5月18日、流通経済大龍ケ崎フィールドで行われたプレミアリーグEAST第7節。川崎フロンターレU-18は、流通経済大柏戦を1-2。
5勝2敗、2位で日本クラブユース選手権の関東予選や高校総体予選などにともなうリーグ戦の中断期間に入ることになりました。
この記事では、試合後の長橋康弘監督、ゲームキャプテンの加治佐海選手、柴田翔太郎選手のコメントを伝えたい、と思います。
試合の記事は◇フロンターレU18 – 流通経済大柏 / プレミアリーグEAST第7節
「強くなっていかないといけないし、うまくなっていかないといけないと思います」
長橋康弘監督
〇今日は首位攻防ということでしたけれども、試合の総括からお願いします。
力で負けたのかな、と思います。強くなっていかないといけないし、うまくなっていかないといけないと思います。
〇前半から選手たちはがんがん行くつもりだったと思うんですけど、いけなかったのはどんなことが要因だったと思いますか?
シンプルに相手の切り替えの速さだったり、プレスの強度、連続性。すべて相手が上回っていたと思います。
そこに対して、今現状剝がせる力があるのか。フロンターレのサッカーはもちろんボールを握りながら、仕掛けてゴールへ迫ると、みんなで迫るというサッカーではあるんですけど、果たしてそれが今日の対戦相手の選手たちの状況。メンタルも含めてですね。勝つ方法であったか、と考えると、何もないところから失点が生まれているので。
それは勝つべくして流経が勝ったと思います。
負けるべくして負けたと思います。
〇これから切り替えが大事だと思いますけど、どうしていきますか?
時間かけないと改善できない。今日で言いますと昌平戦じゃないですけれど、彼らはまずボールをもって目の前の相手を剝がそうとする。
私らはフリーマンを探そうとする。そこが哲学の間違いだとか、そこが選手たちがのちにね、上に上がっていったときに困らないようにしていかないといけないので。
その部分を時間をかけて成長させていかないといけない。技術的なところであのプレス強度でも剝がせる。そういう自信をもってグラウンドに立てるようにしていかないと、うちらのサッカーは展開できないと思っています。
〇今の段階から順位への意識ってありますか?
まず優勝するためには目の前の1試合を大事にしていかないといけないと思っていますので。
今日学んだことは必ず次につなげていかないと。ただ負けたで終わるチームは優勝できないので。先につなげていかないといけないかな、と思います。
順位は1位に越したことはないので。そこは今日負けて順位はどうなるか? 2位か。ちょっと悔しいと私を含めて。選手たちも思っているところがあるんですけれども。
〇相手から学ぶっていうことをよくおっしゃっているんですけど、今日学んだことはどんなことですか?
まず、よく「戦う」って言うんですけど。球際だったりハードワーク。プレス強度。連続性。声だったり。試合出ていない人の雰囲気。そういったところで上回っていく気持ちがないと。結局本当に圧倒できる技術の差がないと。持っていかれるなっていうのが今の現状だと思います。
〇今日はハーフタイムが明けて平塚君を入れました。初出場でしたけれど、あれはどういう意図をもって入れたんでしょうか?
普段からのトレーニングを見て、平塚の良さというのは十分出してくれているので。ここだっていう私の判断で出てもらいました。
〇ある程度ボールにも触って持ち味を出すところもあったとは思うんですけど、それはどうですか?
そうですね。ただ彼も絶対に満足はしていないと思いますので。だからこの出場したというところをきっかけに。この先の成長につなげていってほしいなと思っています。
〇来週にはクラブユースの予選がありますけど、まだ対戦相手は決まっていないとは思うんですけど、それに向けてどんな準備をしていきますか?
この敗戦をですね。自分たちの成長に向けていくために。大会は違うんですけれども。やっぱり次の試合というのも、私らが成長できるきっかけになるひとつのゲームだと思っていますので。大切に戦っていきたいと思っています。
〇今日は朝早くからサポーターの方も駆けつけてくれました。サポーターの方にメッセージなどをいただけますか?
特に前半ですね。ちょっとこう、選手たちが一番悔しいと思うんですけど。気持ちはあったと思うんですけど。
正直おびえていた選手たちを見たときに、申し訳ないことをしたと思っています。ただ、ここからフロンターレらしさ。
もう一回取り戻すために。日頃のトレーニングが大事になってきますので。
また、その成果をサポーターのみなさんに見てもらって。サポーターの皆さんが喜んでくれるようなサッカーを展開できるように頑張っていきます。
引き続き応援よろしくお願いします。
「ああいうプレッシャーの中でももっともっと自分たちのサッカーをやっていかない。
相手を見てサッカーをするということを、チームとして目を合わせて、次の流経戦は絶対リベンジしたい」
FW7 加治佐海
〇大事な首位攻防戦でしたけど、どんなことを意識して来ましたか?
簡単なゲームではなく難しいゲームになるというのは想定して。まずは戦うというところ。昌平戦の時は前半の入りが悪くて。戦わずして負けたという感じで。
同じようなゲームはしないようにと話し合っていたんですけど。結果、似たようなゲームになってしまったと思います。
〇フロンターレとしてはどんなイメージをもって崩していこうというものはありました?
流経は前に強いチームで。守備の時に前からガッと来るのに対して、自分らはそれを受けるんじゃなくて、背後というのを意識してやっていたんですけど。
奪った後につなぐのか、背後に出るのかっていうのがチームとして意見が合っていなくて。そのまま失点にまでつながってしまったので。
そういうところを改善していかないといけないと思います。
〇いつもより長いボールが多かったような気がするんですけど、そのへんはそうですか?
はい。前に強いので。後半特に。前半は後ろの選手と前の選手と中盤の選手で意見が合っていなくて。長いボールが増えてしまった感じなんですけど。
後半は負けているというのがあって、長いボールが増えたというのはあると思います。
〇1点、先制されてみんなで集まっている時間が長かったと思うんだけど、どんなことを話し合っていましたか?
セカンドボールを全部相手に拾われていて。もっと反応を上げるというのと。長いボールをもっと増やすというのと。あとは右サイドと左サイド、どっちから攻めたほうが相手がいやかというのと。右から攻めたほうが数的優位がつくれていたので。そういうかたちを多くしていこうという話をしていました。
〇後半だいぶフロンターレのペースになってきていましたけど、やっていてどうでした?
自分らがいいときはワンタッチ、ツータッチで、できる距離感があって。後半も何本かそういうシーンをつくれて、ゴールまでいけたんですけど。
そういう距離感がいい時は自分らがやりたいサッカーができているので。そういう時間をもっと増やしていきたいです。
〇今回は首位攻防でしたけれど、まだ5月ですけど、順位を気にする気持ちってありますか?
やっぱりずっと首位を譲る気はなかったんですけど。今回譲ってしまいましたけど。6月からまたプレミアリーグ、再開するので。
クラブユース予選もはさみますけど、チームとしてもう一回何をどうすべきかというのをまとめて。これから首位奪還を目指して、やっていきたいと思います。
〇また流通経済大柏と対戦するときが来ると思うんですけど、そのときまでにこうしたことをやっていこうというものはありますか?
去年の前期の流経戦でも同じような課題が出たんですけど。セカンドボールの反応というのも、もっともっと変えていかないといけないですし。
また、ああいうプレッシャーの中でももっともっと自分たちのサッカーをやっていかないといけないですし。
相手を見てサッカーをするということを、チームとして目を合わせて、次の流経戦は絶対リベンジしたいです。
〇またフロンターレらしいサッカーでリベンジできるように。
はい。青森山田も前に強くて。プレミア再開で対戦すると思うんですけど(第10節、6月30日) まずはそこで、流経戦でできなかったことをやれるようにしたいと思います。
〇次はクラブユースの予選になりますけど。それに向けて意気込みなどを教えてもらってもいいですか?
今年は去年同様クラブユース優勝を目指しているので。まずは予選突破を目指してチーム全体でやっていきたいと思います。
〇今日はいつもよりキックオフが早くて。アウェイで。いつもよりリズムをつくるのは大変でした?
気温も高くて。相手の応援もすごいっていうなかで。そういうのは吞まれないように自分たちでやろうっていうのはあったんですけど。
やっぱり吞まれてしまった選手もいましたし。朝早いとかアウェイとか言い訳にしていたら、絶対に強くならないと思いますし。
頑張っていきたいです。
〇朝食取る時間が早かったりとか朝起きるのが早かったとかそういうのもあると思うんですけど。
朝起きる時間が早かったりとか、朝食取る時間が早かったりとかはあるんですけど、それを言い訳にしていたら絶対に勝てないので。
〇今日は何時集合?
末長の事務所に5時半集合でした。
〇サポーターの人にメッセージなどをいただけますか?
今日は遠くまで応援ありがとうございました。
首位攻防戦というところで勝利を届けられなかったんですけど、負けてしまって。これからクラブユース予選、プレミアも再開しますし。
まだまだシーズンも続くので。もっともっと自分たちでフロンターレらしいサッカーを見せて。
サポーターの皆さんがわくわくするようなサッカーをチームとして心がけて、チームとしてやっていくので。
これからも、あたたかい応援をよろしくお願いします。
「ポジティブな声掛けをして。もう切り替えて全員が前に向かっているので。
それを自分はいい方向に導いていけたらと思うので。
次の試合、何が何でも勝つので。応援に来ていただけたらと思います」
DF2 柴田翔太郎
〇ゲームの内容としては苦しいものだったと思うんですけど、相手のハイプレスとかどうかいくぐろうというのはありました?
それは分析からもあって。相手は前から来るというのと、守備も初期配置を変えながら、2シャドーにして前から来るというのはもともとわかっていて。
そのなかでどうしても薄くなるのは背後なので。自分たちがひっくり返して、背後でっていうのはあったんですけど。
そのひっくり返した後の守備の行き方だったりとか、前から行きたいと思っている選手がいたり、ライン間も厳しいんじゃないか、と意見が割れて。
FWのラインに合わせるのか、後ろのラインに合わせるのかそこで間延びが起きて。ライン間に入れられるようなところが前半あったので。
もういち早く前半終わってハーフタイム、ロッカーに戻って。目を合わせるというところ。それが前半足りていなかったので。
45分目が合っていないと、失点しますし。そこがちょっともったいなかったと思います。
〇目が合わなかったのには、相手のプレスの強度が高かったというのもあると思うんだけど。
自分たちの予想としては3トップで3枚で、自分たちの3枚回しの3にかけてくるっていうのは紅白戦からその目を持ちながらやっていたんですけど。
前から追ってきて。前1枚の3枚が浮くっていうのはあったんですけど、何か戻されて。ちょっとそういう守備の仕方をしてきたので。
そこに面食らっているようでは優勝するチームになれないと思うので。
今日は櫂大(土屋櫂大)がいなかったですし。自分も含めて、経験とか引き出しを持った選手がもっとチームに提示してあげなければなっていう思いも個人としてはあります。
〇ゴールをアシストした場面もありましたけど。
あそこで持ったら自分はアシストできる自信があるので。もう右から回して。早く自分では「持ってこい」っていう思いはありながらも。
最後15分の話ではありましたけど、15分でギアが上がるという気持ちではいけないと思うので。もっと怖いプレーをしないと。
個人としてももっとあの回数を増やさないといけないですし。
もっとかなと思います。
〇もっとという意味では基準を上げていくという意味もあると思うんですけど、個人としては去年のU-17ワールドカップ、アルゼンチン戦とかも経験して、もっと自分に求めるものが変わったと思うんだけれど?
あの基準を肌で感じた選手という自信もあるので。もっとできると自分では思いながら、チームとしてはそれはわからないわけで。
それをどう合わせるかというのは難しいところではあると思うんですけど。高ければその高いほうに合わせるほうが、絶対にいいと思うので。
練習からやっていく必要があると思いますし。個人として、もっとというところを追求するには、結果じゃないですけど。
後ろの選手ですけど、より今年は守備に重きを置いてそこをのばしたいと思いながらもですけど、自分の武器はやっぱり前に行くこと、クロスや仕掛けなので。
それが一番わかりやすい、チームの結果につながると思うので。もっとのばしていきたいと思います。も
〇基準を忘れないようにするって難しいと思うんだけど、その環境にいないと忘れてしまうということもあって、そうならないように気を付けていることは?
それを忘れちゃうのが一番怖くて。もうベタかもしれないんですけど、負けたスペイン戦。サッカーやっていて一番悔しかった試合と今でも思っていて。
悔しいですけど、あの試合を一番見るようにしていて。あそこで感じた。正直ワールドカップの中で一番勝てると思っていた相手だったので。
それで負けたというのが悔しかったですし。それを忘れないために、ハイライトじゃなくて。90見ることが。何回も本当に何回も見ていて。
忘れないようにと思っていますし。
〇見るタイミングというのは自分の中で行き詰ったタイミングで?
それもあります。それもありますし、大事な試合の前とか。けっこう定期的に見ています。
10回以上見ています。悔しすぎて。
〇周りの選手はどんどんステップアップしているじゃないですか。海外に行く選手もいたりして。それも刺激になっていますか?
刺激でしかないです。悔しいですし。ワールドカップ出ていなかった選手でも、モトキ(西原源樹)が何試合も出て点を取っていますし。
ジョーイ(山本丈偉)がこの間点を取っていましたし。リュウ(佐藤龍之介)もJ1でデビューしましたし。
仲良い選手だからこそ、悔しい思いもありますし。早く自分がそこにいってやろうっていう思いもありますし。
ただ、今の自分ではいけないという現実もちゃんと受け止めて。そんな高望みせずに、一歩一歩やっていくしかないと思うので。
その悔しさは忘れずにやっていこうと思います。
〇トレーニングで変えたところは?
さっきも言ったんですけど今年は守備に重きを置いていて。サイドバックとして、後ろの選手ですし。試合にずっと出る選手って、守備ができる選手、走れる選手、安定感がある選手だと自分では思っていて。走れるっていうのは自分の武器としてはあるんですけど、もう一個、なんだと考えたときに守備というのを考えて。
守備ができれば安定感が出てくると思って。
ひとつひとつのポジショニングだったり。引き出しを増やしていくなかで、どう攻撃に出ていくかということまで最近は考えていると思います。
〇そこのバランスの難しさで気を付けていることは?
最初は戸惑いましたけど、守備に重きを置くと前に行けないですし。前に行き過ぎると守備で穴をあけてしまうので。
割合はあれでしたけど。林駿佑といういいCBがいるので、そことコミュニケーションを取りながら、やっています。
〇サポーターにメッセージをいただけますか?
11時キックオフで、アウェイの中、暑いなか、足を運んでくださって本当にありがとうございます。
昌平戦もありましたし、2敗目で、同じような負け方をしてしまって。ふがいなく思いますし。
でも次、絶対に勝ちたいという思いはありますし。ポジティブな声掛けをして。もう切り替えて全員が前に向かっているので。
それを自分はいい方向に導いていけたらと思うので。次の試合、何が何でも勝つので。応援に来ていただけたらと思います。
◇
内容としてもなかなか良さを出すことができず、悔しい敗戦となったフロンターレ。
しかし、そのことを受け止めて、この試合で得た乗り越えなければならない課題を乗り越えようとしています。
あのとき、流通経済大柏に負けたからこそ、今のフロンターレU-18がある。
そう言えるようなシーズンにきっとしていくはず。そう思います。
(文中敬称略)
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