フロンターレU18 – ガンバ大阪ユース / 日本クラブユース選手権決勝(監督・選手インタビュー)


7月31日、味の素フィールド西が丘で行われた日本クラブユース選手権決勝、ガンバ大阪ユースに2-3、準優勝で大会を終えた川崎フロンターレU-18。

試合後には長橋康弘監督、1ゴール1アシストの柴田翔太郎、キャプテンの土屋櫂大の2選手のインタビューが行われました。

 

◇試合の記事はフロンターレU18 – ガンバ大阪ユース / 日本クラブユース選手権決勝

 

 

「もう1回この悔しさというものを持ってきてもらって。

何が足りなかったか。明確にしながら。リーグ戦の再開に向けて準備していきたいと思います」

長橋康弘監督

 

長橋康弘監督

 

〇準優勝という結果について、試合が終わって率直な感想をお願いします。

はい。ええ、悔しいです。優勝させてあげたかったですね。

 

〇雨で2時間待たされて、40分1本という勝負になりましたけど、どういう戦い方を考えて、送り出しました?

40分1本しかないということで、立ち上がりの入り方とかそういう問題ではなく、もう持てる力をキックオフと同時に出してほしい、と。

そういうところと、サブの選手はいつ入ってもいいように準備しておいてくれ、ということで入りました。

 

〇とはいえ、準優勝ということで、ここまで勝ち上がってきた要因ってどんなことでした?

もう選手たちは本当に苦しいあの群馬を勝ち抜いてきて、いろんなことがありました。

そういったところで、すごく選手たちが粘り強く戦ってきてくれた結果が、ここまで来れたので。

本当に非常に短期間ですごい成長しましたし。よくやってくれた、というふうに思います。

 

〇とはいえ、クラブにとっては最高の結果に塗り替えたということで、この結果をどうつなげていきますか?

選手たちとはやはり優勝を目指していたので。先輩たちが築き上げた記録はひとつ上に行くことはできたんですけど、目指していた優勝に手が届かなかったことは、絶対にこの悔しい気持ちを忘れずに。やはり何か足りなかったから負けたんであって。そこをしっかりと、私含めて。選手たちも向き合って、あとリーグ戦とJユースとにつなげていけたら、というふうに思っています。

 

〇プレミアEASTで優勝して悔しさを晴らすということだと思うんですけど。再開までどんなことをしていきますか?

まず選手たちはゆっくり休む期間も必要だと思うので。ただ再開した際には、もう1回ね、この悔しさというものを持ってきてもらって。

何が足りなかったか。チームと、個人と。そういったところで、しっかりと改善していくところを明確にしながら。リーグ戦の再開に向けて準備していきたいと思います。

 

〇ちょっと信じられない終わり方だったと思うんですけど、試合が終わった瞬間、どんなことを思われましたか?

うーん…まあ、本当に選手たちがかわいそうだっていうところはすごく思ったんですけれども。

ただね、相手も同じ条件でやっていますし。振り返れば、「ここの球際で負けていなかったら」とか、「簡単にコーナーキックにしていなかったら」とか。

最後のファールのところも引っかかった、引っかかっていないっていうことではなくてですね。

やっぱり相手の球際のうまさだったり、そういったところも改善していかないといけないところだと思いますね。

そういったところで難しい部分はあったんですけど。まだまだ改善の余地はある、と終わってすぐ思いました。

 

〇改めて群馬であれだけアクシデントがあった中で、ここまでたどり着けただけでもすごいことなのかなと思うんですけど、それについてはいかがですか?

はい。本当に選手たちは頑張ってくれたと思います。群馬が本当に、難しい戦いで。キックオフの時間も遅れたり、第1戦目がなくなったり。連戦になってしまったり。

そういった条件の中で、選手たちは本当に臨機応変に対応しながら、粘り強く戦ってくれました。その結果、こっちに戻ってこれたということで。

選手たちはそのへんのところは本当に自信にしてもらいたいな、というふうに思っています。

あの、素晴らしい戦いだったと思いますね。

 

〇また、サポーターの方に。今日もあれだけの方が待って、メッセージを送ってくれました。

本当にありがとうございます。群馬の試合では、平日にもかかわらずですね。サポーターの皆さんが本当に来てくれて。

サポーターの皆さんのおかげで勝たせていただいたのが正直なところです。

今日もこれだけ来ていただいて。勝利という形で感謝を伝えたかったんですけど。ここからさらに成長して、内容と結果にこだわりながら、サポーターの皆さんの気持ちに応えていきたいと思いますので、引き続きアカデミーの応援をよろしくお願いします。

 

 

「やっぱり悔しいしか残っていなくて。その言葉しか出てこなくて申し訳ないですけど。本当に悔しいしか残っていなくて」

DF2 柴田翔太郎

 

柴田翔太郎選手

 

〇まず今日試合ですけど、準優勝という結果で終わって、率直な感想をお願いします。

準決勝を勝って今日ここに来て、群馬という厳しい環境を乗り越えてきて、本当に最後だけだったなと、ただただ勝ちたかったという気持ちです。

 

〇2時間待つという状況でしたけど、その間どうしていました。気持ちの切り替えなどは?

自分たちはアクシデントを乗り越えてここまで来たので。左右されることなく、変わった環境に向かって、それに気持ちをのせていくだけなので。

最高の準備をしてきたと思っていますし。試合に向けてのモチベーションの維持はチームとして、いい状態だったと思っています。

 

〇40分1本勝負って決まってからどんな話し合いをしました?

本当に立ち上がりと言っている場合じゃない、というか。すぐ試合が決まってしまうので。悔やむことなく、自分たちは何も成し遂げていないですし。

相手は昨年の王者ということで、当たって砕けろ、というかたちで向かっていきましたけど。勝ちたかった、というのが率直な思いです。

 

〇1点目のゴール、振り返ってどうでした?

あんまり覚えていないんですけど。負けていたので、ノリ(関德晴)のロングスローだったと思うんですけど、自分の前に転がってきて、気持ちで押し込んだ感じだったんですけど。勝ちにつながるゴールにならなかったのが、悔しいです。

 

〇大会を通して成長したこと、やっていかなければいけないこと、個人としてどんなところですか?

ここに来るまでは自分として調子が良かったですし。自分としても結果が増えてきていたので。自信を持ってここに来られましたけど。

最後負けてしまったら悔しい思いしか残らないですし、最後、3年の最後の夏っていうことで、みんなとやってきた分、最後ここで日本一になりたかったです。

 

〇1ゴール1アシストという結果を残しましたけど、その結果についてはどう受け止めていますか?

正直、悔しいしか出てこないですけど。結果を残せるサイドバックだと自信を持って言えるので。チームを勝たせる、そんな存在になりたかったですけど。

3失点してしまったのは自分含め、後ろの責任だと思うので。家に帰って、しっかり目をそらさず、この試合に向き合って、自分の成長とチームの成長につなげていきたいと思います。

 

〇とにかくグループステージから本当に大変なことばっかりだったと思うんですけど、この大会を通してチームの一体感だとか、まとまりが変化していったところってありますか?

本当にこの試合終わって、自信を持って言えるのは、本当にチームとしてひとつになったなっていうのは、自信を持って言えますし。

なかなかプレミアでも勝ちきれない試合が続いたりとかいったなかで、選手たちが3年生たち含めて力強くなっていったところに、自分としては本当に自信を持って「このチームいける」と思っていたので。それに下級生の2年生1年生が引っ張られて、2年生が試合を決めたり、そのような試合で乗り越えてきたので。

チームとして力強くなったと自信を持って言えると思います。

 

〇終わったばかりですけど、この結果を自分としてどういうふうに生かしていきたいですか?

やっぱり悔しいしか残っていなくて。その言葉しか出てこなくて申し訳ないですけど。本当に悔しいしか残っていなくて。

ただ、まだ幸いにもプレミアが残っていて。しっかり再開までにリフレッシュして、もう1回チームとしてひとつになって、自信というのは少なからずみんな持てたと思うので。最後プレミア、タイトル取れるのが残っているので。そこに突っ走っていきたいなと思います。

 

〇アシストを振り返ってもらっていいですか?

(加治佐海)とワンツーしたと思うんですけど、自分の武器はどう見てもああいうところだと思って見てもらえていると思っていますし。

そこでチームを勝たせるサイドバックだと自信を持って言えるので。得点というところは自分だけではなかったですし、中にストライカーがいるので。

そこにアシストのところは合わせるだけだったと思うので。武(香取武)に感謝したいなと思います。

 

〇最後にサポーターに、メッセージをいただいていいですか?

本当にサポーターの皆さんには感謝しかないですし。平日だと思うんですけど、こんなに多くの人に足を運んでもらって、お仕事がある中、運んでもらって自分たちの試合を後押ししてくれて本当に感謝しかないです。

試合始まる前のチャントが、歌い始まったときに本当に鳥肌が立ちましたし、このサポーターの前で日本一になりたいと思って試合に入りましたけど、それが成し遂げられなくて、素直に残念ですし、申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、プレミアが僕たちには残ってるんで、そのプレミアの戦いを信じてほしいと思いますし。

絶対に優勝して、次はファイナル、日本一を取る気持ちでいるので。これからも付いてきてほしいなと思います。

 

 

「このままじゃプレミアも優勝できないと思っているので。本当にこのあと1カ月死ぬ気で努力しないと、最後最終学年で笑って終われないと思うので。

まず自分たちにベクトルを向けて、練習していくだけだと思います」

DF5 土屋櫂大

 

土屋櫂大選手

 

〇試合終わって、準優勝という結果でしたけど、率直な感想をお願いします。

グループステージから、今日もそうですけど、たくさんのサポーターだったり、アカデミーの子たちが駆け付けてくれたにもかかわらず、こういう試合をしてしまって、
本当に不甲斐ないといいますか。自分たちの甘さが出た試合だったのではないか、と思います。

 

〇2時間待って、40分1本勝負になって、キャプテンとしてチームにどんな声をかけてピッチに出てきました?

群馬もそうでしたけど。こういうイレギュラーな。雷もそうですし。試合が遅れるというのは頭に入れていたので。

試合前は個人個人がベストなプレーをできるように、準備をしていましたけど。

まだ何かが足りなかった。そういう試合前の準備でもガンバさんが上だったかなって。率直な気持ちは、何かが足りなかったと思います。

 

〇とはいえ、この大会を通して、チームとして個人として成長できた部分はあったと思うんですけど、どうですか?

グループステージだったり、準々決勝、準決勝で自分たち、昨年までそんなになかった逆転する力だったり、同点に追いつく力っていうのは、この大会を通して自分たちの自信にもなったんですけど、やっぱり決勝という舞台でそれが出せなかったですし。

逆転したにもかかわらず、最後2失点してしまったっていう結果が出てしまっているので。

まだまだ自分たちは甘かったですし、もっともっとこれから、一人一人が本気で努力しようだったり、技術もそうですし、体力面もそうですし。

すべてにおいて人一倍努力しないと、やっぱり優勝できないと思いますし。

このあとプレミアありますけど、このままじゃプレミアも優勝できないと思っているので。本当にこのあと1カ月死ぬ気で努力しないと、最後最終学年で笑って終われないと思うので。まず自分たちにベクトルを向けて、練習していくだけだと思います。

 

〇個人としては怪我から戻ってきての大会だった。

予選は自分は出られなかったですけど、チームが自分を全国大会まで導いてくれて。本当にそういう部分では、本当に感謝でしかないですし。

だからこそ、この全国大会で自分がキャプテンとしてもそうですし、チームを引っ張って優勝させなきゃいけないなっていう責任はあったんですけど。

あと一歩のところで今日の決勝。今日の決勝でチームメートのみんなを、キャプテンとして優勝させることができなかったっていう責任は本当に感じているので。

もっと自分が頑張んなきゃ、チームにも迷惑がかかりますし。まだこのクラブユースで自分たちの最終学年が終わったわけではないので。

本当に今日の試合を、忘れずに。この試合の悔しさを忘れずに、今後プレミアリーグやっていくだけだと思います。

 

〇今日もあれだけサポーターが来ていました。サポーターの方にメッセージをいただいていいですか?

群馬っていうイレギュラーな、試合が中止したり延期したりっていうことがあった中で、本当に多くのサポーターが駆け付けてくれましたし。

もうあそこで、鳥栖戦などは奇跡を起こせたのも、準決勝、準々決勝勝てたのも、PKもそうですし、本当にあれだけ多くのサポーターの声援があったからこそ、自分たちが苦しい時、ピンチの時に、自分たちの後押しをしてくださったので。本当に感謝でしかないですし。この、今日の雰囲気を当たり前って思っちゃ絶対いけないですし。

サポーターたちに最後、笑えるように、もっともっとこの1カ月努力して、最後プレミアリーグ優勝して、ファイナル優勝して、サポーターたちに、この悔しさを、最後笑顔で終えられるように頑張っていかなきゃなって思います。

 

 

初優勝には届きませんでしたが、群馬で行われたグループステージでは、連日天候が翻弄。試合ができるのかどうかわからないというような状況もあったなか、時に奇跡と思えるような試合を演じて、自分たちで決勝までの道を切り開いた川崎フロンターレU-18。心が乱されるような出来事の連続の中で得たものは、必ずシーズンのこれからに生きてくると思います。

 

何かが足りなかった。自分たちにはまだ甘さがあった。また自分たちにベクトルを向けて、チームは立ち上がろうとしています。

優勝できなかった悔しさを力に変えて、フロンターレU-18はまた、プレミアリーグEASTやJユースカップに向かっていくはずです。

 

 

(文中敬称略)

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