U-19全日本大学選抜選考会


8月5日は早稲田大学の東伏見グラウンドへ。U-19全日本大学選抜の選考会があり、川崎フロンターレU-18出身の池谷祐輔(筑波大)、桝谷岳良(東洋大)の2選手もそれぞれ、選考の場に臨みました。

U-19全日本大学選抜選考会は、東日本、西日本の2地区で開催されており、東日本地区には北海道、東北、北陸、関東から39選手が参加。この日はえんじ、緑、白の3チームに分かれて、練習試合が行われました。

【U-19全日本大学選抜選考会 練習試合 えんじvs緑】
8月5日(日)午後0時キックオフ 早稲田大学東伏見サッカー場 晴れ 45分

最初の対戦カードは、えんじと緑の対戦。えんじはGK1櫻庭立樹(筑波)、DFは右から2後藤田亘輝(青山学院)、4瀬戸山俊(東京農業)、5蓑田広大(法政)、3加藤慎太郎(専修)、ボランチは7荒木秀太(東京国際)、6池谷祐輔(筑波)、右MF9杉田将宏(早稲田)、左MF10飯澤良介(東洋)、FW14新関成弥(順天堂)、13小林幹(筑波)。

緑は、GK1石川碧人(中央)、DFは右から2岡庭愁人(明治)、3篠原新汰(慶應義塾)、4小林陸玖(東海)、5桧山悠也(駒澤)、ボランチは6稲見哲行(明治)、8桝谷岳良(東洋)、右MF10荒川滉貴(東京学芸)、左MF9岩城大助(専修)、FW11仙波大志(流通経済)、13佐藤大樹(法政)。

厳しい暑さの早稲田大学東伏見グラウンド。ピッチ脇に設けられたスタンドには、選手の家族や、それぞれの育ったクラブユースのサポーター、大学サッカーファンらが集まるなか、試合は始まりました。

 

立ち上がり、いきなり試合を動かしたのは緑。エリア右に抜けた佐藤がゴールへ流し込んで、0-1に。

出鼻をくじかれたかたちとなったえんじは、中央に寄った飯澤の縦パスを新関が受け、加藤の左クロスにつなげたり、ラインを上げコンパクトに。さらにゴールを狙いにくる緑に対して、池谷がエリア前ですばやい寄せからボールをカットするなどしていきます。緑も稲見や桝谷が連動して中盤でよくマイボールにし、対抗。小林陸玖が最終ラインから縦パスを入れ、高い位置へ荒川が抜け出すなどゴールの前に。しかし、最後のところではともに相手の守備の前にシュートまで至らない場面が目立ち、なかなか決定的な場面とはならず。

14分には、えんじが飯澤のパスから小林幹がゴールの前で前を向きますが、ブロックされ、シュートは打てず。17分にはさらに新関がおさめ、池谷が前に飛び出し右に展開。後藤田の右クロスに小林幹が頭で合わせますが左に。さらに左サイドの高い位置へ上がった加藤がエリア前に縦パスを入れ、中央からこじ開けにかかるえんじでしたが、緑は桝谷がボールをカット。一進一退といった様相を呈して、試合は給水タイムとなります。

給水タイム明け、えんじは小林幹に代わり、11大竹将吾(青山学院)、荒木に代わり、8林田滉也(関東学院)。右MFに新関、前線に杉田、大竹と少し布陣を変更。緑は岩城に代わり、14杉山伶央(作新学院)、稲見に代わり、松井蓮之(法政)が入ってのスタート。立ち上がりには、杉田のパスにエリア外左へ飯澤が上がり、そのパスにエリア内に林田が抜け出すも、緑は小林陸玖がカバーし、シュートは打たせず。

えんじは、セカンドボールを杉田が拾い、高い位置へ抜け出した加藤の左クロスにつなげるなどしていくも、シュートにはつなげられず。一方の緑も小林陸玖のサイドチェンジのパスを桧山が高い位置でおさめ、桧山とのパス交換からエリア内に桝谷が抜け出すなど人をかけた攻めを試みるも、えんじもエリア前で粘り強い守備を見せ、なかなかゴールをおびやかすには至らず。

緑は桝谷や松井がボールを動かし、高い位置へ岡庭をはしらせるなどしていき、39分にはエリア右へ杉山が抜け出しますが、シュートは櫻庭がストップ。直後には飯澤の左クロスからゴール前に新関が抜け出すもクリア。さらにパス交換からエリア前に加藤慎太郎が抜け出すもシュートは左へ。42分には杉山が左サイドから斜めに仕掛け、ゴールの前に。しかし、シュートは左へ。

ともに得点をあげるには至らず。0-1でタイムアップとなります。

池谷祐輔選手
桝谷岳良選手
1本目は、立ち上がりに佐藤大樹選手が決めて、緑が先制

池谷祐輔選手
三菱養和出身の加藤慎太郎選手㊧やサンフレッチェ広島ユース出身の仙波大志選手㊨など、フロンターレU-18と対戦した選手も多く出場した
横浜FCユース出身の飯澤良介選手もフロンターレU-18と対戦した選手
桝谷岳良選手と池谷祐輔選手

それぞれのチームのボランチとして対峙

【U-19全日本大学選抜選考会 練習試合 えんじvs白】

午後1時7分キックオフ 45分

2本目はえんじと、白との対戦に。えんじは、GK櫻庭、DFは右から後藤田、蓑田、瀬戸山、加藤、ボランチは荒木、林田、右MF杉田、左MF飯澤、FW新関、大竹。

白はGK1坂井甫(東海大学札幌校舎)、DFは右から2向山裕麻(仙台)、3白木玲二(仙台)、4飛田大輝(北陸)、6羽二田将人(金沢星稜)、ボランチは7加藤由馬(北海道教育大学岩見沢校)、8東城雅也(新潟医療福祉)、右MF11野瀬龍世(札幌)、左MF10佐々木渓人(八戸学院)、FW14樋口颯太(仙台)、15吉行豊輝(東海大学札幌校舎)。

試合がキックオフとなったのは午後1時7分。気温が上がるなか、立ち上がりにはエリア左へ抜け出した大竹がシュートを打ったり、高い位置で杉田がプレスをかけ、マイボールにするなど、えんじがゴールに迫る場面をつくるも、ゴールネットを揺らすことはできず。

連戦となったえんじの動きに段々陰りが見えていくのに対して、吉行や樋口も時折中盤まで下り、プレスバックをするなどする白に流れがいくように。向山の浮き球のパスにエリア内へ加藤由馬が飛び出すなど、うまい攻めも見せ、ゴールをおびやかす場面をつくるようになっていきます。

9分にはえんじの大竹を狙った縦パスを加藤由馬がカットし、エリア右に抜けた野瀬がシュートを打つも左に。13分にはエリア前で白がマイボールにし、樋口のシュートが決まり、0-1に。さらに15分、樋口から右に展開すると、向山のクロスに吉行が合わせ、ボールはゴールの中へ。0-2。

たたみかける白は、吉行のスルーパスにエリア外右に野瀬が抜け出したり、佐々木の左からリターンを受けた東城がシュートを試みるなど、追加点をあげるには至らないものの、攻勢を続けていき、試合は給水タイムとなります。

給水タイム明け、えんじは最終ラインは右から加藤慎太郎、蓑田、瀬戸山、荒木、ボランチに池谷、林田、右MF小林幹、左MF飯澤、FW杉田、大竹。

白は、右MF佐々木、左MF野瀬、FW9田口滉太(新潟経営)、13江幡俊介(八戸学院)。

立ち上がりにはパス交換からエリア左へ加藤由馬が抜け出るもシュートは左に。

給水タイム前と同様にゴール前に白が迫っての立ち上がりとなった試合でしたが、えんじも池谷がボールをカットし前を向き、エリア右の杉田につなげるなど、白のゴールをおびやかす場面をつくれるように。ファールを受け、小林幹のフリーキックからコーナーキックを得るなどし、セカンドボールを高い位置で拾えるようになり、リズムをつかみに。白のカウンターも荒木が粘り強く加藤由馬からボールを奪い取り、決定的な場面をつくらせず。

37分にはえんじは加藤慎太郎に代わり新関。

38分えんじは、池谷がボールを奪い、前を向いて、縦へ仕掛け、スルーパスを出すと、エリア前に抜け出した杉田がうまく切り返してシュートはゴールの中へ。鮮やかな速攻から反撃のゴールが決まり、1-2。

たたみかけるえんじは、39分、小林幹の右クロスがエリア左へ流れると拾った飯澤のシュートがゴール右に決まり、2-2。同点に。

直後には蓑田のフィードにうまく飯澤がエリア前に抜け出し、1対1となりますが、シュートは右へ。

44分、えんじは右サイドの高い位置で杉田がマイボールにし、シュート。GK坂井がブロックし、こぼれ球を拾った大竹のシュートを白はかき出そうとしたものの、得点が認められ、3-2。

さらに飯澤の左クロスにエリア左へ抜け出した杉田が1対1となり、これを制して、4-2。

ラインを高めていい距離感でえんじが試合を進め、タイムアップ。連戦となったえんじが後半盛り返すかたちで、試合を制することになります。

2本目は、白が優勢に進める展開に

縦へ仕掛ける池谷祐輔選手
杉田将宏選手のシュートにつなげる

1-2に
飯澤良介選手のゴールで2-2

杉田将宏選手は2ゴール
池谷祐輔選手

【U-19全日本大学選抜選考会 練習試合 緑vs白】

午後2時11分 キックオフ 45分

 

3本目は、緑と白の対戦。緑はGK櫻庭、DFは右から岡庭、篠原、小林陸玖、桧山、ボランチは松井、稲見、右MF杉山、左MF岩城、FW佐藤、仙波。

白は、GK坂井、DFは右から向山、白木、飛田、羽二田、ボランチは加藤由馬、東城、右MF野瀬、左MF佐々木、FW吉行、樋口。

立ち上がり、緑は仙波のパスからエリア前に抜け出した杉山がシュート。しかし、上に。さらに稲見がボールをカットしたところから人数をかけた攻めに。8分には再び稲見がボールをカットし縦へパスを入れると、エリア外右から岩城がシュートを打つも左に。さらに仙波がやや下がり目の位置取りからサイドを変え、岡庭の右クロスにつなげるなど、ピッチを幅広く使って攻撃の機会をうかがっていきます。

白も右へ開いた野瀬が樋口を前に走らせたり、樋口が中盤まで下り、左に展開し、佐々木が仕掛けたりしていきますが、なかなか決定的な場面をつくることはできず。

それでも緑の攻めに対して、桧山の左クロスにつなげるなどニアで合わせた仙波のシュートをブロックするなど、最後のところでは体を張って、守り、ともにゴールには至らないまま、試合は進んでいきます。

18分、白は、向山のパスにエリア右へ野瀬が抜け出すと、緑にファールがあり、PKに。これを野瀬自らが右へ決めて、0-1。白がほぼ最初のチャンスを生かすかたちで先制点をものにします。

追いかける展開となった緑は、佐藤のパスにエリア内へ仙波が抜け出すなど、ゴールに迫るものの白は向山がうまいカバーを見せるなどして、シュートは打たさず。試合は0-1で給水タイムに。

給水タイム明け、緑は松井に代わり桝谷、杉山に代わり荒川、白は佐々木を右MF、野瀬を左MF、前線に江幡、田口をいれてのスタートに。

立ち上がりには、右サイドのパス交換から佐々木が高い位置へ。最後はエリア前に加藤由馬が抜け出すも、岡庭がカバー。

しのいだ緑は、桝谷がパス交換から高い位置へ抜け出し、岡庭の右クロスにつなげるなど攻勢に。29分には桝谷の右コーナーキックに桧山が合わせますが、ボールはバーに。さらに桝谷がうまく前を向き、右サイドの岡庭につなげ、浮き球にサイドを仙波がエリア内へ迫り、自陣でも小林陸玖が競ったボールを稲見や桝谷がうまく拾うなど、ボールを持つ時間を長くしていきます。

34分には小林陸玖の浮き球にエリア左へ桧山が抜け、折り返すもGK坂井が弾き、シュートは打てず。35分には桝谷が高い位置でマイボールにし、エリア右にパスを出すと荒川がファールを受け、フリーキックに。岡庭が直接狙いますが、シュートは上に。

白は加藤由馬、野瀬に代わり、再び樋口、吉行がピッチに。

38分には緑は佐藤がエリア左から斜めに仕掛け、ゴール右に抜け出し、シュートを打つと、これが決まって1-1。同点となります。

緑はさらに桝谷が前に持ち出し、荒川につなげ、右サイドの高い位置へ岡庭が仕掛けたりしていきます。

しかし、次の1点は白に。41分、江幡のパスにエリア右に抜け出した使って向山がシュートを打つとこれが決まり、1-2。

再び追いかける展開となった緑は、パス交換からエリア外右で前を向いた桝谷がミドルシュートを打つなど人をかけた攻めに。43分には桝谷から左に展開すると、桧山のクロスに佐藤が抜け出しますががGK坂井が阻み、ゴールとはならず。さらにエリア左へ仙波が抜け出すもここでもGK坂井がブロック。試合はタイムアップとなり、1-2。

えんじ、緑、白の3チームがそれぞれ勝利をおさめる形で選考会は終わることになりました。

試合を前にした桝谷岳良選手
野瀬龍世選手がPKを決め、白が先制
桝谷岳良選手は給水タイム明けに出場
コーナーキックのキッカーも務めた

佐藤大樹選手が決め、1-1
向山裕麻選手が決め、白が勝ち越し
3本目は、白が勝利をおさめた

 

昨年のプリンスリーグや日本クラブユース選手権などでフロンターレU-18と対戦した選手も多かったことも印象に残った選考会。猛暑の中で、フロンターレU-18出身の2人もいいプレーをそれぞれ重ねていたように思います。

この日は対戦相手として対峙することになった2人が、もしもまた同じユニホームを着て、昨年のフロンターレU-18でそうだったように、選抜の中盤を担ったのなら、とても嬉しいことです。

そうならなかったとしても、それぞれのこれからの活躍をとても楽しみにしています。

 

(文中敬称略)

CC BY-NC-ND 4.0 This work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License.

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