「4年間で成長して、みなさんの前でプレーを見せられるように日々、頑張っていきたい」 / GK宮地健輔


2022年12月11日、国立競技場で行われたプレミアリーグファイナル。
試合後、川崎フロンターレU-18の3年生たちが、卒団にあたって、サポーターたちに挨拶をしました。

14選手の言葉 / 2022年川崎フロンターレU-18の3年生たち

 

そのなかで

「自分自身は大学でサッカーをするか、まだ決めていないんですけど、このサッカーから離れた期間で、しっかり自分の 人生を考えて、いつかみなさんに恩返しできるように頑張っていきたいと思います」

と挨拶をしたのは、背番号1を背負ったGK宮地健輔。

 

国立競技場でフロンターレのマスコットたちと写真におさまる宮地健輔選手

 

この言葉を聞いたときに、「ひょっとしたらサッカーから離れてしまうのではないか」と考えたサポーターもいたのではないか、と思います。

 

しかし、2023年4月28日、関東大学サッカーリーグ2部の早稲田大ア式蹴球部が、GK宮地健輔が入部したことを発表。

以降、インディペンデンスリーグや、1、2年生が対象の関東大学サッカーリーグ新人戦で、宮地は出場を重ねています。

 

10月4日、早稲田大東伏見グラウンドで行われたインディペンデンスリーグ、早稲田大U-22 vs 関東学院大U-22Aでは、控えのGKとしてメンバー入り。
試合後、早稲田大に入った経緯や現在、今後などについて、話を聞きました。

 

控えに入った宮地健輔選手

 

 

宮地健輔選手

 

-国立で最後、「サッカーを続けるかわからない」というような話をしていたと思うんだけれど、早稲田に入った経緯を教えてもらってもいいですか?

そもそも小学校のちっちゃいころから「早稲田に、早慶に行きたいな」とずっと思っていて、早慶戦とか見たりとか、父が早稲田出身というのもあって、それにあこがれて。
けっこう小学校のころから勉強とかしていたので。サッカーで、というよりかは普通に早稲田大学というのにあこがれて、早稲田にチャレンジした、という感じです。

-じゃあ、もともとサッカーをやるかはわからないけれど、早稲田に行きたい、という気持ちがあったという感じ?

そうですね。

-やっぱり、サッカーをやろうと思ったのは、何か、早慶戦へのあこがれとか?
そうですね、それもありますし、1回サッカーから離れたときに、高校サッカーとか見て、「やっぱりやろうかな」と思ったのとか、両親も、早慶戦出るとかじゃなくても、サッカー部にかかわってほしいというのもあると言うので、いろいろあって、もう一度やろうと思った、という感じです。

-早稲田のサッカー部は入るのが大変というイメージがあるんですけど、それはどうでした?
もともと、体力、キーパーで無くて。ランテストの部分で苦戦はしたんですけど。あと、自分はやる気が見えないタイプなので。走りのテスト、受かった後に仮入部といって、プレーとか態度とか見られて、入部が決まるんですけど、そこでやる気を見せるのが大変でした。

-けっこう早い段階で入部が決まったような感じがしたんですけど。
ランテストに受かったのが、3月の後半で、そこから3週間くらいで入部が決まった、というかたちです。

-実際に大学でプレーしてみて、どうですか?
レベルはもちろん高いというのはあるんですけど、「やれるな」という感触もあるし、またこのチームに来て、求められていることもあるので。課題とかもできて、充実しているという感じはあります。

-けっこう試合も出てますよね。
はい。

-フロンターレでやってきたことって役に立っていたりとかしますか?
そうですね。クロスのところとか、「チャレンジしろ」というのは、ユースのGKコーチ(浦上壮史GKコーチ)からも言われていて。そういったところで、けっこうできる感触というのが、プレーを通してあります。

-これから、目標とかはありますか?
あんまり目標はないんですけど。キーパーは1年生の時は試合に出られないことが多いらしくて。でもこうやって出場機会も与えてもらっているので。
もっとステップアップして、2年、3年のときには関東リーグにかかわっていけるように、っていう感じです。

-課題とかどういうところに感じていますか?
ビルドアップの部分が早稲田では求められていて。もっとボールを受けて、自分から攻撃につなげるっていうところが足りないところなので。そういったところ、ビルドアップのところを成長していかないといけない、と感じています。

-けっこうプレミアの結果とかも気にしたりしていますか?
そうですね、ちょくちょくですけど、ハイライト見たりしています。

-ほかの人と連絡とったりしていますか?
あんまり頻繁にとるというのはないんですけど、この間、川口達也と吹田航晟、あと大瀧螢、アメリカ行っちゃったんですけど、戸田将。そこらへんのメンバーで1回ご飯いったりとか。
あと松長根とも連絡を取って、「ご飯行きたいね」という話もしているので。けっこうかかわっている感じはあります。

-フロンターレのサポーターにメッセージをいただけますか?
あんまりユース時代は自分のプレーを、サポーターのみなさんに見せられる機会は少なかったと思うんで、大学4年間でしっかり成長して、サポーターのみなさんの前でプレーを見せられるように日々、頑張っていきたいと思います。

 

フロンターレのアカデミーを巣立ってから10ヵ月。その姿と言葉からは、あこがれの大学に入り、伝統ある早稲田大ア式蹴球部でサッカーと向き合う日々を送っている、という喜びや、充実感があふれ出てくるようでした。

サッカーから少し離れて、そして、下した決断によって、また新たな道を歩み始めたその姿を見られただけでも、とてもうれしいものがありました。これからの活躍を、とても楽しみにしています。

 

(文中敬称略)

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