「自分の特長をもっと伸ばして大学でナンバーワンぐらいの武器をつくれるように」 / FW髙橋宗杜


9月16日、法政大城山サッカー場で行われた関東大学サッカーリーグ新人戦、法政大 vs 関東学院大。

法政大は、川崎フロンターレU-18出身のFW髙橋宗杜が終盤に出場。

法政大は退場者1人を出しており、数的不利、2-3とリードを許す状況の中でしたが、前線で厳しくプレス。

ボールを奪い、高い位置で起点に。体をよく張り、ファールを受けてフリーキックを得るなど、短い時間の中でも、存在感のあるプレーを見せました。

 

関東大学サッカーリーグ新人戦で途中出場した髙橋宗杜選手

 

大学2年目を迎える今季は、春先の愛知県への遠征では、トップチームでもプレー。

得点も決めるなど、3月に話を聞いた際には手ごたえを感じている様子だった髙橋宗杜。

 

「関東リーグで2桁得点目指して頑張っていきたいと思います」 / FW髙橋宗杜

 

しかし、シーズンが本格化してからは、法政大のSNSなどでの試合を伝える投稿などからその名前が消え、夏に入ってようやく、再びその動向が伝えられるようになりました。

 

 

試合後に髙橋宗杜に大学2年目のこれまでとこれからについて、話を聞きました。

 

髙橋宗杜選手


〇お疲れさまでした。まずは試合を振り返ってみて、短かったですけど。でも与えられたタスクはこなしていたのかなという印象があるんですけど。

まあ、そうですね。

3日前試合で (インディペンデンスリーグ1部Aブロック。国士舘大U-22C戦、法政大U-22の選手として先発)。80分ぐらい出て。今日は「あんまり出ないよ」と言われていて。

今日は勝っても上には進めない試合だったんですけど。

やっぱり「勝つことに意味がある」と思っていて。

最後負けていた状況で、まずは守備から。走るっていうことを意識して。やるべきことはやれたのかなと思います。


〇自分の特長はみせることができた?

そうですね。はい。変わらず。


〇今年は誕生日(4月13日)に脱臼をしたと聞いたのですが。

ずっとユースの頃から肩に(脱臼癖を)持っていたんですけど。

それが限界が来ちゃって。

「手術しなきゃいけない」ってなって。誕生日の日に手術をして。

たまたまなんですけど。

それから4カ月ぐらいリハビリの期間があったみたいな感じですね。


〇じゃあ脱臼をした、というのではなくてこれ以上やると続けられないから?

そうですね。今年入ってから2回ぐらい外れかけて。

それで名古屋遠征。来ましたよね?


〇行きました。

名古屋の前にも肩が外れかけて。

名古屋に行って2週間ぐらいでまた、肩が外れかけちゃって。

それで手術、みたいになったですね。


〇気持ちとしてはどうでした?

「今年は絶対関東リーグ出るぞ」という気持ちでやっていた中で、めちゃくちゃ悔しかったですね。

やっぱり出れそうっていう感じだったので。

自分の中で感じていて。

「もったいないことをしたな」って感じて。思っていました。今でも。


〇出られない期間はどういったことをやってきました?

けがする前よりもパワーアップすることを目標にして。

「絶対肩をやらないぞ」っていう覚悟で、リハビリ、肩回りを取り組んできましたし。

下半身もずっと筋トレとか続けて。行ったりしていました。


〇復帰したのはいつぐらいだったんですか?

1カ月前ぐらいですね。


〇プレーしてみて、どうですか?

まだまだ。まだまだダメですね。こんな4カ月も休んだことはないので。

全然戻っている感じがしないですね。


〇インディペンデンスリーグでの自分のプレーはどうでしたか?

あんまり良くないですね。正直。体をぶつけるのが怖い感覚がちょっとあって。

手術したんですけど、コンタクトの部分で怖さがあるので。

そこを埋めないと、自分の良さはそういうところだと思うので。

ボール収まらないとだめですね。


〇今シーズン、これからの目標はどうですか?

とりあえず今年もIリーグ(インディペンデンスリーグ)になっちゃたんですけど。

今いるところでとりあえずコンデンィションを戻しながら。

最速でいいプレーができるように頑張って。

関東リーグに出られれば出たいですね。


〇結果を残せば周りも見てくれるだろうし。

そうですね。


〇今フロンターレにゆかりのある選手がけっこうプロに決まりましたけど。思うところは?

ユースから直接プロに上がれなくても、ちょうど1年と3年でかぶっていた代で。

みんな大学に行った人がプロに行って。

「自分もああなりたい」って思いますね。

1個上の季晋君(五木田季晋、日本大、2027年水戸ホーリーホック加入内定)も決まったので。

何か不思議な気持ちですね。


〇個人的にはプロになりたいという目標があると思うんですけど、それに向けてこれからどうしていきますか?

まずはけがをしないでピッチに立ち続けることで、結果を出し続けられると思うので。

まずけがをしないっていうところと。

自分の特長っていうところをもっと伸ばしてチームで一番じゃなくて、大学でナンバーワンぐらいの、何か一個武器をつくれるようになったらいいんじゃないか、というふうに思います。


〇それこそさっきの守備の部分も武器になるんじゃないかと思うんですけど。それでもフォワードだから点を取らないと?

そうですね。でも、すべて攻撃は守備から始まっていると思うので。

長橋さんも良く言っていましたけど。「守備から攻撃」っていうところは身に染みているのかなっていうふうに思いますね。


〇けがしていた期間はフロンターレの仲間からは何かありました?

みんな「大丈夫?」って。トラ(岡崎寅太郎、桐蔭横浜大)も、ユースの頃、肩を手術したと思うんですけど。

それで連絡をくれたりとか。

今日大にいる心魂(浅倉心魂)。心魂も肩を手術したらしくて。それで話してくれたりとか。

いろいろありました。


〇最近のフロンターレの試合は見ていますか?

はい。見ています。


〇どう感じています?

エリソンが半端ないと思いますね。誰も止められないですよね。


〇究極に突き詰めていけばああいうところなんじゃないですか、目指すところは?

そうですね。やっぱり山田新選手とか今でいうとエリソン選手とかは理想の選手なのかなって。

誰も手を付けられない。フィジカルとかスピードでみたいな選手になりたいですね。


〇フロンターレのサポーターにメッセージをお願いします。

今年は関東リーグでプレーするところを見せたかったんですけど。

けがとかで。できなかったので。とりあえず今の場所で全力で頑張っている姿を、応援してもらえたらいいと
思います。お願いします。

 

 

手ごたえを感じていただけに、「もったいないことをした」。手術をし、ピッチから離れる日々を送ったシーズンのこれまでについて、悔しさのにじみ出る様子でそう振り返った髙橋宗杜。

その一方で、かつての仲間たちから励まされながら、よりパワーアップした自分になるためにリハビリに取り組んできたことを語ってくれました。

まだまだ、コンタクトプレーなどで怖さが残り、自分のプレーにも納得がいっていない様子。

それでも、この日短い間でもピッチの上で見せたそのプレーからは、武器としているものはさび付いていない。

そう感じさせられるものがありました。


「あのとき手術をしたからこそ」。そう思える日が必ず来ると思います。

 

 

(文中敬称略)

 

 

 

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