前節桐光学園に2点を先行されながらも引き分けに持ち込んだ川崎フロンターレU-18。6勝5敗1分け、勝ち点19、得失点差+5、順位は4位で変わらず。今節は昨年度の全国高校サッカー選手権の準優勝チームで、過去2年連続でプレミアリーグ参入戦圏内の成績をおさめている前橋育英が対戦相手。今季もここまで2位。前回の対戦では先制しながらも逆転負けを喫しています。
天皇杯の翌日、高崎駅から自転車で30分ほどの前橋育英高崎グラウンドへ。昨年まではあった同校のOB松田直樹の幕は今回はなかったものの、フレディー・マーキュリー「アイ・ワズ・ボーン・トゥー・ラブ・ユー」とクイーン「ウィー・ウィル・ロック・ユー」が試合開始前に交互に流れるなか、選手たちがアップするのは変わらない光景。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第13節vs前橋育英】
9月6日(日)午前11時キックオフ 前橋育英高崎グラウンド くもり一時雨
フロンターレの先発はGK名良橋、DFは右から島崎、武田、伊従、川崎、ボランチに田中、村田、右MFに渡邉、左MFに三笘、FWはゲームキャプテン岸、宮代。前節のメンバーから瀬川がサブにまわり、宮代が先発に。
なお、5月5日、第5節三菱養和戦で負傷し長らく離脱していたチームキャプテン長谷川隼が復帰しサブに入りました。
今にも雨が降りそうな空模様。やや蒸し暑い気候、両チームの家族ら、フロンターレのサポーターなどが見守るなか、試合は始まりました。
7分のフロンターレは田中が高い位置でボールを奪い、岸へパス、最後は三笘がエリア左からドリブルで仕掛けますが、相手選手のブロックに遭い、シュートには持ち込めません。
前橋育英は直後にカウンターから13番金子拓郎がエリア正面からミドルシュート。しかし、これは左へ。9分にはエリア外左で伊従が11番野口竜彦にボールを奪われ、エリア内へクロスを入れられますがこれは武田が好カバーを見せ、シュートを打たせません。
両サイドから揺さぶってくる前橋育英は10分にはサイドチェンジからエリア右でうまくボールをコントロールした10番横澤航平が仕掛けてシュートを打つも名良橋が抑えて事なきを得ます。
攻撃をしのいだフロンターレは14分にエリア外右で岸が倒されるとこのフリーキックにファーサイドで宮代が頭で合わせますが、ボールは左へ。ネットを揺らすことはできません。
ともに決定機をつくりだし、好展開となった試合は20分コーナーキックをしのいだところからフロンターレがカウンターに。左サイド三笘がうまくボールをコントロールし、ドリブルに持ち込むと、いったんボールを奪われたところを奪い返し、最後はエリア左から岸がゴール右隅を揺らして1-0! 先制はフロンターレ。
さらに勢いにのって、21分には渡邉とのパス交換から岸が再びエリア正面からシュート。しかし、これは左へ。直後には伊従のフィードから渡邉がうまいポジショニングでGK1番山岸健太と1対1になりますが、判定はオフサイド。
すると前橋育英も反撃。エリア左からボールを入れるとエリア内右で粘った横澤がシュートを放ちますがこれはサイドネットに。
24分には横澤の左クロスからシュートを放たれ、直後にはサイドチェンジからエリア右から再び横澤がサイドネットへのシュート。ひやりとさせられる場面が続くと、31分にはエリア正面でボールを受けた金子がうまく前を向くと左足を振り抜き、ボールはゴールを揺らして1-1。前橋育英にこじ開けられてしまいます。
しかし、次にスコアを動かしたのはフロンターレ。33分田中が縦パスを入れるとエリア内右、渡邉のもとにボールはいき、最後にはオウンゴールを誘って2-1。
重心の低いドリブルの横澤らの仕掛け、サイドからの揺さぶりで前橋育英も攻勢に出てきますが、これをしのいで前半は2-1。リードして折り返します。
後半は一人交代した前橋育英に対してそのままのメンバーで臨んだフロンターレ。
立ち上がりに右から好クロスを入れられますが、武田の好守でしのぐと、7分には左コーナーキックから追加点。岸がエリア外右へ意表を突いてボールを入れるとそこにいたのは武田。ダイレクトでボレーシュート! これは防がれてしまいますが、こぼれ球を拾った川崎がネットを揺らし、3-1! プリンスリーグ初ゴールの川崎はアップをしながらゲームの行方を見守っていた控え選手のもとへ。ピッチの選手たちも集まり歓喜の輪ができあがります。
再び攻勢に出たフロンターレはさらに村田を起点に三笘がエリア左でボールを受けるとオーバーラップしてきた川崎へラストパス。GKと1対1になりますが、シュートはサイドネット。
13分にはカウンターから岸にボールが渡り、エリア左から仕掛けた宮代がシュートを放ちますが、これはGK正面。
14分にはフロンターレに最初の交代。宮代に代わって瀬川がFWに。
18分にはエリア右からの展開で前橋育英も反撃。ボールを受けた横澤がドリブルで揺さぶり、エリア内右からシュートを放つとこれが決まり、3-2。
さらに攻勢を強める前橋育英、右SB7番綿引康がエリア外右から枠内へシュートを放ちますがこれは名良橋が防ぎ同点とはなりません。
なかなかフロンターレはセカンドボールを拾えなくなり両サイドからクロスを入れられる展開が続きますが、武田と伊従が跳ね返し、名良橋も安定したキャッチを見せて、ゴールを割らせません。
フロンターレは36分に渡邉に代わって藤井が右MFに。この直後にファールを与えたところ、エリア外左から前橋育英がフリーキック。5番尾ノ上幸生のボールに3番小畑達也に触られてしまい、ボールはゴールネット右を揺らして3-3。
さらに勝ち越しを狙ってくる前橋育英に対して、終盤にはフロンターレも勝利を目指して攻勢に。43分にはエリア正面やや右で岸が倒されると、岸自らが直接狙いますが、シュートはバーをたたいて決まりません。
ロスタイム、最後の攻撃はフロンターレ。瀬川がシュートに持ち込んだところから獲得した左コーナーキック、まずはニアで藤井が頭で合わせると、ボールは枠内へ。しかし、GK山岸に防がれて再び左コーナーキックに。岸が入れたボール、ファーサイドで伊従が折り返したところから、ゴールに迫りますが、バーに阻まれてしまいます。そして、主審の笛が鳴り試合は終わりました。
ピッチのあちらこちらで、肩を落としたり、うなだれたりする選手たち。勝ち点1、そして勝てなかった悔しさも分け合う結果に。上位を目指すためにフロンターレとしては勝ち切りたい試合でした。
それでも前橋育英に対して、島崎、田中碧らが球際で激しく応戦し、前線の岸や三笘が攻撃だけではなく、守備に戻ってしっかり貢献する姿は胸に迫るものがありました。
前半2-1 後半1-2 計3-3
得点:岸晃司、オウンゴール、川崎晶弘(川崎) 金子拓郎、横澤航平、小畑達也(前橋育英)
先発:1名良橋拓真 3島崎竜 5武田太一 26伊従啓太郎 24川崎晶弘 18田中碧 32村田聖樹 8渡邉啓太郎 10三笘薫 9岸晃司=cap 38宮代大聖
交代:宮代→11瀬川ヤーシャ 渡邉→23藤井柾人
リザーブ:16新居俊介 4長谷川隼 7原島亨太 14猪狩和真 17道本大飛 25栗脇拓人 30桝谷岳良
第13節を終えて川崎フロンターレU-18は6勝5敗2分け、勝ち点20、得点31、失点26、得失点差+5。1位東京ヴェルディユース(勝ち点27)、2位前橋育英(24)、3位横浜F・マリノスユース(22)に次いで4位。5位には勝ち点20、得失点差+0の山梨学院大附属、6位に勝ち点18の桐光学園、さらには7位浦和レッズユース(17)と続きプリンスリーグは混戦模様に。次節13日三菱養和戦は再び等々力陸上競技場での開催となります。
(文中敬称略)
写真はかんちさんのものを多く使わせていただきました。ありがとうございます。
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