9月10日は麻生グラウンドへ。プリンスリーグ関東は第13節。前節、ロスタイムに伊従啓太郎のゴールで1-1とし、貴重な勝ち点1を得た川崎フロンターレU-18はこの日は山梨学院高校との対戦となりました。
4勝4分け4敗、得失点差-3で暫定5位のフロンターレに対して、山梨学院高校は1試合消化試合が少ないながらも5勝1分け5敗、得失点差-4、勝ち点では並び、暫定6位。5月にアウェーで対戦した第4節では0-3と完敗となりましたが、勝ち点をさらに伸ばして上位をうかがうためにも、ホームでは勝利を納めておきたいところ。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第13節vs山梨学院高校】
9月10日(土)午後2時キックオフ 麻生グラウンド 晴れ
フロンターレの先発はGK16早坂勇希、DFは右から14小川真輝、34高吉正真、22新井秀明、3川崎晶弘、ボランチはキャプテン10田中碧、15池谷祐輔、右MF11道本大飛、左MF8栗脇拓人、トップ下18村田聖樹、FW31上野綜太。U-16日本代表に選出され、今節からしばらく不在となる26宮代大聖に代わって上野が入り、池谷が日本クラブユース選手権準々決勝以来の先発となりました。
山梨学院はGK1大野郁哉、DFは右から12大竹悠生、39堀内貴彦、22西雅人、4池澤飛輝、ボランチはキャプテン10相田勇樹、19藤原柊平、右MF8降矢涼平、左MF7雨宮壮、FWは9加藤拓己、11藤原拓海。指導するのは2012年までフロンターレU-18を率いた安部一雄監督。
9月になり、風には秋らしさを感じさせるとはいえ、厳しい暑さのなか始まった試合。フロンターレは最終ラインに早坂が加わり、後ろから組み立てていきますが、山梨学院はラインをセンターサークル手前まで上げスペースを与えずにセカンドボールを拾ったところからサイドを突いて、フロンターレのゴールをおびやかしていきます。
4分には池澤が左からクロスを上げるとファーで加藤が飛び込みますが触れず。しかし、クロスの質も良く、加藤が触れば、という危ない場面に。難を逃れましたが、7分にも山梨学院、相田が中盤から右へパスを出すと、藤原拓海が抜け出してエリア右からシュートを放つとゴールネットを揺らされてしまいます。0-1。先制したのは山梨学院。
畳み掛ける山梨学院は直後にも左からのボールを受けた相田がエリア正面からミドルシュートを打ちますが上へ。
フロンターレは10分、小川のエリア外右からのフリーキックに田中が合わせるも左に。15分には道本のパスにエリア右、上野が抜け出すもGK大野が飛び出し、触ることはできず。
先制してからも高いボールに強さを見せる加藤を起点に、降矢らの仕掛けから山梨学院がゴールをおびやしていきますが、川崎らが1対1でしっかり対応。なかなかボールを持つことのできなかった田中や池谷もCBの間に下りて、パスを回していく場面が増えていきます。
20分も過ぎると小川や川崎が高い位置まで上がって起点となり、次第にゴールへ迫れるように。25分には左サイドから右へ展開すると、小川が右から中へ切れ込んでエリア正面から左足でシュートを放つも左に。直後にはうまくエリア外正面でボールを受けた村田がミドルシュートで狙うと、28分にはパスをリズム良くつないで左から栗脇が抜け出しますが惜しくも触れず。
山梨学院はボールを奪うとシンプルにサイドへ展開したところからさらに得点を奪いにきますが、エリア内では新井や高吉、早坂がしっかり対応。切り替えて、攻撃につなげていきます。
36分には池谷の縦パスを受けた田中がエリア左からシュートを放つもGK大野がキャッチ。40分には村田を起点に左へ展開、川崎がアーリークロスを上げると道本がエリア内頭で合わせるも右に。山梨学院は時には加藤を左サイドに下げてまずは前半は無失点に、という対応。フロンターレは得点こそ奪えなかったものの次第にリズムをつかんで前半は0-1でタイムアップとなります。
後半はフロンターレは道本に代わって6小泉靖弥が右MFに。山梨学院は藤原柊平に代えて5森田和樹が入り右SBに、大竹はボランチへ。雨宮に代わって6西野隆男が左MFに。藤原が警告を受けたこと、サイドを突かれたことを気にしてか選手を二人入れ換えてきます。
前半終了間際に、ボールに触れる機会の増えてきた田中に対し、「10番が気になります!」と安部監督に言葉をかけていた加藤が後半立ち上がりから中盤にプレスをかけてきますが、フロンターレは池谷がうまく前を向いて起点に。
8分、新井がボールを奪ったところから前へボールが出ると、上野のパスにエリア右抜け出したのは村田。右足を振り抜くとゴールネットを揺らして1-1。村田はすぐさまボールを拾い上げてセンターサークルへ。追い付いたフロンターレは勝ち越しを狙っていきます。
ここで上野に代わり17大曽根広汰が前線へ。フロンターレはいい距離感で田中と池谷がセカンドボールを拾う場面が増え、切り替えよくさらに攻勢に。
15分にはエリア正面から田中が右へパスを出し、村田が抜け出しますが、ボールはやや長いものになってしまい触ることはできず。直後には山梨学院、右から仕掛けた降矢がシュートを放つと枠をとらえますが早坂が触り、弾き出す好守。山梨学院のコーナーキックをしのいだところからカウンターへ。小泉が右サイドから仕掛けてエリア内へボールを出すも栗脇は惜しくも触れず。しかし、フロンターレはこの小泉が右サイドの裏をうまく突き、さらに押し込んでいきます。
17分には山梨学院もカウンターから左へボールが出ると藤原拓海が抜け出しますが、池谷が戻って足をうまく入れて遅らせて、決定的な場面とはさせず。左サイドからのフリーキック、エリア外左からシュートを打つも村田がブロック。
22分にはフロンターレ、田中のうき球にエリア内抜け出した村田がうまくボールを納めて1対1に。シュートを打つも山梨学院のGK大野が好セーブ。さらに右からのボール、エリア内、大曽根がシュートを打つも上へ。
暑さのためとられた給水タイム。いい時間帯の続いたフロンターレは小川らが「ここで切らすな!」と声をかけてピッチへ。山梨学院もコーチ陣が「死ぬ気でやれ!」。選手を鼓舞して送り出します。
給水タイム明け、最初にゴールへ迫ったのはフロンターレ、中盤から右へボールが出ると、抜け出したのは小泉、右から仕掛けてエリア内へボールを送るとこれを受けたのは大曽根、エリア内右、シュートを決めて2-1。後半から出場の二人がかかわる見事な形でフロンターレが逆転。大曽根はピッチ脇の選手たちのもとへ走っていき、一緒に喜びを分かち合います。
守りに入ることなくフロンターレはさらに攻勢に。30分にはコーナーキックのこぼれ球を拾ったところから小泉がエリア内シュートを打つもGK大野の正面。34分には再び小泉、右からドリブルで仕掛けてエリア内へボールを送るも誰も触ることはできず。36分には川崎とのパス交換から田中がエリア前へ。シュートを打つも大野が対応。
39分にはフロンターレ、栗脇に代わり28山田新が入りFW、大曽根が左MFに。山梨学院は西野に代えて33谷川翔大が入り左MF。前線に堀内を上げてパワープレーに。しかし、高いボールに対しては新井がしっかり跳ね返し、田中や池谷がボールをうまく拾って、さらに攻撃につなげていきます。41分には山田が右サイドからボールを入れると村田がエリア内シュートを打つも大野がまたもや好守で追加点とはならず。
ロスタイムは4分、フロンターレは高いボールにしっかり対応しつつも、距離感よく、最後まで切り替えよく、前へボールを出していくと、48分には右の裏を小泉が突き山梨学院の選手をかわし、エリア内へボールを送ると山田がゴールネットを揺らして3-1。山田は公式戦初めてのゴール。試合はまもなくタイムアップ。立ち上がりのうまくいかなかった時間にも焦れることのなかったフロンターレ、見事な逆転勝利でついに5勝4分け4敗。白星が先行することになりました。
先発した選手だけではなく、前節の伊従に続いて、小泉や大曽根、山田と交代で出場した選手が数字にも残る形で挙げたこの勝利は今後にもつながりそうなものになるのではないでしょうか。
前半0-1 後半3-0 計3-1
得点:村田聖樹、大曽根広汰、山田新(川崎) 藤原拓海(山梨学院)
フロンターレの先発:16早坂勇希、14小川真輝、34高吉正真、22新井秀明、3川崎晶弘、10田中碧=cap、15池谷祐輔、11道本大飛、8栗脇拓人、18村田聖樹、31上野綜太
交代:道本→6小泉靖弥 上野→17大曽根広汰 栗脇→28山田新
控え:21浅川将輝 2横山尚貴 4伊従啓太郎 7桝谷岳良 23デューク・カルロス 29横田大祐
山梨学院の先発:1大野郁哉、12大竹悠生、39堀内貴彦、22西雅人、4池澤飛輝、10相田勇樹=cap、19藤原柊平、8降矢涼平、7雨宮壮、9加藤拓己、11藤原拓海
交代:藤原柊平→5森田和樹 雨宮→6西野隆男 西野→33谷川翔大
次節のプリンスリーグ関東第14節は9月18日午後2時、保土ヶ谷公園サッカー場にて桐光学園高校との対戦となります。
(文中敬称略)
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