2024年大学最後のシーズンを送るフロンターレアカデミー出身の選手たち。
そんな一人が、フロンターレU-18出身、慶應義塾大のGK川合我空。
関東大学サッカーリーグでは出場の機会こそないものの、メンバー入りも経験。
4年目の今季は、慶應義塾大U-22Aの選手として、インディペンデンスリーグ関東1部Bブロックを主戦場に、出場を重ねています。
9月18日中央大多摩キャンパスサッカー場で行われた中央大U-22B戦(●0-1)では控えに。
出場するところを見ることはできませんでしたが、セットプレー時には、ベンチ脇で立って味方に指示を送り続けるなど、ピッチ外からチームを支える姿が印象に残りました。
試合後に、大学4年間のこれまでと、残りのシーズンに向けての目標などについて、話を聞きました。
〇大学4年目、そろそろ終わろうとしていますけど、振り返ってみてどうですか?
そうですね、当初思い描いていた、「早いうちから関東リーグ絡む」ということからいうと、達成できなかった。心残りのある4年間。結果だけを見ると、それがあったかなというのがまずはひとつと。
サッカー的なところだったり、ほかのところで言うと、フロンターレ時代ではなかった考え方をいろいろ取り入れながら、成長したという点では充実していた部分もあったのかなというふうに思います。
〇フロンターレ時代になかった考え方というのはどういうもの?
それはテクニカルなところになっちゃうかもしれないんですけど。
フロンターレのころは、前へ、前へ、どんどんアタックしてみたいな感じだったと思うんですけど。
今年は割と攻撃的だけど、去年までは入れるサッカー、どんどん前に預けてキック・アンド・ラッシュだったりとか。
キーパーのところでも、コーチのやり方とか考えからが違ったりして。そういうところを取り入れつつ、ハイブリッドじゃないですけど、いいところを取り入れて、というところでは成長できた部分が非常にあったのかな、と思います。
〇見ていると、慶應、キーパーもビルドアップにかかわってというのがあると思うんですけど、それもフロンターレ時代に培ってきたものがつながる部分もある?
まさにおっしゃるとおりで、監督も代わって中町さん(中町公祐)になって、ボール持とう、という中での、キーパーとして発揮できるバリューっていうところはすごく大きいなと思いますし。まさにフロンターレ時代にやってきたこととか考えてきたことが、割と今年はダイレクトに生かされるようなサッカーだし、というところですね。
〇大学、コロナから始まって、大変だったと思うんですけど、どうでした?
一番コロナがすごかったのは高3のときだったと思うので。若干ずれていますけど、特に大学1年生の時は合宿に行けなかったりとか、やたらに会食禁止だったりとか制限があったんですけど。そういうところで大変なこともありつつ、逆にサッカーに集中できた期間でもあったので。
そこはいい部分もありつつ、単位とるのもオンライン授業で、それを考えると、悪いだけではなかったのかなと思います。
〇大学、残りはだいぶ少なくなってきましたけど、残りの目標って何かありますか?
そうですね、まさに入部というかサッカー続けている理由は、ずっと関東リーグだったりとか、上を目指すということは自分のなかで、あんまりぶれていなくて。
ユースの時もですけど、こういうサイズ的 (174センチ) に少し厳しいところもある中で、ずっとキーパーとしてやっている、「このサイズでもやれるんだぞ」っていうところを示していく、みたいなことは自分として、大義じゃないんですけど、掲げているところではあるので。
それを果たすには、やっぱりトップチームで、関東リーグ出なければいけないし。
残り、チャンスがある限りは、そこをちゃんと目指していきたいというのは個人的に考えています。
〇ベンチにも入ってましたよね。
そうですね、ベンチが最高ですね、何回か。
〇神橋君が(トップチームに)決まりましたけど、それについては? この前もユースの試合(クラブユース選手権の決勝)、一緒に見に来たりしていましたけど。
中学も一緒で、家も近くて、コロナ期間もずっと一緒にトレーニングしていたりとかしたんですけど。
もうなんか、感慨深いな、というか、あそこまで行くとは思わなかったというのが正直なところですけど、やっぱり彼自身もいろいろ苦労しながら、努力してつかんだものだと思うので。
自分のことのようにうれしいっていうと、ちょっとくさいですけど。リリース出る前に、直接会って聞いたんですけど、やっぱり話聞いた時にはすごくうれしくて。
良かったなというふうに思います。
〇見ていると、いまベンチから結構指示も出していて、コーチのような役割もしている感じですか?
コーチみたいな役割をやっているわけではないんですけど。ただ、試合中のセットプレーのことなんかは、特にキーパーに任されている部分が大きくて、ということで。
そういったところの指示はわりと自分中心にやっていることはあるかなと思います。
〇だいぶフロンターレのアカデミーが結果を出すようになっていますけど、それについて思うところってありますか?
毎週チェックしていたりとか、インスタフォローしたりとかしていているし。
クラブユースなんかは見に行ったんですけど。
やっぱり直接かかわっていない選手でありつつも、自分の時はプリンスで勝てなかったりとかがデフォルトだったってそういうところを考えると、素直にすごいなって思いますし。後輩の活躍だったり、アカデミーが強くなっているのは、うれしい、うれしい循環だなって思います。
〇だいぶ指導者も、まだガミさん(浦上壮史GKコーチ)がコーチだったりとか、けっこうお世話になった人も多いじゃないですか。それについては?
そうですね、スタッフはあまり代わっていないのかな、ガミさん、佐原さん、ヤスさんがいて。
トレーナーの方 (関智久トレーナー。現在はトップチームのトレーナーを務める) は代わっているというところだと思うんですけど、やっぱり今思うと、ヤスさんとか「あんなにいい監督いなかったな」って思いますし。ガミさんとかすごいモチベートしてくれたりとか考えると、やっぱりずっと一貫したことを言ってきたことが根付いていって、多分結果につながっているのかなっていうことは、1回アカデミーを出た後に思うところというか、感じるところではあるので。
やっぱりすごいなって思います。
〇今のフロンターレのトップチームに対しては? 試合を見に来たりとか?
DAZNではわりと毎試合見るようにしているんですけど、現地で観戦というと最近はあんまり行けていないですね。
気になって、見ていたりとかしています。
〇神橋君のほかにも、同期の選手、会ったりとかしています?
ごはん行ったりとかいうところでいうと、割と会うことも多くて、竜之介 (DF松永竜之介、産業能率大) とか大登 (MF鈴木大登、日本体育大)とか、ジュニアユースでやっていたメンバーなんかは、年1で初蹴りとか新年会みたいなところは企画してやっているので。
会ったりすることは割と多いですね。試合会場でもよく産能とか日体とか。
〇周平さん(福島ユナイテッドFCの寺田周平監督)が監督になりましたけど、それについては?
法政とホームで試合したときに、周平さんがいらっしゃって。息子さんがスタメンで出られたりというところで、ご挨拶したりしたんですけど、新年会なんかにも来てくれたりして。コミュニケーションとっている仲で。結果もけっこう出しているんですよね?
〇そうですね、サッカーもいいサッカーをしているという話が…
あんまり試合とかは見ないんですけど、やっぱり自分の教わった人が、周平さんもすごい人格者で、そういった方が率いている、チームを。Jを率いているのはすごいなって思いますし。大関とか、璃太(森璃太)とかかかわった人もいるので、すごいなって思います。
〇卒業してから、就職も決まって?
そうですね。
〇どんな社会人にっていうものはあります?
OBのかたとか話聞きながらの就職活動だったんですけど、いろんなところで活躍しているかただったりとかすごい尊敬できるかたが非常に多いなかで、そういったかたたちに引けを取らないように、というか、ちゃんと自分で社会人としてのキャリアを築いていきたいなと思うし。
そのなかで、サッカー続けるかは決めていないんですけど、流れに身を任せてみたいなところではあると思うんですけど、そういったところも余裕があったらやりたいと思います。
〇フロンターレのサポーターにメッセージをいただいてもいいですか?
クラブユース見に行った時は、自分はそんなにずっと出ていたわけじゃないですけど、覚えてくれているかたもいらっしゃったりとかして。
そういう温かさというか、アカデミーの試合、遠くでも駆け付けてくれる、自分たちで言うと矢板とかまで来てくださったりとか。
今は山田(青森山田)とかまで行ったりとかしていると思うので。
そういったところのあったかさというか、多分、他クラブにはないなって思いますし。
慶應もわりと応援ちゃんとするんですけど、そういうところでもフロンターレのあったかさとか、ファミリーに対する熱量とかすごいなって思っていて。
すごいありがたかったと思いますし。
あと卒業ブログがあるので、もしよかったらフロンターレのサポーターの方に読んでいただけたらな、と思います。
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1年生の時に書いた、慶應義塾大ソッカー部のブログでは「低身長でも大学トップレベルで輝けることを体現します」と綴っていた川合我空。
残り数カ月となった大学サッカーでのシーズン。
「チャンスがある限りは、そこをちゃんと目指していきたい」
今でも、その目標を掲げていることを話してくれました。
その目標に達するために、日々を送る中で、最後に見せるものはどんなものになるのか。とても楽しみにしています。
(文中敬称略)
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