昨年負った大きな怪我から帰ってきた中村憲剛が、復帰戦でゴールを決めた翌8月30日、関東ユース(U-15)サッカーリーグが開幕しました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、半年近くにわたって、延期されていたリーグ戦は、本来のホーム・アンド・アウェーでの2回戦総当たりではなく、1回戦総当たりの9試合、昇降格はなしという形で行われます。
川崎フロンターレU-15は、2部Bに所属。開幕戦では、横浜F・マリノス追浜ジュニアユースと対戦しました。
なお、この記事は、フロンターレに取材を依頼。了解を得て、社会的距離、ソーシャル・ディスタンスを保つかたちでメモや写真を取り、書かせていただいています。
【川崎フロンターレU-15 関東ユース(U-15)サッカーリーグ2部B第1節 vs 横浜F・マリノス追浜ジュニアユース】
8月30日(日)午後4時キックオフ 等々力第一サッカー場 晴れ 40分ハーフ
フロンターレの先発はGK1濱﨑知康、最終ラインは右から17瀬谷海斗、25田所莉旺、4髙橋悠斗、3江原叡志、ボランチは6由井航太、14田中陸人、右MFキャプテンの11岡野一恭平、左MF8名賀海月、トップ下10尾川丈、前線には9岡崎寅太郎。
2年生の田所が最終ラインに入りました。
厳しい日差しが降り注ぐ好天の等々力第一サッカー場。夕方に差し掛かっても、暑さを感じるなかでのキックオフ。
フロンターレは立ち上がり、ラインを高めてコンパクトに。高い位置で由井がボールを奪い取り、そこから人をかけての攻めにつなげるなど、守備から攻撃への切り替えの良さを見せていきます。マリノスも最終ラインの4が左サイドを突くフィードを入れ、揺さぶっていきますが、岡崎が戻り、プレスバックをかけ、マイボールに。距離感よく対応して行きます。
7分には左サイドで受けた名賀が切れ込み、エリア外正面へ。シュートは枠をとらえますが、GK16がセーブしていきます。
直後には中央でうまく前を向いた尾川が縦へ仕掛け、正面へ。マリノスの守備に阻まれたものの、ゴールをおびやかすプレーを重ねていきます。
田中や由井がよくボールにかかわり、最終ラインの田所が左サイドを突くフィードを入れるなど長いボールも交えていくフロンターレ。9分には由井のパスに、瀬谷が右サイドの高い位置へ。クロスを入れていきますが、マリノスはブロック。
直後には、エリア外右で名賀がファールを受け、フリーキックを得ると、名賀が右足で入れたボール、正面へ田所が走り込みますが、マリノスも体を張り防ぎ、さらに田所が詰めていきますが、GK16がセーブ。
ボールを奪い取った由井が前に持ち上がり、岡崎を狙ったスルーパスを出したり、奪われても中央をカバーした田中が再びマイボールにするなどしていくフロンターレ。江原や瀬谷がそれぞれの高い位置へ上がり、押し込んでいきます。
15分には、ボールを回しながらうまくポジションチェンジをして、左サイドで前を向いた岡野一がエリア左へ仕掛けていくと、マリノスはこれに対してファール。フロンターレはPKを得ます。
キッカーは岡野一。これを決めて、1-0。フロンターレが先制点を得ます。
飲水タイム明け、マリノスは、左サイドの高い位置でボールを奪った14が仕掛けていきますが、瀬谷が粘り強く対応しシュートにはつなげさせず。名賀や尾川、岡野一も中央に寄り、ボールをうまく回していきます。
すると21分、フロンターレは尾川から右サイドへ展開。瀬谷が仕掛けて速いボールをエリア内へ入れると、抜け出したのは岡崎。シュートはGK16がいったんはブロックするも詰めた岡崎がこれを決めて、2-0。フロンターレが突き放します。
フロンターレはさらに後ろから回していこうとするマリノスに対して、岡崎が高い位置で奪いにいくなど、うまくプレスをかけ、それをさせず。パスをカットした髙橋悠斗が縦に鋭いパスを入れ、切り替え良くプレー。ときには、濱﨑も加わり、左右にボールを動かしていき、田所の縦パスを岡崎がおさめ、そこから尾川が左サイドの高い位置へ上がった江原へつなげるなどしていきます。
33分にはフロンターレ、名賀がセカンドボールを拾い、エリア左を突くパスを出すと、抜け出したのは岡崎。エリア内へ仕掛けていくと、マリノスは体を当てて防ごうとしますが、これを振り切りシュート。これが決まり、3-0 。さらに突き放したのはフロンターレ。
さらに尾川のスルーパスに岡野一が抜け出すなど、追加点を狙っていきます。
マリノスも、左サイドから速いボールをエリア内に入れていきますが、田所がしっかり対応し、決定機にはつなげさせず。ロスタイムに入り、42分には由井の縦パスに抜け出した岡崎がシュート。マリノスが阻んだところ、正面で拾った由井がシュートを打ちますが、マリノスはさらにブロック。前半はタイムアップとなり、3-0。フロンターレがリードしてハーフタイムへ。
後半。試合は一転してマリノスがうまくサイドで起点をつくり、押し込む展開に。交代で左MFに入った11がボールをキープ。左SBの13が高い位置へ駆け上がり、最終ラインから縦パスを入れてから攻めにつなげるなどしていきます。
フロンターレはそれに対して、田所や濱﨑がエリア内で対応。エリア左へ仕掛けた11に由井がカバーにいくなど、粘り強くプレーを続けていきます。
9分には、マリノス。中央の8から左へ展開。11、13とつながり、13の左クロス、ニアで14が頭で合わせますが、左へ。
フロンターレはルーズボールを拾った岡崎が縦に仕掛けて、マリノス陣内でのプレーを試みていきますが、なかなかシュートまではいけず。15分には、瀬谷に代わり二年生の27柴田翔太郎が右SBへ。
濱﨑や髙橋悠斗、田所に最終ラインの間に下りた由井も加わり、ボールを回していこうとしていきます。
しかし、22分には、マリノス、左へ展開すると、13がエリア外からクロス性のシュート。これは濱﨑が阻み、右コーナーキックに。右コーナーキック、7が右足でボールを入れると、遠いサイド、頭で合わせた4のシュートが決まり、3-1。フロンターレのリードは2点に。
ここでフロンターレは岡崎に代わり15髙橋宗杜、尾川に代わり13岡田泰輝。
直後にはフロンターレ、江原、名賀とつないで、名賀のスルーパスにエリア左へ抜け出した岡田が仕掛けて、角度のないところからシュート。GK16がブロックしたところ、髙橋宗杜が詰めますが、ファールに。それでも再びゴールへ迫れるようになっていきます。
髙橋宗杜がマリノスの中盤にプレスにいき、そこから攻めにつなげていくフロンターレ。27分には左サイド、高い位置へ抜け出した江原が折り返すと、岡田、髙橋宗杜が詰めますが、マリノスはブロック。さらに、スルーパスにエリア内へ抜け出した岡田が倒れ込みながらもシュート。しかし、左へ。
30分にはマリノス、13の左クロスにニアで14がシュートを打ちますが、濱﨑がセーブしていきます。
この日最後の飲水タイムを挟んで、中央で由井や岡田、岡野一がかかわり、柴田が右サイドの高い位置へ上がるなどしていくフロンターレ。マリノスの攻めにも濱﨑がセーブしていくなど、最後のところでしっかり対応。
36分には、マリノスが右サイドからの攻めに。2、23とつなげ、10がエリア外右へ。折り返していきますが、濱﨑がセーブ。
田中や由井が再びセカンドボールを拾えるようになり、名賀との連係から江原が高い位置へ。右サイドでも柴田が高い位置へ上がり、押し込んでいくと、38分には由井がボールをカット、右へ展開。柴田から受けた岡野一が折り返しますが、マリノスはクリア。
ロスタイムに入り、42分には濱﨑のフィードに、髙橋宗杜が走り込み、セカンドボールを正面でおさめた岡野一から左へ。名賀が左サイドから浮き球を入れると、髙橋宗杜、岡田が競り、最後はエリア外左、名賀がシュート。これは右へ。
マリノスのエリア左を突くパスにも柴田がカバー。11の左からの仕掛けに対して、前線の髙橋宗杜につながるかたちで対応。試合はタイムアップとなり、3-1。いい流れを重ねていった前半、マリノスのペースになったところを、粘り強く守っていき、最後には流れを取り戻したフロンターレ。開幕戦を勝利で飾ることになりました。
勝利したことはもちろんですが、ボールを蹴ることもままならなかった春を経て、こうして再び公式戦が行われたことに、とても嬉しさを感じる。そんな試合にもなりました。
前半3-0 後半0-1 計3-1
得点:岡野一恭平、岡崎寅太郎2(フロンターレ)
フロンターレの先発:1濱﨑知康、17瀬谷海斗、25田所莉旺、4髙橋悠斗、3江原叡志、6由井航太、14田中陸人、11岡野一恭平(c)、8名賀海月、10尾川丈、9岡崎寅太郎
交代:瀬谷→27柴田翔太郎 尾川→13岡田泰輝 岡崎→15髙橋宗杜
(文中敬称略)
This work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License.