7月23日敷島公園補助陸上競技場で行われた日本クラブユース選手権グループステージ第2節、ファジアーノ岡山U-18に2-0で勝利した川崎フロンターレU-18。
試合後に森勇介監督、2ゴールを決めた恩田裕太郎に話を聞きました。
試合の記事は◇フロンターレU18 – ファジアーノ岡山U18 / 日本クラブユース選手権グループステージ第2節
「切り替えのところだったり。最後のところ、体張るだったり。やっぱりこれは見ていて、『心動くな』ってシーンがやっと出てきた。外に出ていたメンバーも、『この中でやりたい』と思ってくれたと思う」
森勇介監督

〇試合開始3分で中断になるアクシデントもありましたけど、試合を振り返ってみていかがですか?
もう勝たなきゃ終わりなのは分かっていたし。1-0で勝っても次はないなって思っていて、「前半から1点、2点は取りたい」っていう話はしていて。
その中で自分たちの良さ。グラウンド関係なしにつなごうと。後ろからしっかりにぎっていこうということは強く言いました。
〇昨日の反省も踏まえてということもあったと思うんですけど、短い時間の中でどういった落とし込みをしてきました?
守備と攻撃でポジショニングを少し変化させて。岡山さんの昨日の映像を見て、「こういうところが空いてくるよ」っていうので、「ちょっとずれをつくっていきながら行こう」っていうのは、映像では見せていないですけど、ボードではしっかり。そこをうまく突いていってくれたかなと思います。
〇印象的だったのは森さんの試合前の言葉で、「70分間走りきれるだろ、おまえら」みたいな。それがすごく響いていたのかなという感じがしたんですけど。
いや、でも、この子たちは響かない代なので。でも変えていってあげないといけないですし。技術的なものはすごくいいものを持っているけど。
どうしても、ここ(心の部分)が邪魔をしている部分があるから。
そこをせっかく俺がやるんだったら、嫌われてもいいからそこはやりたいなって常々思っていて。
今年ようやく、今日ちょっと、実が結ばれたかなって感じですかね。
〇前橋育英戦とか見たんですけど、なかなか響かせるのは難しいのかな、と。
難しいですね。
けが人も多いというのもあったんですけど。
すごく1、2年生、3年生もそうですけど。今まで出ていないメンバーを、一所懸命トレーニングやっているメンバーを使って良かったなって改めて思いました。
〇0-0で前半は行って、あっち(ベガルタ仙台ユース vs V・ファーレン長崎U-18、1-0でベガルタが勝利)の結果は?
まったく気にしていないです。
〇スタッフも知らずに?
知らないです。
〇後半、恩田君が2点を取ってくれて。エースの仕事だったなって思うんですけど。
やっぱり彼もまだメンタルが弱い部分が。今日はいい日だったんですけど。これがどれだけできるか。
去年は先輩に引っ張っていってもらったなかで、気持ちよくサッカーをやっていたけど。
今年は自分がうまく行かなくても、引っ張る番なのに。そこがまだまだ足りないけど。
今日は、うまくおだてながらやってくれたかなっていう感じですかね。
これを最低限のベースにしてほしいと思います。
〇1点だけじゃなくてもう1点取れたことがチームとしてすごく大きかったですよね。
まあ、欲をいえば3点目取りたかったですけど。3点目、4点目取りたかったですけど。でも、漣祐(藤井漣祐)が外したのは自分が持っていった結果だったので。
そこは誰も責めれない。すごく戦ってくれているし。あれはしょうがないかなって。
次の試合でもっと点を取ってくれればいいかなって思います。
〇昨日はきっかけが欲しいということを言っていましたけど、何かこれからのきっかけになりそうな試合なのかな、と思いました。
まあ、ちょっと思ったようにボールを動かせていないし。少々不細工なんですけど。
でもやっぱり切り替えのところだったり。最後のところ、体張るだったり。やっぱりこれは見ていて、こっちも「心動くな」ってシーンがやっと出てきたので。
あとは技術をのっけていくのは簡単なので。
やっぱりそこ、心動かせるのが、時間がかかったので。これで外に出ていたメンバーも、「この中でやりたい」と思ってくれたと思うし。
それはいいきっかけになったかなと思います。
〇勝ったとはいえ、次の試合、たくさん点を取って勝つことが必要になると思いますけど。
はい。他力本願で。
〇それに向けてはどういったことをしていきます?
まずは岡山さんに最小限で勝ってもらうことと、うちがやっぱり5点、6点取れるように。
ちょっと明日休息日で、出ていないメンバー中心になりますけど。
最後に長崎戦に持っていけるように頑張りたいと思います。
〇試合時間がいつ始まるかわからない。そのへんは去年の経験も選手にはあると思うんですけど。森さんは初めて、というか。
でも、選手時代も全然ありましたし。逆にうずうずさせて、それをいざ、やれるよとなったときに、喜びを爆発させるぐらいのイメージだったと思うので。
そんなに焦りはなかったし。よくやってくれたと思います。
〇フロンターレのサポーターの方にメッセージをお願いします。
本当にもっともっといいゲームだったり熱いゲームをしたいと思いますので。また今日、いいきっかけになったと思うので、また次の長崎戦勝てるように頑張りますので。
また、ぜひ応援よろしくお願いします。
「もっと。もっともっと点を決めて、絶対グループリーグ突破して、
決勝トーナメントにつなげたいなと思います」
FW9 恩田裕太郎

〇昨日の試合があって、「さあ行くぞ!」という状況の中で、雷が鳴ってしまって、メンタル的に難しい状況だったと思うんですけど、改めて、どうでした?
そうですね。前節、負けというところで、去年と一緒の結果になって、今日も群馬ですし。
これ、勝たないといけないですし。去年勝てたので、ここで絶対勝てれば次の試合も勝てると思うので。「この試合が大事だ」と思ったので。
雷が鳴って、中断しましたけど、みんな、集中力切らさず、いいゲームができたと思います。
〇去年の経験があったから、試合がいつ始まるか分からない、試合時間が短くなるかもしれないというシチュエーションにも対応できたのかなと思うんだけど。
そうですね。去年も15分で4点決めたので。(グループステージ第3節、サガン鳥栖U-18戦、〇4-0)
自分たちができるっていうのは1回経験しているので。去年の部分はけっこう大きい部分だったと思っています。
〇森さんの言葉、「70分しかないし行くぞ!」というような言葉、けっこう響くものもあったんじゃないかなと思うんだけど。
そうですね。試合前も言っていただきましたし。
自分たちもやらなきゃいけないっていう雰囲気が出ていたので。その雰囲気が試合に前面に出て、良かったかなと思います。
〇前半は0-0で終わって、チャンスもある中で0-0で終わったことに焦りみたいなものはあった?
自分のなかではけっこう焦っていて。前節も自分、何もできていないですし。
個人としてはすごく焦っていました。
〇気持ち的にはどういうふうに立て直して後半に入ろうと思いました?
クラブユースは自分の中で、得意なほうだと思っているので。1点決めちゃえば、2点、3点、自分の中で波に乗れると思うので。
その1点をどれだけ早く決められるかを考えて入りました。
その1点を大事にしました。
〇PKを振り返って。
ちょっとボールタッチ、ボールが離れちゃったんですけど。そのあと自分でボールを追って、それが相手の足にかかって。いい感じで倒れることができたので。
あとは決めることに集中をして、決められたのが良かったです。
〇2点目もこぼれ球にしっかり反応して、というゴールでしたけど。
取られたあとのことは森さんからも言われていましたし、取られた後に自分がどれだけボールを追えるかということ、切り替えの部分を大事にしていたので。
それが出たゴールかなと思います。
〇この試合、1点で終わったんじゃなくて2点で終えられたことが大きかったんじゃないかと思うんだけど。もちろんもう1点欲しかったとは思うんだけど。
そうですね。2点取れたのは良かったですけど。漣祐も決められたし、自分もきめられたところがあったので。もっと2点、3点、決められたかなと思います。
チームとしては悔しい結果でした。
〇あのPKは蹴りに行こうというのはなかった?
いや、自分も蹴りたかったですけど。漣祐が取ったので。漣祐はPKもうまいので。漣祐に任せようと思いました。
〇公式戦で久しぶりのゴールだったと思うんですけど、欲しかったゴールだったんじゃないですか?
そうですね。青森戦もメンバーから外れて、とても悔しい思いをしたので。その中でクラブユース、昨日も先発出場させてもらって。
結果を残さなきゃ、コーチたちを見返せないですし。自分も「このままじゃだめだ」と思っていたので。
今日しっかり2点決められたので、良かったかなと思うんですけど。
まだまだ決められるところがあったと思うので。
もっと決めていきたいと思います。
〇ゴール決めたあとに、サポーターのほうにも何かやったりしましたけど、またサポーターの前でゴールを決めることができたことに関してはどうですか?
サポーターのみなさんと喜ぶことによって、勢いも出ますし。サポーターのみなさんの応援が自分の力にもなるので。
一緒に戦っているっていう意味で、一緒に喜べたらいいな、という意味で、やりました。
〇じゃあ、次も決めて、たくさん喜べるように。
はい。そうですね。もっと。もっともっと点を決めて、絶対グループリーグ突破して、決勝トーナメントにつなげたいなと思います。
◇
攻守に、それぞれが体を張り、よく走り、球際に戦い続けたこの日のフロンターレU-18の選手たちの姿は、ずっとフロンターレのアカデミーを応援してきたサポーターはもちろんのこと、この日初めてそのプレーを見に来た人たちの心も動かすものがあったはずです。
次節は、勝利。そして、多くのゴールが求められる試合。
最後まで戦い抜いて、タイムアップの笛が鳴ったときに、フロンターレU-18は何を得るのか。
とても楽しみにしています。
(文中敬称略)
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