!
前半1-0 後半1-1 計2-1
得点:平内一聖、ステンパールカ大翔(フロンターレ)、市川幸優(エスパルス)
川崎の先発:19井澤明己、24柏村涼太、31山川陽平、29藤田明日翔、20藤井漣祐、23楠田遥希、34小川尋斗、26新堀翔、25平内一聖、38奥田悠真、27ステンパールカ大翔
交代:ステンパー→39廣瀬寧生、奥田→35木下勝正、新堀→30菊池京、平内→22ペイシェンス海翔
控え:33岡本栞汰、32長崎亘祐、36小川翔太
清水の先発:16大石息楓、2平誠太朗、24安本桜亮、4皆見宏樹、26齋藤諒、17市川幸優、29増田奏萌、23望月蒼太、25鈴木晴智、32佐藤利仁、30佐藤陽斗
交代:平→12岡村直紀、佐藤陽斗→34末吉琉人、齋藤→27足木奏心、鈴木→35仲村南星
控え:1柴﨑海翔、33島田晴、28清水惺羽
(文中敬称略)
写真はまゆげカワウソさんに撮影いただきました。いつもありがとうございます!
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