11月7日、U-15年代の全国大会、高円宮杯の予選にあたる関東大会が始まり、川崎フロンターレU-15も初戦に臨みました。
関東から高円宮杯に出場できるのは8チーム。そのうち4枠は関東ユース(U-15)サッカーリーグ1部の上位4チームが獲得。残りの枠は、関東ユース(U-15)サッカーリーグ1、2部の26チームと各都県の予選を勝ち上がった38チームの計64チームが、4ブロックに分かれ、トーナメントを開催。勝ち上がった4チームが出場権を得ることができます。
フロンターレは1回戦では前橋SCとの試合に臨みました。
なおこの記事は、取材の了解を得た上で、マスクを着用し、写真やメモをとらせていただいた上で、書かせていただいています。
【川崎フロンターレU-15 高円宮杯全日本U-15サッカー選手権大会関東大会1回戦 vs 前橋SC】
11月7日(土)午前11時キックオフ さいたま与野八王子サッカー場 晴れ 40分ハーフ
フロンターレの先発はGK1濱﨑知康、最終ラインは右から27柴田翔太郎、2栁沼俊太、4髙橋悠斗、3江原叡志、ボランチは6由井航太、10尾川丈、右MFキャプテンの11岡野一恭平、左MF8名賀海月、前線には13岡田泰輝、9岡崎寅太郎。
前橋SCの先発は、GK1山上愛生、最終ラインは右から3長島大也、4伊豫部幸太、15藤田歩夢、13高橋力也、ボランチは10清水大嗣、キャプテンの6鈴木悠太、右MF26渡邉碧生、左MF20武田翼、前線には17斉藤煌弥、9水谷侑真。
空にはあちらこちらに雲がかかっているものの、風も弱く穏やかな与野八王子サッカー場。立ち上がりは前橋SCが、うまくサイドに流れた水谷へ、鈴木悠太が浮き球を入れ、ラインを高めながら前に。フロンターレがボールを回そうとしたところ、プレスバックにいった水谷がボールをカットするなど、前線の選手も献身的な動きを見せていきます。
フロンターレはそれでも尾川が中央を返し、ボールを奪い返し、濱﨑や髙橋悠斗、栁沼らがボールを動かす場面をつくれるように。6分には、岡崎がボールをおさめ、仕掛けてシュートを打ちますが、ワンタッチあり、左コーナーキックに。名賀が右足でボールを入れると、エリア右、拾った尾川がシュートを打ちますが、前橋SCがブロック。
8分には、前に動き出した岡崎を狙い、名賀が浮き球を入れると、セカンドボールを拾った名賀が正面へ。シュートを打ちますが、GK山上が前に出て阻む好守。さらにフロンターレは髙橋悠斗の縦パスを呼び水に、右へ展開。尾川から受けた柴田が高い位置へ仕掛けていき、ラインを高く保ち押し上げていきます。9分には、持ち上がった髙橋悠斗が左サイドの高い位置を突くパスを出すと、抜け出した江原がエリア前にボールを送りますが、これには惜しくもさわることはできず。
さらに右サイドでボールをおさめた柴田が岡野一とのパス交換からエリア右へ仕掛けるなど、フロンターレがエリア前に迫る時間をつくりますが、前橋SCも人をかけて堅い守りを見せていきます。
すると、11分、前橋SCはフロンターレのオフサイドで自陣で得たフリーキック、山上が前線へボールを入れると、正面でボールをおさめた斉藤のパスに、武田がエリア内へ。シュートを打つとこれが決まり、0-1。先制点は前橋SCへ。
追いかける展開となったフロンターレは名賀や岡野一が中央で由井や尾川とかかわり、名賀のパスに江原が高い位置へ。また、エリア前に動き出す岡田や岡崎、髙橋悠斗が浮き球を入れるなど、長短のボールをまじえていきますが、なかなかシュートまではいけず。一方の前橋SCは水谷や斉藤が中盤に対しプレスをかけ、渡邉や武田の、背後を突く動きでおびやかす場面もつくっていきます。
それでも、じれずにボールを動かしながら、右サイドでは、柴田が岡野一との連係から高い位置をうかがい、左サイドでは江原が高い位置へ顔を出すなどしていくフロンターレ。18分には、左に開いた江原がエリア外左に斜めにパスを入れると、岡田がファールを受け、フリーキックに。名賀がボールを入れると、エリア左に由井が迫りますが、前橋SCも球際の強さを見せ、シュートを打つことはできず。
さらに左サイドからの前橋SCの攻めを、カバーした柴田が右サイドに展開。スローインを得たフロンターレは、岡崎がエリア右へ抜け出し、折り返すと、エリア内へ名賀が迫りますが、山上が阻んでいきます。
飲水タイムをはさんで、22分には、フロンターレ、由井のパスを下がり目で岡田がおさめ、左に開いた名賀へ。名賀のスルーパスに、エリア外左へ抜け出した江原がエリア内へボールを送りますが、ここでも山上がセーブ。さらにフロンターレは由井や尾川が中央でセカンドボールを拾い、ラインを保ちながら、前へ。25分には、栁沼から柴田、柴田からエリア外右、岡野一とつなぎ、岡野一が切れ込み、スルーパスを出すと、エリア内へ名賀が迫りますが、惜しくもシュートは打てず。
一方の前橋SCも直後には、左に開いた斉藤がおさめ、正面へ仕掛けていきますが、フロンターレは人をかけ、コンパクトに。さらにロングスローも交えていく前橋SCに、対応していきます。
フロンターレは、26分、柴田に代わり17瀬谷海斗が右SBへ。
フロンターレが開いた髙橋悠斗、栁沼の間に由井が下り、後ろからボールを動かそうとしていくのに対して、前橋SCも速い寄せと球際の厳しさを見せていきますが、うまく前に持ち出しながら攻めに持ち込んでいきます。
28分には、由井の縦パスを中央に寄った江原がおさめ、左に展開。名賀が折り返すと、ニアで岡崎がシュートを打ちますが、左へ。
直後には、由井から名賀へつながり、名賀のスルーパスにエリア内へ尾川が抜け出しますが、前橋SCはブロック。
コーナーキックのセカンドボールも拾い、攻めに転じていくフロンターレ。32分には、江原の縦パスに名賀が正面へ。名賀のパスに、エリア左へ岡崎が抜け出しますが、オフサイド。
33分には、髙橋悠斗のフィードを、エリア右で岡崎がおさめ、前橋SCの守備が阻んだところ、奪い返した由井がエリア外正面やや右へ。これに対して、前橋SCはファール。フリーキックを得たフロンターレは、名賀が直接狙いますが、枠をとらえることはできず。
34分には、由井、岡野一とつながり、岡野一のパスに柴田が高い位置へ。折り返しますが、山上がセーブ。36分には、持ち上がった髙橋悠斗の縦パスを、正面で岡田がおさめ、右へ展開。岡野一が仕掛けていきますが、前橋SCの堅い守りが阻み、36分には、髙橋悠斗の縦パスを正面でおさめた岡田が切り返し、シュートに持ち込もうとしますが、前橋SCはブロック。
39分には、右サイドのパス交換から尾川が正面へ。尾川のパスに、エリア内へ名賀が抜け出しそうになりますが、おさめることはできず。さらにフロンターレが岡田が江原のパスに、エリア左へ迫ったり、栁沼の縦パスに、岡崎が正面へ動き出したりする場面をつくるも、前橋SCの守備を上回ることはできず。前半は0-1でタイムアップとなります。
後半フロンターレは、岡田に代わり14田中陸人が入り、ボランチへ。尾川がトップ下に。1分には、フロンターレ、瀬谷のパスを、岡崎がうまく間でおさめ、右へ展開。岡野一につながり、岡野一は左サイドを突くパス。正面で拾った尾川のパスに、エリア内へ抜け出した岡崎がシュートを打ちますが、左へ。決定的な場面をつくっていきます。
フロンターレは前橋SCの攻めに対して、尾川がエリア前をカバー。中へしぼった前橋SCの高橋力也から田中が奪うなど、ボールをものにしていくと、4分には、瀬谷から受けた岡野一の縦パスに、岡崎が正面へ。シュートを打ちますが、ブロック。前橋SCも、清水が縦に持ち出し、迫っていきますが、髙橋悠斗が阻み、6分には、右サイドの高い位置でおさめた前橋SC、斉藤が、正面へ切れ込み、シュートを打ちますが、左へ。
髙橋悠斗のフィードを、尾川が競り、おさめた名賀が正面を突くパスを出すなど押し込んでいくフロンターレ。7分、フロンターレは左から入ったボール、エリア右、抜け出したのは岡野一。ダイレクトでシュートを打つと、ゴールネットを揺らして、1-1。ついにフロンターレが追いつきます。
勝ち越しのゴールを狙い、前に人をかけ、清水がうまく前に持ち出すなどして、迫る前橋SCに、しっかりブロックをつくり、しのいでいくフロンターレ。シュートまでは打たせず、そこから再び攻めに持ち込んでいくと、11分には、中央の岡野一から左サイドを突くパス。ボールは名賀へ渡り、その折り返しに、正面で岡野一がシュートを打ちますが、前橋SCはブロック。ボールが右サイドへ流れたところ、尾川がマイボールにしていき、フロンターレはたたみかけるように、相手陣内で時間をつくっていきます。
前橋SCは、GKの山上が右足を負傷しピッチの外へ。山上に代わり22五十嵐翔が入り、さらに水谷、斉藤に代わり24新門一晏、29佐藤能之。新門、渡邉が前線に。佐藤が右MFに。
前橋SCは、清水が背後を突くパスを入れていきますが、髙橋悠斗がカット。そのまま、縦につけると岡野一が持ち上がり、中へ寄った江原から、左サイドの高い位置、名賀へ。シュートまではいけませんでしたが、切り替えよく、ゴール前に迫っていきます。
さらに14分には右に開いた佐藤の縦パスに、エリア右へ渡邉が抜け出しますが、栁沼がカバー。ゴールキックに。
15分には栁沼が持ち上がり、右へ展開すると、瀬谷が縦に仕掛け、クロスを岡崎がおさめ、正面に抜け出した尾川がシュートを打ちますが、五十嵐がセーブ。さらに田中や由井、尾川がよくかかわり合いながら、前に出ていくフロンターレ。相手のエリア内で尾川がボールを奪い返すなど、前からの守備でも迫っていきます。
そして、16分、フロンターレは由井から左へ展開すると、江原が高い位置へ。折り返しに岡崎が迫ったところ、前橋SCはブロックするも、再び奪い返した江原がエリア左へ仕掛け、ゴール前にボールを送ると、シュートを打ったのは岡崎。これが決まり、2-1。フロンターレがついにリード。
追いかける前橋SCも直後には、中央でボールをカット、エリア正面右へ渡邉が迫りますが、江原がカバー。ラインを高め、エリア内へ縦パスをさらに入れていきますが、栁沼が由井につながるかたちで対応。フロンターレはそこから尾川や田中がボールを動かし、持ち上がった髙橋悠斗のパスから岡崎が縦に仕掛け、ゴール前に迫っていきます。
飲水タイムをはさんで、前橋SCは長島に代わり7高橋和真。最終ラインに鈴木悠太が下り、高橋力也が右SB、高橋和真が左MFへ。24分には、高橋和真が左サイドの高い位置へ仕掛け、クロスを入れていきますが、髙橋悠斗が対応。エリア内へ岡野一も戻り、コンパクトにして、向き合っていきます。
26分には、前橋SC、右サイドのスローインから、新門がエリア右へ。シュートを打つも右へ。
フロンターレはさらに中央でボールを奪い、仕掛けてくる佐藤から、由井がボールを奪い返し、そこから名賀、高い位置の江原へつなぎ、さらにゴールを狙いに。左から仕掛けてくる前橋SCの高橋和真から瀬谷がボールを奪い取るなど、1対1での強さと粘り強さを見せていきます。
すると29分、フロンターレは中央で田中がボールをカット。すぐさま浮き球のパスを出すと、抜け出した岡崎が1対1に。GK五十嵐が前に出たところ、ループシュートを打つとこれが決まり、3-1。フロンターレが突き放します。
右サイドを突くパスに、抜け出す佐藤に対して、濱﨑がエリア外に出て、クリアにいき、清水の縦パスに対しては、高橋悠斗がクリアにいくなど、点差が開いても緩まずにプレーを重ねていくフロンターレ。31分には左に開いた名賀が正面へボールを入れると、抜け出した岡崎がミドルシュート。ボールはゴールのなかへ。4-1。さらにフロンターレが点差を広げていきます。
フロンターレはここで岡崎に代わり15髙橋宗杜、尾川に代わり7中原章雅。中原が左MF、名賀が右MF、岡野一が前線へ。直後には、前を向いた髙橋宗杜が縦に仕掛け、そのパスに正面へ抜け出した岡野一がシュートを打ちますが、前橋SCはブロック。さらにセカンドボールを由井や田中が拾っていくと、34分には、由井の浮き球のパスに髙橋宗杜がエリア右へ。ニアを狙いシュートを打ちますが、五十嵐がセーブ。こぼれたボールに詰めた名賀がシュートを打ちますが、上に。
36分には栁沼から左に展開。中原が仕掛けていき、シュートを打つも五十嵐がセーブ。直後には、前橋SC、左に開いた高橋和真が浮き球をエリア内へ入れていきますが、由井がカバー。攻めに転じたフロンターレは、髙橋宗杜がいったん右の岡野一に預け、エリア内へ。前橋SCの守備が阻むも、ゴールへ向かう動きを続けていきます。
38分にはさらにフロンターレ、岡野一が縦に持ち出し右へ展開。瀬谷との交換から名賀が正面へ抜け出しシュートを打ちますが、五十嵐がセーブ。さらに中原や髙橋宗杜、名賀が高い位置でプレスをかけにいき、エリア内で江原がカバーしてシュートを打たせないなど、好対応を続けていきます。
39分にはフロンターレは名賀に代わり38児玉昌太郎。
ロスタイムは5分。41分には前橋SC。エリア外正面やや右でファールを受けると、清水が直接狙いますが、左へ。
42分にはフロンターレ、栁沼が奪い縦パスをおさめた髙橋宗杜から左へ。中原が切り返してシュートを打ちますが、枠はとらえられず。
さらに田中や由井がボールに触れながら、前に持ち込んでいくと、43分には岡野一から右サイド、高い位置の児玉へ。児玉は折り返しますが、ここは前橋SCの守備が阻んでいきます。
さらに44分には由井が縦につけると、正面、岡野一がシュート。五十嵐がセーブしたところ、セカンドボールを拾った由井がミドルシュートを打ちますが、右へ。
試合はタイムアップとなり、4-1。フロンターレが逆転で2回戦進出を決めました。
前半0-1 後半4-0 計4-1
得点:岡野一恭平、岡崎寅太郎3
フロンターレの先発:1濱﨑知康、27柴田翔太郎、2栁沼俊太、4髙橋悠斗、3江原叡志、6由井航太、10尾川丈、11岡野一恭平(c)、8名賀海月、13岡田泰輝、9岡崎寅太郎
交代:柴田→17瀬谷海斗 岡田→14田中陸人 岡崎→15髙橋宗杜 尾川→7中原章雅 名賀→38児玉昌太郎
控え:16菊池悠斗 19新渕七輝 25田所莉旺 18志村海里
前橋SCの先発:1山上愛生、3長島大也、4伊豫部幸太、15藤田歩夢、13高橋力也、10清水大嗣、6鈴木悠太(c)、26渡邉碧生、20武田翼、17斉藤煌弥、9水谷侑真
交代:山上→22五十嵐翔 斉藤→29佐藤能之 水谷→24新門一晏 長島→7高橋和真
控え:5鈴木光剣 8青木優斗 30安達悠磨 11堀越健吾 14北綾音
(文中敬称略)
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