川崎フロンターレU-12が大阪市ジュネッスFCとの決勝戦をPK戦の末に制し、全日本U-12サッカー選手権大会で初優勝を飾った12月29日は、東京経済大武蔵村山キャンパスのサッカーグラウンドへ。
大学やJクラブのユースなど、40チームが出場する東京ユースマクロンカップが26日から行われており、この日が最終日。川崎フロンターレU-18出身の新井秀明、フロンターレU-15、星稜高校出身の高岸憲伸、フロンターレU-15、佐野日大出身の高橋真の3選手が所属する中央大の1年生チームが、東京経済大との5位-7位決定戦に臨みました。
【東京ユースマクロンカップ5位-7位決定戦 中央大 vs 東京経済大】
12月29日(土)午前10時56分キックオフ 東京経済大武蔵村山キャンパスサッカーグラウンド 晴れ 30分ハーフ
中央大の先発は、GK89石川碧人、最終ラインは右から78上村尚輝、74塩﨑翔、67新井秀明、76萩原俊、中盤の底に93和円悠汰、その前に65高岸憲伸、31曾根大和、右に43岡村拓紀、左に68竹村史明、前線には40小島偉央。
青空が広がり、冷たい空気こそ感じられるものの穏やかな好天の東京経済大武蔵村山キャンパスサッカーグラウンド。ピッチを見下ろすスタンドに集まった選手の家族ら十数人が見守るなか、試合は始まりました。
立ち上がり、GKの石川も加わり、後ろからじっくりボールを回していく中央大。東京経済大のプレスにも慌てることなく、組み立てを図りに。ところが3分、GK石川へ戻したボールが強くなってしまい、そこを東京経済大が突いて、右からの折り返しを41が押し込み、0-1。中央大としては、ややもったいない形で試合は、動きます。
追いかける展開となった中央大はラインを高め、サイドチェンジも交えながら揺さぶりに。高い位置でボールを奪う場面も増えていき、7分には岡村が右サイドでボールをカットしミドルシュート。しかし、上へ。
そして9分、中央大は塩﨑がインターセプト、ボールを右に展開してエリア右へ。右からのボールにシュートを打つと、東京経済大の守備に阻まれたものの最後は竹村が押し込み、1-1。攻守に連動したいい形で同点とします。
その直後には東京経済大、左サイドから攻めに出ると、エリア右に出たボール、フリーで走り込んだ31がシュートを打つも枠はとらえられず。
中央大は、東京経済大がゴールに迫る場面でも、プレスをかいくぐって最終ラインからボールをつなげ、攻撃へ。
12分にはエリア内でボールをものにした新井が曾根に縦パスを入れ、そこから左サイドの竹村に渡り、竹村がエリア前に斜めに仕掛け、シュート。枠はとらえられませんでしたが、ゴール前での場面をつくっていきます。
16分にはボールを持ち上がった新井から中央を経由して右へ。高岸がエリア右、折り返すと曾根がゴール前に迫りますが、仕留めることはできず。
コーナーキックをしのいだところからカウンターへ持ち込もうとする東京経済大に対し、曾根や上村がすばやく戻り、ボールを取り返していく中央大。ラインを高く保ち、東京経済大陣内でのプレーを続けていきます。
21分には左コーナーキック、和円が右足で入れたボール、新井が合わせ、さらにセカンドボールを拾った新井から左へ。左クロスに小島が合わせますがブロック。
さらに後ろからボールを動かしながら、ゴールをうかがっていく中央大、24分、フィードにうまくエリア前に抜け出した上村が1対1に。これを制して2-1。右SBの上村の見事な抜け出しで中央大が逆転します。
東京経済大の右、36の仕掛けに対して、萩原や新井が囲い込むように寄せ、ボールを奪い取るなど、距離感よく対峙していく中央大。GKの石川も、曾根に正確に縦パスを入れ、そこからエリア左、竹村のシュートにつなげるなどしていきます。
29分には新井の縦パスを受けた竹村がダイレクトではたいて、曾根がエリア外左へ。曾根の折り返しを小島が決めて、3-1。中央大が突き放します。
さらにゴールを狙う中央大、ロスタイムには石川の送ったボールに、高岸が右サイドの高い位置へ。右からの折り返し、小島が正面でシュートを打ちますが、ブロック。前半は3-1でタイムアップとなります。
後半中央大は、新井、萩原、曾根、岡村、竹村、小島が下がり、GK石川、最終ラインは右から上村、76米森太陽、塩﨑、80渡辺大智、中盤の底に和円、その前に高岸、99大熊将季、右に48友近圭貴、左に92小林怜波、前線には95今村栄佑。
2分には今村が高い位置でボールを奪い、左へ。友近がクロスバーを直撃するシュートを打ち、ゴールをおびやかしに。
さらに大熊が前に持ち上がり、スルーパス。エリア左、小林がシュートを打つも上に。
中央大は、今村が中央に下り、ボールを受けたところで小林や大熊、高岸らがエリア前に飛び出し、ラインも高くして、ボールを回していきます。
東京経済大もサイドに展開し、右のシャドーに入った37が折り返したり、クロスを入れるなどしていきますが、米森がエリア前で折り返しに対してカバーしたり、クロスに対しても塩﨑が上村につながるような形で対応していきます。
しかし、12分、東京経済大はエリア正面でフリーキックを得るとセカンドボールを拾い、クロスを入れたところでこぼれ球を4が押し込み、3-2。1点差に。
直後には中央大、左サイドでうまくボールを受けた高岸が前に持ち上がり、エリア左に展開。今村が抜け出し、折り返すとゴール前、フリーで大熊が押し込み、4-2。見事なチームプレーを見せ、中央大が突き放します。
傾きかけた流れを呼び戻した中央大は、直後には渡辺の左クロスにエリア右へ高岸が飛び込むも、東京経済大の選手がブロック。19分には高岸が高い位置で奪い、左へ。渡辺の左クロスに今村が合わせますが右へ。
20分、中央大は高岸がかかとを痛め、ピッチの外へ。
10人となったところを突き、23分には東京経済大、37がエリア右でボールをカット。1対1となるもシュートはGK石川がセーブ。
24分、治療を終えた高岸が戻り、再び中央大は11人に。
中央大は、東京経済大にボールが渡ると、友近が自陣に戻って献身的に奪い返すなど切り替えよくプレー。高岸も足を引きずりながらも、石川のフィードをおさめるなどして起点に。小林へつなげ、小林のリターンを受けた今村がエリア前でシュートを打つなど、追加点を狙う場面をつくりにいきます。
上村がセカンドボールを拾い、エリア右でシュートを打つなど最後まで攻めに出ていった中央大。試合はタイムアップとなり、4-2。中央大が勝利をおさめることになりました。
前半3-1 後半1-1 計4-2
中央の得点:竹村史明、上村尚輝、小島偉央、大熊将季
中央大の先発:89石川碧人、78上村尚輝、74塩﨑翔、67新井秀明、76萩原俊、93和円悠汰、65高岸憲伸、31曾根大和、43岡村拓紀、68竹村史明、40小島偉央
交代:新井→76米森太陽 萩原→80渡辺大智 岡村→48友近圭貴 曾根→99大熊将季 竹村→92小林怜波 小島→95今村栄佑
守備では少しもったいない場面こそあったものの、主体的にボールを動かし、ゴールを目指す中央大のサッカーはとても見ごたえがありました。積極的に持ち上がり、縦へボールをつけ攻撃につながるようなプレーを重ねた新井、負傷しながらもフル出場し、何度も好機をつくっていた高岸、それぞれを見られたこともうれしくなるものでした。来季、経験を積み重ねてどうなっていくのか、とても楽しみです。
高橋真は、白血病のため、闘病中。この日の中央大の選手たちは、キックオフ前には高橋のユニホームとともに写真におさまり、試合に臨みました。
フロンターレU-15から道は分かれ、別々のチームに進んだ3人が今年、再び同じチームにつどったことはとてもうれしくなるものでした。
高橋が治療を終え、再び3人が同じチームでプレーするところを見られる日が来ますように。強くそう願っています。
(文中敬称略)
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