フロンターレU18 – アルディージャユース / 日本クラブユース選手権 2017 関東予選


5月27日は、埼玉県の志木駅からバスに揺られてNTT東日本志木総合グラウンドへ。杉並FC戦を勝利で飾り、日本クラブユース選手権関東予選2回戦(ベスト16)へ進んだ川崎フロンターレU-18は、本選出場をかけて大宮アルディージャユースとの試合に臨みました。この試合で勝てば、フロンターレは出場権を獲得することになり、負けた場合は、2回戦の敗者8チームが残りの出場枠3つを懸けて対戦する決定戦へ回ることになります。

【川崎フロンターレU-18 日本クラブユース選手権関東予選ノックアウトステージ2回戦 vs 大宮アルディージャユース】
5月27日(土) NTT東日本志木総合グラウンド くもり 

フロンターレの先発は1回戦と同じメンバー。GKはゲームキャプテンの1早坂勇希、DFは右から5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、11デューク・カルロス、ボランチは15池谷祐輔、7桝谷岳良、右MF20上野綜太、左MF24宮城天、トップ下13大曽根広汰、FW18宮代大聖。

フロンターレU-18が属するプリンスリーグ関東のひとつ上、ユース年代最高峰のリーグ、プレミアリーグEASTの大宮アルディージャユース。率いるのはフロンターレにも在籍し、大宮やモンテディオ山形、コンサドーレ札幌で活躍した大塚真司監督。先発はGKはキャプテンの1宮崎浩太朗、DFは右から6篁樹生、17坪谷直樹、24森侑里、16小林朋史、中盤の底に4安島樹、その前に14五百藏悠、8植松亮、右に2大室慶将、左に10奥抜侃志、FWは15吉永昇偉。

ここ数年、クラブユース選手権本選、さらには12月に行われる準公式戦GO FOR 2018 CUPや練習試合で対戦する機会が多く、今年もプリンスリーグ開幕前に対戦。その際は得点を奪うことができずにフロンターレが敗れています。果たして、今回は-。

気温が高くなるという天気予報とは裏腹に、時折冷たい空気を含んだ強い風が吹くグラウンド。早坂が「立ち上がりから、立ち上がりから!」。そう声をかけるなか、試合は始まりました。

立ち上がりは大宮が後ろからボールを回しつつ、サイドの裏を突くロングボールを入れて揺さぶろうとする展開に。2分には右サイド、高い位置へ大室が抜け出して仕掛けていきますが、エリア内へのボールは池谷がブロックしてシュートにはつなげさせず。これで大宮はコーナーキックを得ると右から篁が入れたボール、ニアで吉永が合わせますが枠左をとらえたボールは早坂がしっかりキャッチ。大宮はさらにラインを高く保ち、最終ラインから縦パスを入れたり、植松や五百藏がうまく安島とかかわりながら、サイドへボールをつけて攻勢に出ていきます。

フロンターレはそれに対してしっかりブロックをつくってまずは守りの構えに。7分には右サイドで大曽根がボールをカットしてドリブルで前へ。しかし、これには森が対応してシュートには持ち込めず。それでも、そこからフロンターレは前から連動してプレスをかけていけるようになり、次第にマイボールの時間帯も増えるように。8分には桝谷の縦パスをエリア前で受けた池谷がファールを受けると、小川真輝のフリーキック、エリア右で新井が合わせますがこれはオフサイド。さらに桝谷がボールをカットして左へ展開。宮城が仕掛けるも大宮の選手の守備に阻まれてシュートにはもちこめず。

さらにフロンターレは攻守の切り替えよく、桝谷や池谷がボールを奪ったところから縦へパスを出せるように。11分には池谷がエリア内へパスを出すと、宮代がシュートを打つも枠はとらえられず。大宮も左サイドから小林が仕掛けていきますが、ここは池谷が対応。さらにフィードにエリア外右へ流れた吉永がボールをキープ、起点となりますが、デュークや新井がうまく連係してこれに対応。最後はラインを割ってシュートにはつなげさせず。

フロンターレも14分には宮代、宮城とつないで左サイドの宮城からのパスに、エリア前へ大曽根が抜け出し、シュートを打ちますが右へ。

フロンターレは、ラインを高くしてコンパクトに。デュークが高い位置へ。高吉が時折フィードを入れたり、池谷が裏を狙ったパスを出すなどして攻勢に出ようとしていきます。

18分には宮城から右へ展開。小川真輝が右サイドの高い位置から折り返したボール、宮代がエリア前で収め、シュートに持ち込むも左へ。大宮もコーナーキックをしのいだところからカウンターに持ち込むと、右から奥抜が抜け出してシュートを打つもこれは早坂がキャッチ。さらに最終ラインから森が入れたボール、吉永が抜け出すもここは高吉がしっかり対応。フロンターレは高い位置からプレッシャーをかけ、宮代がボールを奪ったところから池谷から左へ展開。宮城がゴールへ迫りますが、大宮も篁がねばり強く対応。さらに24分には新井のフィードを起点に、エリア左、宮代が仕掛けていくもここも大宮の守備に阻まれてシュートには持ち込めず。

大宮も安島のパスに、吉永が抜け出しますが、池谷が吉永からボールを奪い取り、シュートには持ち込ませず。フロンターレは早坂も最終ラインを飛ばして中盤の池谷に縦パスを入れ、そこから桝谷を経由して左サイドの宮城へ展開するなど、いいリズムでボールを回していきます。33分には大宮もエリア前で吉永がボールを奪い、早坂と1対1に。これは決められたか、と思うような場面でしたがシュートは決めることはできず。

池谷や桝谷、宮代、宮城らがかかわりながら、いい距離感でボールを回し、池谷のパスに大曽根が抜け出すなどしてフロンターレがゴールへ迫るのに対して、大宮も森が精度の良いボールを入れて、吉永がそれに反応するなどしていきますが、大宮もフロンターレもそれにしっかり対応しシュートにはつながらない場面が続いていきます。41分には森のフィードにエリア右、吉永が抜け出しますが新井がそれに対応してシュートには持ち込ませず。さらに右へ展開して、折り返したボール、エリア前の五百藏に入りそうになりますがボールは池谷がカット。

前半は0-0でタイムアップとなります。

午後4時半となってさらに冷たい風が吹き、少し気温も下がったように感じられる中、始まった後半。大宮は立ち上がり、右サイド、大室が抜け出して仕掛けていきますがデュークがスライディングをしながらもボールを奪い取る好守。大宮はスローインを得ると、篁が直接ボールをエリア内へ入れていきますが、フロンターレはそれをしっかり跳ね返し、宮代がボールを収めて左へ展開。宮城がドリブルで仕掛けてミドルシュートを打つも左へ。前半と同様に切り替えの速さを見せていきます。

4分には左サイド、デュークが高い位置からパスを出してエリア前、宮代を経由してエリア内へ大曽根が抜け出しますがシュートはブロック。大宮も五百藏が左へ展開すると、左から奥抜がエリア前へ切れ込むようにドリブルで仕掛けていきますが桝谷がボールはカット。

直後にはフロンターレは前線で大曽根がプレッシャーをかけたところからマイボールにすると、最後はエリア外から宮代がミドルシュートで狙いますがこれは枠はとらえられず。6分には大宮、右サイドへ展開すると大室がエリア前へドリブルで仕掛けていきますが、フロンターレは池谷とデュークが囲い込むように対応。起点をつくらせず。

しかし、7分、エリア前でこぼれたボールを拾ったところから大宮の奥抜がエリア前へ。右足を振り抜くとゴールネットを揺らして0-1。先制点は大宮へ。

直後にはフロンターレ、大曽根から右へパスが出ると上野がこれに抜け出すもシュートにはつなげることはできず。フロンターレは、桝谷や池谷が横パスではなく、縦にしっかりパスをつけ、前半はやや下がり目の位置にいることの多かった小川真輝も高い位置取りで打開を図っていきます。

大宮もマイボールにすると、ボールをゆったりと回しつつも最終ラインから裏を狙ったボールを入れてさらに追加点を狙っていきます。12分には坪谷のフィードに右サイド、大室が抜け出そうとするもデュークがこれに対応。

フロンターレは上野に代えて37有田恵人が右サイドに。大宮のボールを中盤では池谷や桝谷がたびたびカット。大宮はさらに左サイドの奥抜を起点としようとしていきますが、小川真輝が読みよくボールをカットするなど、じれることなくしっかりした守備を見せていきます。18分には左からデュークが仕掛けて大曽根を経由して右へ展開。エリア外右、小川真輝にボールが渡り、小川は右からクロスを入れるもこれはGK宮崎がキャッチ。さらに切り替えよくフロンターレはマイボールにすると、右サイドの小川のサイドチェンジに、エリア左、宮城が抜け出しますがここは大宮のGK宮崎の前にシュートは打てず。17分には池谷がボールを奪い取り、大曽根からのパスに右へ有田が抜け出して折り返すと、エリア前で宮城がシュートに持ち込むも、大宮の選手はブロック。

リードはされながらも落ち着いて試合を進めていっているようにみえたフロンターレの選手たち。20分、大曽根から右サイドの宮代へボールが渡り、宮代からゴール前へパスが出ると、宮城がこれに抜け出します。大宮の選手たちはそれをブロックしようと足を出していきますが、それをかわした宮城が右足を振り抜くとゴールネットが揺れます。1-1。同点に。ピッチ脇の選手たちの元へ走っていく宮城と笑顔でたたえるアップをしていた選手たち。

直後には大宮、左からのコーナーキックでフロンターレのゴールへ迫りますが、こぼれ球は高吉がクリア。クリアボールは強い風にのって大宮のエリア前へ。それを追っていったのは宮代。大宮の選手たちはそれに対応しようとするもボールを収めてうまく前を向いてシュートを放つとボールはゴールネットをまたも揺らします。2-1。ひたむきに戦い続けてきたチームを体現するような形で、フロンターレは逆転します。

同点を狙ってサイドを起点に攻勢に出ていく大宮。奥抜が左サイドから仕掛けていきますが、池谷がボールを奪って前に。有田がパス交換からエリア前へ迫るなど、ただボールをクリアするのではなく、さらにゴールを狙ったプレーが続いていきます。

28分には高吉のフィードに宮代が抜け出しますが、ボールはGK宮崎のもとに。32分には大宮の右からのコーナーキック、篁が入れたボールを早坂がしっかりキャッチして前線へボールを送ると、宮代がそれをおさめて左へ展開。宮城が仕掛けていきますがシュートは打てず。大宮も植松が左サイドへ抜け出して仕掛けていくも小川真輝がボールを奪い取る好守。さらに安島がエリア前へ鋭い縦パスを入れますが、桝谷がカット。35分には左サイドからクロスを入れてきますがまたも桝谷がカット。

大宮は38分には坪谷に代えて、23横江祐樹がピッチに。CBは小林と森、左SBに植松を下げ、左MFに横江、奥抜がよりゴールに近い位置でプレーできるような形にして打開を図っていきますが、フロンターレはボールをカットしたところからさらに切り替えよく攻撃へ。有田が右サイドでボールをカットして大曽根へパスを入れると右サイドからドリブルで大曽根が仕掛けて前に。シュートには持ち込めませんでしたが、コーナーキックを得ると、右から桝谷が左足で入れたボール、宮代が頭で合わせ、またもゴールネットが揺れます。3-1。ピッチ脇の選手たちのもとへ、駆けだしていくフロンターレの選手たち。チーム全員で喜びを分かち合います。

大宮も43分には吉永の左クロスのこぼれ球をエリア左で五百藏が拾ってシュートを打つもシュートはフロンターレがブロック。さらに奥抜から右サイドへ展開すると大室が仕掛けていきますがデュークがしっかり対応してシュートにはつなげさせず。45分には大宮は吉永に代えて9氏川匡がピッチへ。

ロスタイムは4分。大宮はサイドに起点をつくって攻勢に。フロンターレはデュークや小川真輝がそれに対応。47分には大宮は右からクロスを上げると、横江がこぼれ球を拾ってシュートを打つもフロンターレは小川真輝がブロック。ここで足をつった小川に代わり27森璃太が右SBに。

さらなる大宮の攻撃もしっかりしのいだフロンターレ。試合は3-1でタイムアップ。フロンターレは、日本クラブユース選手権の出場権を4年連続で手にすることになりました。

前半0-0 後半3-1 計3-1
得点:宮城天、宮代大聖2(川崎) 奥抜侃志(大宮)

フロンターレの先発:1早坂勇希(c)、5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、11デューク・カルロス、15池谷祐輔、7桝谷岳良、20上野綜太、24宮城天、13大曽根広汰、18宮代大聖
交代:上野→37有田恵人 小川→27森璃太
控え:16安福祐一 4伊従啓太郎 23島崎元 30山内日向汰 36黒川海翔

大宮の先発:1宮崎浩太朗(c)、6篁樹生、17坪谷直樹、24森侑里、16小林朋史、4安島樹、14五百藏悠、8植松亮、2大室慶将、10奥抜侃志、15吉永昇偉
交代:坪谷→23横江祐樹 吉永→9氏川匡

攻守に一体となって戦い抜き、守備から勝ち越しゴールへもつなげたことは、ただ出場権を得たということだけではなく、これからフロンターレU-18がさらにいいチームになっていくことにつながっていくようにも思えます。

日本クラブユース選手権関東予選はさらに続き、フロンターレは6月3日午前11時、新日鐵住金グラウンドで行われる横浜F・マリノスユースとの準々決勝に臨みます。

(文中敬称略)

試合を前にした選手たち

円陣を組む選手とスタッフ
控えの選手たちが先発メンバーを送り出す

ゲームキャプテンを務めた早坂勇希選手
タッチをかわしていざ試合へ
新井秀明選手
大曽根広汰選手
桝谷岳良選手
競り合う選手たち
フロンターレもゴールへ迫る
宮城天選手
新井秀明選手

早坂勇希選手
高吉正真選手
高吉正真選手
池谷祐輔選手
早坂勇希選手
池谷祐輔選手
出場に備える選手たち
新井秀明選手

池谷祐輔選手
前半は0-0
出場に備える
後半へ
宮城天選手
小川真輝選手
上野綜太選手
上野綜太選手
デューク・カルロス選手が左から仕掛ける
大曽根広汰選手
上野綜太選手
宮代大聖選手
奥抜侃志選手のゴールで先制点は大宮へ
喜ぶ大宮の選手たち
大曽根広汰選手
上野綜太選手
大曽根広汰選手
高吉正真選手
デューク・カルロス選手
有田恵人選手
大曽根広汰選手
宮城天選手
シュートに持ち込む

同点ゴールに

全員で喜んだ

勝ち越しゴールを決めたのは宮代大聖選手

アップをしていた選手たちと喜びを分かち合う

宮代大聖選手
大宮の攻勢を早坂選手らがしのいでいく

宮代大聖選手がコーナーキックから決めて3-1

アシストの桝谷岳良選手のもとへ
最後まで大宮の攻勢に体を張った
小川真輝選手は最後は足をつり交代に
3-1でタイムアップ

タッチをかわす選手たち

試合を見守った家族やサポーターのもとへ
デューク・カルロス選手の音頭でトップチームと同じように喜びを分かち合う

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