6月12日は味の素スタジアムの横にあるAGFフィールドへ。夏の大学サッカー日本一を決める総理大臣杯の予選にあたる「アミノバイタル」カップ2019 第8回関東大学サッカートーナメント大会≪兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選≫ が始まっており、この日は10日の2回戦を勝ち上がった8チームが競う3回戦が行われました。
関東から総理大臣杯には3回戦を勝った4チームと、敗者4チームによって行われる順位決定戦を制した3チームの計7チームが出場できます。
フロンターレU -18出身の選手が在籍するチームでは、三笘薫、池谷祐輔の2選手がいる筑波大、小川真輝の順天堂大、栗脇拓人、新井秀明の中央大の3チームが2回戦を制し、この日の試合に臨みました。
【「アミノバイタル」カップ2019 第8回関東大学サッカートーナメント大会
≪兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選≫ 3回戦 筑波大 vs 法政大】
6月12日(水)午前11時半キックオフ AGFフィールド くもり
AGFフィールドで行われた第1試合は、筑波 vs 法政。
筑波の先発はGKがゲームキャプテンの30阿部航斗、最終ラインは右から5井川空、28森侑里、3角田涼太朗、23知久航介、ボランチは10高嶺朋樹、6渡邊陽、右MF14山原怜音、左MF16岩本翔、トップ下19加藤匠人、前線には18森海渡。
法政の先発は、GK12中野小次郎、最終ラインは右から23関口正大、24宮部大己、キャプテン5加藤威吹樹、3高木友也、ボランチは26佐野皓平、13長谷川元希、右MF8紺野和也、左MF14森俊貴、トップ下19平山駿、前線には9松澤彰。
U−22日本代表としてトゥーロン国際大会に出場している筑波の7三笘薫は不在、15池谷祐輔はベンチスタート。また、2回戦までは出場していた法政のエース18上田綾世はコパ・アメリカに出場する日本代表に合流したため、こちらも不在。
空には雲がかかり、ひんやりとした空気が漂うかと思えば、風がやむと少し湿気を感じるAGFフィールド。筑波も法政もメンバー外の選手たちが、スタンドからにぎやかに声援を送るなか、試合は始まりました。
前半は、サイドからゴールへ迫ろうとする両チーム。筑波は、高嶺が最終ラインの間に下り、ラインを高めながら攻めていくのに対して、法政は右の紺野が積極的に仕掛け、長身の松澤を狙い、クロスを上げたところからたたみかけるようにゴールへ迫りに。
4分には法政、右サイドから紺野が、遠いサイドの森を狙いクロス。筑波は井川がカバーするも、長谷川が高い位置でボールを奪い、森が左クロス。再び右へ流れたボールを、紺野が拾い、最後は中央で佐野がミドルシュートを打つも上に。
一方の筑波も高嶺がパス交換からエリア近くに持ち上がり、左へ。知久がクロスを入れるも法政はブロック。
そこから筑波が、森侑里や井川、角田に高嶺が多く触れながら、ボールを動かす時間をつくっていきますが、法政は松澤も時には自陣でプレスバックにいき、筑波へ縦へは入れさせず。
法政はマイボールにすると、左サイドの高木、森に長谷川も好連係を見せ、次第に押し込む場面をつくり、17分には左クロスをエリア内で松澤がおさめ、リターンを受けた森がシュート。決定的な場面でしたが、上にそれ、枠へは飛ばせず。
直後には筑波、高嶺から左へ展開。岩本が高い位置へ抜け出し、リターンを受けた渡邊の浮き球に、エリア内、森海渡がバックヘッドで合わせますが、GK中野がセーブ。
法政が佐野もパス交換から前に出て、コーナーキックを得れば、筑波も山原が右サイド高い位置から精度の良いボールをエリア内へ送るなど、一進一退の攻防を続ける両チーム。
30分には法政、中野もエリア外に出て後ろから組み立てを図りにいくと、うまく右サイドからの攻めに持ち込み、関口が高い位置へ。クロスのこぼれ球を拾った平山が正面でミドルシュートを打つも上に。さらに31分には佐野の浮き球に、森がエリア右へ。森の右クロスをエリア内、松澤がおさめ、1対1になるもシュートは上に。
決定機をつくりながらも最後のところでそれを生かせない法政。しかし、37分、法政は中央を紺野が仕掛け、いったん森に預けてエリア左へ。高い位置から折り返すとゴール前、松澤がヒールで流し込み、0-1。先制点は法政へ。
さらに法政は高木が左からクロスを入れるなどしていきますが、筑波は井川が中へしぼり、シュートにはつなげさせず。角田も前に出てラインを高め、知久が高い位置へ。井川が中央へ持ち込むなどしながら、同点のゴールを狙いに。しかし、最後のところで精度を欠き、法政が松澤もかかわり、コンパクトにいい守りを見せ、前半はタイムアップ。0-1。法政がリードしてハーフタイムとなります。
後半筑波は、岩本がトップ下、加藤匠人が左MFに。高嶺が最終ラインの間に下り、井川が右サイドの高い位置へ顔を出すなどし、前線の森海渡へ入ったボールを、高嶺が拾い、攻め急がずに、後ろに戻してボールを回していくと、4分には角田から左へ。知久が高い位置からクロスを入れると、エリア右で山原がシュート。ポストに阻まれ決まりませんでしたが、決定的な場面をつくっていきます。
角田が持ち上がり、渡邊がセカンドボールを拾い、法政陣内でのプレーを重ねていく筑波。6分には角田のパスを受けた加藤匠人がパス交換から正面へ。シュートを打つも上に。
法政は8分、松澤に代わり20佐藤大樹。
なおも攻勢に出る筑波は、9分には井川が右クロスを上げると、エリア内で巧みにおさめた山原がターンでマークを振り切り、シュート。中野が阻みましたが、またも決定機に。
法政も直後には、紺野が右サイドからエリア右へ。エリア外からゴール左を狙い、シュートを打つもワンタッチあり、右コーナーキックに。紺野が左足でボールを入れるも、筑波は、カウンターへ。エリア左、山原が持ち込みゴール前にボールを送ると、法政のオウンゴールを誘い、1-1。筑波が同点とします。
筑波はここで加藤匠人に代わり15池谷祐輔が左MFへ。
池谷はマイボール時には時には中央へ寄り、知久の攻め上がりをうながしながらゴールへ向かう姿勢も見せていきます。
14分には筑波、森海渡がエリア外正面へ。シュートを放つと、中野が飛び出したところをボールはゴールの中へ入りそうになりますが、関口が戻りこれをクリアする好守で惜しくも決まらず。
法政はここで平山に代わり28田中和樹。前線を佐藤との2トップとし、流れを変えにいきます。
すると18分、法政は森のパスに、佐藤がエリア外左へ。シュートを放つとボールはゴールの中へ。1-2。勝ち越しのゴールは法政へ。
ところが直後には筑波。岩本から受けた山原がエリア外右へ。エリア内へすばやく地を這うようなボールを入れると、森海渡のシュートが決まり、2-2。すぐさま、筑波が同点に。
筑波は、21分左足を傷めた角田がピッチの外に出てそのまま交代に。22三浦雅人が入り、最終ラインは右から知久、井川、森侑里、三浦となります。
ラインを高め、コーナーキックやフリーキックを得ていく法政は、セカンドボールを拾った佐野や、関口がミドルシュートを打つも枠はとらえられず。
一方の筑波は、27分には池谷がうまく左サイドでボールをものにして中央へ。ミドルシュートを打つもワンタッチあり、左コーナーキックに。山原がボールを入れると、エリア内で池谷が拾い、法政が体を張って防いだところで今度は右コーナーキックに。セカンドボールを高嶺が拾い、知久の右クロス、森海渡が合わせますが、中野がセーブ。筑波がたたみかけていくも、法政もいい守りを見せていきます。
さらに迫る筑波は、31分には池谷が左サイドから中央へ持ち込み、いったん渡邊へ渡り、池谷からエリア右、山原へ。山原がシュートを打つもわずかに左へ。
法政は32分、長谷川に代わり6大西遼太郎がボランチに。
34分には大西が中央を持ち上がり、右へ。切れ込んだ紺野がシュートを打ちますが、阿部がセーブ。再び攻めに転じた筑波は、右サイドからの攻めに。山原とのパス交換から知久がクロスを上げると、エリア右、池谷がダイレクトでシュート。しかし、中野がセーブ。
さらにサイドを変えながら迫る筑波。直後にはエリア外左、三浦がダイレクトではたくと、正面へ池谷が抜け出しますがオフサイド。
一方の法政も、37分には紺野の浮き球がエリア左へ。抜け出した高木がシュートを打つも阿部が好セーブ。さらにエリア前でマイボールにした田中がエリア右でシュートを打つもブロック。
ともに切り替えよくプレーを重ねていく筑波と法政。40分には山原の浮き球に、森海渡がエリア内へ。シュートを打つも左へ。43分には法政、左サイドからの攻めに。またも高木がシュートを打つも筑波はブロック。
筑波は、44分、森海渡に代わり11窪田翔。
ロスタイムは4分。47分には法政。またも高木が枠をとらえたシュートを打つもここでも阿部が好守で防いで決まらず。
後半はタイムアップとなり、前後半計20分の延長戦へ。
延長前半は、立ち上がりこそ、筑波がフリーキックやコーナーキックを得るものの、次第に法政が左サイド、高木と森の連係でゴールへ迫る時間を増やしていきます。4分には左クロスに田中がエリア内へ。しかし、筑波の中へしぼった守備に、シュートは打てず。
法政が森のプレスバックなどから攻めにつなげる場面は続き、7分にはコーナーキックのセカンドボールを拾い、右サイドの紺野へ。リターンを受けた加藤がミドルシュートを打つも上に。さらに大西の浮き球に、田中がエリア内へ抜け出すも、阿部がセーブ。
延長前半はタイムアップとなります。
延長後半前、筑波はすでに1回警告を受けていた森侑里に反則があり、退場に。10人となり、岩本に代わり17手塚貴大が入ります。一方の法政は田中に代わり17竹本大輝。
開始からボールを回していく法政。筑波は、前線に窪田を残し、時には5バックのようになって守りに。池谷も自陣のエリア近くで、仕掛けてきた関口に粘り強く対応し、ボールをクリアするなどしていきます。
4分には法政、関口が右サイドを突破。クロスを上げると、遠いサイドで佐藤が頭で合わせますが、枠をとらえたシュートは阿部がセーブ。さらに森から右へ流れた竹本へ。竹本の折り返しに、正面で佐藤がシュートを打つも上に。
直後には筑波、池谷が左サイドでボールを奪い、右サイドの高い位置へ窪田を走らせ、窪田のリターンを受けた池谷から右へ。山原が上がるも法政の寄せに遭い、決定的な場面にはつながらず。
再び攻めに転じた法政。人をかけた攻めに持ち込みますが、なかなか筑波の守備を破るには至らず。9分にはこぼれ球を拾った宮部がエリア外正面でミドルシュートを打ちますが、枠はとらえられず。
延長後半もゴールはなくタイムアップとなり、試合はPK戦へ。
筑波が先攻、法政が後攻で行われたPK戦。先にリードしたのは筑波。法政の2人目。竹本はポストに当て、決められず。
筑波は、4人目の池谷まで全員が成功。ところが5人目の知久が右に放ったシュートを、中野が止める好セーブ。
PK戦は、筑波の阿部、法政の中野と両GKも成功し、一巡。13人目法政の高木が上に外してついに決着となり、12-11。筑波大が準決勝進出を決め、総理大臣杯の出場権を得ることになりました。
最後の総理大臣杯となる三笘。そして、フロンターレU-18 時代に務めたボランチから攻撃的なポジションへ移りゴールも重ねつつある池谷が、全国大会でどんなプレーを見せるのか。とても楽しみにしています。
前半0-1 後半2-1 延長前半0-0 延長後半0-0 計2-2 PK12-11
得点:オウンゴール、森海渡(筑波) 松澤彰、佐藤大樹(法政)
筑波の先発:30阿部航斗(c)、5井川空、28森侑里、3角田涼太朗、23知久航介、10高嶺朋樹、6渡邊陽、14山原怜音、16岩本翔、19加藤匠人、18森海渡
交代:加藤匠人→15池谷祐輔 森海渡→11窪田翔 岩本→17手塚貴大
控え:1櫻庭立樹 12岩田佑成 2加藤潤 20和田育 25永満凌
法政の先発:12中野小次郎、23関口正大、24宮部大己、5加藤威吹樹(c)、3高木友也、26佐野皓平、13長谷川元希、8紺野和也、14森俊貴、19平山駿、9松澤彰
交代:松澤→20佐藤大樹 平山→28田中和樹 長谷川→6大西遼太郎 田中→17竹本大輝
控え:21長島卓哉 4簑田広大 22鳥居俊 7末木裕也 30飯島陸
(文中敬称略)
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