YBCルヴァンカップの決勝が行われた10月27日は、茨城県龍ヶ崎市のたつのこフィールドへ。関東大学サッカーリーグ1部は第18節を迎え、第1試合では3位につける順天堂大と2位の筑波大が対戦。川崎フロンターレU-18出身の選手たちも出場しました。
【関東大学サッカーリーグ1部第18節 順天堂大 vs 筑波大】
10月27日(土)午前11時半キックオフ 龍ヶ崎市陸上競技場たつのこフィールド くもりのち晴れ
順天堂大の先発は、GK1佐藤久弥、DFは右から15鈴木啓太郎、28渡邊康平、4村松航太、ゲームキャプテンの6石上輝、ボランチは11旗手怜央、25小川真輝、右MF26新関成弥、左MF12大谷京平、FW23長倉幹樹、3三國スティビアエブス。
筑波大の先発は、GK30阿部航斗、DFは右から20知久航介、4山川哲史、28角田涼太朗、2加藤潤、ボランチは6鈴木徳真、8高嶺朋樹、右MFゲームキャプテンの10西澤健太、左MF29山原怜音、トップ下15池谷祐輔、FW7三笘薫。
順天堂はフロンターレU-18出身の小川、2020年のフロンターレへの加入が内定している旗手が中盤でコンビを組み、筑波は、フロンターレU-18出身の三笘がFW、前節にリーグ戦初ゴールを含む2得点を決めた池谷も、攻撃的なポジションでの先発となりました。
朝方降っていた雨は上がり、太陽が顔を出し始めたたつのこフィールド。ピッチを見下ろすスタンドのベンチも次第に乾いていくなか、試合はキックオフ。
立ち上がり、順天堂は三國に縦パスを入れ、攻撃を試みるのに対して、筑波は高嶺が最終ラインと連係して、ボールを何度も奪い取る場面をつくりに。最終ラインの間に鈴木が下りて、後ろから組み立てを図りつつも角田が前線へ動き出す池谷を狙い、フィードをいれるなどして揺さぶりに。三笘も前線へ張るだけではなく、順天堂のサイドに入ったところをプレスにいき、守備を手助ける役割を担います。
順天堂は、左サイドで旗手、三國、長倉がかかわりあってエリア内へ迫りにいくも、筑波は鈴木や高嶺がそれをやらせず。ともに決定的な場面はつくるには至らない序盤となります。
9分には筑波、中央で縦パスを入れた高嶺がエリア外正面に。順天堂は、旗手がこれに対してファール、イエローカードを受け、筑波のフリーキックとなります。
筑波は、西澤が右足で直接狙うも順天堂のブロックに阻まれ、こぼれ球をエリア右で拾った鈴木のシュートに対しても、順天堂は体を張ってブロック。さらにセカンドボールを拾い、山原の左クロスが右サイドに流れたところを、エリア外右で拾い、エリア右に縦パスを入れるも抜け出した高嶺はオフサイド。
一方の順天堂も10分には、村松のフィードを長倉が競り、こぼれ球を拾った三國がエリア左から仕掛け、ゴールに迫ると、三國が筑波の守備に阻まれたこぼれ球を、小川がエリア外正面で拾い、地を這うようなミドルシュート。枠をとらえますが、筑波のGK阿部がキャッチ。
順天堂も筑波も、ともに攻守の切り替えがよく、筑波が、山原の折り返しからシュートに持ち込もうとすれば、順天堂は山川や渡邊がすばやい寄せからボールを奪いに。順天堂は、長倉を新関が追い越し、エリアの前で前を向こうとするも、筑波は高嶺がうまくボールを奪い取り、こちらも攻撃の芽を摘み取り、一進一退の場面が続いていきます。
フロンターレU-18出身の3人も、小川は、旗手との連係から筑波の最終ラインからの縦パスをカットするなどしていき、サイドの裏を突くパスを出すなどして攻撃へつなげる場面も演出。池谷はうまく中盤と前線の間に顔を出し、ボールを受け、すばやく前を向いて潤滑油のような役割に。西澤とのパス交換からエリア右へ進入しようとするなど、さまざまな場面に顔を出していきます。三笘は最終ラインの裏へ動き出しながらボールを引き出しに。中盤に下り、ボールを受け、旗手の寄せに遭いながらも縦への突破も図っていきます。
16分には、順天堂は石上が高い位置でプレスをかけ、エリア外左の三國へ。三國のシュートは枠をとらえるも筑波のGK阿部が弾き、順天堂の右コーナーキックに。小川が右足でニアを狙ってボールを入れるも筑波はクリア。さらに順天堂の右コーナーキックは続き、小川が入れたボール、遠いサイドで村松が合わせるも上に。
20分には筑波、鈴木がボールをカットしエリア外正面の西澤へ。西澤のシュートは枠をとらえられませんでしたが、やや強い風が吹くなかで、次第に筑波が後ろでボールを動かしつつ人をかけて攻めに出られるように。三笘がうまく前を向いて順天堂のマークをはがして、縦へ仕掛けるなどし、加藤や知久が機を見て高い位置へ上がるなどしていきます。
23分には、加藤からボールを受けた三笘がエリア左からシュート。エリア右でこぼれ球を拾った西澤のシュートはバーを叩いて決まらず。さらに27分には三笘が中央で順天堂のマークを振り切り、縦へ。右に展開しエリア外右から高嶺がミドルシュートを打つも上に。
一方の順天堂は29分、長倉のプレスバックからマイボールに。旗手がエリア外左を突くパスを出して大谷が仕掛けたところから左コーナーキックに。小川がニアを狙ってボールを入れるも筑波はクリア。
筑波は30分近くになり、西澤がFW、山原が右MF、三笘が左MFに。筑波が高嶺が右サイドに動き出す山原を走らせるパスを入れたり、左サイドからは加藤と三笘の連係から圧力をかけたりするも順天堂は、旗手のカバーリングや三國も自陣に戻ってボールをものにしたりするなどして、しっかり守りに。
38分には、筑波、右からの山原のクロスに、エリア右へうまく抜け出した西澤がダイレクトでシュートを打つもクロスバーへ。直後には、順天堂のエリア前での組み立てを狙い、高嶺がボールを奪い、エリア外右へパスを出すと、西澤がミドルシュートで狙うも上に。さらに41分には、角田のフィードに三笘が左サイドの高い位置へ。順天堂の守備をかわして、エリア前にグラウンダーのボールを入れると、山原がシュートを打つも枠はとらえられず。
前半は0-0でタイムアップとなります。
前半吹いていた風が弱まり、青空が広がるなか始まった後半。立ち上がりからサイドを何度も変えながらゴールをうかがいにいくのは筑波。4分には、エリア外右の高嶺がエリア左へボールを入れると、うまくボールをトラップした三笘が縦へ仕掛けようとしたところに順天堂はファールで止めて、筑波のフリーキックに。しかし、高嶺が左足でボールを入れ、セカンドボールを拾い、攻撃をさらに試みるもシュートにはつなげられず。
一方の順天堂も直後には、三國から右に展開。エリア外右でうまく切り返した新関がシュートを打つも筑波のブロックに阻まれ、枠へは飛ばせず。
順天堂は9分に最初の交代、鈴木に代わり2柳澤亘が右SB。
すると順天堂は右サイドの高い位置で柳澤がエリア前に仕掛けるなどしてゴールの前に迫りに。旗手がボールを預けたところからエリア前に顔を出し、小川も縦へよくパスを入れて人をかけて攻めに出ていきます。17分には、小川がボールを中央で奪い、エリア左にパスを送ると大谷が抜け出すも筑波の厳しい守備にゴールへは向かえず。
コーナーキックのこぼれ球を拾い、さらに攻撃を試みていく順天堂でしたが、18分縦パスを加藤がカットしエリア外左へすばやくパスを送ると、抜け出した西澤がGK佐藤との1対1を制して、シュートが決まり、0-1。守備から攻撃への切り替えの良さが実り、先制点は筑波に入ります。
19分順天堂は長倉に代わり24白井海斗。筑波は再び三笘がFW、右MF西澤、左MF山原とポジションを入れ替え。
小川からボールを受けた柳澤が右からクロスを上げたり、大谷が左サイドの高い位置から斜めに仕掛けてるなどしていく順天堂に対して、山川がブロックしたり、角田が粘り強い寄せを見せたりするなどして、しのいでいきます。
23分順天堂は新関に代わり8望月陸が右MF、筑波は池谷に代わり23生地慶充が入り、右MF、西澤がトップ下へ。24分には右サイドから斜めに生地が仕掛け、三笘とともに縦への突破を図りゴールへ迫るもここでは順天堂が粘り強く守り、シュートは打たせず。
順天堂は柳澤や石上がそれぞれ両MFを追い越す動きを見せ、ラインを高めて前に。25分には大谷が左サイドから仕掛け、こぼれ球を拾った白井がエリア外正面でシュート。しかし、枠はとらえられず。さらに27分には小川の縦パスに右サイドの高い位置へ白井が抜け出し、左へ展開。大谷のクロスのこぼれ球を、エリア外正面で拾った旗手がシュートを打つも筑波の選手に当たり、最後はGK阿部がセーブ。30分には小川から右へ展開。望月のパスを受けた白井がエリア右でシュートを打つもバーを叩いて決まらず。
一方の筑波も山川や角田、鈴木がよくボールに触れながら、機を見て山原が仕掛けたり、知久が生地のリターンを受けて、エリア外右でミドルシュートを打つなど、追加点を狙う姿勢を見せに。
順天堂は40分には旗手から右へ。望月のリターンを受けた白井がシュートを打つもブロック。さらにボールを拾い、ラインを高めてコンパクトに。望月が右サイドから仕掛けるなどしていきます。
筑波は42分西澤に代わり26井川空。
ロスタイムは3分。順天堂は村松も左サイドの高い位置へ上がり、クロスを入れるなどしていくもなかなか決定的な場面はつくれず。筑波は47分三笘に代わり33犬飼翔洋。最後は右サイドの高い位置で鈴木らがボールをうまくキープし時間を重ねて試合はタイムアップ。0-1。筑波が順天堂との上位対決を制して勝ち点3を得ることになりました。
前半0-0 後半0-1 計0-1
得点:西澤健太(筑波)
順天堂大の先発:1佐藤久弥、15鈴木啓太郎、28渡邊康平、4村松航太、6石上輝(c)、11旗手怜央、25小川真輝、26新関成弥、12大谷京平、23長倉幹樹、3三國スティビアエブス
交代:鈴木→2柳澤亘 長倉→24白井海斗 新関→8望月陸
控え:21高田謙 13尾崎駿大 19仲野哲矢 14梶原亮
筑波大の先発:30阿部航斗、20知久航介、4山川哲史、28角田涼太朗、2加藤潤、6鈴木徳真、8高嶺朋樹、10西澤健太(c)、29山原怜音、15池谷祐輔、7三笘薫
交代:池谷→23生地慶充 西澤→26井川空 三笘→33犬飼翔洋
控え:1櫻庭立樹 5鈴木大誠 9長澤皓祐 17渡邊陽
勝者と敗者それぞれ分かれる結果とはなりましたが、2020年にフロンターレに入ることが内定している旗手、三笘、さらには小学生から昨年まで、フロンターレでプレーを磨いた小川、池谷が対戦するところを目にできたことは、大きな幸せを感じるものでした。リーグ戦は残り4試合。それぞれのチームのなかで各選手が活躍し、全日本大学サッカー選手権が行われる冬へ向かっていくことを願っています。
(文中敬称略)
This work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License.