9月27日、関東大学サッカーリーグ3部は再開初戦の第14節を迎えました。
慶應義塾大下田グラウンドでは、慶應義塾大と國學院大が対戦。フロンターレU-15出身の4年生、MF山崎健翔=桐蔭学園=と、3年生のFW29茅野優希=慶應義塾高=の2選手も試合に臨みました。
【関東大学サッカーリーグ3部第14節 慶應義塾大 vs 國學院大】
9月27日(水) 午後2時キックオフ 慶應義塾大下田グラウンド 晴れ
ここまで8勝3分け2敗、勝ち点27の慶應義塾大。先発は、GK1竹内秀太、最終ラインは右から2内藤豪、28入江修平、5山口紘生、ボランチは19辻野悠河、20田中雄大、右にキャプテンの3山本献、左に17荘司慈英、2シャドーに7熊澤維吹、30藤井漱介、前線には10塩見健人。
山崎健翔、茅野優希はベンチスタート。慶應義塾大には、フロンターレU-15→慶應義塾高のMF小澤星夜(4年)、フロンターレU-18出身のGK川合我空(3年)、フロンターレU-15→茅ケ崎中→慶應義塾高のFW茅野直希(1年)も在籍していますが、この日はメンバー外。
國學院大は、ここまで5勝2分け6敗、勝ち点17。
先発は、GK眞方大輔、最終ラインは右からキャプテンの6桶作拓海、4鷹取聖、24永川遼、2多田夢都、ボランチは27森次結哉、13村山剛琉、右MF10大澤昌也、左MF8宮原和、トップ下17長内岳人、前線には7麻生哲平。
國學院大にはフロンターレU-15→市立船橋のDF橋本結人(3年)がいますが、メンバー外。
10月も近づいてきたというのに、残暑の慶應義塾大下田グラウンド。それでも、太陽が雲に隠れるところでは、一転して過ごしやすい気候に。季節が夏から秋へ向かっているということも感じさせます。
ピッチ脇には、平日にもかかわらず、多くの選手の家族らが訪れ、ゴール裏では慶應義塾大のメンバー外の選手たちが、チャントやコールで盛り上がる、非常にいい雰囲気のなか、キックオフの時を迎えました。
立ち上がり、ラインを高く保ち、前に出ていこうとする慶應義塾大。それに対して、球際に厳しくいき、競り合う國學院大。
そんななか、3分、エリア右、スルーパスに反応した慶應義塾大の塩貝健人に対して、永川がファール。主審はレッドカードを提示。
國學院大が早々に10人となります。
慶應義塾大は、これで得たフリーキック。キッカーの荘司は左足で直接シュート。ボールはクロスバーを叩いて、惜しくもゴールとはならず。
それでも、ピッチ脇で見守っていた人々からはどよめき。そして、ゴール裏の応援団からは歓声が上がります。
國學院大は、森次に代わり15大槻豪が入り、最終ラインは右から桶作、鷹取、大槻、多田に。
慶應義塾大が数的優位のなか、相手陣内でプレーを続け、辻野のパスに荘司が高い位置へ。クロスを入れるなど、エリア近くに迫っていきます。
14分には、右コーナーキックを得ると、キッカーの荘司はマイナスに、グラウンダーのボールを送り、エリア右、藤井がニアを狙い、シュート。しかし、國學院大は体を張ったいい守り。
さらに慶應義塾大が、辻野や田中らがかかわって、ボールを動かしていく時間が続いていきますが、國學院大は、右サイド、下がり目を長内がカバーするなど、粘り強い対応。
18分には、辻野の縦パスを正面左寄りで受けた塩貝健人が、エリア正面へ持ち出そうとしますが、ここでも國學院大の守りに遭い、シュートまでは至らず。
21分には下がり目でボールを受けた藤井から塩貝健人とつながり、右サイドに展開。内藤のパスに、山本がエリア外右へ。山本はゴール左を狙いシュートを打ちますが、わずかに枠はとらえられず。
23分には、右サイド、開いて受けた内藤がエリア左を突くフィード。しかし、ここでも國學院大の守備が対応。
慶應義塾大の攻勢は続き、24分にはエリア正面やや右、ボールを巧みに前に持ち出した辻野がシュート。しかし、ここでもわずかに左。
さらに浮き球のパスに、塩貝健人がエリア左へ進入するなど、ゴール前での時間が続いていきますが、なかなかゴールに足らないまま、飲水タイムに。
飲水タイム明けも、慶應義塾大がボールを握り、それに対して國學院大がコンパクトに、粘り強い対応を続けていく展開に。
31分には、左サイド、センターライン付近でフリーキックを得た國學院大。前線へ選手を上げ、多田の左足でのフリーキックからゴールを狙いますが、これを跳ね返し、慶應義塾大は左へ展開。
塩貝健人が高い位置へ仕掛け、カウンターに。これに対して、國學院大は長内がカバー。
この際に痛めた長内は担架でピッチの外へ。34分、長内に代わり14田中琢人が入ります。
最終ラインの入江や山口、辻野や田中がくわわって組み立てを図る慶應義塾大。山本やオーバーラップした内藤、熊澤が仕掛けるなどしていきます。
40分には、熊澤が高い位置へ仕掛け、右コーナーキックを得ると、キッカー、荘司が左足で入れたボールは遠いサイドへ。
山口のヘディングシュートは枠をとらえますが、國學院大はライン上でブロックする素晴らしい守り。
42分には、田中から右サイドを突くパス。山本が高い位置から折り返しますが、エリア内で國學院大はカバー。セカンドボールを拾った慶應義塾大は、今度は左サイドに展開。
荘司がグラウンダーの速いボールを入れていきますが、眞方がセーブ。
慶應義塾大の攻勢が続くなか、國學院大の守備での集中したプレーが続いていきます。
アディショナルタイムは7分。
國學院大は、浮き球のパスに、右サイドから大澤が斜めの動き出し。しかし、慶應義塾大の守りに遭い、攻撃にはつながらず。
すると再び、ボールを握る慶應義塾大。
45+2分、右に開いた熊澤は正面へスルーパス。これをうまくおさめた塩貝健人が倒れ込みながらも、シュートを打つとこれが決まり、1-0。
ついに慶應義塾大が國學院大の堅守を破ります。
45+7分にはさらに慶應義塾大。右サイドからクロスを入れると、エリア外左へ流れたボールを拾ったのは、荘司。左足でシュートを打つと、ゴール右を揺らし、2-0。
慶應義塾大が突き放します。
45+8分には、下がり目に塩貝健人が下り、中央に寄った熊澤が受け、左へ展開。山口から荘司とつながり、荘司は左クロス。遠いサイド、山本がダイレクトでシュートを打ちますが、眞方がセーブ。
前半は2-0でタイムアップとなります。
ともに交代はなく始まった後半。立ち上がりは一転して、1人少ない國學院大が慶應義塾大の陣内でプレーする展開に。
2分には、センターサークルやや左でフリーキックを得た國學院大。キッカーのGK眞方が遠いサイドにボールを入れると、折り返したボールはエリア左へ。
これに反応した大澤がシュートを打ちますが、入江が体を張りブロック。
セカンドボールを拾った國學院大は、左サイド、下がり目、田中がクロス。慶應義塾大がクリアしたところ、高い位置で拾った田中はフィードを入れていきますが、ここでも慶應義塾大はクリア。
國學院大の攻勢を受ける立ち上がりとなった慶應義塾大。3分には早くも交代。藤井に代わり11塩貝亮太がピッチへ。
しかし、國學院大は、鷹取が時には中盤まで顔を出すなどし、数的不利を感じさせないプレーを続け、5分には、右サイドから攻勢に出ると、エリア外正面、シュートのこぼれ球に反応した村山がミドルシュート。
これは、左に。
直後には國學院大、左サイド、鷹取から右サイド、大澤へパスが通り、大澤の右クロスに、エリア内、遠いサイドに飛び出した麻生がヘディングシュート。
枠をとらえますが、山口がライン上でクリアする素晴らしい守り。さらにエリア正面、こぼれ球に反応した田中がミドルシュートを打ちますが、これは上に。
慶應義塾大は10分、荘司に代わり13山崎健翔が左MFに入ります。
12分にはさらに國學院大、田中のフリーキックを遠いサイドで、麻生が折り返し、ニアで大澤がヘディングシュート。
これは左サイドに流れ、セカンドボールを拾った國學院大は、右サイドに展開。宮原がミドルシュートを打ちますが、上に。
さらに國學院大は、鷹取が中央を持ち上がる動きを見せ、大槻、桶作と関わり合って、ボールを動かす時間をつくっていきますが、慶應義塾大も粘り強く対応。
交代で入った山崎も、ボールを速い寄せからカット。塩貝健人へつなげるなどし、だんだんと慶應義塾大がボールを持つ時間を増やせるようになっていきます。
15分には、入江のフィードに、山本が高い位置へ。クロスはシュートにはつながらなかったものの、セカンドボールを拾った慶應義塾大は、中央で辻野、田中とつながり、田中はエリア正面へ浮き球のパス。
これを國學院大が位したところ、セカンドボールを拾った慶應義塾大は、山崎が左サイド、仕掛けてクロス。エリア右、山本がシュートを打ちますが、上に。
後半初めての決定機、慶應義塾大のゴール裏の選手たちが沸き立ちます。
18分には、さらに左サイドでボールをカットした山﨑。そのパスに、塩貝亮太がエリア外正面やや左へ。塩貝亮太はミドルシュートを打ちますが、左に。
直後には、國學院大が前に出てきたところ、ボールをカットした慶應義塾大は、塩貝亮太が中央を仕掛け、カウンターに。
エリア前に持ち込んだ塩貝亮太からエリア外左、塩貝健人につながり、GKの眞方が前に出たところを見た塩貝健人はループシュート。しかし、右に。
20分には中央、辻野のパスに、山崎が左サイド、高い位置へ。その仕掛けから左コーナーキックに。
慶應義塾大はここでさらに交代。熊澤に代わり29茅野優希がピッチへ。
左コーナーキック、山本が右足でボールを入れると、エリア外へのこぼれ球、反応した山口はダイレクトでシュート。ゴールネットが揺れ、3-0。
目の覚めるような素晴らしいゴールで、慶應義塾大が突き放します。
國學院大はここで宮原に代わり9岡田遼平。
交代で入った茅野優希が、厳しい寄せからボールをものにし、辻野や田中がかかわり、右サイドの山本、オーバーラップした内藤につながるなどしていく慶應義塾大。
ところが、28分、國學院大は、エリア外正面やや右でフリーキックを得ると、キッカーの田中は枠をとらえたグラウンダーのシュート。これは竹内が阻むも、こぼれ球を岡田が押し込んで、3-1。
國學院大が1点を返します。
鷹取が中央を持ち上がり、縦に付け、うまくサイドに展開するなどしていく國學院大。
しかし、慶應義塾大は、塩貝健人が下がり目に下り、ボールをうまくおさめるなど、ボールを握る時間をつくっていきます。
31分には、左サイド、高い位置へ仕掛けた山崎がマイナスに折り返すと、エリア外正面で田中がミドルシュート。ボールはクロスバーを叩き、こぼれ球に詰めた山本がシュートを打ちますが、右へ。
國學院大は、田中に代わり19久保龍世。
34分にはさらに慶應義塾大。浮き球をうまく正面で塩貝健人がおさめ、そのパスに塩貝亮太がシュート。
これが決まり、4-1。
國學院大は大澤に代わり22吉田崇幸。慶應義塾大は塩貝健人に代わり18香山達明。
直後にはその香山がエリア正面へ。鋭いターンから前を向くも、國學院大はブロック。
右コーナーキックとなり、山本がボールを入れると、セカンドボールを拾った慶應義塾大は、山本が右クロス。山崎がエリア内へ飛び込み、さらに香山がシュートを打ちますが、眞方がセーブ。
39分にはさらに慶應義塾大。左サイド、高い位置へ抜け出した山崎がクロス。これを正面でおさめた香山、塩貝亮太が連続してのシュートは、いずれも國學院大が体を張ってブロック。
さらにこぼれ球を拾った茅野優希がシュートを打つと、國學院大にハンドがあり、PKに。
キッカーは茅野優希。これを決めて、5-1。茅野優希の今季2得点目となるゴールで慶應義塾大のリードが広がります。
43分、慶應義塾大は辻野に代わり14角田惠風。
44分には茅野から山崎とつながり、山崎のパスに角田がエリア左へ飛び出すなど、機を見て得点を狙いにいく慶應義塾大。
國學院大が前に出てくる場面では、GKの竹内や角田がカバーし、前に行かせないなど、守備でもしっかり対応を続けていきます。
アディショナルタイムは3分。
45+4分には、ルーズボールを拾った香山がエリア右へ。シュートを打つと、ゴール左へ吸い込まれるようにして決まり、6-1。
試合はここでタイムアップとなり、6-1。
慶應義塾大が勝利しました。
前半2-0 後半4-1 計6-1
得点:塩貝健人、荘司慈英、山口紘生、塩貝亮太、茅野優希=PK、香山達明(慶應義塾大) 岡田遼平(國學院大)
慶應義塾大の先発:1竹内秀太 2内藤豪 28入江修平 5山口紘生 19辻野悠河 20田中雄大 3山本献(c) 17荘司慈英 7熊澤維吹 30藤井漱介 10塩見健人
交代:藤井→11塩貝亮太 荘司→13山崎健翔 熊澤→29茅野優希 塩貝健人→18香山達明 辻野→14角田惠風
控え:21根津拓斗 26五十嵐宥哉 6道家拓真 27祖父江圭悟
國學院大の先発:1眞方大輔 6桶作拓海(c) 4鷹取聖 24永川遼 2多田夢都 27森次結哉 13村山剛琉 10大澤昌也 8宮原和 17長内岳人 7麻生哲平
交代:森次→15大槻豪 長内→14田中琢人 宮原→9岡田遼平 田中→19久保龍世 大澤→22吉田崇幸
控え:12中島巧翔 16成田翔紀 29鈴木善 5福田隼也
山崎のプレーを見るのは、2019年4月20日のK1リーグ、市立橘A vs 桐蔭学園A以来。茅野優希のプレーを見るのは2019年6月15日の高校総体予選2回戦、東海大相模 vs 慶應義塾高以来。
フロンターレU-15時代には、そのスピードで途中出場でも攻撃を活性化することのできる左SBとして存在感を放っていた山崎は、この日も、左サイドからの攻め上がりで、再び慶應義塾大に流れを引き戻し、茅野優希は、球際にも厳しさを見せながら、自ら得たPKを決めるなど攻守で貢献。2部昇格を目指すチームの中で、それぞれチームの力になっていた、と思います。
4年の歳月を経て、そうした2人の姿を見られたことは、とてもうれしいものがありました。
これからも、活躍をとても楽しみにしています。
(文中敬称略)
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